ゲスト
(ka0000)
帰省と一人立ち
マスター:DoLLer

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 3~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 多め
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2018/08/24 19:00
- リプレイ完成予定
- 2018/09/07 19:00
オープニング
※このシナリオは原則として戦闘が発生しない日常的なシナリオとして設定されています。
「こんな忙しい時季に、迷惑かけて帰ってくるなんてお前だけだぞ」
自分のベッドで目を覚ましたミネアにかけられた最初の言葉がそれだった。
「……別に熱中症になりたくてなったわけじゃないもん」
冷や水をかぶせてくるような父親の言葉に、ミネアは憮然とした顔で答えた。
実家に帰ってきたのはもう5年振りくらいだろうか。それだけご無沙汰してしまったのは正直申し訳ないとは思っている。それに加えて帰ってきた理由が、リゼリオで熱中症で倒れてミネアの実家が近くだから、ここまで運ばれてきたという始末で、父親が冷たい言葉を浴びせかけるのは仕方のないことなのかもしれない。
「面倒は見てられんから、さっさと治して帰れ」
父親はそれだけ言うと、家から出て行ってしまった。
その後は、静かな寂しい家だった。
ミネアは8人兄弟だったから、出稼ぎにとリゼリオの料理屋に住み込みは働きに出される前までは、やかましくて、足の踏み場もなくて、なのに食べるものも着るものもない貧乏な家だった。
だけど今はどうだろう。兄弟は全員、働きに出たり家庭を持ったりしたのだろう。寂しさだけが残っていた。
仕送りは毎月していた。野菜など川で冷やしていた苦労を思って魔導冷蔵庫も買って送ったけれど、それも封は解かれてはいたものの、一度も使われた形跡がないのはベッドの上からでも容易に判別がついたし、仕送りもどこに使われたのか、生活が楽になっている様子も欠片もない。
「……お父さんのバカ」
寂れた家が、自分にかけられた言葉が、痛くて、辛くて。ミネアはぼそりと悪口を呟いた後、ベッドに顔を突っ伏した。
小さい頃の父親は、厳しくて怖くて、それでも時折すごく優しくて快活で、嫌いになったことはなかった。
一般人なら反抗期という時期があるらしいが、そもそも出稼ぎに出された当初はミネアは10才で、そんなことを思うこともなかったし、ホームシックで泣いたことも数知れない。夏休みで帰省できた時は本当に嬉しかった。
我慢を重ねて重ねた年月の結果が、こんな家だなんて。
ミネアはしばらくベッドで丸くなったまま、黙りこくっていた。
●
「あの、すまん……依頼ってどうするんだ」
ハンターオフィスに現れた男はオフィスに慣れていないどころか、街にすらあまり慣れていないようだった。
「はい、ここでご用件を承ります」
表面は取り繕っているものの、どうにも落ち着かない男の仕草を見て、武骨な人間だが根は悪くないのだろうと窺うことができ、職員はなんだか放っておけなくなって、椅子を引いて案内した。
「あの……うちに娘が帰って来てるんだ。熱中症で倒れたとかで」
「あら、大丈夫ですか?」
「俺の娘だから頑丈だよ。それに食品会社の社長にまでなるタマだし、そこは心配してない」
職員が首をかしげると、男は手をあれやこれやと動かしながら、しどろもどろに話し始めた。
「でもあれだ。俺の家は貧乏だ。俺も山を預かってるし、家内も薬草の栽培や卸しが忙しいからほとんど手をかけてやれねぇんだ。だから元気になるまで面倒見てやってほしい」
ああ、やっぱり介護なのね。と職員がメモを取ると。
「仕事に復帰した後は、もう家に帰らないように思わせてほしい」
その言葉でまた職員は首を傾げた。
「あの子、ミネアは、トンビから生まれた鷹みたいなもんだ。俺や家内が足を引っ張るわけにもいかん。決別できるようにふるまったから、そのまま自分の選んだ世界が一番いい、故郷なんて振り返る必要もないようにしてやってくれ」
「こんな忙しい時季に、迷惑かけて帰ってくるなんてお前だけだぞ」
自分のベッドで目を覚ましたミネアにかけられた最初の言葉がそれだった。
「……別に熱中症になりたくてなったわけじゃないもん」
冷や水をかぶせてくるような父親の言葉に、ミネアは憮然とした顔で答えた。
実家に帰ってきたのはもう5年振りくらいだろうか。それだけご無沙汰してしまったのは正直申し訳ないとは思っている。それに加えて帰ってきた理由が、リゼリオで熱中症で倒れてミネアの実家が近くだから、ここまで運ばれてきたという始末で、父親が冷たい言葉を浴びせかけるのは仕方のないことなのかもしれない。
「面倒は見てられんから、さっさと治して帰れ」
父親はそれだけ言うと、家から出て行ってしまった。
その後は、静かな寂しい家だった。
ミネアは8人兄弟だったから、出稼ぎにとリゼリオの料理屋に住み込みは働きに出される前までは、やかましくて、足の踏み場もなくて、なのに食べるものも着るものもない貧乏な家だった。
だけど今はどうだろう。兄弟は全員、働きに出たり家庭を持ったりしたのだろう。寂しさだけが残っていた。
仕送りは毎月していた。野菜など川で冷やしていた苦労を思って魔導冷蔵庫も買って送ったけれど、それも封は解かれてはいたものの、一度も使われた形跡がないのはベッドの上からでも容易に判別がついたし、仕送りもどこに使われたのか、生活が楽になっている様子も欠片もない。
「……お父さんのバカ」
寂れた家が、自分にかけられた言葉が、痛くて、辛くて。ミネアはぼそりと悪口を呟いた後、ベッドに顔を突っ伏した。
小さい頃の父親は、厳しくて怖くて、それでも時折すごく優しくて快活で、嫌いになったことはなかった。
一般人なら反抗期という時期があるらしいが、そもそも出稼ぎに出された当初はミネアは10才で、そんなことを思うこともなかったし、ホームシックで泣いたことも数知れない。夏休みで帰省できた時は本当に嬉しかった。
我慢を重ねて重ねた年月の結果が、こんな家だなんて。
ミネアはしばらくベッドで丸くなったまま、黙りこくっていた。
●
「あの、すまん……依頼ってどうするんだ」
ハンターオフィスに現れた男はオフィスに慣れていないどころか、街にすらあまり慣れていないようだった。
「はい、ここでご用件を承ります」
表面は取り繕っているものの、どうにも落ち着かない男の仕草を見て、武骨な人間だが根は悪くないのだろうと窺うことができ、職員はなんだか放っておけなくなって、椅子を引いて案内した。
「あの……うちに娘が帰って来てるんだ。熱中症で倒れたとかで」
「あら、大丈夫ですか?」
「俺の娘だから頑丈だよ。それに食品会社の社長にまでなるタマだし、そこは心配してない」
職員が首をかしげると、男は手をあれやこれやと動かしながら、しどろもどろに話し始めた。
「でもあれだ。俺の家は貧乏だ。俺も山を預かってるし、家内も薬草の栽培や卸しが忙しいからほとんど手をかけてやれねぇんだ。だから元気になるまで面倒見てやってほしい」
ああ、やっぱり介護なのね。と職員がメモを取ると。
「仕事に復帰した後は、もう家に帰らないように思わせてほしい」
その言葉でまた職員は首を傾げた。
「あの子、ミネアは、トンビから生まれた鷹みたいなもんだ。俺や家内が足を引っ張るわけにもいかん。決別できるようにふるまったから、そのまま自分の選んだ世界が一番いい、故郷なんて振り返る必要もないようにしてやってくれ」
解説
●目的
熱中症になったミネアの介抱
ミネアの家族への想いを断ち切る
●ミネアについて
食品商をしており、リゼリオに寄った際に熱中症になりました。
初日は安静にしていますが、回復は早く、すぐ普通に生活できるレベルになります。
●家について
リゼリオから少し離れた山中にある家です。
古民家といった風合いです。
父親は山林業、母親はその手伝いと薬草や果物の売買などをしているので、
関連の道具が山ほどあります。
●ミネアの家族
父親はガルボ。母親はマリー。お母さんのマリーさんは今回出てきませんでしたが普通に健在です。
日中は働いています。必要なものがあれば可能な範囲で対応してくれます。
熱中症になったミネアの介抱
ミネアの家族への想いを断ち切る
●ミネアについて
食品商をしており、リゼリオに寄った際に熱中症になりました。
初日は安静にしていますが、回復は早く、すぐ普通に生活できるレベルになります。
●家について
リゼリオから少し離れた山中にある家です。
古民家といった風合いです。
父親は山林業、母親はその手伝いと薬草や果物の売買などをしているので、
関連の道具が山ほどあります。
●ミネアの家族
父親はガルボ。母親はマリー。お母さんのマリーさんは今回出てきませんでしたが普通に健在です。
日中は働いています。必要なものがあれば可能な範囲で対応してくれます。
マスターより
親っていうのはどうにも表現が下手になりやすいようです。
子供がどう思っているのかはまた別なのではありますが、近しく思うと距離感を掴めなくなることも多いようで。
表向きの目的は「介抱」「親子関係の問題解決」ですが、裏目的は「帰省して田舎でのんびり」または「友達の家でお泊まり会」です。
子供がどう思っているのかはまた別なのではありますが、近しく思うと距離感を掴めなくなることも多いようで。
表向きの目的は「介抱」「親子関係の問題解決」ですが、裏目的は「帰省して田舎でのんびり」または「友達の家でお泊まり会」です。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2018/08/29 10:10
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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ミネアの看護もしくは… シャーリーン・クリオール(ka0184) 人間(リアルブルー)|22才|女性|猟撃士(イェーガー) |
最終発言 2018/08/24 18:35:03 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/08/20 00:54:45 |