ゲスト
(ka0000)
この種が木になる日には
マスター:狐野径

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 3~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2018/09/25 15:00
- リプレイ完成予定
- 2018/10/04 15:00
オープニング
●イスルダ島にて
リシャール・べリンガーは大江 紅葉(kz0163)から預けられた巾着を手に、イスルダ島に到着した。船が完全に止まるのを待つ。
「ウィリアム様に会うのはあの時以来で、緊張します」
べリアル(kz0203)との戦いがひと段落着いたときに催されたイベントの時であり、プエル(kz0127)にウィリアム・クリシスが攻撃を受けたときだった。
覚醒者でもあるのに何もできなかった自分を恥じ、エトファリカ連邦国に行き修行を試みた。ハンターたちの助けも得て、徐々に自信や目指す方向を見出しつつあった。
ウィリアムはリシャールの父の友人であり、プエルはウィリアムの長子ニコラスである。歪虚となった経緯もそれとなく父親やニコラスの妹イノアからリシャールは聞いていた。
「……身軽になったウィリアム様がここに来ていたんですよね」
結局、貴族同士のパワーバランスやら、王国のためになることとは何かとか考えた結果、イスルダ島の調査に入りたいという民間人の助太刀に入ったということだった。出資だけでなく来たのは、情報を得る為でもあるらしいが、本心は不明だ。
「私はウィリアム様の代わりにはなれないですが、覚醒者であるため、汚染地域でも行けるのは強みです」
元領主であるウィリアムも権力はないが、実績はある。リシャールはただの領主の跡取り息子で各種実績はない。
大きく船が揺れ、止まった。
出迎えているウィリアムとリシャールに年の近い二人の青少年を見つける。
リシャールは船から下りると挨拶をする。
「リシャール君、大きくなったな」
「あ、ありがとうございます。最近、身長が伸びたんです!」
「いや、それだけではないよ?」
リシャールは嬉しくなる。
「初めまして、シールです。本名、忘れてしまいました」
「……え? ちょ、待て、シー坊……嘘だろう。俺はライル・サヴィスです……いや、シーラル・ディーラだっただろう!」
「……そ、そうだったっけ」
リシャールは目の前で繰り広げられていることが事実か、気を紛らわせるためのパフォーマンスなのか計りかねた。
リシャールがウィリアムを見ると純粋に驚いている。つまりこれは事実ということだろうか。
「本当に忘れていたということですか?」
「はい。だって……島出るときのこと忘れていたし、できれば、なんというか」
そのあと、忘れたいためにライルに八つ当たりをしていた。その間、ライルはできるだけ道化を演じていたということもある。
「そうですか」
「あ、いや……そんなに深刻な顔しないでくださいよ! 僕はもう大丈夫だし、そうじゃないと、ここにいられないですよ」
リシャールの顔を見てシールが慌てる。
「それより、これをお二人に。紅葉さんが渡すようにと、育てやすい木の種だそうです」
巾着を渡した。
「え? 種の名前は?」
リシャールは首を横に振った。
シールが中を見るといくつかの種類があると知った。
「つまり、どれかが育つし、育たないかもしれない……育てばわかる」
ライルが苦笑する。
「でも、なんでリシャール様に?」
「あ、様なんていらないですよ」
いわれても二人は顔を見合わせ、ウィリアムを見て、リシャールを見て悩んだ。
「えと……リシャールさんになんで持たせたんですか?」
リシャールは経緯を話すことにした。
●経緯
リシャールが来た経緯は、ハンターとしての腕を磨くとかトップに立つための行動を学ぶという意味合いだった。結局、家の近辺にいてもやれることは決まっているし、かといってハンター業を勧めるのも父親としては悩んだらしい。その結果、ある程度行動が決まっているここに置くことになったというのだ。
種が来た経緯は紅葉の思い付きらしいが、王国に運んでもらうものがあったからだった。国外に行ってみたかった紅葉の師匠が届けに来たのだが、運がいいのか悪いのかわからない物品だった。
「え? あの人が拾っていた石に、特殊なものがあったって?」
シールもライルも紅葉がうろうろして地面を掘って、カバンに石を詰めていたのは見ている。
「そういえば、神殿跡地でも掘っていたから……何かあってもおかしくはないよね」
結果、王国にその石は返却するついでに、シンボルツリーにどうぞと種を持ってきたというのだ。
「シンボルツリーか……とはいってもランダム」
「でも、あの場所にだってすぐに戻れるわけではないし、拠点というか目印があってもいいよな」
「そうだよね」
シールとライルはうなずいている。
「そうだね、私も見てみたよ、帰る前に」
にこやかにウィリアムが告げる。リシャールと入れ替わりにウィリアムが帰ることになっている。リシャールは今の言葉に不穏な意味を感じた。
「駄目ですよ、ウィリアム様は何があるかわからないから植えに行くの連れて行きませんよ!」
「リシャールさん、そんな顔しないでください! ウィリアム様、フットワーク軽いのはいいのです。すごくいい人だと僕は思いますだけど……だけど……汚染地域の近くまで行こうとするのは本当、やめてほしいんです」
この瞬間、リシャールはこの二人の苦労を知った。話を聞くと、二人が行く場所は汚染からは脱却してはいるというが、何が有るかわからない。
ウィリアムが来た時、紅葉が護衛として来ていたのは、浄化状態がわからないため、安全を考えイノアが依頼したという。結果的に彼女は石を拾っているだけで護衛らしいことはしていないのだが。
「……駄目です、今は駄目です。木が立派に育った頃ならいいと思いますが」
リシャールが念を押したところで、シールとライルが味方を得たとばかりにリシャールを頼もし気に見た。
「しかし、そこは汚染地域ではないんだよ?」
ウィリアムがおずおずと言った事実に、三人は反論できなかった。
リシャール・べリンガーは大江 紅葉(kz0163)から預けられた巾着を手に、イスルダ島に到着した。船が完全に止まるのを待つ。
「ウィリアム様に会うのはあの時以来で、緊張します」
べリアル(kz0203)との戦いがひと段落着いたときに催されたイベントの時であり、プエル(kz0127)にウィリアム・クリシスが攻撃を受けたときだった。
覚醒者でもあるのに何もできなかった自分を恥じ、エトファリカ連邦国に行き修行を試みた。ハンターたちの助けも得て、徐々に自信や目指す方向を見出しつつあった。
ウィリアムはリシャールの父の友人であり、プエルはウィリアムの長子ニコラスである。歪虚となった経緯もそれとなく父親やニコラスの妹イノアからリシャールは聞いていた。
「……身軽になったウィリアム様がここに来ていたんですよね」
結局、貴族同士のパワーバランスやら、王国のためになることとは何かとか考えた結果、イスルダ島の調査に入りたいという民間人の助太刀に入ったということだった。出資だけでなく来たのは、情報を得る為でもあるらしいが、本心は不明だ。
「私はウィリアム様の代わりにはなれないですが、覚醒者であるため、汚染地域でも行けるのは強みです」
元領主であるウィリアムも権力はないが、実績はある。リシャールはただの領主の跡取り息子で各種実績はない。
大きく船が揺れ、止まった。
出迎えているウィリアムとリシャールに年の近い二人の青少年を見つける。
リシャールは船から下りると挨拶をする。
「リシャール君、大きくなったな」
「あ、ありがとうございます。最近、身長が伸びたんです!」
「いや、それだけではないよ?」
リシャールは嬉しくなる。
「初めまして、シールです。本名、忘れてしまいました」
「……え? ちょ、待て、シー坊……嘘だろう。俺はライル・サヴィスです……いや、シーラル・ディーラだっただろう!」
「……そ、そうだったっけ」
リシャールは目の前で繰り広げられていることが事実か、気を紛らわせるためのパフォーマンスなのか計りかねた。
リシャールがウィリアムを見ると純粋に驚いている。つまりこれは事実ということだろうか。
「本当に忘れていたということですか?」
「はい。だって……島出るときのこと忘れていたし、できれば、なんというか」
そのあと、忘れたいためにライルに八つ当たりをしていた。その間、ライルはできるだけ道化を演じていたということもある。
「そうですか」
「あ、いや……そんなに深刻な顔しないでくださいよ! 僕はもう大丈夫だし、そうじゃないと、ここにいられないですよ」
リシャールの顔を見てシールが慌てる。
「それより、これをお二人に。紅葉さんが渡すようにと、育てやすい木の種だそうです」
巾着を渡した。
「え? 種の名前は?」
リシャールは首を横に振った。
シールが中を見るといくつかの種類があると知った。
「つまり、どれかが育つし、育たないかもしれない……育てばわかる」
ライルが苦笑する。
「でも、なんでリシャール様に?」
「あ、様なんていらないですよ」
いわれても二人は顔を見合わせ、ウィリアムを見て、リシャールを見て悩んだ。
「えと……リシャールさんになんで持たせたんですか?」
リシャールは経緯を話すことにした。
●経緯
リシャールが来た経緯は、ハンターとしての腕を磨くとかトップに立つための行動を学ぶという意味合いだった。結局、家の近辺にいてもやれることは決まっているし、かといってハンター業を勧めるのも父親としては悩んだらしい。その結果、ある程度行動が決まっているここに置くことになったというのだ。
種が来た経緯は紅葉の思い付きらしいが、王国に運んでもらうものがあったからだった。国外に行ってみたかった紅葉の師匠が届けに来たのだが、運がいいのか悪いのかわからない物品だった。
「え? あの人が拾っていた石に、特殊なものがあったって?」
シールもライルも紅葉がうろうろして地面を掘って、カバンに石を詰めていたのは見ている。
「そういえば、神殿跡地でも掘っていたから……何かあってもおかしくはないよね」
結果、王国にその石は返却するついでに、シンボルツリーにどうぞと種を持ってきたというのだ。
「シンボルツリーか……とはいってもランダム」
「でも、あの場所にだってすぐに戻れるわけではないし、拠点というか目印があってもいいよな」
「そうだよね」
シールとライルはうなずいている。
「そうだね、私も見てみたよ、帰る前に」
にこやかにウィリアムが告げる。リシャールと入れ替わりにウィリアムが帰ることになっている。リシャールは今の言葉に不穏な意味を感じた。
「駄目ですよ、ウィリアム様は何があるかわからないから植えに行くの連れて行きませんよ!」
「リシャールさん、そんな顔しないでください! ウィリアム様、フットワーク軽いのはいいのです。すごくいい人だと僕は思いますだけど……だけど……汚染地域の近くまで行こうとするのは本当、やめてほしいんです」
この瞬間、リシャールはこの二人の苦労を知った。話を聞くと、二人が行く場所は汚染からは脱却してはいるというが、何が有るかわからない。
ウィリアムが来た時、紅葉が護衛として来ていたのは、浄化状態がわからないため、安全を考えイノアが依頼したという。結果的に彼女は石を拾っているだけで護衛らしいことはしていないのだが。
「……駄目です、今は駄目です。木が立派に育った頃ならいいと思いますが」
リシャールが念を押したところで、シールとライルが味方を得たとばかりにリシャールを頼もし気に見た。
「しかし、そこは汚染地域ではないんだよ?」
ウィリアムがおずおずと言った事実に、三人は反論できなかった。
解説
種を埋めに行く
ウィリアムを連れて行くか否か
●道中と現地
港から神殿跡地に向かう道を途中で逸れて森の中に入る。朝、徒歩で出発して、現地に二、三時間いても日が暮れるまでには十分帰ってこられる。
途中や現地において、雑魔に遭遇することはありうる。雑魔は獣系または鳥系。
現地は森の最奥の村跡。建物自体は残っているが、家具などはない。
●同行NPC
・シール 駆け出し聖導士、17歳くらい男。馬に乗れません。【ヒール】【シャイン】【キュア】をセットしています。
・ライル・サヴィス そこそこ闘狩人、23歳くらい男、馬には乗れます。【守りの構え】【刺突一閃】【二刀流】をセットしています。
●他NPC
・ウィリアム・クリシス 貴族、一般人、男、年齢四十近く。息子ニコラス(プエル)のことが落ち着いたため、フットワーク軽く動き回っている。一応、戦う技能は持っているし、馬に乗れる。
・リシャール・べリンガー 貴族、16歳くらい、男、舞刀士。まじめ。できればウィリアムには港にいてほしい。
ウィリアムを連れて行くか否か
●道中と現地
港から神殿跡地に向かう道を途中で逸れて森の中に入る。朝、徒歩で出発して、現地に二、三時間いても日が暮れるまでには十分帰ってこられる。
途中や現地において、雑魔に遭遇することはありうる。雑魔は獣系または鳥系。
現地は森の最奥の村跡。建物自体は残っているが、家具などはない。
●同行NPC
・シール 駆け出し聖導士、17歳くらい男。馬に乗れません。【ヒール】【シャイン】【キュア】をセットしています。
・ライル・サヴィス そこそこ闘狩人、23歳くらい男、馬には乗れます。【守りの構え】【刺突一閃】【二刀流】をセットしています。
●他NPC
・ウィリアム・クリシス 貴族、一般人、男、年齢四十近く。息子ニコラス(プエル)のことが落ち着いたため、フットワーク軽く動き回っている。一応、戦う技能は持っているし、馬に乗れる。
・リシャール・べリンガー 貴族、16歳くらい、男、舞刀士。まじめ。できればウィリアムには港にいてほしい。
マスターより
こんにちは、狐野径です。
イスルダ島に残っている人たちの話です。シンボルツリーが育つのは何年後かわかりませんが、シールとライルの心のよりどころになる物だといいと思います。一応、それを考えて紅葉は送っているのですが、当人がいないため、意味が分からないことになっていますね。
紅葉は石を拾いまくっていたので、その中に違うものが混じっていたらしいですが、それはシナリオに全く関係ないので忘れていていいです。
よろしくお願いします。
イスルダ島に残っている人たちの話です。シンボルツリーが育つのは何年後かわかりませんが、シールとライルの心のよりどころになる物だといいと思います。一応、それを考えて紅葉は送っているのですが、当人がいないため、意味が分からないことになっていますね。
紅葉は石を拾いまくっていたので、その中に違うものが混じっていたらしいですが、それはシナリオに全く関係ないので忘れていていいです。
よろしくお願いします。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2018/10/03 04:58
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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植樹と領主の同行 トリプルJ(ka6653) 人間(リアルブルー)|26才|男性|霊闘士(ベルセルク) |
最終発言 2018/09/25 10:46:42 |
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![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/09/25 10:35:33 |