ゲスト
(ka0000)
【落葉】ワカメの功績を求めて
マスター:朝臣あむ

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- ショート
関連ユニオン
APV- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在4人 / 3~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2018/10/12 12:00
- リプレイ完成予定
- 2018/10/26 12:00
オープニング
●帝都バルトアンデルス『政府司法課』
長かった一日がようやく終わりを告げる頃、リーゼロッテ・クリューガー(kz0037)は司法官ニカ・アニシンの元を訪れていた。
「何をしにここへ……とは、愚問でしょうか」
そう問いかけるニカは、鋭い眼差しでリーゼロッテを見据えると、やや呆れたように息を吐いた。
彼女は、現在バルトアンデルス地下に捕らえられている罪人、ナサニエル・カロッサ(kz0028)の義姉だ。
その彼女が司法課を訪れるということは、彼のことを聞きたいに違いない。
直接的なものであれば罪状の確認。もっと突っ込んでくれば、刑を軽くして欲しい。とかその辺りだろう。
こういった相手は過去何度も相手をしたことがあるニカは、続く言葉を聞くよりも早く辟易としていた。
そもそも人間というのは、自分や自分の家族のことしか考えていない。それは人間が出来ていると噂の錬金術師組合組合長の彼女であっても同じことだったのだろう。
罪は罪であるというのに――。
「残念ながら私にお話出来ることはありません。早急にお引き取り願いましょう。私も暇ではありませんので」
表情をピクリともさせずに放つ言葉には冷たい色が含まれている。
それに気付いたからだろうか。リーゼロッテの目が僅かに落ちた。しかし直ぐに伏せかけた目を上げると、小さく息を吸い込んでニカの目を真っ直ぐに見た。
「ニカ司法官。ナサニエル・カロッサの過去の功績を教えては頂けませんか?」
過去の功績。この言葉にニカの端正な眉が寄った。
「成した功績が犯した罪よりも大きい時、その罪はなかったものとされる……勿論、軽減処置に留まる場合もありますが、貴女はそれを望んでいるのですか?」
帝国には犯罪に対する独特な制度が存在する。
罪状に対し刑期が与えられ、その間帝国のために働くというもの。だが働くよりも前に、与えられた罪以上の功績を成していた犯罪者は、刑期を免除されるのだ。
「いいえ、罪はなかったことにはなりません。あの子は犯した罪を償わなければなりません。でもあの子の錬金術が人の役に立つことも確かなんです。あの子はきっとこれからも、人類の役に立つ錬金術を生み出してくれるはずなんです」
「だから外に出せと? 犯罪者を? 冗談じゃない。奴は大きな爆弾だ。きっと罪状はもっとある筈だ。そんな奴を野放しにするほど司法は甘くはない!」
バンッとデスクを叩いたニカだったが、リーゼロッテは怯まない。
「もしあの子が人類のために錬金術の研究を続けられるのなら、私があの子の見張り役になります! あの子が二度と馬鹿なことをしないように。二度と裏切らないように――」
言葉を切って唇を引き結ぶリーゼロッテの感情はニカにはわからない。
わかるのは、彼女があまりにも必死だということ。そして彼女の言うように、ナサニエルの錬金術が人類にとって有益ということだけだ。
「……正直、私は罪人の功績に興味はありません。ですがハンターならば知っている者もいるのでは?」
「それは……」
リーゼロッテも勿論考えた。
だが依頼を出しに行った際「そういった依頼は大々的に依頼を出すことは出来ない」と断られていたのだ。つまり彼女には今、ハンターに依頼する術がない。
「私も大概ですが、貴女も大概ですね。馬鹿正直に依頼を出すから駄目なのであって、少し頭を捻れば良いのですよ」
ニカはそう言うと、何の迷いもなく依頼文を書き始めた。
これにリーゼロッテの目が瞬かれる。そもそも彼女はナサニエルの罪を軽くするのは反対していたし、察するにリーゼロッテのような人間は嫌いなはずだ。
にも拘らず、彼女は今リーゼロッテのために依頼文を書いてくれている。
「あ、あの……」
「出来ましたよ。これを持って早々に出て行って下さい。明日は重要な裁判が控えているので、これ以上時間は無駄にしたくないんです」
追い出すように依頼文章を握らせ、扉へ促す。
本来であれば一片の優しさが無になりそうな物言いだったが、リーゼロッテは心から感謝するように頭を下げると、零れそうな笑顔を浮かべてお礼の言葉を残していった。
そしてニカが作成してくれた依頼文を見て呟く。
「この名前……何故、知ってらっしゃったんでしょう……」と。
●数時間後
ハンターズソサエティに怪しい依頼が張り出された。
差出人は「ミス・エール」。
数年前に街道の歪虚退治を依頼するなど、時折出没していた依頼人である。
なんでも錬金術に詳しいある人物が関わっているとのことだが……ミス・エールの正体は誰も知らない。
長かった一日がようやく終わりを告げる頃、リーゼロッテ・クリューガー(kz0037)は司法官ニカ・アニシンの元を訪れていた。
「何をしにここへ……とは、愚問でしょうか」
そう問いかけるニカは、鋭い眼差しでリーゼロッテを見据えると、やや呆れたように息を吐いた。
彼女は、現在バルトアンデルス地下に捕らえられている罪人、ナサニエル・カロッサ(kz0028)の義姉だ。
その彼女が司法課を訪れるということは、彼のことを聞きたいに違いない。
直接的なものであれば罪状の確認。もっと突っ込んでくれば、刑を軽くして欲しい。とかその辺りだろう。
こういった相手は過去何度も相手をしたことがあるニカは、続く言葉を聞くよりも早く辟易としていた。
そもそも人間というのは、自分や自分の家族のことしか考えていない。それは人間が出来ていると噂の錬金術師組合組合長の彼女であっても同じことだったのだろう。
罪は罪であるというのに――。
「残念ながら私にお話出来ることはありません。早急にお引き取り願いましょう。私も暇ではありませんので」
表情をピクリともさせずに放つ言葉には冷たい色が含まれている。
それに気付いたからだろうか。リーゼロッテの目が僅かに落ちた。しかし直ぐに伏せかけた目を上げると、小さく息を吸い込んでニカの目を真っ直ぐに見た。
「ニカ司法官。ナサニエル・カロッサの過去の功績を教えては頂けませんか?」
過去の功績。この言葉にニカの端正な眉が寄った。
「成した功績が犯した罪よりも大きい時、その罪はなかったものとされる……勿論、軽減処置に留まる場合もありますが、貴女はそれを望んでいるのですか?」
帝国には犯罪に対する独特な制度が存在する。
罪状に対し刑期が与えられ、その間帝国のために働くというもの。だが働くよりも前に、与えられた罪以上の功績を成していた犯罪者は、刑期を免除されるのだ。
「いいえ、罪はなかったことにはなりません。あの子は犯した罪を償わなければなりません。でもあの子の錬金術が人の役に立つことも確かなんです。あの子はきっとこれからも、人類の役に立つ錬金術を生み出してくれるはずなんです」
「だから外に出せと? 犯罪者を? 冗談じゃない。奴は大きな爆弾だ。きっと罪状はもっとある筈だ。そんな奴を野放しにするほど司法は甘くはない!」
バンッとデスクを叩いたニカだったが、リーゼロッテは怯まない。
「もしあの子が人類のために錬金術の研究を続けられるのなら、私があの子の見張り役になります! あの子が二度と馬鹿なことをしないように。二度と裏切らないように――」
言葉を切って唇を引き結ぶリーゼロッテの感情はニカにはわからない。
わかるのは、彼女があまりにも必死だということ。そして彼女の言うように、ナサニエルの錬金術が人類にとって有益ということだけだ。
「……正直、私は罪人の功績に興味はありません。ですがハンターならば知っている者もいるのでは?」
「それは……」
リーゼロッテも勿論考えた。
だが依頼を出しに行った際「そういった依頼は大々的に依頼を出すことは出来ない」と断られていたのだ。つまり彼女には今、ハンターに依頼する術がない。
「私も大概ですが、貴女も大概ですね。馬鹿正直に依頼を出すから駄目なのであって、少し頭を捻れば良いのですよ」
ニカはそう言うと、何の迷いもなく依頼文を書き始めた。
これにリーゼロッテの目が瞬かれる。そもそも彼女はナサニエルの罪を軽くするのは反対していたし、察するにリーゼロッテのような人間は嫌いなはずだ。
にも拘らず、彼女は今リーゼロッテのために依頼文を書いてくれている。
「あ、あの……」
「出来ましたよ。これを持って早々に出て行って下さい。明日は重要な裁判が控えているので、これ以上時間は無駄にしたくないんです」
追い出すように依頼文章を握らせ、扉へ促す。
本来であれば一片の優しさが無になりそうな物言いだったが、リーゼロッテは心から感謝するように頭を下げると、零れそうな笑顔を浮かべてお礼の言葉を残していった。
そしてニカが作成してくれた依頼文を見て呟く。
「この名前……何故、知ってらっしゃったんでしょう……」と。
●数時間後
ハンターズソサエティに怪しい依頼が張り出された。
差出人は「ミス・エール」。
数年前に街道の歪虚退治を依頼するなど、時折出没していた依頼人である。
なんでも錬金術に詳しいある人物が関わっているとのことだが……ミス・エールの正体は誰も知らない。
解説
●依頼文
求む、錬魔院院長ナサニエル・カロッサの罪を知る者よ!
私は錬金術を尊び学び続ける者、ミス・エールある。
彼の者の過去の行いを知る者よ、善も悪も全てを白日の下に晒し、全ての罪を償わせようではないか!
同志よ集え、我が錬金術の光の下に!!
●概要
みなさんはハンターズソサエティで「依頼文」を読み、ナサニエルのことを語るべく集まりました。
日頃の恨みを語るも良し、彼の功績を語るも良し、ただの愚痴をこぼすも良し。
ハンターズソサエティにある報告書だけでは掴み切れない彼の話をミス・エールことリーゼロッテにしてあげてください。
依頼の集合場所にはリーゼロッテ本人がおり、出した依頼の内容を謝罪する場面もあるようです。
どうか不器用な錬金術姉弟に少しばかりのお時間をください。
●集合場所
帝都の外れにある「Bar」。
昼間ということもあり人が少なく、話をする場所は店の奥を提供してもらっているので、安心して話をしてください。
●NPC
リーゼロッテ・クリューガー
錬金術師組合組合長にして、ナサニエル・カロッサの義姉。
何があろうとナサニエルの味方であると心に決め、彼の罪と向き合う過去を決めた(前回までの依頼)。
今回の行動はその一端と思われる。
求む、錬魔院院長ナサニエル・カロッサの罪を知る者よ!
私は錬金術を尊び学び続ける者、ミス・エールある。
彼の者の過去の行いを知る者よ、善も悪も全てを白日の下に晒し、全ての罪を償わせようではないか!
同志よ集え、我が錬金術の光の下に!!
●概要
みなさんはハンターズソサエティで「依頼文」を読み、ナサニエルのことを語るべく集まりました。
日頃の恨みを語るも良し、彼の功績を語るも良し、ただの愚痴をこぼすも良し。
ハンターズソサエティにある報告書だけでは掴み切れない彼の話をミス・エールことリーゼロッテにしてあげてください。
依頼の集合場所にはリーゼロッテ本人がおり、出した依頼の内容を謝罪する場面もあるようです。
どうか不器用な錬金術姉弟に少しばかりのお時間をください。
●集合場所
帝都の外れにある「Bar」。
昼間ということもあり人が少なく、話をする場所は店の奥を提供してもらっているので、安心して話をしてください。
●NPC
リーゼロッテ・クリューガー
錬金術師組合組合長にして、ナサニエル・カロッサの義姉。
何があろうとナサニエルの味方であると心に決め、彼の罪と向き合う過去を決めた(前回までの依頼)。
今回の行動はその一端と思われる。
マスターより
こんにちは、朝臣あむと言う者です。
帝国連動【落葉】のシナリオをお届けさせて頂きます。
さて皆さま、ナサニエルに言いたいことはありませんか?
むしろ本人を前にしたら言えないけど、今だから言えることとかありませんか?
私は個人的にめっちゃありますが果たして皆さまはどうでしょう?
リーゼロッテの思うような情報が集められるかは皆さん次第となりますが、思い思いのことを語って頂ければと思います。
またご質問ですが、出来る範囲でリーゼロッテがお答えします。
ただしご質問の受付は出発24時間前までとさせてください。
それでは、みなさまのご参加とプレイングを心よりおまちしております。
帝国連動【落葉】のシナリオをお届けさせて頂きます。
さて皆さま、ナサニエルに言いたいことはありませんか?
むしろ本人を前にしたら言えないけど、今だから言えることとかありませんか?
私は個人的にめっちゃありますが果たして皆さまはどうでしょう?
リーゼロッテの思うような情報が集められるかは皆さん次第となりますが、思い思いのことを語って頂ければと思います。
またご質問ですが、出来る範囲でリーゼロッテがお答えします。
ただしご質問の受付は出発24時間前までとさせてください。
それでは、みなさまのご参加とプレイングを心よりおまちしております。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2018/10/24 10:18