ゲスト
(ka0000)
【郷祭】今日という日を楽しんで
マスター:KINUTA

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 3~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 6日
- プレイング締切
- 2018/11/16 22:00
- リプレイ完成予定
- 2018/11/25 22:00
オープニング
●郷祭準備
秋も深まるペリニョン村の村役場。
魔術師協会職員のタモンと村の助役が、英霊ぴょこに、秋郷祭のプランを再確認している。
「恒例となったバシリア刑務所との提携による名産品販売を、春と同様の規模で執り行います。よろしいですか、ぴょこ様」
村の英霊である赤いまるごとうさぎは、鷹揚に助役へ頷いた。
『よきにはからえなのじゃ』
それから心配そうに尋ねる。
『ところでじゃの、わしのこないだ燃えてしもうた体についてなのじゃがの、いつまた新しいのが手に入りそうかの? 赤も青も悪くないが、わしはやっぱり黒が一番好きなのじゃ』
「とりあえず年内はそのお姿で辛抱くださいませ。来年度予算に購入経費を組み込みますので」
『そうかの。わかったのじゃ』
安心したのか愁眉を開く赤うさぎ。
次はタモンが彼女に尋ねる。
「ぴょこ様。今回も前回同様、ユニゾン島の参加は見込めそうですか?」
『うむ、見込めるぞよ』
「でしたら、そのブースをですね、村のブースの近くに置いてもらえるようお願いしていただけませんか――マゴイ様に。魔術師協会からそういう要請が来ているのです」
『別によいが、なぜじゃな?』
「あの方の持つエバーグリーン由来の技術のことなのですが……結構各方面でうわさになっているようで。空間を好きに拡張出来るなんて、そういう便利なものなら是非欲しい、取引したいと申し出ている者もいるとか」
『ふーん、そうかの。あれ、そんなに便利じゃろうか?』
「そりゃもう、便利ですとも」
その技術があれば大きなものを小さな場所に隠せる。動物でも、植物でも、人間でも、機械でも――軍隊でも、兵器でも。
個人の所有権が否定され至るところ監視装置だらけ。何も隠せないし、隠れられない。そんな世界であればこそあの技術は、社会の秩序と安定、繁栄の基礎となりえる。
だがクリムゾンウェストは、そういう世界ではない。個が個として動いたり考えたりすることが禁忌とされていない。
そのような技術が広まると、必ず悪用しようと思う輩が出るのでは――ということをタモンは言った。
しかしぴょこがいまいち理解してそうにない顔付きだったので、易しい譬えを付け加える。
「例えば羊泥棒が100匹羊を盗んだとしましょうか。普通だったらそれだけの数隠しようがないので、逃げている途中ですぐ見つかっちゃいますよね。でもその羊泥棒が、ユニゾンの技術を使って作った、100匹の羊が余裕で入る容量を持つ鞄や袋なんかを持っていたとしたらどうなるでしょう?」
『むー……逃げられちゃうかもしれんのう』
「でしょう? ですのでこう、ユニゾンには、というかマゴイ様には今少し控えめに宣伝をお願いしたいと思いまして。そのためにペリニョン村に一役買っていただきたいと思いまして」
『ほう、そうかの。かまわんぞい。わしのう、マゴイにペリニョンの店に来てほしいのじゃ。それでもってのう、何かと話もしたいのじゃ。店が遠いとなかなかそうもいかんでな。時間になったらマゴイ、すぐ帰っていってしまうしの』
ぴょこは助役にお願いして、鉛筆と紙を持ってきてもらった。そして、遠い島の英霊に手紙を書いた。あんまりうまくない字で。
『マゴイへ。お元気かの。秋のさとまつりの店は、ペリニョン村の店のそばに作ってほしいのじゃ。ペリニョンとユニゾン、いいきかいだから、色々てーけー出来んかの? バシリアけいむ所とうちみたいにコラボ、くめんかの。何かあったら助けあえる仲間がいるというのはいいものじゃぞ。わしとしてはぜひお進めするのじゃ。おへんじよろしく。ぴょこ、θ』
そしてそれを、魔術師協会に託した。島のマゴイに送ってもらえるように。
●郷祭当日。
郷祭開催日。
祭りに訪れたカチャは、まず縁あるペリニョン村のブースから回ってみることにした。
そして早速、春との違いに気づいた。村のブースの右隣にバシリア刑務所のブースがあるところまでは一緒。だが今回はそれに加え左隣に、ユニゾン島のブースがある。
ちょうど店の前にぴょに、話を聞いてみる。
「ユニゾンとも提携を始めたんですか?」
『そうなのじゃ。是非全部回ってみてほしいのじゃ』
マゴイの店は村のブースと一繋がりに感じになっており、春より敷地が狭かった(といっても中の広さは一緒だが)。商品にリースが増えていた。後、帽子も。
テラス席も最初から作ってあった。そこには店内にあるものと同じ商品が幾つか展示してある。張り紙つきで。
『オートマトンの方は店内の立ち入りご遠慮ください。ここから商品をお取りください。レジはペリニョン村、またはバシリア刑務所のものをご利用ください』
カチャはへえ、と瞬きした。
「春よりも、ちょっとだけ当たりが柔らかくなりましたね。オートマトンに対して」
そこに刑務所ブース担当のスペットがやってきて、言った。猫の額にしわを寄せて。
「そこまで妥協させるの、えらい手間やったんや……」
テラスでは一組の少年少女が、白い椅子に腰掛け休んでいた。少女はぼんやり宙を見ている。少年は肘をついてテーブルの上に目を据えているた
若者達がだべりながら、その側を通り過ぎて行く。
「ハンターオフィス大変らしいぞ。リアルブルーからハンター志願者がわんさと押しかけてるんで――邪神と契約しちまった連中、改めて大精霊と契約すれば、邪神との契約を消せるんだと」
「へー」
「でも契約し直しても、し直さなくても、そういう奴らは短命なんだってな。特に強化人間とかいうのは、最悪後1年で終わるとか」
「うっわー、悲惨」
少年が席を立つ。
少女はそれに疲れたような眼差しを向けただけで、何も言わなかった。
席を立った少年は若者達に歩み寄り、突き飛ばした。
彼の一回り以上はある青年が、いとも簡単に前方へ吹っ飛び、顔面から着地する。
当然だが青年は怒った。
「な、なんだこのガキゃあ!」
少年はつかみ掛かってきた相手をもう一度突き飛ばした。一回目より力を込めて。
「人が早死にしなきゃならないってことがそんなに面白いか!」
物音を聞き付けたマゴイが店から出て来る。
『……店の前で乱闘騒ぎは……禁止……ワーカーが怖がる……』
カチャは仲間たちと仲裁に向かう。少年が一般人ではないことは明らかだったから。
彼が取り押さえられたところで、ようやく少女が動く。だるそうに立ち上がり、だるそうに言う。
「ごめんね、そいつ私と違って諦めがついてないの。この期に及んでまだ思ってるのよ、長生きしたいってさ。だから、万事ナーバスになってて」
カチャは少年と少女をかわりばんこに見た。そして、何かに気づいたような顔で言った。
「もしかしてあなたがた……強化人間ですか?」
「そう。邪神との契約解除待ちのね。まあ、あたしは別にそれをしなくたっていいやって思ってるけど。どの道結果は一緒だし……」
秋も深まるペリニョン村の村役場。
魔術師協会職員のタモンと村の助役が、英霊ぴょこに、秋郷祭のプランを再確認している。
「恒例となったバシリア刑務所との提携による名産品販売を、春と同様の規模で執り行います。よろしいですか、ぴょこ様」
村の英霊である赤いまるごとうさぎは、鷹揚に助役へ頷いた。
『よきにはからえなのじゃ』
それから心配そうに尋ねる。
『ところでじゃの、わしのこないだ燃えてしもうた体についてなのじゃがの、いつまた新しいのが手に入りそうかの? 赤も青も悪くないが、わしはやっぱり黒が一番好きなのじゃ』
「とりあえず年内はそのお姿で辛抱くださいませ。来年度予算に購入経費を組み込みますので」
『そうかの。わかったのじゃ』
安心したのか愁眉を開く赤うさぎ。
次はタモンが彼女に尋ねる。
「ぴょこ様。今回も前回同様、ユニゾン島の参加は見込めそうですか?」
『うむ、見込めるぞよ』
「でしたら、そのブースをですね、村のブースの近くに置いてもらえるようお願いしていただけませんか――マゴイ様に。魔術師協会からそういう要請が来ているのです」
『別によいが、なぜじゃな?』
「あの方の持つエバーグリーン由来の技術のことなのですが……結構各方面でうわさになっているようで。空間を好きに拡張出来るなんて、そういう便利なものなら是非欲しい、取引したいと申し出ている者もいるとか」
『ふーん、そうかの。あれ、そんなに便利じゃろうか?』
「そりゃもう、便利ですとも」
その技術があれば大きなものを小さな場所に隠せる。動物でも、植物でも、人間でも、機械でも――軍隊でも、兵器でも。
個人の所有権が否定され至るところ監視装置だらけ。何も隠せないし、隠れられない。そんな世界であればこそあの技術は、社会の秩序と安定、繁栄の基礎となりえる。
だがクリムゾンウェストは、そういう世界ではない。個が個として動いたり考えたりすることが禁忌とされていない。
そのような技術が広まると、必ず悪用しようと思う輩が出るのでは――ということをタモンは言った。
しかしぴょこがいまいち理解してそうにない顔付きだったので、易しい譬えを付け加える。
「例えば羊泥棒が100匹羊を盗んだとしましょうか。普通だったらそれだけの数隠しようがないので、逃げている途中ですぐ見つかっちゃいますよね。でもその羊泥棒が、ユニゾンの技術を使って作った、100匹の羊が余裕で入る容量を持つ鞄や袋なんかを持っていたとしたらどうなるでしょう?」
『むー……逃げられちゃうかもしれんのう』
「でしょう? ですのでこう、ユニゾンには、というかマゴイ様には今少し控えめに宣伝をお願いしたいと思いまして。そのためにペリニョン村に一役買っていただきたいと思いまして」
『ほう、そうかの。かまわんぞい。わしのう、マゴイにペリニョンの店に来てほしいのじゃ。それでもってのう、何かと話もしたいのじゃ。店が遠いとなかなかそうもいかんでな。時間になったらマゴイ、すぐ帰っていってしまうしの』
ぴょこは助役にお願いして、鉛筆と紙を持ってきてもらった。そして、遠い島の英霊に手紙を書いた。あんまりうまくない字で。
『マゴイへ。お元気かの。秋のさとまつりの店は、ペリニョン村の店のそばに作ってほしいのじゃ。ペリニョンとユニゾン、いいきかいだから、色々てーけー出来んかの? バシリアけいむ所とうちみたいにコラボ、くめんかの。何かあったら助けあえる仲間がいるというのはいいものじゃぞ。わしとしてはぜひお進めするのじゃ。おへんじよろしく。ぴょこ、θ』
そしてそれを、魔術師協会に託した。島のマゴイに送ってもらえるように。
●郷祭当日。
郷祭開催日。
祭りに訪れたカチャは、まず縁あるペリニョン村のブースから回ってみることにした。
そして早速、春との違いに気づいた。村のブースの右隣にバシリア刑務所のブースがあるところまでは一緒。だが今回はそれに加え左隣に、ユニゾン島のブースがある。
ちょうど店の前にぴょに、話を聞いてみる。
「ユニゾンとも提携を始めたんですか?」
『そうなのじゃ。是非全部回ってみてほしいのじゃ』
マゴイの店は村のブースと一繋がりに感じになっており、春より敷地が狭かった(といっても中の広さは一緒だが)。商品にリースが増えていた。後、帽子も。
テラス席も最初から作ってあった。そこには店内にあるものと同じ商品が幾つか展示してある。張り紙つきで。
『オートマトンの方は店内の立ち入りご遠慮ください。ここから商品をお取りください。レジはペリニョン村、またはバシリア刑務所のものをご利用ください』
カチャはへえ、と瞬きした。
「春よりも、ちょっとだけ当たりが柔らかくなりましたね。オートマトンに対して」
そこに刑務所ブース担当のスペットがやってきて、言った。猫の額にしわを寄せて。
「そこまで妥協させるの、えらい手間やったんや……」
テラスでは一組の少年少女が、白い椅子に腰掛け休んでいた。少女はぼんやり宙を見ている。少年は肘をついてテーブルの上に目を据えているた
若者達がだべりながら、その側を通り過ぎて行く。
「ハンターオフィス大変らしいぞ。リアルブルーからハンター志願者がわんさと押しかけてるんで――邪神と契約しちまった連中、改めて大精霊と契約すれば、邪神との契約を消せるんだと」
「へー」
「でも契約し直しても、し直さなくても、そういう奴らは短命なんだってな。特に強化人間とかいうのは、最悪後1年で終わるとか」
「うっわー、悲惨」
少年が席を立つ。
少女はそれに疲れたような眼差しを向けただけで、何も言わなかった。
席を立った少年は若者達に歩み寄り、突き飛ばした。
彼の一回り以上はある青年が、いとも簡単に前方へ吹っ飛び、顔面から着地する。
当然だが青年は怒った。
「な、なんだこのガキゃあ!」
少年はつかみ掛かってきた相手をもう一度突き飛ばした。一回目より力を込めて。
「人が早死にしなきゃならないってことがそんなに面白いか!」
物音を聞き付けたマゴイが店から出て来る。
『……店の前で乱闘騒ぎは……禁止……ワーカーが怖がる……』
カチャは仲間たちと仲裁に向かう。少年が一般人ではないことは明らかだったから。
彼が取り押さえられたところで、ようやく少女が動く。だるそうに立ち上がり、だるそうに言う。
「ごめんね、そいつ私と違って諦めがついてないの。この期に及んでまだ思ってるのよ、長生きしたいってさ。だから、万事ナーバスになってて」
カチャは少年と少女をかわりばんこに見た。そして、何かに気づいたような顔で言った。
「もしかしてあなたがた……強化人間ですか?」
「そう。邪神との契約解除待ちのね。まあ、あたしは別にそれをしなくたっていいやって思ってるけど。どの道結果は一緒だし……」
解説
補足説明
これは郷祭の一日を過ごすシナリオ。
皆さんは何らかの形で祭に参加し、その途中で乱闘騒ぎに遭遇しました。
乱闘騒ぎを起こした少年少女は強化人間です。大精霊との契約はまだしていません。
少年の名はジグ、少女の名はアスカ。
契約を解除し邪神の支配から逃れたとしても、生き延びられる時間は短い。少年はそのことに苦悩していますが、少女はもう諦めの段階に入っています。
ここで会ったのも何かの縁ですので、皆様にはこの2人にいい思い出を作ってあげて欲しいとなと。
状況が状況ですので、難しいかも知れませんが、でも、ほんの少しでも楽しい時間を。
これは郷祭の一日を過ごすシナリオ。
皆さんは何らかの形で祭に参加し、その途中で乱闘騒ぎに遭遇しました。
乱闘騒ぎを起こした少年少女は強化人間です。大精霊との契約はまだしていません。
少年の名はジグ、少女の名はアスカ。
契約を解除し邪神の支配から逃れたとしても、生き延びられる時間は短い。少年はそのことに苦悩していますが、少女はもう諦めの段階に入っています。
ここで会ったのも何かの縁ですので、皆様にはこの2人にいい思い出を作ってあげて欲しいとなと。
状況が状況ですので、難しいかも知れませんが、でも、ほんの少しでも楽しい時間を。
マスターより
KINUTAです。
少々時期が遅れましたが、郷祭です。
今回はペリニョン、バシリア、ユニゾン合同でやってます。
少々時期が遅れましたが、郷祭です。
今回はペリニョン、バシリア、ユニゾン合同でやってます。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2018/11/22 02:29
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/11/16 09:04:42 |
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![]() |
相談卓だよ 天竜寺 詩(ka0396) 人間(リアルブルー)|18才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2018/11/16 18:53:24 |
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![]() |
質問卓だよ 天竜寺 詩(ka0396) 人間(リアルブルー)|18才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2018/11/11 22:08:36 |