ゲスト
(ka0000)
激走! 自転車レ~ス
マスター:奈華里

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- イベント
- 難易度
- 易しい
- オプション
-
- 参加費
500
- 参加人数
- 現在11人 / 1~25人
- 報酬
- 寸志
- 相談期間
- 7日
- プレイング締切
- 2019/04/26 07:30
- リプレイ完成予定
- 2019/05/10 07:30
オープニング
※このシナリオは原則として戦闘が発生しない日常的なシナリオとして設定されています。
●ママチャリ
依頼を終えての帰り道、中堅ハンターのバンデラはふと山道にそぐわぬものを発見する。
それは誰もがどこかで見た事がある乗り物だ。しかし、山道に放置されているというのは珍しい。
「まさか不法投棄か?」
近くに行ってみないと判らないが、遠目でもそこまで壊れているようには見えない。
だったらば、なぜこんな所にと言う疑問が残る。
(いや、待て…もしかしたら事故もしれんではないか!)
ふとそういう事態が頭を過って、慌ててその乗り物・ママチャリの傍へと駆け寄る。
が、辺りを探した所でこれと言った形跡はない。
足場が悪いのかとも思ってみたが、ただの山道だし傍に崖がある様子もない。
(なんだ、取り越し苦労だったか…)
バンデラはほっと肩をなで下ろし、倒れたままの自転車の元へと戻る。
そして、自転車に手をかけたその時だった。
『見つけた…力のある、生身の男を』
何処からともなく聞こえた声にハッと後ろを振り返る。しかし、振り返った先に人影はない。
「全くどういう…と、ぬぅ?? これはまさか」
さっきまで感じなかった不可思議な力の流れ――しかし、今ははっきりと判る。
それは紛れもなく手を伸ばした先の自転車から発せられたものだ。そして、不思議な事に自転車のハンドルを握った瞬間、自転車は立ち上がりバンデラは既に自転車に跨った格好となっている。
「…なんという事だ。まさか私がこんな罠にかかるとは」
ぐぬぬと奥歯を噛み、ハンドルから手を放そうと脳へと手を開く指示を出す。
しかし、いくら指示を送ってみてももう身体がいう事を利かないらしい。
『我の代わりに、お前は走るのだ…いいな』
自転車から禍々しいオーラが上がり、バンデラを包み込んでゆく。
バンデラは必死に抵抗した。しかし、思いの外、この怨念染みた力に刃が立たない。
(くっ、このままでは)
意識があるうちに何とかしなくてはと彼はペダルに足をかける。
『ふふ、よいぞ。そうでなくては…走れ走れ…そして優勝を我が物に』
踏み出した足に体重が乗る。するとその踏み込みだけでぐんっと自転車は進み、見る見るうちに山道を予想外に颯爽と駆け下りてゆくではないか。
(何なんだ、この自転車は……それに今、優勝がどうとか言ったか?)
身体を操られながらもバンデラは冷静に相手を分析。自転車のボディに書かれた文字を発見する。
(これは…手がかりになるやもしれん)
動く自転車に乗りながら彼はその文字を読み取る。するとそこには『マチャ・ライド』と刻まれていた。
●キング・マチャ
マチャは小さな村の生まれであった。
周りはこれと言ったものはなく、あるのはただの大自然だけだったから彼には便利なアシが必要だった。
普通なら馬や牛を使う所だが、彼は動物が苦手であったからそのアシになるものは自転車しかない。高価な山岳用の自転車は買える筈もなく、やっとの思いで手に入れたのは中古のママチャリだ。
けれど、毎日乗るうちに彼の腕はめきめき上がる。山道でも軽々と乗りこなし、吊り橋も飛び石もあっさりと通過できるまでになって、彼とママチャリは一心同体。そんな折、山向こうの村で自転車レースが行われる事となって、優勝者には一年分の小麦が貰えるとあってはマチャも張り切る。
そして、レースは圧倒的にマチャの勝利だった。
その次の年も、また次の年も…他の参加達の誰もが練習して挑んだが、それでも彼には勝つ事ができなかった。 マチャ自身はそれに喜んだが、見ている者達は面白くない。毎年毎年優勝を持っていかれてはつまらない。そこでマチャの参加を祭側は建前を『殿堂入り』と言う形で拒否し始める。何もない所で育っているから、マチャとしては優勝賞品が手に入らなくなっては困る。そこで何とか参加したいと直談判して、ハンデをつける事となった。
そのハンデとは彼の自転車に十キロの荷物を乗せるという過酷なものだ。ハンターならともかく一般人の彼には酷過ぎる。しかし、彼はそれを受け入れて…けれど、やはりそれでは他に勝てない。彼の栄光は成りを潜めて…いつ亡くなったかは定かではないのだという。
「お、おい…あのママチャリって!」
「伝説のマチャのモノなんじゃないのかっ」
自転車レースを開催している街でその自転車を目撃した者達が騒めく。
マチャ・ライドの話はこの祭りの関係者であれば語り継がれている。
「しかし、乗っていた男はごついおっさんだったぞ?」
「だけど、アレはマチャのだって…シートチューブに金星のシールが見えましたし」
シートチューブと言うのはサドルの下の部分の事だ。
汚れてはいるが、確かにその自転車には星が沢山ついている。
『これなら勝てる…お前の身体があれば』
バンデラの意識に再び自転車が呼び掛けてくる。
(このレースに出るのか? 出れば、お前は満足するのか?)
バンデラもこの自転車との会話に慣れてきたのか、平然と心中で会話を展開する。
『ああ、もう一度だけ…我は勝ってみせる。このレースで勝つ事だけを夢見ていたのだ』
自転車が言う。バンデラは降りたくともどういう訳か降りられないのだからこの意志に従うしかない。
(ああ、もう判った。好きにしてくれ)
そろそろサドルに慣れていないお尻が痛いのだが、もうこうなっては乗り掛かった舟、いや自転車だ。
「すまない。エントリーさせて貰うぞ」
バンデラが受付で言う。会場が一瞬ざわついたが、ライダーがバンデラである以上例え自転車がマチャのものであっても通常扱いとなる。だが、彼はハンターであるから一般の部では出られない訳でエントリーしたのはハンターの部。自転車が武者震いを始める。
『強い相手と戦える…相手にとって不足なし』
過去の栄光を取り戻さんが為に。新たな高みへ……自転車はバンデラと共にスタートの時を待つ。
●ママチャリ
依頼を終えての帰り道、中堅ハンターのバンデラはふと山道にそぐわぬものを発見する。
それは誰もがどこかで見た事がある乗り物だ。しかし、山道に放置されているというのは珍しい。
「まさか不法投棄か?」
近くに行ってみないと判らないが、遠目でもそこまで壊れているようには見えない。
だったらば、なぜこんな所にと言う疑問が残る。
(いや、待て…もしかしたら事故もしれんではないか!)
ふとそういう事態が頭を過って、慌ててその乗り物・ママチャリの傍へと駆け寄る。
が、辺りを探した所でこれと言った形跡はない。
足場が悪いのかとも思ってみたが、ただの山道だし傍に崖がある様子もない。
(なんだ、取り越し苦労だったか…)
バンデラはほっと肩をなで下ろし、倒れたままの自転車の元へと戻る。
そして、自転車に手をかけたその時だった。
『見つけた…力のある、生身の男を』
何処からともなく聞こえた声にハッと後ろを振り返る。しかし、振り返った先に人影はない。
「全くどういう…と、ぬぅ?? これはまさか」
さっきまで感じなかった不可思議な力の流れ――しかし、今ははっきりと判る。
それは紛れもなく手を伸ばした先の自転車から発せられたものだ。そして、不思議な事に自転車のハンドルを握った瞬間、自転車は立ち上がりバンデラは既に自転車に跨った格好となっている。
「…なんという事だ。まさか私がこんな罠にかかるとは」
ぐぬぬと奥歯を噛み、ハンドルから手を放そうと脳へと手を開く指示を出す。
しかし、いくら指示を送ってみてももう身体がいう事を利かないらしい。
『我の代わりに、お前は走るのだ…いいな』
自転車から禍々しいオーラが上がり、バンデラを包み込んでゆく。
バンデラは必死に抵抗した。しかし、思いの外、この怨念染みた力に刃が立たない。
(くっ、このままでは)
意識があるうちに何とかしなくてはと彼はペダルに足をかける。
『ふふ、よいぞ。そうでなくては…走れ走れ…そして優勝を我が物に』
踏み出した足に体重が乗る。するとその踏み込みだけでぐんっと自転車は進み、見る見るうちに山道を予想外に颯爽と駆け下りてゆくではないか。
(何なんだ、この自転車は……それに今、優勝がどうとか言ったか?)
身体を操られながらもバンデラは冷静に相手を分析。自転車のボディに書かれた文字を発見する。
(これは…手がかりになるやもしれん)
動く自転車に乗りながら彼はその文字を読み取る。するとそこには『マチャ・ライド』と刻まれていた。
●キング・マチャ
マチャは小さな村の生まれであった。
周りはこれと言ったものはなく、あるのはただの大自然だけだったから彼には便利なアシが必要だった。
普通なら馬や牛を使う所だが、彼は動物が苦手であったからそのアシになるものは自転車しかない。高価な山岳用の自転車は買える筈もなく、やっとの思いで手に入れたのは中古のママチャリだ。
けれど、毎日乗るうちに彼の腕はめきめき上がる。山道でも軽々と乗りこなし、吊り橋も飛び石もあっさりと通過できるまでになって、彼とママチャリは一心同体。そんな折、山向こうの村で自転車レースが行われる事となって、優勝者には一年分の小麦が貰えるとあってはマチャも張り切る。
そして、レースは圧倒的にマチャの勝利だった。
その次の年も、また次の年も…他の参加達の誰もが練習して挑んだが、それでも彼には勝つ事ができなかった。 マチャ自身はそれに喜んだが、見ている者達は面白くない。毎年毎年優勝を持っていかれてはつまらない。そこでマチャの参加を祭側は建前を『殿堂入り』と言う形で拒否し始める。何もない所で育っているから、マチャとしては優勝賞品が手に入らなくなっては困る。そこで何とか参加したいと直談判して、ハンデをつける事となった。
そのハンデとは彼の自転車に十キロの荷物を乗せるという過酷なものだ。ハンターならともかく一般人の彼には酷過ぎる。しかし、彼はそれを受け入れて…けれど、やはりそれでは他に勝てない。彼の栄光は成りを潜めて…いつ亡くなったかは定かではないのだという。
「お、おい…あのママチャリって!」
「伝説のマチャのモノなんじゃないのかっ」
自転車レースを開催している街でその自転車を目撃した者達が騒めく。
マチャ・ライドの話はこの祭りの関係者であれば語り継がれている。
「しかし、乗っていた男はごついおっさんだったぞ?」
「だけど、アレはマチャのだって…シートチューブに金星のシールが見えましたし」
シートチューブと言うのはサドルの下の部分の事だ。
汚れてはいるが、確かにその自転車には星が沢山ついている。
『これなら勝てる…お前の身体があれば』
バンデラの意識に再び自転車が呼び掛けてくる。
(このレースに出るのか? 出れば、お前は満足するのか?)
バンデラもこの自転車との会話に慣れてきたのか、平然と心中で会話を展開する。
『ああ、もう一度だけ…我は勝ってみせる。このレースで勝つ事だけを夢見ていたのだ』
自転車が言う。バンデラは降りたくともどういう訳か降りられないのだからこの意志に従うしかない。
(ああ、もう判った。好きにしてくれ)
そろそろサドルに慣れていないお尻が痛いのだが、もうこうなっては乗り掛かった舟、いや自転車だ。
「すまない。エントリーさせて貰うぞ」
バンデラが受付で言う。会場が一瞬ざわついたが、ライダーがバンデラである以上例え自転車がマチャのものであっても通常扱いとなる。だが、彼はハンターであるから一般の部では出られない訳でエントリーしたのはハンターの部。自転車が武者震いを始める。
『強い相手と戦える…相手にとって不足なし』
過去の栄光を取り戻さんが為に。新たな高みへ……自転車はバンデラと共にスタートの時を待つ。
解説
内容
自転車レース ハンターの部の参加する事
バンデラの自転車は伝説級のママチャリライダー・マチャのものと推測されます
彼は過去の優勝者ですが、現在は消息不明 自転車だけが山道に残っていたようです
そして、その自転車は謎の力でバンデラを操り、レースにエントリー
どうやら、この自転車は強い奴と戦いたいようです
真剣勝負、ハンターの皆様はこの自転車とガチ勝負してあげて下さい
なお、参加されるハンター様方は現在のバンデラの状態については知りません
もし知っておきたい場合はプレイングにて「話しかけ事情を聞く」ような動作をお願いします
それをしない場合は純粋に自転車レースに参加した一参加者として描写いたします
●コース・ルールについて
スタート地点はOPにあるような街からスタートし、徐々に郊外へ
地面は土の街道から林を抜け、山に入ると舗装されていない獣道をも通る事に
途中に川があり、飛び石を渡ったり斜面を登りつり橋を渡った所でUターンし戻ってくるアップダウンコース
街に戻った際は自転車に乗ったままのパン食い競争エリアとパフォーマンス披露(ジャンプ)があります
途中でのぶつかる等の直接的な妨害行為は禁止ですが、
バナナの皮や水、氷などを使った間接的妨害はアリ(攻撃魔法は遠距離でも不可)とします
自転車から下りない事を前提に物を拾ったりして有利に進める事も可能
自転車から下りてしまうと即失格となりますので、気を付けましょう
●判定について
基礎能力を参考にしつつ、プレイングとダイス判定で行います
一般スキルも役立ちそうなのが入っているとダイス判定に+を振りますので
提出時は設定確認お願いします
自転車レース ハンターの部の参加する事
バンデラの自転車は伝説級のママチャリライダー・マチャのものと推測されます
彼は過去の優勝者ですが、現在は消息不明 自転車だけが山道に残っていたようです
そして、その自転車は謎の力でバンデラを操り、レースにエントリー
どうやら、この自転車は強い奴と戦いたいようです
真剣勝負、ハンターの皆様はこの自転車とガチ勝負してあげて下さい
なお、参加されるハンター様方は現在のバンデラの状態については知りません
もし知っておきたい場合はプレイングにて「話しかけ事情を聞く」ような動作をお願いします
それをしない場合は純粋に自転車レースに参加した一参加者として描写いたします
●コース・ルールについて
スタート地点はOPにあるような街からスタートし、徐々に郊外へ
地面は土の街道から林を抜け、山に入ると舗装されていない獣道をも通る事に
途中に川があり、飛び石を渡ったり斜面を登りつり橋を渡った所でUターンし戻ってくるアップダウンコース
街に戻った際は自転車に乗ったままのパン食い競争エリアとパフォーマンス披露(ジャンプ)があります
途中でのぶつかる等の直接的な妨害行為は禁止ですが、
バナナの皮や水、氷などを使った間接的妨害はアリ(攻撃魔法は遠距離でも不可)とします
自転車から下りない事を前提に物を拾ったりして有利に進める事も可能
自転車から下りてしまうと即失格となりますので、気を付けましょう
●判定について
基礎能力を参考にしつつ、プレイングとダイス判定で行います
一般スキルも役立ちそうなのが入っているとダイス判定に+を振りますので
提出時は設定確認お願いします
マスターより
久し振りのイベント依頼を設定いたしました奈華里です
イベントと言うとレースでしょってことで
あ、お持ちの自転車がない場合は主催者側から貸し出し可能です
ただ、この辺も使い慣れているものといないものとでは違うだろうという事で
判定時に少し手を加えるかもしれませんので、できればお持ちのを設定下さいね
それでは、御参加お待ちしております(^-^)
イベントと言うとレースでしょってことで
あ、お持ちの自転車がない場合は主催者側から貸し出し可能です
ただ、この辺も使い慣れているものといないものとでは違うだろうという事で
判定時に少し手を加えるかもしれませんので、できればお持ちのを設定下さいね
それでは、御参加お待ちしております(^-^)
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2019/05/11 01:42