ゲスト
(ka0000)
【血断】眠りを断って死に惑え
マスター:三田村 薫

このシナリオは3日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,500
- 参加人数
- 現在8人 / 5~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2019/05/16 15:00
- リプレイ完成予定
- 2019/05/28 15:00
オープニング
●三者三様
「撃破一択」
「撃破は……うーん、封印かなぁ……」
エドとハンクが口々に言うのを、ジョンは絶望的な目で見ている。
三人で生活を共にしている住居の食卓。発表された選択肢について、エドとハンクが話し始めた。エドはどうするの? ハンクがそう尋ねて、エドは即答したのだ。
「撃破ってお前……」
「何だよ。邪神さえいなくなれば全てが解決するんだぜ」
「封印だって……同じじゃないか?」
「まあ、お前には一生わかんねぇよな」
エドは苦笑して見せた。
「俺はな、人生で初めて『嫌な奴を殺しに行って構わない』って言われてるんだ」
ジョンは絶句した。
「おま、お前……」
「お前には絶対わからない。頭が良くて、人間関係にも困らなくて、馬鹿にされることもそうそうない。お前にはわからない」
呪文のように繰り返される、「お前にはわからない」。わかってたまるか。殺して構わないと言われて張り切るなんて。ルサンチマンが燃料になる人間を、ジョンは永遠に理解できない。
「ハンク、君もそうなのか……?」
「僕は、まあ、エドの気持ちもわからなくはないけど、そこまでエネルギーにはできないかな……」
「そうじゃなくて……」
ジョンは言葉を切る。
「人が死ぬんだぞ。見ただろ、この前の作戦で」
ソードオブジェクトが落下して、爆発が起こって大量のハンターが死んだ。撃破となったら、知人の遺影だって並ぶかもしれない。遺影を並べる世界がある保証もない。もう嫌だ。あんなに大量の魂をすり身にして燃やす戦い、ごめんだ。
「僕たちだってあんな風に死ぬかも知れないんだぞ! お前、この前死にたくないって言ったじゃないか!」
「取り込まれて楽になる保証もねぇよ。死ぬよりキツいかもしれないじゃん。ごめんな、ジョン。俺は撃破に入れる。だからって追い出すのは勘弁してくれよな。つっても、俺の一票で変わるわけじゃないし。そんなに怖い顔すんなよ」
エドは冗談でも言うように笑った。ジョンは唖然として……本当に口が利けなくなったかのように、その顔を見つめる。
「……」
「なんだよ、いつもみたいに言い返さないの?」
「エド、僕は、今、初めて、お前のことを怖いと思った」
指先が冷たい。
僕は一体誰と生活していたんだろう? この人一体誰なんだろう。何でこんなに考えてることが理解できないんだろう。同じ人間なのに。
「何だ、今更かよ。友達に付き合って、イクシード・アプリなんていかがわしいものを、特に自分の利益も考えないでインストールした俺がまともだと思ってたのか? ハンクにはエマって動機があったけど俺には何もなかったぜ」
「酔狂だったって言うのか」
「まあそんな言い方もできるな。別にハンクと心中するつもりもなかった」
「そうなの?」
「何でがっかりしてんだよお前」
「し、してないよ別に……」
「……」
ジョンはスプーンを置いて立ち上がった。
「食わないの?」
「……寝る」
●ハンターオフィスにて
「ジョン、顔が虚無になってるけどどうしたの?」
「なんでもない……」
結局、一睡もできなかった。翌日、三人でハンターオフィスを訪れると、受付のC.J.(kz0273)がジョンの顔を見て首を傾げる。オフィス職員は残りの二人を見るが、エドもハンクも肩を竦めるだけだ。
「……まあ、良いけど」
ハンターたちに迫られている「決断」のことなら、自分が口を出すべきではない。
「またぽつぽつ歪虚事件はあるんだな。邪神側は侵攻しないって言ってたんじゃないの?」
「あくまで大規模な侵攻はね。雑魔なんかは勝手に湧いてくるからさ。その辺のお掃除は続けないといけないわけ」
「なるほどね」
「で、ちょっと人手が要りそうな事件があるから君たちは他のハンターと合流して行ってきて。小さな町にね、歪虚ゴーレムみたいなのが出ちゃって。潰れた家屋に閉じ込められた人もいるみたい」
「オッケー」
「……ジョンは留守番する?」
「いや、行く」
「大丈夫か?」
エドが怪訝そうに言う。お前のせいだよ! と叫んでしまうわけにもいかないので、ジョンは黙り込んだ。
「ジョンは見ておくから大丈夫ですよ、CJ」
にこにこしながらハンクが言う。C.J.はしばらく三人の顔を見比べていたが、
「……くれぐれも気をつけてね?」
目を細めてそれだけ言った。
●臨場
「お待ちしていました!」
町長はハンターたちが到着するや、地図を広げた。現在地は南側の商工会議所だ。
「ここ、東にある集会場の周辺に今集まっている状態です。連中は北側から入って、真ん中まで来てから東に行ったようです。目撃証言合わせると六はいるようですが、全部が東に行ったわけじゃなさそうです。また北側は被害が酷くて、潰れた家に子どもが取り残されているみたいで……ただ、まだそっちにもゴーレムがいるから私たちでは手が出せないんです」
ハンターたちは三々五々、役割を決めて対応に回るのだった。
「撃破一択」
「撃破は……うーん、封印かなぁ……」
エドとハンクが口々に言うのを、ジョンは絶望的な目で見ている。
三人で生活を共にしている住居の食卓。発表された選択肢について、エドとハンクが話し始めた。エドはどうするの? ハンクがそう尋ねて、エドは即答したのだ。
「撃破ってお前……」
「何だよ。邪神さえいなくなれば全てが解決するんだぜ」
「封印だって……同じじゃないか?」
「まあ、お前には一生わかんねぇよな」
エドは苦笑して見せた。
「俺はな、人生で初めて『嫌な奴を殺しに行って構わない』って言われてるんだ」
ジョンは絶句した。
「おま、お前……」
「お前には絶対わからない。頭が良くて、人間関係にも困らなくて、馬鹿にされることもそうそうない。お前にはわからない」
呪文のように繰り返される、「お前にはわからない」。わかってたまるか。殺して構わないと言われて張り切るなんて。ルサンチマンが燃料になる人間を、ジョンは永遠に理解できない。
「ハンク、君もそうなのか……?」
「僕は、まあ、エドの気持ちもわからなくはないけど、そこまでエネルギーにはできないかな……」
「そうじゃなくて……」
ジョンは言葉を切る。
「人が死ぬんだぞ。見ただろ、この前の作戦で」
ソードオブジェクトが落下して、爆発が起こって大量のハンターが死んだ。撃破となったら、知人の遺影だって並ぶかもしれない。遺影を並べる世界がある保証もない。もう嫌だ。あんなに大量の魂をすり身にして燃やす戦い、ごめんだ。
「僕たちだってあんな風に死ぬかも知れないんだぞ! お前、この前死にたくないって言ったじゃないか!」
「取り込まれて楽になる保証もねぇよ。死ぬよりキツいかもしれないじゃん。ごめんな、ジョン。俺は撃破に入れる。だからって追い出すのは勘弁してくれよな。つっても、俺の一票で変わるわけじゃないし。そんなに怖い顔すんなよ」
エドは冗談でも言うように笑った。ジョンは唖然として……本当に口が利けなくなったかのように、その顔を見つめる。
「……」
「なんだよ、いつもみたいに言い返さないの?」
「エド、僕は、今、初めて、お前のことを怖いと思った」
指先が冷たい。
僕は一体誰と生活していたんだろう? この人一体誰なんだろう。何でこんなに考えてることが理解できないんだろう。同じ人間なのに。
「何だ、今更かよ。友達に付き合って、イクシード・アプリなんていかがわしいものを、特に自分の利益も考えないでインストールした俺がまともだと思ってたのか? ハンクにはエマって動機があったけど俺には何もなかったぜ」
「酔狂だったって言うのか」
「まあそんな言い方もできるな。別にハンクと心中するつもりもなかった」
「そうなの?」
「何でがっかりしてんだよお前」
「し、してないよ別に……」
「……」
ジョンはスプーンを置いて立ち上がった。
「食わないの?」
「……寝る」
●ハンターオフィスにて
「ジョン、顔が虚無になってるけどどうしたの?」
「なんでもない……」
結局、一睡もできなかった。翌日、三人でハンターオフィスを訪れると、受付のC.J.(kz0273)がジョンの顔を見て首を傾げる。オフィス職員は残りの二人を見るが、エドもハンクも肩を竦めるだけだ。
「……まあ、良いけど」
ハンターたちに迫られている「決断」のことなら、自分が口を出すべきではない。
「またぽつぽつ歪虚事件はあるんだな。邪神側は侵攻しないって言ってたんじゃないの?」
「あくまで大規模な侵攻はね。雑魔なんかは勝手に湧いてくるからさ。その辺のお掃除は続けないといけないわけ」
「なるほどね」
「で、ちょっと人手が要りそうな事件があるから君たちは他のハンターと合流して行ってきて。小さな町にね、歪虚ゴーレムみたいなのが出ちゃって。潰れた家屋に閉じ込められた人もいるみたい」
「オッケー」
「……ジョンは留守番する?」
「いや、行く」
「大丈夫か?」
エドが怪訝そうに言う。お前のせいだよ! と叫んでしまうわけにもいかないので、ジョンは黙り込んだ。
「ジョンは見ておくから大丈夫ですよ、CJ」
にこにこしながらハンクが言う。C.J.はしばらく三人の顔を見比べていたが、
「……くれぐれも気をつけてね?」
目を細めてそれだけ言った。
●臨場
「お待ちしていました!」
町長はハンターたちが到着するや、地図を広げた。現在地は南側の商工会議所だ。
「ここ、東にある集会場の周辺に今集まっている状態です。連中は北側から入って、真ん中まで来てから東に行ったようです。目撃証言合わせると六はいるようですが、全部が東に行ったわけじゃなさそうです。また北側は被害が酷くて、潰れた家に子どもが取り残されているみたいで……ただ、まだそっちにもゴーレムがいるから私たちでは手が出せないんです」
ハンターたちは三々五々、役割を決めて対応に回るのだった。
解説
●目的
1.歪虚ゴーレムの撃破
2.家屋に取り残された子どもの救助
●敵情報
歪虚ゴーレム×8
サイズ1、2がそれぞれ4体ずついる。
攻撃力よりも衝撃が大きく、通常攻撃で1スクエアのノックバックが発生(サイズどちらも強度3)。防御点も高め。土属性。
ただし移動力と回避は低い。
数の内訳としては、
東集会場周辺:サイズ2×2、サイズ1×3
西住宅街:サイズ2×1、サイズ1×1
北住宅街:サイズ2×1
●損壊家屋について
北側の家屋は損傷が激しく、内1軒に5歳男児と12歳女児が取り残されています。意識清明。かすり傷程度の軽傷。
ひしゃげて扉、窓は数センチしか開きませんが、筋力による一般行為判定(難易度2)でこじ開けられるものとする。
●同行NPC
ハンク(魔術師)……集会場ゴーレム対応
ジョンとエドがわかり合うことなど不可能と理解している。邪神は封印派。聞かれれば答える。
セットスキルはスリープクラウド(強度2・ジョン用)、ファイアーボール、ウィンドスラッシュ。
エド(疾影士)……東以外のゴーレム索敵・対応
ジョンがそこまで気にしてるなんて思ってない。邪神は撃破派であることは聞かれれば答えるが理由までは言わないしはぐらかす。
主武器は刀、副武器が投擲。
セットスキルはアサルトディスタンス、ランアウト、スローイング。
ジョン(聖導士)……北家屋救助
寝てない。全てのステータスが半分。睡眠不足が祟って判断力も落ちているので悩んでいることは話さない。選択肢はどれも選べない。邪神なんて最初からいなければ良かったのに。
主武器メイス。
セットスキルはヒール、プロテクション、メイスファイティング。
同行NPCの行動はプレイングで変更可能。三人ともトランシーバー所持。
プレイングでNPC行動に矛盾があった場合はMSがダイスで決定するものとする。
1.歪虚ゴーレムの撃破
2.家屋に取り残された子どもの救助
●敵情報
歪虚ゴーレム×8
サイズ1、2がそれぞれ4体ずついる。
攻撃力よりも衝撃が大きく、通常攻撃で1スクエアのノックバックが発生(サイズどちらも強度3)。防御点も高め。土属性。
ただし移動力と回避は低い。
数の内訳としては、
東集会場周辺:サイズ2×2、サイズ1×3
西住宅街:サイズ2×1、サイズ1×1
北住宅街:サイズ2×1
●損壊家屋について
北側の家屋は損傷が激しく、内1軒に5歳男児と12歳女児が取り残されています。意識清明。かすり傷程度の軽傷。
ひしゃげて扉、窓は数センチしか開きませんが、筋力による一般行為判定(難易度2)でこじ開けられるものとする。
●同行NPC
ハンク(魔術師)……集会場ゴーレム対応
ジョンとエドがわかり合うことなど不可能と理解している。邪神は封印派。聞かれれば答える。
セットスキルはスリープクラウド(強度2・ジョン用)、ファイアーボール、ウィンドスラッシュ。
エド(疾影士)……東以外のゴーレム索敵・対応
ジョンがそこまで気にしてるなんて思ってない。邪神は撃破派であることは聞かれれば答えるが理由までは言わないしはぐらかす。
主武器は刀、副武器が投擲。
セットスキルはアサルトディスタンス、ランアウト、スローイング。
ジョン(聖導士)……北家屋救助
寝てない。全てのステータスが半分。睡眠不足が祟って判断力も落ちているので悩んでいることは話さない。選択肢はどれも選べない。邪神なんて最初からいなければ良かったのに。
主武器メイス。
セットスキルはヒール、プロテクション、メイスファイティング。
同行NPCの行動はプレイングで変更可能。三人ともトランシーバー所持。
プレイングでNPC行動に矛盾があった場合はMSがダイスで決定するものとする。
マスターより
こんにちは三田村です。
心情シナリオとして参加頂いても結構ですし、バリバリ戦闘に入るぜー! という方のご参加もお待ちしております。NPCと面識なくてもお気軽にどうぞ。
睡眠大事なのでPLの皆様も寝れるときはちゃんと寝てくださいね!
エドがこう言う態度になるのは別に今に始まったことではなくて、初登場時「【空蒼】レフト・ムービー」が丁度こんな感じでした。何て言うか、転移してからは大事にしてもらっていたと実感したので、一度でも関わって下さったPCさん方に御礼申し上げます。
ご参加お待ちしています。
心情シナリオとして参加頂いても結構ですし、バリバリ戦闘に入るぜー! という方のご参加もお待ちしております。NPCと面識なくてもお気軽にどうぞ。
睡眠大事なのでPLの皆様も寝れるときはちゃんと寝てくださいね!
エドがこう言う態度になるのは別に今に始まったことではなくて、初登場時「【空蒼】レフト・ムービー」が丁度こんな感じでした。何て言うか、転移してからは大事にしてもらっていたと実感したので、一度でも関わって下さったPCさん方に御礼申し上げます。
ご参加お待ちしています。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2019/05/23 00:43
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 鞍馬 真(ka5819) 人間(リアルブルー)|22才|男性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2019/05/15 17:26:43 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2019/05/13 16:05:23 |