ゲスト
(ka0000)
【血断】癒やしと幻獣
マスター:四月朔日さくら

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- ショート
関連ユニオン
ガーディナ- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在10人 / 4~10人
- ユニット参加人数
- 現在9 / 0~10
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2019/07/02 19:00
- リプレイ完成予定
- 2019/07/16 19:00
オープニング
●
――辺境、シンタチャシ。
四大精霊の一人であるイクタサ(kz0246)は、そこにいる。
しかしいま、そこは傷ついたものたちも数多くいた。
人間ではない。幻獣である。
彼らをいつも庇護してくれていたナーランギは、……もうない。彼が守ってくれていた幻獣の森は歪虚に襲われ、壊滅的な被害を受けたのだ。
多くの幻獣が傷つき、血を流し、斃れていった。
ツキウサギやモフロウ博士、そしてハンターたちに助けられて、多くの幻獣がこのシンタチャシに避難している、そんな状況なのだ。
イクタサも、いつも通りの態度ではあるがそれを受け入れていた。とはいえ、失われてしまった命は、もう戻ることはない。幻獣の森から避難してきたものたちを多く受け入れはしたものの、それがあの場にいたほんの一握りだというのは、彼自身も知っていた。
精霊と言え、その身にできることは限られている。いまのこの状況はまさにそれを示しているようだった。とはいえ、起きてしまったことを振り返り、悔やむのも彼らしくない。
幻獣の森陥落の知らせは、当然ながら人間にも伝わっている。ハンターたちが手を尽くしてくれても、その要であったナーランギが斃れてしまっては手の打ちようがなかった。当然とも言える、その結末だった。
「全く、ボクの森もずいぶんなものだね」
周囲に這々の体で横たわり、あるいはうずくまる幻獣たちを眺めてイクタサが息をつくと、ツキウサギ、モフロウ博士と言った大幻獣たちも近づいて、頭を寄せた。
命からがら脱出してきた幻獣たちは、だれもかれもが肉体的にも精神的にも大きく疲弊している。突然の敵襲で、力の弱い彼らにはなすすべがなかったのだ。
「そうっスね……本当にみんな、ボロボロッス……」
大幻獣と呼ばれてはいても、特別な能力があるわけではない。ツキウサギですら、同胞の無残な姿をいやでも思い出してしまう。……そして、最期を見ることが叶わなかった、ナーランギのことも。
「それでも、まだ生きているものがあるだけでもよかったホー……ハンターたちには本当に助けられてばかりだホー」
モフロウ博士はそう慰めるが、その言葉が誰かを蘇らせるわけでもない。むしろ、モフロウ博士は自分に言い聞かせているのかもしれなかった。
「……でも、体も心も元気を取り戻すには、ずいぶん時間がかかりそうだホー……」
幻獣はマテリアルを必要とする存在だ。怪我なども、ちょっとくらいのものならその周囲のマテリアルが自然と癒やしていく。
しかし、それは普段の話だ。
いまは緊急事態。
場所柄、肉体に深い傷を負った幻獣たちを癒やすためのマテリアルは十分存在しているが、心の傷を癒やすのは簡単ではない。それに、身体の傷もひどいものが多すぎて、身体のほうが追いついていかないかもしれない。
「……そうだね。とはいえボクは場所を貸してるし、これ以上きみたちに手を貸す義理はないんだけどさ」
イクタサはそう言って腕を組む。
「でも、ずっと結界があった幻獣の森ですらあんなことになったのに……他の場所の幻獣たちも……だいじょうぶッスかね……」
ツキウサギがそういう――と、ふとある幻獣を思い出した。
「そういえばチューダは最近見かけてないっスね」
「きっとまたしょうもないことをしているホー……あの元気とマテリアルを分けてほしいものだホー」
チューダの名前が出れば、モフロウ博士も複雑そうな思いをため息に乗せる。と、
「……正直、ボクの森をこれ以上あれこれされても困るけどさ……」
そう、イクタサは言ってモフロウ博士に声をかけた。
●
「え? シンタチャシに慰問……ですか?」
新しい依頼の内容に、まだ年若いハンターオフィスの職員――ファナ・キジャンは目を丸くする。辺境出身と言うことでそれに関係のある依頼を担当することが多いのだが、その若さと経歴もあって、シンタチャシという場所は精霊イクタサの住んでいる不思議な森、と言うことくらいしか知らない。
「ああ。先だっての幻獣の森での戦闘で傷ついた幻獣たちを励ましてくれ、と言うことらしい。幻獣たちはずいぶん心も傷ついているようだから、音楽や踊り、料理といったもので気分がすこしでも慰められれば、だいぶ違うはずだ、と……こういったものは、気力に働きかけるからな。いや、それがむしろ、本当の狙いかもしれない」
言ってみれば、サウンドテラピーとか、あるいは幻獣を同行してのアニマルテラピー。そんなものらしい。それによって心の傷を癒やしたり、あるいは幻獣たちの自己修復力などをあげてあげたり、そういう目的があるのでは――先輩職員はそう指摘した。
ファナは目をニ三度しばたたいたが、なるほど、と頷いた。
「そう言うことなら、手を貸してくれる人もいると思います。いまは正念場、どんな命も大切なのは同じですから」
その快活な返事に、先輩職員も満足そうに笑い返した。
――辺境、シンタチャシ。
四大精霊の一人であるイクタサ(kz0246)は、そこにいる。
しかしいま、そこは傷ついたものたちも数多くいた。
人間ではない。幻獣である。
彼らをいつも庇護してくれていたナーランギは、……もうない。彼が守ってくれていた幻獣の森は歪虚に襲われ、壊滅的な被害を受けたのだ。
多くの幻獣が傷つき、血を流し、斃れていった。
ツキウサギやモフロウ博士、そしてハンターたちに助けられて、多くの幻獣がこのシンタチャシに避難している、そんな状況なのだ。
イクタサも、いつも通りの態度ではあるがそれを受け入れていた。とはいえ、失われてしまった命は、もう戻ることはない。幻獣の森から避難してきたものたちを多く受け入れはしたものの、それがあの場にいたほんの一握りだというのは、彼自身も知っていた。
精霊と言え、その身にできることは限られている。いまのこの状況はまさにそれを示しているようだった。とはいえ、起きてしまったことを振り返り、悔やむのも彼らしくない。
幻獣の森陥落の知らせは、当然ながら人間にも伝わっている。ハンターたちが手を尽くしてくれても、その要であったナーランギが斃れてしまっては手の打ちようがなかった。当然とも言える、その結末だった。
「全く、ボクの森もずいぶんなものだね」
周囲に這々の体で横たわり、あるいはうずくまる幻獣たちを眺めてイクタサが息をつくと、ツキウサギ、モフロウ博士と言った大幻獣たちも近づいて、頭を寄せた。
命からがら脱出してきた幻獣たちは、だれもかれもが肉体的にも精神的にも大きく疲弊している。突然の敵襲で、力の弱い彼らにはなすすべがなかったのだ。
「そうっスね……本当にみんな、ボロボロッス……」
大幻獣と呼ばれてはいても、特別な能力があるわけではない。ツキウサギですら、同胞の無残な姿をいやでも思い出してしまう。……そして、最期を見ることが叶わなかった、ナーランギのことも。
「それでも、まだ生きているものがあるだけでもよかったホー……ハンターたちには本当に助けられてばかりだホー」
モフロウ博士はそう慰めるが、その言葉が誰かを蘇らせるわけでもない。むしろ、モフロウ博士は自分に言い聞かせているのかもしれなかった。
「……でも、体も心も元気を取り戻すには、ずいぶん時間がかかりそうだホー……」
幻獣はマテリアルを必要とする存在だ。怪我なども、ちょっとくらいのものならその周囲のマテリアルが自然と癒やしていく。
しかし、それは普段の話だ。
いまは緊急事態。
場所柄、肉体に深い傷を負った幻獣たちを癒やすためのマテリアルは十分存在しているが、心の傷を癒やすのは簡単ではない。それに、身体の傷もひどいものが多すぎて、身体のほうが追いついていかないかもしれない。
「……そうだね。とはいえボクは場所を貸してるし、これ以上きみたちに手を貸す義理はないんだけどさ」
イクタサはそう言って腕を組む。
「でも、ずっと結界があった幻獣の森ですらあんなことになったのに……他の場所の幻獣たちも……だいじょうぶッスかね……」
ツキウサギがそういう――と、ふとある幻獣を思い出した。
「そういえばチューダは最近見かけてないっスね」
「きっとまたしょうもないことをしているホー……あの元気とマテリアルを分けてほしいものだホー」
チューダの名前が出れば、モフロウ博士も複雑そうな思いをため息に乗せる。と、
「……正直、ボクの森をこれ以上あれこれされても困るけどさ……」
そう、イクタサは言ってモフロウ博士に声をかけた。
●
「え? シンタチャシに慰問……ですか?」
新しい依頼の内容に、まだ年若いハンターオフィスの職員――ファナ・キジャンは目を丸くする。辺境出身と言うことでそれに関係のある依頼を担当することが多いのだが、その若さと経歴もあって、シンタチャシという場所は精霊イクタサの住んでいる不思議な森、と言うことくらいしか知らない。
「ああ。先だっての幻獣の森での戦闘で傷ついた幻獣たちを励ましてくれ、と言うことらしい。幻獣たちはずいぶん心も傷ついているようだから、音楽や踊り、料理といったもので気分がすこしでも慰められれば、だいぶ違うはずだ、と……こういったものは、気力に働きかけるからな。いや、それがむしろ、本当の狙いかもしれない」
言ってみれば、サウンドテラピーとか、あるいは幻獣を同行してのアニマルテラピー。そんなものらしい。それによって心の傷を癒やしたり、あるいは幻獣たちの自己修復力などをあげてあげたり、そういう目的があるのでは――先輩職員はそう指摘した。
ファナは目をニ三度しばたたいたが、なるほど、と頷いた。
「そう言うことなら、手を貸してくれる人もいると思います。いまは正念場、どんな命も大切なのは同じですから」
その快活な返事に、先輩職員も満足そうに笑い返した。
解説
幻獣の森での戦闘は、甚大な犠牲を出して終わりました。
その中で生き残った幻獣たちが逃げ延びたシンタチャシの森に、ハンターの皆さんには『幻獣たちの慰問』に行ってもらいたく思います。
幻獣の森から避難してきた幻獣たちは、肉体的な怪我は勿論のことですが、精神的にも傷を負っているものが多く、疲れ果てていまはまともに動くこともままなりません。
そこで皆さんには慰問という形で訪れてもらい、音楽や舞踏などの芸能を披露したり、おいしいものを振る舞ったり、あるいは傷ついた幻獣と(傷に障らない程度に)戯れたりというふうに励ましてもらえたらと思います。
そういうふれあい方で精神的なダメージを軽減させたり、幻獣たちの中の『気力』のようなもの(自己修復力などを指すと思ってください)をあげてあげるのが目的です。
OPに出てきたイクタサはいつもと同じ雰囲気です。また、ツキウサギやモフロウ博士も戦闘の疲労があるため、あまり無理はできません。
その代わりと言ってはなんですが、『楽しいこと』の気配を感じたチューダが勝手についてきます。拒んでもついてきます。チューダは自称幻獣王ですが、相変わらずの自堕落のせいか幻獣の森の戦闘はまだ噂話程度にしか認識していません。現状を見たらどう思うでしょうか。
幻獣は人間と同じ言語を使うわけではありません。でも、音楽や踊りなどを楽しむ気持ちは持っています。それを踏まえて、楽しませてあげてください。
また今回、ユニットの同行もOKです。幻獣ユニットなら、同胞同士で何らかの影響もあるかもしれません。逆にメカ系は、どういう働きかけをするかわかりません。
どうか、幻獣たちの心身を癒やし、すこしでも安らぎを取り戻してあげてください。
その中で生き残った幻獣たちが逃げ延びたシンタチャシの森に、ハンターの皆さんには『幻獣たちの慰問』に行ってもらいたく思います。
幻獣の森から避難してきた幻獣たちは、肉体的な怪我は勿論のことですが、精神的にも傷を負っているものが多く、疲れ果てていまはまともに動くこともままなりません。
そこで皆さんには慰問という形で訪れてもらい、音楽や舞踏などの芸能を披露したり、おいしいものを振る舞ったり、あるいは傷ついた幻獣と(傷に障らない程度に)戯れたりというふうに励ましてもらえたらと思います。
そういうふれあい方で精神的なダメージを軽減させたり、幻獣たちの中の『気力』のようなもの(自己修復力などを指すと思ってください)をあげてあげるのが目的です。
OPに出てきたイクタサはいつもと同じ雰囲気です。また、ツキウサギやモフロウ博士も戦闘の疲労があるため、あまり無理はできません。
その代わりと言ってはなんですが、『楽しいこと』の気配を感じたチューダが勝手についてきます。拒んでもついてきます。チューダは自称幻獣王ですが、相変わらずの自堕落のせいか幻獣の森の戦闘はまだ噂話程度にしか認識していません。現状を見たらどう思うでしょうか。
幻獣は人間と同じ言語を使うわけではありません。でも、音楽や踊りなどを楽しむ気持ちは持っています。それを踏まえて、楽しませてあげてください。
また今回、ユニットの同行もOKです。幻獣ユニットなら、同胞同士で何らかの影響もあるかもしれません。逆にメカ系は、どういう働きかけをするかわかりません。
どうか、幻獣たちの心身を癒やし、すこしでも安らぎを取り戻してあげてください。
マスターより
こんにちは、四月朔日です。
ナーランギをなくし、すみかを追われた幻獣の森の住人たち。
今回の依頼は、彼らを癒やしてあげるのが目的です。
辛い現実はきっとまだまだ待っていますが、動き出した歯車は止まりません。今回の幻獣たちは、まだほんの一端でしかありません。
どうか、すこしでも皆さんの手でできることを。
素敵なプレイング、お待ちしています。
ナーランギをなくし、すみかを追われた幻獣の森の住人たち。
今回の依頼は、彼らを癒やしてあげるのが目的です。
辛い現実はきっとまだまだ待っていますが、動き出した歯車は止まりません。今回の幻獣たちは、まだほんの一端でしかありません。
どうか、すこしでも皆さんの手でできることを。
素敵なプレイング、お待ちしています。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2019/07/10 04:55
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2019/06/29 09:12:04 |
|
![]() |
【相談卓】幻獣を癒そう! Uisca=S=Amhran(ka0754) エルフ|17才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2019/06/30 16:22:42 |