ゲスト
(ka0000)
Burn on to Karie
マスター:凪池シリル

- シナリオ形態
- イベント
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
500
- 参加人数
- 現在10人 / 1~25人
- ユニット参加人数
- 現在3 / 0~25
- 報酬
- 無し
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2019/10/09 15:00
- リプレイ完成予定
- 2019/10/18 15:00
オープニング
※このシナリオは原則として戦闘が発生しない日常的なシナリオとして設定されています。
広場に大鍋を運び込んでセットする。
確かめるように蓋を少しだけ傾けて中身を覗くと、零れていた香りがふわり、辺りに漂っていく。
ぐぅ、と、これからに備えて空かせていたお腹が耐えきれないと不平を上げた。
本日企画のカレーパーティー、これで一先ず自分の準備は完了、と顔を上げると、空の端から茜色が覗いているのが見えた。
(ああ……もう、こんな時間でも夕暮れになるんですねい)
アン=ズヴォーは独りごちる。
ほんの少し前まで、まだこんなに明るいのにもうこんな時間か、なんて思っていた気がするのに。
時間というのは、酷く焦らしてくるようで油断しているとあっという間に追い抜いて置き去りにしようとする。
これから大きく、世界は変わっていくだろう。
受付嬢として嵐のような忙しさも去り、これを機にハンター業から離れて行く者も結構な数になるのだろう。
……これで良かったのだと思うのは間違いないのだが、やはり寂しさはある。
いや。込み上げるのは寂しさだけではない。自分はこれからどうすべきなのか、このままでいいのか。変わりゆく空の色に、アンはそんな焦燥を覚えた。
この街での生活には充実を得ていて、なんならここに骨を埋めるつもりですら居た。狭いコミュニティ故の高度な互助社会であった部族の暮らしに比べて、寂しさや全てを独りでやる不慣れさに泣きたくなることも多々有ったが、それでもハンターの皆が好きだ、やりがいはその辛さを乗り越えて余りあるものだと信じて疑わなかった。
だが。邪神の侵攻を受けて、ズヴォー族も決して無傷では無かった。避難は間に合い、人的被害こそ少ないが、その為に遊牧民族であった彼らが置いてこなければならなかったものは軽微ではない。立て直しの為に皆奔走しているという。
帰らない覚悟をした故郷でも。
その故郷がどうなっていても全く気にならない、というのとは違う。
自分も帰って、直接部族の手伝いをする方が良いのではないか。ハンターオフィスは、むしろこれから人手に余裕が出てくるだろうから、決して器用でも頭が良いわけでもない自分が居座るよりは。
とはいえ、現金を稼げる、というのも今貢献する手立てとしては大きい。壊れたものはともかく、足りない物、無くなったものをどうにか出来るのはやはり通貨で、実際チィ=ズヴォーはハンターとしてもう暫く稼いでから部族に戻るつもりだと言い、一先ずはとこれまでハンター業で蓄えた金の多く──これは彼の金だけでなく、彼の相棒からもだという──を部族の為に提供したという。
混ざり合う空の色は、定まり切らない己の心と移ろい行く時の早さの両方を浮かび上がらせた。
どちらを選べばいい未来が来るのか、など分かるはずもない。なら、今どちらを選ぶことが納得できるのか、なのだろう。
……自分は、ハンターの皆が大好きだ。
でも、ハンターの皆の方からはどうなのだろう。
自分は少しでも役に立てていたのか。
……ここにいて、良かったんだろうか。
零れ落ちてしまいそうなそんな言葉を、アンはブンブンと首を振ってから、グッと飲み込んだ。
そんなんじゃない。そんなことを言うために、縋るためにこの場を設けたんじゃない。
いずれ変化のときが来るとしても。今の自分はハンターオフィスの受付嬢で。目の前に居る皆は大好きな、尊敬するハンターたちだ。
自分は変わらない道を選んだとしても、今ここにいる人にはこうして過ごせるのは最後の人もいるかもしれない。オフィスを……あるいはいずれ、この世界から去る人も居るのだろう。だからこそ。
「さあ、ハンターの先生様方! カレーパーティーといきやしょう!」
これは。今は。
いつも通り、ハンターを少しでも労う為の食事会。
受付嬢として、在りたい自分の在り方。
笑顔で、元気よく。
復興に駆け回り、あるいはなおも戦いに赴く、それとも、一息ついたことで疲労を感じている皆に、僅かでも安らぎを。
赤く染まる空。
漂うカレーの香り。
どこか名残を引くような、そんな風景の中で。
変わるもの、変わらないもの。
決断したもの、迷うもの。
茜色からやがて藍に変わる空の中で、今何を思うだろう。
想いを馳せてもいいし、ただ交流の機会を楽しんでもいい。
広場に大鍋を運び込んでセットする。
確かめるように蓋を少しだけ傾けて中身を覗くと、零れていた香りがふわり、辺りに漂っていく。
ぐぅ、と、これからに備えて空かせていたお腹が耐えきれないと不平を上げた。
本日企画のカレーパーティー、これで一先ず自分の準備は完了、と顔を上げると、空の端から茜色が覗いているのが見えた。
(ああ……もう、こんな時間でも夕暮れになるんですねい)
アン=ズヴォーは独りごちる。
ほんの少し前まで、まだこんなに明るいのにもうこんな時間か、なんて思っていた気がするのに。
時間というのは、酷く焦らしてくるようで油断しているとあっという間に追い抜いて置き去りにしようとする。
これから大きく、世界は変わっていくだろう。
受付嬢として嵐のような忙しさも去り、これを機にハンター業から離れて行く者も結構な数になるのだろう。
……これで良かったのだと思うのは間違いないのだが、やはり寂しさはある。
いや。込み上げるのは寂しさだけではない。自分はこれからどうすべきなのか、このままでいいのか。変わりゆく空の色に、アンはそんな焦燥を覚えた。
この街での生活には充実を得ていて、なんならここに骨を埋めるつもりですら居た。狭いコミュニティ故の高度な互助社会であった部族の暮らしに比べて、寂しさや全てを独りでやる不慣れさに泣きたくなることも多々有ったが、それでもハンターの皆が好きだ、やりがいはその辛さを乗り越えて余りあるものだと信じて疑わなかった。
だが。邪神の侵攻を受けて、ズヴォー族も決して無傷では無かった。避難は間に合い、人的被害こそ少ないが、その為に遊牧民族であった彼らが置いてこなければならなかったものは軽微ではない。立て直しの為に皆奔走しているという。
帰らない覚悟をした故郷でも。
その故郷がどうなっていても全く気にならない、というのとは違う。
自分も帰って、直接部族の手伝いをする方が良いのではないか。ハンターオフィスは、むしろこれから人手に余裕が出てくるだろうから、決して器用でも頭が良いわけでもない自分が居座るよりは。
とはいえ、現金を稼げる、というのも今貢献する手立てとしては大きい。壊れたものはともかく、足りない物、無くなったものをどうにか出来るのはやはり通貨で、実際チィ=ズヴォーはハンターとしてもう暫く稼いでから部族に戻るつもりだと言い、一先ずはとこれまでハンター業で蓄えた金の多く──これは彼の金だけでなく、彼の相棒からもだという──を部族の為に提供したという。
混ざり合う空の色は、定まり切らない己の心と移ろい行く時の早さの両方を浮かび上がらせた。
どちらを選べばいい未来が来るのか、など分かるはずもない。なら、今どちらを選ぶことが納得できるのか、なのだろう。
……自分は、ハンターの皆が大好きだ。
でも、ハンターの皆の方からはどうなのだろう。
自分は少しでも役に立てていたのか。
……ここにいて、良かったんだろうか。
零れ落ちてしまいそうなそんな言葉を、アンはブンブンと首を振ってから、グッと飲み込んだ。
そんなんじゃない。そんなことを言うために、縋るためにこの場を設けたんじゃない。
いずれ変化のときが来るとしても。今の自分はハンターオフィスの受付嬢で。目の前に居る皆は大好きな、尊敬するハンターたちだ。
自分は変わらない道を選んだとしても、今ここにいる人にはこうして過ごせるのは最後の人もいるかもしれない。オフィスを……あるいはいずれ、この世界から去る人も居るのだろう。だからこそ。
「さあ、ハンターの先生様方! カレーパーティーといきやしょう!」
これは。今は。
いつも通り、ハンターを少しでも労う為の食事会。
受付嬢として、在りたい自分の在り方。
笑顔で、元気よく。
復興に駆け回り、あるいはなおも戦いに赴く、それとも、一息ついたことで疲労を感じている皆に、僅かでも安らぎを。
赤く染まる空。
漂うカレーの香り。
どこか名残を引くような、そんな風景の中で。
変わるもの、変わらないもの。
決断したもの、迷うもの。
茜色からやがて藍に変わる空の中で、今何を思うだろう。
想いを馳せてもいいし、ただ交流の機会を楽しんでもいい。
解説
まあそんなわけで受付嬢アン=ズヴォーの呼び掛けで始まったカレーパーティーです。
アンが用意してるのは概ね日本人が想像するカレーライス中辛だと思ってください。鶏肉。
また例によって提供側でも食べる専でもどちらもOK。
屋外の広間で、オフィス側も今回はよりぱーっとやりたいのかユニットも許可となりました。
時刻は夕暮れに差し掛かった頃、といってもこの季節、気付けばあっという間に日が落ちて、なんてことにもなってると思います。
そんな情景の中で。
すべてが終わり、生活を変える人もいるし、そのままの方もいるでしょう。
しかしまだ完全にハンターは解散、とも行かない今、「確実に変化は感じ取りつつもまだ移行期間」みたいななのが現状かと思います。
思いに耽る時間にしても良いし、だからどうしたと騒ぐのも良いでしょう。
NPCは構っても放っておいても構いません。絡むPCさんが居なければリプレイには描写しません。
また、彼女の気持ちをどうするかは依頼目的には含まれず、放置により成功度が低下することはありません。
関連付けてはいませんが、何か確認したいことがあれば質問卓を立ててもらえば伊佐美 透でお答えします。
アンが用意してるのは概ね日本人が想像するカレーライス中辛だと思ってください。鶏肉。
また例によって提供側でも食べる専でもどちらもOK。
屋外の広間で、オフィス側も今回はよりぱーっとやりたいのかユニットも許可となりました。
時刻は夕暮れに差し掛かった頃、といってもこの季節、気付けばあっという間に日が落ちて、なんてことにもなってると思います。
そんな情景の中で。
すべてが終わり、生活を変える人もいるし、そのままの方もいるでしょう。
しかしまだ完全にハンターは解散、とも行かない今、「確実に変化は感じ取りつつもまだ移行期間」みたいななのが現状かと思います。
思いに耽る時間にしても良いし、だからどうしたと騒ぐのも良いでしょう。
NPCは構っても放っておいても構いません。絡むPCさんが居なければリプレイには描写しません。
また、彼女の気持ちをどうするかは依頼目的には含まれず、放置により成功度が低下することはありません。
関連付けてはいませんが、何か確認したいことがあれば質問卓を立ててもらえば伊佐美 透でお答えします。
マスターより
凪池です。
自分にとってラストバトルとなるシナリオを書き終えて、ちょっと一休みして充電……と思っていたらあっという間に十月。……最後の月と、なりましたね。
まだあると思ってたら時が立つのはあっという間です。
予定ではあと一本、ショートの予定ですが、現状と己の需要を鑑みると流れることも十分に考えられますので、これが凪池のMSとしての最後のご挨拶となるかも知れません。
どうぞ、よろしくお願いいたします。
自分にとってラストバトルとなるシナリオを書き終えて、ちょっと一休みして充電……と思っていたらあっという間に十月。……最後の月と、なりましたね。
まだあると思ってたら時が立つのはあっという間です。
予定ではあと一本、ショートの予定ですが、現状と己の需要を鑑みると流れることも十分に考えられますので、これが凪池のMSとしての最後のご挨拶となるかも知れません。
どうぞ、よろしくお願いいたします。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2019/10/18 09:46
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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カレーと夕焼け(雑談卓) 鞍馬 真(ka5819) 人間(リアルブルー)|22才|男性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2019/10/05 22:23:05 |
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![]() |
質問卓 鞍馬 真(ka5819) 人間(リアルブルー)|22才|男性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2019/10/06 00:16:34 |
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![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2019/10/09 13:53:02 |