ゲスト
(ka0000)
ワルサー総帥、節分に悩む
マスター:御影堂

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在10人 / 4~10人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 少なめ
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/02/19 09:00
- リプレイ完成予定
- 2015/02/28 09:00
オープニング
●
「ジロ、えほうまきとやらはわかりましたの、だぜ?」
ここは王国北部ルサスール領、その片隅にある山小屋だ。
表看板に書かれた「ワルワル団」の文字の通り、ワルワル団のアジトである。
「えほうとまほうって似ていますもの。きっと、すごいものですわよね」
銀髪をなびかせて、道なる食べ物に思いを馳せる少女が居た。
この、リアルブルーの習慣に被れまくっている、銀髪少女こそワルワル団総帥である。
その名もズバリ、ワルサー総帥。本名、サチコ・W・ルサスール。
「スクロールのように、海苔でご飯を巻くことはわかりました」
応えるのは、サチコに付き従う従者のジロだ。
「確か中に色とりどりの具材をいれるのですわね?」
「えぇ、食材の調達のため、出かけてきます」
ジロが出て行くのを見送り、サチコは読書に戻る。
従者タロが入れてくれた紅茶に口をつける。
こうしてみているとまるで良家のお嬢様のようだ。
「む、これは……節分とはこういう行事ですのね」
食い入るように、リアルブルー大全と書かれた書物に顔を近づける。
ちょっとお嬢様感が剥がれだした。
「オニ、豆まき。なるほど、これですわ……だぜ!」
無理やり語尾を付けて、出て行ったばかりのジロを追いかける。
「ジロ、追加! 追加ですわ!!」
ふわっとしたドレスをはためかせ、走るさまは、まるで元気なお嬢様のようである。
だが、ワルサー総帥。そこはワルなことを考えているのであった。
●
「豆まきですわ! だぜ」
前言を撤回しよう。
サチコは、どこまでもサチコであった。
「なんでも、オニという悪いやつらを払うために豆をまくのだぜ」
「厄祓いですな」
「違うのだぜ! 私……俺様たちがオニとなるのだぜ!」
あぁ、いつもどおりだとタロは思う。
民家を回って、豆をまいてもらう算段を取らないとなぁとスケジュールを頭に思い浮かべていた。
そうなれば、領主であるカフェにも通達や便宜を計ってもらわないとならない。
ブツブツと呟いているとき、ジロがそっと耳打ちしてきた。
「領主殿は、今、王都に出かけていて不在だ」
「では、どうする?」
「厄祓いなら、領民もやってくれるだろう。豆は飼料用のを使う」
ぽそぽそと囁きあう二人を、サチコが訝しげに見ていた。
「何をこそこそ話し合っているのです? だぜ?」
「いえ、なんでもありません。早速準備に……」
豆はすでにもらってあるが、オニとやらの角か仮面が必要だ。
どうやって作ろうかと思案し始めた、そのとき――。
「ほっほっほ、ワルワル団のアジトはここかぁ!」
威勢のいい声が外から聞こえてきた。
何事かと勇んで前に出ようとするサチコを抑えつつ、ジロたちが先行する。
「……あー」
「……ちゃー」
声を揃えて、二人共目の前の人物に頭を抱えた。
おたふくと俗に呼ばれるリアルブルーの面をかぶった、男だった。
着こなしからして、貴族の男であろう。
抑えきれなくなったサチコが、姿を現して異様な姿に固まる。
「貴殿がワルワル団の総帥サチコか。我が名は、オタフーク」
オニという災厄を作ろうという貴殿を倒しに来たのだと、オタフークは説明する。
何者かはわからないが、相対するならば戦わざるをえない。
構えるサチコを、オタフークは手で制する。
「待ち給え。私には仲間がいる……貴殿にも仲間を集める時間を与えてやろう」
「な、仲間なんて」
「豆まきは皆でやったほうが楽しいじゃないか!」
「なるほど!」
ここでタロがジロに耳打ちする。
「なぁ、あの声って……」
「言うな……。カフェ様が不在で、バル様に話を通したのだ」
バルというのは、サチコの兄の一人である。
おにいさんなのに、福なのかとつぶやきタロは小突かれた。
「こうしてみると、似たもの同士だな」
「そんなこといっている場合か……いつもの用意をするぞ」
いつもの、とは依頼を出すための早馬の用意である。
二人のため息は寒空に溶けていくのだった。
●
「でも、オタフークとやらを倒してしまっても本当にいいのかしら」
自室に戻ったサチコは、ふと悩んでいた。
オニが災厄を呼ぶ存在なら、ルサスール領にとっては払われたほうがいいのだろう。
領民にとっては、その方がいいはずなのだ。
「うー、でも私は……いえ、俺様はワルワル団のワルサー総帥なのですわ!」
だぜ、と気合を入れるが悩みは尽きない。
ワルワル団として悪を標榜するならば、オニとしてオタフークを倒すべきなのだろう。
しかし、サチコはルサスール家の、曲がりなりにも息女であった。
根はいい子である。
ベッドの上で頭を抱えるサチコをおたふくの仮面が覗いていた。
「サチコよ……。兄は手加減などしないぞ」
大人げない発言をして、オタフークは去っていく。
彼もまた、仲間を募らなければならないからだ。
ぱちぱちっと薪が爆ぜる。決戦の日は、近い。
「ジロ、えほうまきとやらはわかりましたの、だぜ?」
ここは王国北部ルサスール領、その片隅にある山小屋だ。
表看板に書かれた「ワルワル団」の文字の通り、ワルワル団のアジトである。
「えほうとまほうって似ていますもの。きっと、すごいものですわよね」
銀髪をなびかせて、道なる食べ物に思いを馳せる少女が居た。
この、リアルブルーの習慣に被れまくっている、銀髪少女こそワルワル団総帥である。
その名もズバリ、ワルサー総帥。本名、サチコ・W・ルサスール。
「スクロールのように、海苔でご飯を巻くことはわかりました」
応えるのは、サチコに付き従う従者のジロだ。
「確か中に色とりどりの具材をいれるのですわね?」
「えぇ、食材の調達のため、出かけてきます」
ジロが出て行くのを見送り、サチコは読書に戻る。
従者タロが入れてくれた紅茶に口をつける。
こうしてみているとまるで良家のお嬢様のようだ。
「む、これは……節分とはこういう行事ですのね」
食い入るように、リアルブルー大全と書かれた書物に顔を近づける。
ちょっとお嬢様感が剥がれだした。
「オニ、豆まき。なるほど、これですわ……だぜ!」
無理やり語尾を付けて、出て行ったばかりのジロを追いかける。
「ジロ、追加! 追加ですわ!!」
ふわっとしたドレスをはためかせ、走るさまは、まるで元気なお嬢様のようである。
だが、ワルサー総帥。そこはワルなことを考えているのであった。
●
「豆まきですわ! だぜ」
前言を撤回しよう。
サチコは、どこまでもサチコであった。
「なんでも、オニという悪いやつらを払うために豆をまくのだぜ」
「厄祓いですな」
「違うのだぜ! 私……俺様たちがオニとなるのだぜ!」
あぁ、いつもどおりだとタロは思う。
民家を回って、豆をまいてもらう算段を取らないとなぁとスケジュールを頭に思い浮かべていた。
そうなれば、領主であるカフェにも通達や便宜を計ってもらわないとならない。
ブツブツと呟いているとき、ジロがそっと耳打ちしてきた。
「領主殿は、今、王都に出かけていて不在だ」
「では、どうする?」
「厄祓いなら、領民もやってくれるだろう。豆は飼料用のを使う」
ぽそぽそと囁きあう二人を、サチコが訝しげに見ていた。
「何をこそこそ話し合っているのです? だぜ?」
「いえ、なんでもありません。早速準備に……」
豆はすでにもらってあるが、オニとやらの角か仮面が必要だ。
どうやって作ろうかと思案し始めた、そのとき――。
「ほっほっほ、ワルワル団のアジトはここかぁ!」
威勢のいい声が外から聞こえてきた。
何事かと勇んで前に出ようとするサチコを抑えつつ、ジロたちが先行する。
「……あー」
「……ちゃー」
声を揃えて、二人共目の前の人物に頭を抱えた。
おたふくと俗に呼ばれるリアルブルーの面をかぶった、男だった。
着こなしからして、貴族の男であろう。
抑えきれなくなったサチコが、姿を現して異様な姿に固まる。
「貴殿がワルワル団の総帥サチコか。我が名は、オタフーク」
オニという災厄を作ろうという貴殿を倒しに来たのだと、オタフークは説明する。
何者かはわからないが、相対するならば戦わざるをえない。
構えるサチコを、オタフークは手で制する。
「待ち給え。私には仲間がいる……貴殿にも仲間を集める時間を与えてやろう」
「な、仲間なんて」
「豆まきは皆でやったほうが楽しいじゃないか!」
「なるほど!」
ここでタロがジロに耳打ちする。
「なぁ、あの声って……」
「言うな……。カフェ様が不在で、バル様に話を通したのだ」
バルというのは、サチコの兄の一人である。
おにいさんなのに、福なのかとつぶやきタロは小突かれた。
「こうしてみると、似たもの同士だな」
「そんなこといっている場合か……いつもの用意をするぞ」
いつもの、とは依頼を出すための早馬の用意である。
二人のため息は寒空に溶けていくのだった。
●
「でも、オタフークとやらを倒してしまっても本当にいいのかしら」
自室に戻ったサチコは、ふと悩んでいた。
オニが災厄を呼ぶ存在なら、ルサスール領にとっては払われたほうがいいのだろう。
領民にとっては、その方がいいはずなのだ。
「うー、でも私は……いえ、俺様はワルワル団のワルサー総帥なのですわ!」
だぜ、と気合を入れるが悩みは尽きない。
ワルワル団として悪を標榜するならば、オニとしてオタフークを倒すべきなのだろう。
しかし、サチコはルサスール家の、曲がりなりにも息女であった。
根はいい子である。
ベッドの上で頭を抱えるサチコをおたふくの仮面が覗いていた。
「サチコよ……。兄は手加減などしないぞ」
大人げない発言をして、オタフークは去っていく。
彼もまた、仲間を募らなければならないからだ。
ぱちぱちっと薪が爆ぜる。決戦の日は、近い。
解説
●目的
ワルサー総帥かオタフーク(バル)のどちらかを勝たせる。
●なかーま
ワルサー総帥とオタフークの陣営にそれぞれ分かれる。
参加人数を半分ずつに分ける形で調整します。
●たたかえ、もしくは、豆を食え
戦場は、開けた休耕地です。踏み荒らしても問題なく、遮蔽物はありません。
遮蔽物の設置は、すぐに用意できる板状のものに限ります。
オニとオタフークの陣営それぞれがカゴを背負い、豆をぶつけ合います。
30分ぐらい戦って、より多くの豆を入れられた方が負けです。
カゴの中に入れられた豆も取り出して使用できますし、食べてもいいです。
ただし、腹が膨れやすいのと味気ないです(家畜用のため)
スキルの使用は、攻撃系スキルでない限り認めます。
直接、ダメージを与えるような使用はできません。
また、武器の携帯は安全上禁止されます。
装備していた場合、ないものとして扱います。
●勝負の決着について
八百長可です。
どちらを勝たせても構いませんし、勝負に委ねるというのであれば、作戦等に注力してください。
ただし、サチコは勝負に迷っていますので、勝たせる場合はだまくらかして気合を引き出してください。
●太巻きズドン
今回の騒動で流れていた太巻きも作ってくれるそうです。
オタフークの正体は最後まで明かされず、華麗に去っていきます。
ワルサー総帥かオタフーク(バル)のどちらかを勝たせる。
●なかーま
ワルサー総帥とオタフークの陣営にそれぞれ分かれる。
参加人数を半分ずつに分ける形で調整します。
●たたかえ、もしくは、豆を食え
戦場は、開けた休耕地です。踏み荒らしても問題なく、遮蔽物はありません。
遮蔽物の設置は、すぐに用意できる板状のものに限ります。
オニとオタフークの陣営それぞれがカゴを背負い、豆をぶつけ合います。
30分ぐらい戦って、より多くの豆を入れられた方が負けです。
カゴの中に入れられた豆も取り出して使用できますし、食べてもいいです。
ただし、腹が膨れやすいのと味気ないです(家畜用のため)
スキルの使用は、攻撃系スキルでない限り認めます。
直接、ダメージを与えるような使用はできません。
また、武器の携帯は安全上禁止されます。
装備していた場合、ないものとして扱います。
●勝負の決着について
八百長可です。
どちらを勝たせても構いませんし、勝負に委ねるというのであれば、作戦等に注力してください。
ただし、サチコは勝負に迷っていますので、勝たせる場合はだまくらかして気合を引き出してください。
●太巻きズドン
今回の騒動で流れていた太巻きも作ってくれるそうです。
オタフークの正体は最後まで明かされず、華麗に去っていきます。
マスターより
わるわるさー、御影堂です。
サチコがサチコなら、兄は兄であった。
兄弟げんかを通り過ごして、茶番です。かっちりと戦闘ルールを活用するわけではありませんが、スキル等を活用して有利にことを運べば勝ちやすくなります。カッコイイ豆まきを期待します。
サチコが迷っているのは、根はいい子だからです。オタフークはそんなサチコの性格を知っています。何者なのだ、オタフーク。そのため、解説でも書きましたがサチコを勝たせる場合は、騙してください。
サチコですから、簡単に騙されるでしょう。
サチコがサチコなら、兄は兄であった。
兄弟げんかを通り過ごして、茶番です。かっちりと戦闘ルールを活用するわけではありませんが、スキル等を活用して有利にことを運べば勝ちやすくなります。カッコイイ豆まきを期待します。
サチコが迷っているのは、根はいい子だからです。オタフークはそんなサチコの性格を知っています。何者なのだ、オタフーク。そのため、解説でも書きましたがサチコを勝たせる場合は、騙してください。
サチコですから、簡単に騙されるでしょう。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/02/26 17:39
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/02/15 22:36:19 |
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豆 ロニ・カルディス(ka0551) ドワーフ|20才|男性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2015/02/18 22:16:44 |