ゲスト
(ka0000)
冬の花
マスター:君矢

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/02/26 19:00
- リプレイ完成予定
- 2015/03/07 19:00
オープニング
肩に猟銃を背負った若い猟師ジェノスは雪深い山中を歩いていた。分厚い防寒具を着込み、フードを深く被っている。フードに隠れて見えづらいが顔には厳しい表情が浮かんでいた。
「どうなっていやがる」
ポツリと独り言がもれた。
真冬の今、猟師のジェノスが狙うのはウサギやキツネといった小動物だった。肉は貴重な食料になるし、毛皮は高値で取り引きされる。
その小動物がさっぱりと姿を消していた。幼い頃から、山で猟をしているがこれほど獲物に出会わない日はなかった。ましてや、昨日まではいつもと同じ山の日常だった。
キツネやウサギ、ネズミといった小動物の足跡は雪の上に残っているのに肝心の姿が見えない。
何かよくないことが起きているのかもしれなかった。異変があるのなら確認し、村に知らせなければならないとジェノスは思った。無意識のうちに胸元を握りしめる。防寒具の下には恋人からもらったお守りが忍ばせてあった。
肩から猟銃を下ろし、いつ、何と遭遇してもいいように手に持って山を進んで行く。
ジェノスは雪山を奥へ、奥へと進んでいった。腹を空かせたクマでも出没しているのかと思ったが、そうでも無いらしい。大型の動物の足跡は見かけられなかった。
その代わりに細長い跡を何本か見つけた。今までこの山では見たことのない跡だったので、屈み込んで観察してみる。太いロープを引きずった跡のように見えた。
突然、ジェノスの視界が上下反転したかと思うと雪に頭から突っ込んだ。慌てて立ち上がろうとするが、足が何かに捕まれている様で動かせない。頭を動かし確認すると、黒っぽい緑色をした蔓のような物が巻き付いていた。
ジェノスは蔓をふりほどこうともがくが、蔓はびくともしなかった。蔓はジェノスの足を掴んで強引に引っ張っていく。蔓を撃とうと思ったが猟銃は最初にひっくり返った時に手から離れてしまっている。ジェノスは、連れ去られないようにと必死に木にしがみついた。
服の下にしまってあるお守りを強く意識する。彼女の笑顔をもう一度見るために、こんなところで諦めるわけにはいかないと、腕に力を込める。
ベッドで寝ていたマリアは目を覚ますとゆっくりと体を起こし、か細い声で母を呼んだ。
「お母さん」
「起きたのかい? 何か温かい物を持ってくるからね」
母は、青白いマリアの顔をのぞき込み、声をかける。薄い肩にカーディガンを掛けてやった。
「ねぇ。ジェノスは? 帰ってきたの?」
マリアは、母に疑問をぶつけた。ここのところ、毎日している問いかけだった。今日こそは、今度こそは、望んだ答えが返ってくると期待しながら。
母は、声が震えないように冷静に答えようとした。
「まだ、戻ってないって……。こんな事、言いたくないけどね。随分と戻らないんだよ。ジェノスはきっと……」
「帰ってくるわ!」
恐怖に歪んだ顔をしてマリアは叫んだ。
「絶対に帰ってくるわ! 約束したもの! 春になったら結婚しようって! 言ってくれたもの! 戻るわ! 必ず」
「ああ、そうだね。マリア、帰ってくるね……」
母が慌てて取りなした。マリアは微笑みベッドからゆっくり降りようとする。
「お母さん。私のコートはどこ? 行かなくちゃ」
「行くってどこに」
「どこって、山の入り口よ。ジェノスを向かえに行かなくちゃ。いつも、向かえに行っていたじゃない」
やつれて細くなった体を動かして、マリアは部屋から出ようとする。それを母が押しとどめた。
「家で、暖かくして待とうじゃないか。ジェノスも帰ったら一番に訪ねてくれるだろうさ」
「彼を一番に迎えてあげたいの。お帰りなさいって」
マリアは、母を押しのけると外へ出て行ってしまった。目指すのはジェノスと最後に会った山の入り口だ。ここでマリアは猟へ出かけるジェノスに猟の成功と安全を祈ってお守りを渡していた。彼は、お守りを胸にしまうと必ず帰るから心配するなと言って山へと入っていったのだった。
ジェノスは約束を破ったことは一度もなかった。だから、彼はマリアの元に返って来てくれる。帰ってこないはずがないとマリアは考えていた。
母は、薄着のまま外へ出て行った娘を追いかける。
「マリア、また倒れてしまうよ。家で待っていようよ」
「彼が山から帰ってきたら、一番に出迎えてあげるの。お疲れさまって。大丈夫よ。心配しないで。二人で一緒に帰るから、ね」
そう言ってマリアは微笑んでいる。その姿は、まるで雪の彫像のように見えた。
「今回の依頼内容は雪山の異変の解決です。雪山の動物が見あたらなくなり、狩りに入った猟師も何人か戻らないそうです。今までこのような事はなかったので歪虚ではないかと村人たちは考えています。それと、戻らない猟師の恋人である女性が心労のあまり倒れてしまったそうです。恋人を迎えに行くのだと病床でも訴えているそうで形見か何かを持ちかえり、恋人が帰ってこないことを納得させてほしいそうです」
説明を聞いていたハンターから質問が出る。
「形見って、死んだって決まっているのか?」
「もちろん生きて帰って欲しいそうですが、行方不明になって随分と日数が立っているので望みはほとんど無いと言うのが村の考えです。それではみなさん。よろしくお願いします」
「どうなっていやがる」
ポツリと独り言がもれた。
真冬の今、猟師のジェノスが狙うのはウサギやキツネといった小動物だった。肉は貴重な食料になるし、毛皮は高値で取り引きされる。
その小動物がさっぱりと姿を消していた。幼い頃から、山で猟をしているがこれほど獲物に出会わない日はなかった。ましてや、昨日まではいつもと同じ山の日常だった。
キツネやウサギ、ネズミといった小動物の足跡は雪の上に残っているのに肝心の姿が見えない。
何かよくないことが起きているのかもしれなかった。異変があるのなら確認し、村に知らせなければならないとジェノスは思った。無意識のうちに胸元を握りしめる。防寒具の下には恋人からもらったお守りが忍ばせてあった。
肩から猟銃を下ろし、いつ、何と遭遇してもいいように手に持って山を進んで行く。
ジェノスは雪山を奥へ、奥へと進んでいった。腹を空かせたクマでも出没しているのかと思ったが、そうでも無いらしい。大型の動物の足跡は見かけられなかった。
その代わりに細長い跡を何本か見つけた。今までこの山では見たことのない跡だったので、屈み込んで観察してみる。太いロープを引きずった跡のように見えた。
突然、ジェノスの視界が上下反転したかと思うと雪に頭から突っ込んだ。慌てて立ち上がろうとするが、足が何かに捕まれている様で動かせない。頭を動かし確認すると、黒っぽい緑色をした蔓のような物が巻き付いていた。
ジェノスは蔓をふりほどこうともがくが、蔓はびくともしなかった。蔓はジェノスの足を掴んで強引に引っ張っていく。蔓を撃とうと思ったが猟銃は最初にひっくり返った時に手から離れてしまっている。ジェノスは、連れ去られないようにと必死に木にしがみついた。
服の下にしまってあるお守りを強く意識する。彼女の笑顔をもう一度見るために、こんなところで諦めるわけにはいかないと、腕に力を込める。
ベッドで寝ていたマリアは目を覚ますとゆっくりと体を起こし、か細い声で母を呼んだ。
「お母さん」
「起きたのかい? 何か温かい物を持ってくるからね」
母は、青白いマリアの顔をのぞき込み、声をかける。薄い肩にカーディガンを掛けてやった。
「ねぇ。ジェノスは? 帰ってきたの?」
マリアは、母に疑問をぶつけた。ここのところ、毎日している問いかけだった。今日こそは、今度こそは、望んだ答えが返ってくると期待しながら。
母は、声が震えないように冷静に答えようとした。
「まだ、戻ってないって……。こんな事、言いたくないけどね。随分と戻らないんだよ。ジェノスはきっと……」
「帰ってくるわ!」
恐怖に歪んだ顔をしてマリアは叫んだ。
「絶対に帰ってくるわ! 約束したもの! 春になったら結婚しようって! 言ってくれたもの! 戻るわ! 必ず」
「ああ、そうだね。マリア、帰ってくるね……」
母が慌てて取りなした。マリアは微笑みベッドからゆっくり降りようとする。
「お母さん。私のコートはどこ? 行かなくちゃ」
「行くってどこに」
「どこって、山の入り口よ。ジェノスを向かえに行かなくちゃ。いつも、向かえに行っていたじゃない」
やつれて細くなった体を動かして、マリアは部屋から出ようとする。それを母が押しとどめた。
「家で、暖かくして待とうじゃないか。ジェノスも帰ったら一番に訪ねてくれるだろうさ」
「彼を一番に迎えてあげたいの。お帰りなさいって」
マリアは、母を押しのけると外へ出て行ってしまった。目指すのはジェノスと最後に会った山の入り口だ。ここでマリアは猟へ出かけるジェノスに猟の成功と安全を祈ってお守りを渡していた。彼は、お守りを胸にしまうと必ず帰るから心配するなと言って山へと入っていったのだった。
ジェノスは約束を破ったことは一度もなかった。だから、彼はマリアの元に返って来てくれる。帰ってこないはずがないとマリアは考えていた。
母は、薄着のまま外へ出て行った娘を追いかける。
「マリア、また倒れてしまうよ。家で待っていようよ」
「彼が山から帰ってきたら、一番に出迎えてあげるの。お疲れさまって。大丈夫よ。心配しないで。二人で一緒に帰るから、ね」
そう言ってマリアは微笑んでいる。その姿は、まるで雪の彫像のように見えた。
「今回の依頼内容は雪山の異変の解決です。雪山の動物が見あたらなくなり、狩りに入った猟師も何人か戻らないそうです。今までこのような事はなかったので歪虚ではないかと村人たちは考えています。それと、戻らない猟師の恋人である女性が心労のあまり倒れてしまったそうです。恋人を迎えに行くのだと病床でも訴えているそうで形見か何かを持ちかえり、恋人が帰ってこないことを納得させてほしいそうです」
説明を聞いていたハンターから質問が出る。
「形見って、死んだって決まっているのか?」
「もちろん生きて帰って欲しいそうですが、行方不明になって随分と日数が立っているので望みはほとんど無いと言うのが村の考えです。それではみなさん。よろしくお願いします」
解説
・山の動物や猟師達が消えている。
・難を逃れた猟師が途中まで案内をしてくれます。
・歪虚:巨大なウツボカズラのような雑魔
木に蔓でからみついています。蔓は攻撃にも使用します。
移動不能。
生き物を感知すると捕食しようと蔓を伸ばして襲ってきます。
強くありませんので、難しい相手ではありません。
・ジェノス他、行方不明者は死亡。
・雑魔を倒すと、骨や服、動物の皮に混じってマリアが渡したお守りが出てきます。
・雑魔が根を張っている場所は、木々が生い茂っている場所です。遠距離攻撃をするには木が邪魔になりそうです。
マリアについて。
・マリア自身も、ジェノスが帰ってこないことを薄々分かっています。
・確証がないために認めたくないのです。
・難を逃れた猟師が途中まで案内をしてくれます。
・歪虚:巨大なウツボカズラのような雑魔
木に蔓でからみついています。蔓は攻撃にも使用します。
移動不能。
生き物を感知すると捕食しようと蔓を伸ばして襲ってきます。
強くありませんので、難しい相手ではありません。
・ジェノス他、行方不明者は死亡。
・雑魔を倒すと、骨や服、動物の皮に混じってマリアが渡したお守りが出てきます。
・雑魔が根を張っている場所は、木々が生い茂っている場所です。遠距離攻撃をするには木が邪魔になりそうです。
マリアについて。
・マリア自身も、ジェノスが帰ってこないことを薄々分かっています。
・確証がないために認めたくないのです。
マスターより
雑魔の戦闘よりも、マリアの説得がメインになると思います。
マリアがジェノスの死を乗り越えられるように、よろしくお願いします。
マリアがジェノスの死を乗り越えられるように、よろしくお願いします。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/03/05 22:54
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/02/22 21:49:25 |
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冬の花を探しに パティ=アヴァロンウッド(ka3439) 人間(クリムゾンウェスト)|15才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2015/02/25 21:00:41 |