ゲスト
(ka0000)
子供たちを守れ!
マスター:神崎結衣

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2014/07/03 15:00
- リプレイ完成予定
- 2014/07/12 15:00
オープニング
●裏山の雑魔
「そう、あれは歪虚だって話なのよ」
「あら怖いわ……早く退治してもらわなきゃ」
村の親たちの最近の井戸端会議の話題は専ら裏山に出現した雑魔のことだった。
どうやら、人型の雑魔が三体ほど裏山に住み着いているらしいのだ。
当初は山菜を取りに行った村人が幽霊を見たという話で広まったものの、その幽霊がまとう雰囲気が悪い物に感じるというので村長らが詳しく調べた結果、歪虚らしいという結論に達したという。
「ええ、もう依頼はしているそうよ。まだ確定はしていないけど、早ければ明後日にでもハンターの方が来てくださるって」
●幽霊の話
「なあお前ら、裏山の幽霊の話、知ってるか?」
仲良し四人グループのリーダーを気取る少年、トウワが言い出すと、同い年の少年であるヨアンが目を輝かせた。
「知ってる知ってる! 何か出たらしいじゃん! すごい美少女の幽霊らしいぜ」
その隣で本を読んでいた紅一点のノアは、少し幼い顔立ちながらも大人ぶった呆れ顔で少年を一瞥する。
「あんた馬っ鹿じゃないの? 幽霊が美少女とかいうのはデマでしょ。ただ何となく人影みたいなのが見えたって話だし、そもそも単なる見間違いっぽくない?」
「いや、出たってのはマジって話だ。俺は複数の人影って聞いたが、今度ハンターに頼んで退治してもらうとか」
トウワが幽霊の話を最初に聞いたのはしばらく前のことだった。そのときは大した興味もわかなかったのだが、昨日、わざわざ退治を依頼するらしいと小耳にはさんで俄然気になり始めたのだ。
もしかしたら雑魔なのかもしれない――と思ったものの、それこそが気になる理由でもある。歪虚の類は話には聞くが、今まで一度も見たことがないのだ。危険だと何度言われていても、実際に目の当たりにしたことがない危険など実感がわかず、ただ好奇心だけが先行する。
この世界を緩やかに殺していく存在を、この目で見てみたい。それだけだった。
「退治!? え、その前に見に行かね? 顔をはっきり見た奴がいねえならマジで美少女かもしれねえし!」
ヨアンはこういう話が大好きだ。雑魔ではないかとは多分夢にも思っていないし、きっと話せば見に行こうと言い出すと思っていた。
「ちょっと。本当にいたとして、襲われたりしたらどうするつもり?」
「無い無い。こんな何も無い田舎に悪い幽霊なんか出ねーって」
「はあ……ほんっと単純馬鹿」
ノアも今は澄ました顔で本に視線を落としているが、なんだかんだでついてくるだろう。ノアだって、きっと本気で雑魔だと思っているわけではない。この平和な村に住む子供たちにとって、歪虚はそれほど遠い存在なのだ。
とすると問題はもう一人。トウワが視線を移した先で、その話を聞いていた最年少のルイスが顔を曇らせた。
「お母さんが、裏山にはしばらく行っちゃだめだって……」
「なんだよルイス、見てみたくないのか? 見てみたいよな? 親の言いなりになるなんてナンセンスだ! 自分の気持ちを大事にしていこうぜ!」
完全に見に行く気満々のヨアンがルイスの頭をばしばし叩く。
「……ちょっとは見てみたいけど、お母さんに怒られるのはやだよ……」
「心配するな、ばれなきゃ大丈夫だ! なートウワ!」
「もちろんばれないように行くさ。それにもしばれたら、俺が無理やり連れて行ったと言っていい」
「さっすがトウワかっこいい!」
トウワが言うと、ルイスは少し考える素振りを見せてから頷いた。
「うん……じゃあ、ぼくも行く」
●計画
幽霊が出たというのは、裏山の中腹あたり。
裏山の地図――とは言っても正確な地図ではなく、山菜取りルートを記しただけの簡単な地図なのだが――を四人で囲み、幽霊出現地点に赤い印をつけた
裏山には山菜を取りに行くために踏み慣らされた道があるのだが、幽霊が出没するのはその道から少し外れたところらしい。目撃者の情報を総合すると、誰もが道から遠くに人影を見ただけで、実際に近づいたことは無いようだった。
「ということで、俺たちは幽霊に接触を試みようと思う」
「よっしゃ! 燃えるぜ!」
「え、あの草とか生えっぱなしの中に入るわけ? 虫多そうで嫌なんだけど……」
「虫よけのハーブ塗っていこうよ」
それぞれがあれこれ言いつつも、持ち物の分担などを決めていく。
地図とコンパス。草が生い茂り、木の根っこが張り出していたり折れた枝が横たわっていたりと足場が悪いから、万が一転んだりして怪我をしたときのための水、消毒液やガーゼ。あとはノアの言う通りに虫が多そうなので、虫よけ。当然、飲み物とおやつ。
武器は持たなかった。雑魔だったとしてもどうせ倒せるはずはないのだし、そんなものを用意して、ただの幽霊を見に行こうとしている三人を不安にさせたくもなかった。もし万が一のことがあったら逃げればいいのだ。
足場が悪い中、ただの子供の足でも雑魔から逃げ切れるという希望的観測に基づいたトウワの思考に注意を投げかける者はいない。
「まあこんなところか。すぐ用意できるな」
「出発日決めようぜ! ちなみに退治はいつなわけ?」
「正確にはわからないんだ。ハンターの方の都合もあるだろうから、日にちは今ちょうど話し合ってるくらいじゃないか」
実際、トウワは依頼についての詳しい内容を知らない。この件に関して、大人たちは子供たちの前で話題にすることを避けているようだった。何か聞いてもはぐらかされてしまうので、むしろ子供たちの興味を掻きたてている部分もあるのだが。
「じゃあなるべく早く行く方がいいかもね。……私は明後日なら行けるけど」
●依頼当日
「ハンターさん!」
ひどく慌てた様子の女性が、裏山に入ろうとしているハンターたちに駆け寄ってきた。
「すみません、実は子供が今、裏山にいるみたいなんです! もうしばらく前に家を出ていて、だいぶ山の中に進んでしまっているかもしれません。どうか急いで行って雑魔に襲われる前に助けていただけませんか……!?」
「そう、あれは歪虚だって話なのよ」
「あら怖いわ……早く退治してもらわなきゃ」
村の親たちの最近の井戸端会議の話題は専ら裏山に出現した雑魔のことだった。
どうやら、人型の雑魔が三体ほど裏山に住み着いているらしいのだ。
当初は山菜を取りに行った村人が幽霊を見たという話で広まったものの、その幽霊がまとう雰囲気が悪い物に感じるというので村長らが詳しく調べた結果、歪虚らしいという結論に達したという。
「ええ、もう依頼はしているそうよ。まだ確定はしていないけど、早ければ明後日にでもハンターの方が来てくださるって」
●幽霊の話
「なあお前ら、裏山の幽霊の話、知ってるか?」
仲良し四人グループのリーダーを気取る少年、トウワが言い出すと、同い年の少年であるヨアンが目を輝かせた。
「知ってる知ってる! 何か出たらしいじゃん! すごい美少女の幽霊らしいぜ」
その隣で本を読んでいた紅一点のノアは、少し幼い顔立ちながらも大人ぶった呆れ顔で少年を一瞥する。
「あんた馬っ鹿じゃないの? 幽霊が美少女とかいうのはデマでしょ。ただ何となく人影みたいなのが見えたって話だし、そもそも単なる見間違いっぽくない?」
「いや、出たってのはマジって話だ。俺は複数の人影って聞いたが、今度ハンターに頼んで退治してもらうとか」
トウワが幽霊の話を最初に聞いたのはしばらく前のことだった。そのときは大した興味もわかなかったのだが、昨日、わざわざ退治を依頼するらしいと小耳にはさんで俄然気になり始めたのだ。
もしかしたら雑魔なのかもしれない――と思ったものの、それこそが気になる理由でもある。歪虚の類は話には聞くが、今まで一度も見たことがないのだ。危険だと何度言われていても、実際に目の当たりにしたことがない危険など実感がわかず、ただ好奇心だけが先行する。
この世界を緩やかに殺していく存在を、この目で見てみたい。それだけだった。
「退治!? え、その前に見に行かね? 顔をはっきり見た奴がいねえならマジで美少女かもしれねえし!」
ヨアンはこういう話が大好きだ。雑魔ではないかとは多分夢にも思っていないし、きっと話せば見に行こうと言い出すと思っていた。
「ちょっと。本当にいたとして、襲われたりしたらどうするつもり?」
「無い無い。こんな何も無い田舎に悪い幽霊なんか出ねーって」
「はあ……ほんっと単純馬鹿」
ノアも今は澄ました顔で本に視線を落としているが、なんだかんだでついてくるだろう。ノアだって、きっと本気で雑魔だと思っているわけではない。この平和な村に住む子供たちにとって、歪虚はそれほど遠い存在なのだ。
とすると問題はもう一人。トウワが視線を移した先で、その話を聞いていた最年少のルイスが顔を曇らせた。
「お母さんが、裏山にはしばらく行っちゃだめだって……」
「なんだよルイス、見てみたくないのか? 見てみたいよな? 親の言いなりになるなんてナンセンスだ! 自分の気持ちを大事にしていこうぜ!」
完全に見に行く気満々のヨアンがルイスの頭をばしばし叩く。
「……ちょっとは見てみたいけど、お母さんに怒られるのはやだよ……」
「心配するな、ばれなきゃ大丈夫だ! なートウワ!」
「もちろんばれないように行くさ。それにもしばれたら、俺が無理やり連れて行ったと言っていい」
「さっすがトウワかっこいい!」
トウワが言うと、ルイスは少し考える素振りを見せてから頷いた。
「うん……じゃあ、ぼくも行く」
●計画
幽霊が出たというのは、裏山の中腹あたり。
裏山の地図――とは言っても正確な地図ではなく、山菜取りルートを記しただけの簡単な地図なのだが――を四人で囲み、幽霊出現地点に赤い印をつけた
裏山には山菜を取りに行くために踏み慣らされた道があるのだが、幽霊が出没するのはその道から少し外れたところらしい。目撃者の情報を総合すると、誰もが道から遠くに人影を見ただけで、実際に近づいたことは無いようだった。
「ということで、俺たちは幽霊に接触を試みようと思う」
「よっしゃ! 燃えるぜ!」
「え、あの草とか生えっぱなしの中に入るわけ? 虫多そうで嫌なんだけど……」
「虫よけのハーブ塗っていこうよ」
それぞれがあれこれ言いつつも、持ち物の分担などを決めていく。
地図とコンパス。草が生い茂り、木の根っこが張り出していたり折れた枝が横たわっていたりと足場が悪いから、万が一転んだりして怪我をしたときのための水、消毒液やガーゼ。あとはノアの言う通りに虫が多そうなので、虫よけ。当然、飲み物とおやつ。
武器は持たなかった。雑魔だったとしてもどうせ倒せるはずはないのだし、そんなものを用意して、ただの幽霊を見に行こうとしている三人を不安にさせたくもなかった。もし万が一のことがあったら逃げればいいのだ。
足場が悪い中、ただの子供の足でも雑魔から逃げ切れるという希望的観測に基づいたトウワの思考に注意を投げかける者はいない。
「まあこんなところか。すぐ用意できるな」
「出発日決めようぜ! ちなみに退治はいつなわけ?」
「正確にはわからないんだ。ハンターの方の都合もあるだろうから、日にちは今ちょうど話し合ってるくらいじゃないか」
実際、トウワは依頼についての詳しい内容を知らない。この件に関して、大人たちは子供たちの前で話題にすることを避けているようだった。何か聞いてもはぐらかされてしまうので、むしろ子供たちの興味を掻きたてている部分もあるのだが。
「じゃあなるべく早く行く方がいいかもね。……私は明後日なら行けるけど」
●依頼当日
「ハンターさん!」
ひどく慌てた様子の女性が、裏山に入ろうとしているハンターたちに駆け寄ってきた。
「すみません、実は子供が今、裏山にいるみたいなんです! もうしばらく前に家を出ていて、だいぶ山の中に進んでしまっているかもしれません。どうか急いで行って雑魔に襲われる前に助けていただけませんか……!?」
解説
●目的
四人の子供たちを守りながら人型の雑魔三体を倒すこと。
●敵
人型の雑魔三体。
生命力は高くありません。特に武装もしていません。しかし知能を持っており、周辺の木の枝や石などを利用して攻撃してくる可能性があります。
なお同じ場所にいますが連携しているわけではないので、ばらばらに行動します。
●保護対象
下記の四人。
・トウワ:十一歳の少年。好奇心は旺盛だが比較的冷静。四人のリーダーとして振る舞っており、仲間を守ろうという気持ちが強い。
・ヨアン:十一歳の少年。何にでも興味を示す単純で元気な性格。足が速い。
・ノア:十歳の少女。大人ぶった態度を取ることが多いが根は子供らしい。運動は苦手。
・ルイス:九歳の少年。周りの意見に流されやすく、物事の判断が遅い。
攻撃手段も防衛手段も持たないので、雑魔に襲われると成す術がありません。
トウワは雑魔に遭遇しても逃げ切れると思っていますが、もしもターゲットにされた場合、無事に逃げ切るのは困難でしょう。
この四人はハンターの皆さんよりかなり前に裏山に入っており、雑魔の方へ向かっています。
急いで行けば雑魔遭遇寸前か遭遇直後くらいになると思われます。普通に歩いていくと間に合わず、最悪の場合、既に倒れているということもあり得ます。
なおヨアン以下の三人は、トウワの言うことに比較的良く従います。
●場所
裏山は途中まで人がぎりぎりすれ違える程度の細い道があります。
雑魔がいる場所は道から外れた山の中です。木が生い茂っており、まっすぐ進もうとすると二~三スクエアで木にぶつかります。足元は木の根っこがあったり、折れた枝が横たわっていたりして動きにくいのですが、山や森に慣れている方なら問題ないかもしれません。
●依頼達成のポイント
子供たちを守ることが重要です。
四人は雑魔遭遇でパニックになり思わぬ行動を取るかもしれませんので注意してください。
四人の子供たちを守りながら人型の雑魔三体を倒すこと。
●敵
人型の雑魔三体。
生命力は高くありません。特に武装もしていません。しかし知能を持っており、周辺の木の枝や石などを利用して攻撃してくる可能性があります。
なお同じ場所にいますが連携しているわけではないので、ばらばらに行動します。
●保護対象
下記の四人。
・トウワ:十一歳の少年。好奇心は旺盛だが比較的冷静。四人のリーダーとして振る舞っており、仲間を守ろうという気持ちが強い。
・ヨアン:十一歳の少年。何にでも興味を示す単純で元気な性格。足が速い。
・ノア:十歳の少女。大人ぶった態度を取ることが多いが根は子供らしい。運動は苦手。
・ルイス:九歳の少年。周りの意見に流されやすく、物事の判断が遅い。
攻撃手段も防衛手段も持たないので、雑魔に襲われると成す術がありません。
トウワは雑魔に遭遇しても逃げ切れると思っていますが、もしもターゲットにされた場合、無事に逃げ切るのは困難でしょう。
この四人はハンターの皆さんよりかなり前に裏山に入っており、雑魔の方へ向かっています。
急いで行けば雑魔遭遇寸前か遭遇直後くらいになると思われます。普通に歩いていくと間に合わず、最悪の場合、既に倒れているということもあり得ます。
なおヨアン以下の三人は、トウワの言うことに比較的良く従います。
●場所
裏山は途中まで人がぎりぎりすれ違える程度の細い道があります。
雑魔がいる場所は道から外れた山の中です。木が生い茂っており、まっすぐ進もうとすると二~三スクエアで木にぶつかります。足元は木の根っこがあったり、折れた枝が横たわっていたりして動きにくいのですが、山や森に慣れている方なら問題ないかもしれません。
●依頼達成のポイント
子供たちを守ることが重要です。
四人は雑魔遭遇でパニックになり思わぬ行動を取るかもしれませんので注意してください。
マスターより
こんにちは。神崎結衣です。
「歪虚」というネーミングとか「世界を蝕む闇の存在」ってフレーズとか、実に中二心を掻き立てられますよね。
そんな感じでちょっと闇の存在に憧れてしまったトウワが率いる遠足気分な四人ですが、急いで行って助けてあげてください。
「歪虚」というネーミングとか「世界を蝕む闇の存在」ってフレーズとか、実に中二心を掻き立てられますよね。
そんな感じでちょっと闇の存在に憧れてしまったトウワが率いる遠足気分な四人ですが、急いで行って助けてあげてください。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2014/07/08 23:03
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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救出作戦相談所 エルティア・ホープナー(ka0727) エルフ|21才|女性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2014/07/03 12:29:37 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2014/06/30 23:53:54 |