ゲスト
(ka0000)
【偽夜】記憶よ、失え!
マスター:サトー

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 無し
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/04/09 09:00
- リプレイ完成予定
- 2015/04/23 09:00
オープニング
※このシナリオは夢シナリオです。オープニングは架空のものであり、ゲームの世界観に一切影響を与えません。
同盟の港湾都市、ポルトワール。
そのとあるダウンタウン内に、一人の不運な男がおりましたそうな――。
歳の頃は30手前。ぶっとい眉に大きな鷲鼻をひくつかせ、何日も風呂に入っていない頭はべた付き、縮れた髪にフケが塗されている。無精髭が割れた顎を彩り、分厚い下唇はエールで湿っていた。
「ふいぃ……久々の酒はうめぇなぁ」
一週間ぶりのエールに、男は喉の奥から歓喜の声を振り絞る。
頬に差す赤みが、心奧から生気が目覚めだしたのを感じさせた。
「ちゃんと注意して探してみるもんだなぁ」
年中金の無い彼にとって、道端に時たま落ちている金は大事な収入源だ。
たった一枚の貨幣であっても、馬鹿にしてはならない。
「ん、なんかくっせぇな」
エールは生命力の源。喉が潤えば、気にならなかったことにも注意は向かう。
節くれだった拳、熊のような毛深い手甲。汗に黄ばんだ袖を口元にこすり付けた。
男はくんくんと中肉中背の自身の身体を嗅いで、濡れた手ぬぐいで全身を大雑把に拭った。
「あー、生き返った」
「おいおい、こんなところで何してやがんだ、お前は」
酒場の店主が苦言を呈すのにも構わず、がははと笑ってエールをまた呷る。
いつものことだ。店主はため息しか出てこない。
「聞いたぞ。また、ヘマしたらしいな」
「ヘマ? どのことだかわかんねぇや」
店主が言うのは、二週間ほど前の商売の失敗のことだろう。
男はぼったくり露店を開こうとしていたのだが、最初の客がパトロール中の海軍兵士だった。
その前は、スリを行おうとして同業からスってしまい追い掛け回される羽目に陥り。
更にその前は、投資の話を持ち掛けてきた輩に騙され手持ちの金を全て失った。
女の尻を追えば彼氏のマッチョにどやされ、捕まえたと思った女からは借金を押し付けられ、壊れた家の扉を修復しようと金槌を持てば、釘ではなく自分の手を強かに打った。
けれども、男は常に笑っていた。
屋根の煉瓦が落ちて雨漏りしても、「寝ながら水が飲めるとはありがてぇ」と口を開き、一文無しになっても、「誰かが俺の分まで腹を満たしてくれらぁ」とたるんだ腹を太鼓のように叩き、金をせびられても、「俺の金なら、もうすぐあんたのとこに回って来るだろうさ」と笑い飛ばした。
どんな不幸も、男から明朗さと笑顔を奪うことは叶わなかった。
陽気は心の友であり、陰鬱には丁寧に御退去願った。ここは俺の縄張りで、あんたのはそっち、というわけだ。人の陣地に入るには許可がいる。無断で侵入してくるものは、尻を蹴飛ばされても文句は言えまい。湿っぽいのは尚更だ。
だが、彼はそこまで野暮でもない。一人悲しみに暮れるくらいなら、哀しみと酒を酌み交わした方がマシだとも思っていた。彼にとって、哀しみは敵でも忌避するものでもなく、次に笑う為の前座である。哀しみが大きければ大きいほど、期待に胸が膨らんだ。「あぁ、明日は最高の一日になるぞ!」。
溌剌さは天の日のように当たり前なものであり、憂いはトイレの水と一緒に流してしまうのが常だった。
先日もそうだ。
暇だからと昼寝をしていたら、見知らぬ子供と大人の集団が室内をどたばたと横切って行った。言うまでも無く、土足でだ。
泥水と悪臭に塗れた室内で、寝ぼけ眼な彼は暫し呆然としていたが、「こんな日もあるさあな」とすぐにかっかと笑って、再び居眠りをし直した。
皆はこの男をグラと呼ぶ。陽気な、を意味するアレグラからとったものだ。
「飲み終わったんなら、さっさとけぇんな」
店主に追い出され、グラは路地裏をぶらつく。
金は無い。もう酒に使ってしまった。また無一文の日々が始まる。
「どうしたもんかねぇ」
それでも彼の顔に影が差す様子は見られない。
「やっぱり、ここは地道に探すかね」
グラは行きの時と同じく、道端に目を凝らしながら歩く。
すると、樽に隠れた一つの袋を見つけた。
「お。お宝か?」
袋を紐解くと、中には大金と一つの小さな筒が入っていた。
「おっほっほ。こりゃ重畳」
グラは人に見つからぬ内に、その袋を担いで自宅へと素早く戻った。
自宅に着くや否や、袋を逆さまにして中身を全て曝け出す。
大金に笑みを深め、次いで妙な黒塗りの筒を手に取った。
「ん? なんだ?」
筒の中には、何やら豆粒大のふにょふにょとした物体が。
掌に落としてみると、それは確かに動いていた。俗にスライム、と呼ばれるものである。
「スライム……? にしては、なんだか頼りねぇな。おかしなのがいるもんだな」
彼はさして気にせず、矯めつ眇めつスライムを見つめる。それは次第に手首の方までよじ登ってきて――。
「ん……? おわっ!」
触れた服の裾が溶けて消えていったではないか。
慌ててスライムを頭上に放り投げる。
それはくるくると空中で回転し、頭に着地した。軽かった故に気付くのが遅れてしまったのは不運なことだった。
「なんだったんだ、ありゃ」
首を傾げるグラが気付いたのは、数十秒がたった頃。
何だか頭が重たい気がした。傾げた頭から落ちてきたのは、掌サイズのスライム。
先ほどまでは豆粒大であったのに、いつのまにこんなに大きくなったのか。
動きもさっきより随分早くなっている。成長でもして機敏になったのだろうか。
そこで彼は頭に手を伸ばして、漸く気が付いた。
髪が無くなっていた。
同盟の港湾都市、ポルトワール。
そのとあるダウンタウン内に、一人の不運な男がおりましたそうな――。
歳の頃は30手前。ぶっとい眉に大きな鷲鼻をひくつかせ、何日も風呂に入っていない頭はべた付き、縮れた髪にフケが塗されている。無精髭が割れた顎を彩り、分厚い下唇はエールで湿っていた。
「ふいぃ……久々の酒はうめぇなぁ」
一週間ぶりのエールに、男は喉の奥から歓喜の声を振り絞る。
頬に差す赤みが、心奧から生気が目覚めだしたのを感じさせた。
「ちゃんと注意して探してみるもんだなぁ」
年中金の無い彼にとって、道端に時たま落ちている金は大事な収入源だ。
たった一枚の貨幣であっても、馬鹿にしてはならない。
「ん、なんかくっせぇな」
エールは生命力の源。喉が潤えば、気にならなかったことにも注意は向かう。
節くれだった拳、熊のような毛深い手甲。汗に黄ばんだ袖を口元にこすり付けた。
男はくんくんと中肉中背の自身の身体を嗅いで、濡れた手ぬぐいで全身を大雑把に拭った。
「あー、生き返った」
「おいおい、こんなところで何してやがんだ、お前は」
酒場の店主が苦言を呈すのにも構わず、がははと笑ってエールをまた呷る。
いつものことだ。店主はため息しか出てこない。
「聞いたぞ。また、ヘマしたらしいな」
「ヘマ? どのことだかわかんねぇや」
店主が言うのは、二週間ほど前の商売の失敗のことだろう。
男はぼったくり露店を開こうとしていたのだが、最初の客がパトロール中の海軍兵士だった。
その前は、スリを行おうとして同業からスってしまい追い掛け回される羽目に陥り。
更にその前は、投資の話を持ち掛けてきた輩に騙され手持ちの金を全て失った。
女の尻を追えば彼氏のマッチョにどやされ、捕まえたと思った女からは借金を押し付けられ、壊れた家の扉を修復しようと金槌を持てば、釘ではなく自分の手を強かに打った。
けれども、男は常に笑っていた。
屋根の煉瓦が落ちて雨漏りしても、「寝ながら水が飲めるとはありがてぇ」と口を開き、一文無しになっても、「誰かが俺の分まで腹を満たしてくれらぁ」とたるんだ腹を太鼓のように叩き、金をせびられても、「俺の金なら、もうすぐあんたのとこに回って来るだろうさ」と笑い飛ばした。
どんな不幸も、男から明朗さと笑顔を奪うことは叶わなかった。
陽気は心の友であり、陰鬱には丁寧に御退去願った。ここは俺の縄張りで、あんたのはそっち、というわけだ。人の陣地に入るには許可がいる。無断で侵入してくるものは、尻を蹴飛ばされても文句は言えまい。湿っぽいのは尚更だ。
だが、彼はそこまで野暮でもない。一人悲しみに暮れるくらいなら、哀しみと酒を酌み交わした方がマシだとも思っていた。彼にとって、哀しみは敵でも忌避するものでもなく、次に笑う為の前座である。哀しみが大きければ大きいほど、期待に胸が膨らんだ。「あぁ、明日は最高の一日になるぞ!」。
溌剌さは天の日のように当たり前なものであり、憂いはトイレの水と一緒に流してしまうのが常だった。
先日もそうだ。
暇だからと昼寝をしていたら、見知らぬ子供と大人の集団が室内をどたばたと横切って行った。言うまでも無く、土足でだ。
泥水と悪臭に塗れた室内で、寝ぼけ眼な彼は暫し呆然としていたが、「こんな日もあるさあな」とすぐにかっかと笑って、再び居眠りをし直した。
皆はこの男をグラと呼ぶ。陽気な、を意味するアレグラからとったものだ。
「飲み終わったんなら、さっさとけぇんな」
店主に追い出され、グラは路地裏をぶらつく。
金は無い。もう酒に使ってしまった。また無一文の日々が始まる。
「どうしたもんかねぇ」
それでも彼の顔に影が差す様子は見られない。
「やっぱり、ここは地道に探すかね」
グラは行きの時と同じく、道端に目を凝らしながら歩く。
すると、樽に隠れた一つの袋を見つけた。
「お。お宝か?」
袋を紐解くと、中には大金と一つの小さな筒が入っていた。
「おっほっほ。こりゃ重畳」
グラは人に見つからぬ内に、その袋を担いで自宅へと素早く戻った。
自宅に着くや否や、袋を逆さまにして中身を全て曝け出す。
大金に笑みを深め、次いで妙な黒塗りの筒を手に取った。
「ん? なんだ?」
筒の中には、何やら豆粒大のふにょふにょとした物体が。
掌に落としてみると、それは確かに動いていた。俗にスライム、と呼ばれるものである。
「スライム……? にしては、なんだか頼りねぇな。おかしなのがいるもんだな」
彼はさして気にせず、矯めつ眇めつスライムを見つめる。それは次第に手首の方までよじ登ってきて――。
「ん……? おわっ!」
触れた服の裾が溶けて消えていったではないか。
慌ててスライムを頭上に放り投げる。
それはくるくると空中で回転し、頭に着地した。軽かった故に気付くのが遅れてしまったのは不運なことだった。
「なんだったんだ、ありゃ」
首を傾げるグラが気付いたのは、数十秒がたった頃。
何だか頭が重たい気がした。傾げた頭から落ちてきたのは、掌サイズのスライム。
先ほどまでは豆粒大であったのに、いつのまにこんなに大きくなったのか。
動きもさっきより随分早くなっている。成長でもして機敏になったのだろうか。
そこで彼は頭に手を伸ばして、漸く気が付いた。
髪が無くなっていた。
解説
グラの言葉:
あんたらがハンターかい?
いや、なんか変な生き物が俺の家にいてね。
スライムってやつさ。こいつが奇妙なことに、服とか毛だけ溶かしちまうみてえだ。
ほら、俺の頭もご覧の通りってな(ぺちぺち)。がっはっは。
けど、俺の身体は何ともなくてな。不思議なもんだぜ。
ま、俺としちゃそれもまた結構ってな感じなんだが、他の奴らからしたらたまったもん じゃねえだろ?
だから、被害が出る前にこの金で退治でも頼むわ。
ハンターなら簡単なんだろ?
敵:
魔法生物スライム君1号(手のひらサイズ)。ねっちょりしています。
触れたものを溶かして吸収してしまう。特に服などがお好みらしい。
溶かす対象はスライム君の任意。生物は溶けない(ただし毛は溶ける模様)。
吸収するほど、肥大化する。
動きは俊敏。攻撃を当てるのも一苦労。一定以上の大きさになると、緩慢になります。
最初はテーブルの上でくつろいでいます。
スライム君1号の倒し方(PL情報):
半数以上が同時に攻撃を当てると消滅します。
状況:
一般的な民家の中にあると思われそうなものは揃っています。
室内の物は何故か溶かされていません。
(プレイングに利用できるようにという理由であり、特に意味はありません)
備考:
全年齢対象です。全年齢対象です!
同士討ちがあろうと、生命力の減少は行われません。
スライム君1号が消滅すると溶けて消えた物は全て復活しますので、アイテムの破壊の心配はありません。
(毛は元通りに。服などのアイテムは、スライム君1号の身体が消滅した場所に落ちています)
あんたらがハンターかい?
いや、なんか変な生き物が俺の家にいてね。
スライムってやつさ。こいつが奇妙なことに、服とか毛だけ溶かしちまうみてえだ。
ほら、俺の頭もご覧の通りってな(ぺちぺち)。がっはっは。
けど、俺の身体は何ともなくてな。不思議なもんだぜ。
ま、俺としちゃそれもまた結構ってな感じなんだが、他の奴らからしたらたまったもん じゃねえだろ?
だから、被害が出る前にこの金で退治でも頼むわ。
ハンターなら簡単なんだろ?
敵:
魔法生物スライム君1号(手のひらサイズ)。ねっちょりしています。
触れたものを溶かして吸収してしまう。特に服などがお好みらしい。
溶かす対象はスライム君の任意。生物は溶けない(ただし毛は溶ける模様)。
吸収するほど、肥大化する。
動きは俊敏。攻撃を当てるのも一苦労。一定以上の大きさになると、緩慢になります。
最初はテーブルの上でくつろいでいます。
スライム君1号の倒し方(PL情報):
半数以上が同時に攻撃を当てると消滅します。
状況:
一般的な民家の中にあると思われそうなものは揃っています。
室内の物は何故か溶かされていません。
(プレイングに利用できるようにという理由であり、特に意味はありません)
備考:
全年齢対象です。全年齢対象です!
同士討ちがあろうと、生命力の減少は行われません。
スライム君1号が消滅すると溶けて消えた物は全て復活しますので、アイテムの破壊の心配はありません。
(毛は元通りに。服などのアイテムは、スライム君1号の身体が消滅した場所に落ちています)
マスターより
お疲れさまでございます。
全年齢対象です!(しつこい)
OPの98%は無意味な文章ですので、読む必要はありません。解説だけで事足ります。
参加者が男だけだった場合……地獄の幕開けです。
おやすみなさい。
全年齢対象です!(しつこい)
OPの98%は無意味な文章ですので、読む必要はありません。解説だけで事足ります。
参加者が男だけだった場合……地獄の幕開けです。
おやすみなさい。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/04/15 03:11
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓? ティス・フュラー(ka3006) エルフ|13才|女性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2015/04/06 09:54:17 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/04/04 22:42:17 |