要塞都市『ノアーラ・クンタウ』、昼下がりの和やかな時間を人々は過ごしていた。

　ゆったりとした雰囲気の中に、二人の少年が血相を変えて走り込んでくる。
「友達を、助けて、ください！」
と叫びその場に座り込んでしまう。
　その異常な雰囲気に、たまたまその場に居合わせたハンターたちが話しかけた。
　少年たちは、泣くのを必死に我慢して訴える。二人をよく見ればあちこち服が破れ、擦りむいた傷からは血がにじんでいた。

「倉庫で、みんなで、探検して、それで」
「ネ、ネズミが、い、いっぱいいて、」
「ゆっくりでいいからな。ネズミがどうしたんだ？」
　要領を得ない少年たちから根気よく話を聞き出す。

　要塞から少し離れた場所に、大きな倉庫があるらしい。場所が要塞から離れていて不便なこともあり、今は使われていない倉庫だった。中は荷物が無計画に詰め込まれて迷路のようになっているらしい。
　少年たちは冒険と称して倉庫に侵入し遊んでいたところ、いつの間にか大きなネズミに囲まれていたのだそうだ。
　少年たちの目撃証言を合わせると、ネズミは猫くらいの大きさがあり暗闇の中で目が輝いていたと言う。
　自分たちは走って逃げたが友達が二人、倉庫の中にまだ残っている、助けてほしいという話だった。
「クラークとブルースが死んじゃう……」
「お、お願い。二人を助けてください」
　話し終えると、二人は我慢できずに泣き出した。

　少年たちの話を合わせると、ただのネズミではないようだ。
「まずいな。これが歪虚だったら大変だぞ」
　放って置けば倉庫から出て、周辺に被害をもたらすだろう。
「そんなことよりも、逃げ遅れた子供たちを助けないと」
　逃げ遅れた少年たちの安否が心配された。
「大丈夫。まかせて。友達は必ず助けるから」　

少年たちの救出と雑魔退治。

●倉庫の様子
　・規模の大きな倉庫だが、荷物が無計画に詰め込まれていて迷路。
　・通路は二人並んで歩くと肩がふれ合うくらい。
　・窓から光が射し込んでいる。薄暗い。棚や荷物で光が遮られて、影になっている場所も多い。
　・倉庫の荷物は、備品、什器、木箱、布袋など。それらが棚に納められていたり床に置いてあったり、積み上げられていたりする。
　・火薬などの危険物は無い。
　・荷物や棚に登ることは可能。ただし脆くなっていたり安定が悪いので、荷物が崩れたり、踏み抜く危険があるので注意。

●歪虚：親ネズミ（二匹）
　・雑魔。夫婦のネズミ。
　・大型犬くらいの大きさ。
　・少年たちを餌として巣に持ち帰ろうとしている。
　・体当たりや鋭い歯で噛みつき攻撃をしてくる。
●歪虚：子ネズミ（十匹くらい）
　・親ネズミの周りをウロウロしている。
　・猫くらいの大きさ。
　・攻撃方法は親と同じ。小さいので物陰から不意打ちを狙ってくる。

●少年たち
　・レックス、トム、ブルース、クラークの四人組です。
　・要塞に助けを求めてきたのが、トムとレックス。
　・ブルースとクラークは、倉庫の中を逃げ回った後、中央付近で積み上げられた木箱の上に避難。今は棒を手にネズミを近づけないように頑張っています。
　・逃げる時にあちこちぶつけてケガをしています（軽傷）

　使われていない倉庫を見つけて侵入。
　「オレたちの秘密基地にしようぜ！」と、倉庫の中で遊んでいたらネズミに襲われました。
　少年たちの救出をよろしくお願いします。

　少年たちの親から報酬が出ることになります。