• 不動
  • 戦闘

【不動】相剋の叙唱 覇軍の主は死地で嗤う

マスター:藤山なないろ

このシナリオは5日間納期が延長されています。

シナリオ形態
ショート

関連ユニオン
アム・シェリタ―揺籃館―

難易度
難しい
オプション
  • relation
参加費
1,000
参加人数
現在6人 / 4~6人
マテリアルリンク
報酬
多め
相談期間
5日
プレイング締切
2015/04/02 22:00
リプレイ完成予定
2015/04/16 22:00

オープニング

※このシナリオは難易度が高く設定されています。所持金の大幅な減少や装備アイテムの損失、場合によっては、再起不能、死亡判定が下される可能性があります。
再起不能、死亡判定の下されたキャラクターはログイン、及びコンテンツへのアクセスが制限されます。

 昨年勃発した、あの“災厄”が去って以降、4度の満月が過ぎた。月の光は満ちては欠け、その都度グラズヘイム王国は着実に“復興”の途を辿ってきた。
 だが、復興に一定のめどがたったのと、“その戦い”が起こったのは、ほぼ時を同じくした頃だった。

●辺境大規模作戦、発令

「先のナナミ河での怠惰戦において、我が国からは副長ダンテ・バルカザール率いる王国騎士団部隊、並びにヴィオラさま指揮のもと聖堂戦士団からも一部戦力を派遣して頂きましたことは、皆様すでにご存じのことかと思います」
 グラズヘイム王国の王城で今まさに開催されている“国の最高意思を決定する円卓会議”において、卓を囲む面々をぐるりと見回し、王女システィーナ・グラハムが宣言する。
「いま再び、辺境より協力要請がありました。“怠惰を討ち、聖地を奪還する”……と」
 誰も言葉を発せぬ部屋で、頃合いを見計らって発言したのは大司教のセドリック・マクファーソン。
「そうですな。……“先日派遣した戦力の派遣継続”、でいかがだろうか」
「それは“追加戦力は送らない”ということですか?」
 間髪いれずに問う少女の表情には、明らかな陰りが見える。
「派遣した戦力は、いずれも我が国が誇る有数の戦士たちばかり。十分な協力姿勢は、示せているかと」
「はい。優秀な方々が向かわれたと聞いております。ですが……」
「……王女殿下、恐れながら」
 視線を落とした少女を見かねたのか、マーロウ家現当主ウェルズ・クリストフ・マーロウが口を開いた。
「殿下のため、言葉を選ばず申し上げよう。失礼は容赦頂きたい」
 穏やかながら厳しい瞳をまっすぐに見つめ、王女は老紳士の言葉に頷いた。
「当然、派兵に応じることで辺境に恩を売ることもできれば、我が国の威厳を示すこともできましょう。だが……覚えておいでだろう。先の同盟領への派兵直後、我が国に起こった惨劇を」
 ──昨夏のことだった。同盟領で勃発した狂気の歪虚による大戦。それに際し、王国は可能な限り最大級の戦力を送ることで精力的に同盟を支援した。しかし、その時から“王国の悪夢”は始まっていたのだ。同盟への派兵直後、王国内で増加・活発化したのは羊型歪虚。それらを抑えるために王国騎士団はすり減り、やがて来る黒大公べリアルとの大戦においても十全な対応をできぬままに終わる。王国は数多くの人を亡くし、途方もない損害を被った。今なお癒え切らない戦火の傷跡は、“たった4ヶ月ほど前につけられたばかりのもの”だ。
「黒大公は今なお彼の島にあり、いつ何時その災厄が降り注ぐとも知れぬ……私は、増援派兵には賛同致しかねる。それだけだ」
 他の貴族たちもマーロウに賛同する者が多く、“会議体として追加派兵を是としない”意向であると知れた。
 ──辺境と、そこに住まう人々のことを思えば、隣人としてもっと彼らの力になりたい。ただそれだけなのに。
 卓の下、膝に載せていた少女の白い手に力が込もった……その時。
「まぁ、それならそれでいいんじゃない?」
 へら、と。軽口をたたくような気安さで、男が言った。
「“王国としては”これ以上の派兵をしない。騎士団も、戦士団も、僕達貴族の『王国軍』も動かさない……そのほうが今の僕らにはベターだろうし、ね」
 少女の想いを嗅ぎ取ったのかは定かではないが、男──港街ガンナ・エントラータの領主であり、王家の傍流であるシャルシェレット家の現当主ヘクスが会議の舵を握り始めた。
「それにさ、同盟領への派兵と比べたら国は大分余力を残しているワケだし、これってつまり“先の派遣戦力はそのまま派遣するから、残る騎士達で責任もって国をきちんと守ります”ってことだ。そうだろう、エリー?」
「……無論だ」
「喧嘩を売っているのか」と応戦しかけた自身を律し、訝るような視線を送る王国騎士団長エリオット・ヴァレンタイン。それを面白がりながら、ヘクスは構わずこう続ける。
「ま、そういうことだから。”王国”としての方針は決まったよね。じゃあ――」
 周囲の貴族連中の思惑など知ったことではないのだろう。ヘクスは、飄々とした態度のまま笑ってこう述べた。
「もし我が国の、そして王女殿下の御為、はたまた隣人の為に義勇を以って“貴族の誰かさんが個人的に出兵する”、なんかは夫々の自己責任……ということでいいんじゃない?」
 視線の端に捉えた王女の瞳には、明るい光が射しているように見えた。



 辺境。マギア砦へ向かう平野で、彼らはそれを発見した。
「まさか、“あの数”の巨人を……?」
 呟く少女を一瞥し、燃えるような赤髪の男──王国騎士団副団長にして赤の隊隊長ダンテ・バルカザールが、嗤った。
「いっそ好都合じゃねえか。……歪虚なら殺したって誰も文句言わねぇからな」
 あからさまに口角を上げ、好戦的な瞳をギラつかせている。
 まさかこれは、来る戦いへの“期待感”、だろうか? 正気の沙汰ではない。
 ──お兄様は、こんな狂戦士を従えているの?
 少女には、王国騎士団の清廉潔白な印象は自身の想い込みに過ぎないのではないかと感ぜられた。

 遡ること少し。
 王国西方を統治する貴族グリムゲーテ家の私兵団が、嫡子ユエルの指揮のもと辺境マギア砦を望む王国拠点へやってきた。
「フレッシュゴーレム、ですか」
「フレッシュなわりに鮮度は怪しいが」
「……」
「まぁ、そう怒んな。しかし、連中も随分イイ趣味してんじゃねぇか」
 怠惰の巨人連中が、突如周囲の村々で人を食い漁り始めたとの情報が寄せられた。王国連合軍は、直ちにそれを掃討せんと行軍開始。偵察の結果、“現時点で歪虚軍の核と目された異形”は、人の肉を寄せ集めて生まれた最悪の生物──道の正邪を問わぬ魔術師連中に呼ばせれば“フレッシュゴーレム”と言うに相応しいらしい。その異形は、悪いことに“人”のような形状をしているという。寄せ集めた肉も部位を問わず、中途半端に元の形を連想させる“雑な凹凸”に嫌悪感をおぼえるばかりでなく、まともに直視できないものもいるという。聖堂戦士団を率いるヴィオラ・フルブライトは思案気な面持ちで「予感が当たらないことを祈るばかり」と言ってはいたが、彼女が何を“予感”したかは定かではない。
「肉塊までには、まずデカブツをぶっ殺さなきゃならん。嬢ちゃん、悪ぃこたぁ言わねえ。覚醒者ですら連中の相手は……」
「でしたらなおのこと、そうでない者も助力せねばなりませんね」
 頑ななユエルの返答に、漏れる盛大な溜息。
「お前の目は、親父そっくりでいけねぇな」

 そうして、時は来た。
「このクソッタレな戦場に来ちまった馬鹿ども、よぉく聞け!!」
 響き渡る怒号のごとき号令に、全ての戦士が前を向く。
「目標ッ! 群がる怠惰のデカブツども!」
 ダンテの跨る馬が嘶き、王国騎士団の騎兵が一斉に呼応する。
「全軍突撃ィ! てめぇらの血を以て、この道絶対に拓いて見せろ!!」

解説

本シナリオは、ムジカSSD、鹿野MSのシナリオと連動。
本シナリオの結果は、両名のシナリオに影響を与えます。

●目的
辺境マギア砦付近に出没したフレッシュゴーレム&怠惰軍を掃討することとなりました。
本シナリオでは、フレッシュゴーレムを囲むようにひしめく怠惰の歪虚を倒し、後続隊のための道を作ります。

●地形
見通しの良い平地
風も強くない晴れの昼

●状況
本依頼における味方戦力(王国連合軍の一部。以下、本隊)は、下記の構成です

・王国騎士団副長ダンテ・バルカザール率いる騎士団員14名。全員覚醒者
・王国貴族グリムゲーテ家の抱えるグリム騎士団10名。聞くところによると、指揮官ユエル・グリムゲーテは覚醒者ではない
・ハンターの皆様6名

合計30名で巨人の軍勢に挑んで頂きます
王国連合軍として本作戦に挑んで頂く皆様には、本シナリオに限り、
先の王国展で初お目見えした王国の名軍馬“ゴースロン”を一人一頭お貸しします
全員騎兵として戦えますが、騎乗しなくても構いません

戦術戦略など、作戦は皆様のプレイングにてご提示下さい
内容によって応えられないこともありますが、作戦は事前に本隊の皆で話したものとして、騎士達も従います

●敵
怠惰の歪虚軍勢
異形までの道を切り拓くために討伐せねばならない数は、進路上の20体
※このほかにも怠惰歪虚は戦場に存在しますが本依頼で相手取る必要はなく、ゲームの設計上こちらを襲ってこないものとして無視してください

下記の巨人合計20体が皆様のお相手です(比率非公開)

1)オーク
額に数本の角を持つ、体長約4mの巨人。人並みの知恵を持つが、賢い方ではない。人を食らう。

2)トロル
岩のような体躯を持つ、体長約5mの巨人。再生能力が高く、少々の傷ではすぐに回復してしまう。

●成否条件
大成功条件は、特定ターン数までに20体全ての巨人を掃討すること
本隊の半数が戦闘不能に陥った時点で戦闘続行は厳しいものとし、大失敗で本隊撤退

マスターより

ご無沙汰しております。
王国Div所属、藤山なないろと申します。
休業明け一発目です。はじめましての方も、そうでない方も、よろしくお願い申し上げます。

さぁ、久々の王国戦闘連動です!

鹿野MSの【不動】慟哭の叙唱 悪性開花し、人は惑う
ムジカSSDの【不動】宣告の叙唱 笑う道化は開演を告ぐ

本シナリオは上記の依頼と連動し、時系列的に一番手。血路を拓く重役です。

最初タイトルを「巨人無双」にしようと思っていましたが、怠惰の歪虚は大変お強い。
無双する側が巨人になる可能性が……これは進撃の●●のような恐怖感です。

「ガンガンいこうぜ」から作戦を変更してくれない指揮官ダンテと共に、どうかこの死地を乗り越えて下さい。

関連NPC

  • グラズヘイム王立学校生徒
    ユエル・グリムゲーテ(kz0070
    人間(クリムゾンウェスト)|16才|女性|聖導士(クルセイダー)
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2015/04/15 03:03

参加者一覧

  • 一刀必滅
    ナハティガル・ハーレイ(ka0023
    人間(紅)|24才|男性|闘狩人
  • 壁掛けの狐面
    文月 弥勒(ka0300
    人間(蒼)|16才|男性|闘狩人

  • ルカ(ka0962
    人間(蒼)|17才|女性|聖導士
  • 勇敢と献身に混在する無謀
    ティト・カミロ(ka0975
    人間(紅)|16才|男性|闘狩人
  • グリム・リーパー
    ジェーン・ノーワース(ka2004
    人間(蒼)|15才|女性|疾影士
  • 誓槍の騎士
    ヴァルナ=エリゴス(ka2651
    人間(紅)|18才|女性|闘狩人

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン 相談卓
ヴァルナ=エリゴス(ka2651
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|闘狩人(エンフォーサー)
最終発言
2015/04/02 22:00:26
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2015/03/30 05:43:35