ゲスト
(ka0000)
ワルサー総帥、魔法少女になる
マスター:御影堂

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/04/19 12:00
- リプレイ完成予定
- 2015/04/28 12:00
オープニング
●
ここは王国北部ルサスール領。
羊毛と農耕を中心に栄える、穏やかな貴族領である。
「はーはっはっは」
その穏やかさをぶち破るような笑い声を上げる少女が一人。
ワルワル団首魁あるいは頭領またの名を総帥、サチコ・W・ルサスールである。
ルサスールの名が示す通り、彼女はルサスール家の息女である。
「わた……俺様がワルワル団総帥のサチコ様なのです……だぜ!」
たどたどしく名乗りあげの練習をするのが日課である。
ワルワル団とは、義賊に憧れたサチコが家出をして名乗っている組織である。
「……サ、ワルサー総帥。もう聞かれました?」
「ん?」
そこへ洗濯物を取り込んだ従者ジロが、戻ってくる。
家出中の彼女は、従者タロとジロとともに山小屋で生活していた。
「領内に歪虚が現れたらしいですよ」
「歪虚? あの歪虚ですの?」
歪虚といえば、いわずとしれば人類の敵である。
サチコもさすがに良い顔はしない。
「……わた、俺様たちの領域を侵すなんて許せませ……許せないのだぜ」
ぐっと拳を固めるサチコに、話を聞いていたタロは忠告する。
「サチコ様が行ってどうなりますか? 勝てるわけでもないでしょう」
「そ、そんなことはわかっているのですわ」
歪虚といえば、ハンターの領分。覚醒者ではないサチコにできることはない。
それでも領民が苦しんでいるならば、動きたくなるのが彼女の性分である。
「ワルワル団は、悪い集団。ならば、この歪虚出現は静観すべきです」
タロの本音は、心根の優しいサチコが下手に動かないようにしたいだけである。
「私は……」
「……」
視線をそらすサチコをタロがまっすぐ見る。
剣術指南役をかっているタロからすれば、サチコはある程度戦えはできるだろう。
一切の攻撃を受けさせしなければ、である。一撃でも受ければ命が危ない。
「つまり、ワルワル団でなければよいのでしょう?」
そう切り出したのは、意外にもジロだった。
タロとサチコは驚いたように、顔を向ける。
ジロはニヤリと笑みを浮かべ、告げる。
「このあいだの特産品づくりでいいものが手に入りましたからね」
取り出したのはピンクを基調とした、魔法少女の衣装だった。
思わずサチコの顔が引きつる。
貴族育ちの彼女にとって、そのミニスカートは鬼門なのだ。
「知っていますか、サチコ様。魔法少女は、顔形が一緒でも絶対に正体がばれないのですよ」
「え」
「つまり、魔法少女になればよいのです。魔法少女ハッピースールの誕生ですよ!」
やや興奮気味に語るジロをタロは冷ややかな目で見ていた。
サチコも気圧されて、返事に詰まる。
「……魔法少女なら、悪を倒すために立ち上がるのもおかしくはないのです」
「な、なるほど?」
契約を迫る小動物のごとく、ジロはあれやこれやとサチコを説得する。
そのうち、目がぐるぐると洗脳されていったサチコは「わかりましたわ」と答えるのだった。
●
魔法少女の契約を交わし、悶えながらサチコは部屋に引きこもった。
残されたタロは、ジロに迫ると語気を強めた。
「どういうつもりだ、ジロ」
「どういうつもり、とは? 私はサチコ様が領民を助けたいのなら、手助けするだけですよ」
「何かあったら……カフェ様に申し訳が立たないぞ」
だからこそ、今、必要なのだとジロは告げる。
訝しげな表情を浮かべたタロへ、ジロは説く。
「このご時世です。ゴブリンたちの起こす事件も聞こえますし、歪虚の動きもこの地方はまだとはいえ、活発化しています」
「あぁ」
「いずれ、何かあった時、サチコ様が前に出ようとするのは必定。ハンターたちの戦いを見るのも、よい機会でしょう」
今回発生したのは、泥人形のような歪虚であるらしい。
スライムが近しいらしく、動きは鈍い。
「ちょうどいい相手でもあります」
「ちょうどいいって……万が一のことがあれば」
「……そのときは、私がかばいますよ」
一瞬、互いに黙る。
タロは嘆息を漏らすと同時に、ジロの肩をたたいた。
「これも通過儀礼か」
「もしかしたら、これにビビってサチコ様もワルワル団を諦めるかもしれませんから」
「そうだといいがな」
タロは天井を見上げる。
この上は、丁度サチコの寝室であった。
「我らのお転婆姫の芯は、強いぞ?」
「知っているさ」
●
「もう一度!」
「ま、まじかるきゅるるん、ハッピースール! ただいま参上!」
「ポーズに切れが足りませんよ、サチコ様!」
戦いへ趣くまでの間、ジロはサチコに魔法少女としての名乗りを教えていた。
あまりの熱心さに、タロは額に手を当てて呟く。
「やっぱり、お前の趣味じゃないのか……?」
ここは王国北部ルサスール領。
羊毛と農耕を中心に栄える、穏やかな貴族領である。
「はーはっはっは」
その穏やかさをぶち破るような笑い声を上げる少女が一人。
ワルワル団首魁あるいは頭領またの名を総帥、サチコ・W・ルサスールである。
ルサスールの名が示す通り、彼女はルサスール家の息女である。
「わた……俺様がワルワル団総帥のサチコ様なのです……だぜ!」
たどたどしく名乗りあげの練習をするのが日課である。
ワルワル団とは、義賊に憧れたサチコが家出をして名乗っている組織である。
「……サ、ワルサー総帥。もう聞かれました?」
「ん?」
そこへ洗濯物を取り込んだ従者ジロが、戻ってくる。
家出中の彼女は、従者タロとジロとともに山小屋で生活していた。
「領内に歪虚が現れたらしいですよ」
「歪虚? あの歪虚ですの?」
歪虚といえば、いわずとしれば人類の敵である。
サチコもさすがに良い顔はしない。
「……わた、俺様たちの領域を侵すなんて許せませ……許せないのだぜ」
ぐっと拳を固めるサチコに、話を聞いていたタロは忠告する。
「サチコ様が行ってどうなりますか? 勝てるわけでもないでしょう」
「そ、そんなことはわかっているのですわ」
歪虚といえば、ハンターの領分。覚醒者ではないサチコにできることはない。
それでも領民が苦しんでいるならば、動きたくなるのが彼女の性分である。
「ワルワル団は、悪い集団。ならば、この歪虚出現は静観すべきです」
タロの本音は、心根の優しいサチコが下手に動かないようにしたいだけである。
「私は……」
「……」
視線をそらすサチコをタロがまっすぐ見る。
剣術指南役をかっているタロからすれば、サチコはある程度戦えはできるだろう。
一切の攻撃を受けさせしなければ、である。一撃でも受ければ命が危ない。
「つまり、ワルワル団でなければよいのでしょう?」
そう切り出したのは、意外にもジロだった。
タロとサチコは驚いたように、顔を向ける。
ジロはニヤリと笑みを浮かべ、告げる。
「このあいだの特産品づくりでいいものが手に入りましたからね」
取り出したのはピンクを基調とした、魔法少女の衣装だった。
思わずサチコの顔が引きつる。
貴族育ちの彼女にとって、そのミニスカートは鬼門なのだ。
「知っていますか、サチコ様。魔法少女は、顔形が一緒でも絶対に正体がばれないのですよ」
「え」
「つまり、魔法少女になればよいのです。魔法少女ハッピースールの誕生ですよ!」
やや興奮気味に語るジロをタロは冷ややかな目で見ていた。
サチコも気圧されて、返事に詰まる。
「……魔法少女なら、悪を倒すために立ち上がるのもおかしくはないのです」
「な、なるほど?」
契約を迫る小動物のごとく、ジロはあれやこれやとサチコを説得する。
そのうち、目がぐるぐると洗脳されていったサチコは「わかりましたわ」と答えるのだった。
●
魔法少女の契約を交わし、悶えながらサチコは部屋に引きこもった。
残されたタロは、ジロに迫ると語気を強めた。
「どういうつもりだ、ジロ」
「どういうつもり、とは? 私はサチコ様が領民を助けたいのなら、手助けするだけですよ」
「何かあったら……カフェ様に申し訳が立たないぞ」
だからこそ、今、必要なのだとジロは告げる。
訝しげな表情を浮かべたタロへ、ジロは説く。
「このご時世です。ゴブリンたちの起こす事件も聞こえますし、歪虚の動きもこの地方はまだとはいえ、活発化しています」
「あぁ」
「いずれ、何かあった時、サチコ様が前に出ようとするのは必定。ハンターたちの戦いを見るのも、よい機会でしょう」
今回発生したのは、泥人形のような歪虚であるらしい。
スライムが近しいらしく、動きは鈍い。
「ちょうどいい相手でもあります」
「ちょうどいいって……万が一のことがあれば」
「……そのときは、私がかばいますよ」
一瞬、互いに黙る。
タロは嘆息を漏らすと同時に、ジロの肩をたたいた。
「これも通過儀礼か」
「もしかしたら、これにビビってサチコ様もワルワル団を諦めるかもしれませんから」
「そうだといいがな」
タロは天井を見上げる。
この上は、丁度サチコの寝室であった。
「我らのお転婆姫の芯は、強いぞ?」
「知っているさ」
●
「もう一度!」
「ま、まじかるきゅるるん、ハッピースール! ただいま参上!」
「ポーズに切れが足りませんよ、サチコ様!」
戦いへ趣くまでの間、ジロはサチコに魔法少女としての名乗りを教えていた。
あまりの熱心さに、タロは額に手を当てて呟く。
「やっぱり、お前の趣味じゃないのか……?」
解説
●目的
サチコを守りながら、歪虚を討伐する。
●歪虚
泥人形のような歪虚。
見立てでは、スライムに近いらしい。
ただし、スライムよりも固形よりである。
その他の特徴
1)石つぶてのような魔法攻撃を放つ射程はおおよそ10。
2)体力が高めだが、動きは鈍い。
数は3体以上。
●戦闘場所
街道沿いの牧草地帯。
現在は立ち入りを禁止している。
歪虚の影響か、ぬかるみがところどころ発生している。
回りこみは可能。
●サチコ
魔法少女ハッピースールとして参上。
名乗り方とか教えてあげてください。
根は優しい直情型の性格。
倒せないとはわかっていても、何かせずに入られない。
気がついたら前に出ようとするので、守りつつ制して上げてください。
戦いを見るために来ているので、敵の魔法攻撃の範囲に入ることがあります。
彼女の体力では、一撃が重傷になる可能性が高いです。
サチコを守りながら、歪虚を討伐する。
●歪虚
泥人形のような歪虚。
見立てでは、スライムに近いらしい。
ただし、スライムよりも固形よりである。
その他の特徴
1)石つぶてのような魔法攻撃を放つ射程はおおよそ10。
2)体力が高めだが、動きは鈍い。
数は3体以上。
●戦闘場所
街道沿いの牧草地帯。
現在は立ち入りを禁止している。
歪虚の影響か、ぬかるみがところどころ発生している。
回りこみは可能。
●サチコ
魔法少女ハッピースールとして参上。
名乗り方とか教えてあげてください。
根は優しい直情型の性格。
倒せないとはわかっていても、何かせずに入られない。
気がついたら前に出ようとするので、守りつつ制して上げてください。
戦いを見るために来ているので、敵の魔法攻撃の範囲に入ることがあります。
彼女の体力では、一撃が重傷になる可能性が高いです。
マスターより
わるわるさー、御影堂です。
わるわるさーはワルワル団の挨拶、なのですが今回は魔法少女になるそうです。
なお、エイプリルフールシナリオではありません。
コメディタッチですが、サチコにとっては重要な通過儀礼です。
その意味で、シリアスともいえます。
戦いを肌で感じることで、彼女は何か思うでしょう。
それは、皆様の言動しだいです。楽しみにしています。
わるわるさーはワルワル団の挨拶、なのですが今回は魔法少女になるそうです。
なお、エイプリルフールシナリオではありません。
コメディタッチですが、サチコにとっては重要な通過儀礼です。
その意味で、シリアスともいえます。
戦いを肌で感じることで、彼女は何か思うでしょう。
それは、皆様の言動しだいです。楽しみにしています。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/04/27 05:36
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/04/15 12:17:13 |
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相談卓 最上 風(ka0891) 人間(リアルブルー)|10才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2015/04/19 01:42:43 |