●リターンズと言いつつ同じ雑魔では当然ない、そして何匹も出ているのはご愛嬌
　海開きにはまだ流石に早いものの、海辺を歩くのも心地いい季節になってきた。
　その日も老若男女、老夫妻に若いカップル、家族連れなど様々な取り合わせが澄んだ蒼の海辺と白い砂浜、だんだん初夏に向けて勢いの強まってきた太陽とまだ冷たさをわずかに残す風、相手との談笑を楽しみながら海辺を散策していた。
「あれ、なんだろう、海藻かな」
　一番最初に気づいたのは若い男性だった。蒼い水面に向かってゆらゆらと揺れながら上昇してくる細長い物。
　それが気づけば何本も、何本も、岸へと近づいてくる。
「海藻じゃない……これは、ウミヘビか……！？」
　別の男性が驚きの声を上げた。その間にも海藻、否ウミヘビの群れはどんどんと数を増して砂浜に寄ってくる。
　その姿に嫌悪感を抱いた女性や子供が絹を裂くような悲鳴を上げて逃げ惑う中、一人の男性が皆の避難が済むまでこのウミヘビにしか見えない、けれど岸を目指して押し寄せてくる不気味な生き物を引きつけようと立ちふさがる。
　――結果、男性はウミヘビにまとわりつかれ引っぺがしても引っぺがしても足元から登ってこられるというある意味悪夢な体験をする羽目になったのだった。

「……で、調べてみたらこのウミヘビ、ご想像通りというか予想外だったというか、その判断は君たちに任せるけど……何故か僕が良く斡旋を任される変態雑魔の一種だったんだよね」
　最近ないから油断してたなぁ、とルカ・シュバルツエンド（kz0073）は額を抑えて深々とため息をついた。
「男性を狙って足元から絡みついてきて、露出部分を舌に相当する部分でチロチロ舐める。精神的外傷以外はそんなに害もないし耐久力も低いみたいだけど……数が物凄く多くてね。五十体前後いるんじゃないかって話。
　男性が砂浜を歩いてればいつの間にか海辺から寄ってくるよ。舐める部分が多くなるからか、露出の高い人がお好みみたいだね。
　あと適度な筋肉がある人が狙われやすいんだってさ。
　引きつけて引きはがして仲間に処理してもらう囮役と、引きはがされた雑魔を掃討する人に分かれるといいかもね。
　絡みつく前に攻撃すると逃げちゃうらしいから」
　あぁ、また変態扱いされる、とルカが自分の心配を真っ先にする程度の戦闘力のようだが、数の暴力にご用心。

はい、出ました変態雑魔退治。
五十体前後のウミヘビもどきを退治するお仕事です。
脆いですが全部の個体が囮に絡みつくなり岸から相当離れるなりしないと他の個体が倒されている間に危険を感じて海に戻ってしまう為その場合は失敗になります。
一度絡みつくとそちらに意識が集中するため逃げたり反撃したりはしません。
突っ込みつつ倒していけばそのうち終わるので戦闘よりセリフを多めにするとバランスが良くなるかもしれません。
尚、女性しか集まらなかった場合を考えて「難易度：普通」です。
男の娘さんにも例によって例のごとくセンサーが発動して男性だと認識しますがどちらかというと細マッチョ系がお好みのようです。
ルカ・シュバルツエンドが同行します。煮るなり焼くなりご自由にどうぞ。
露出が高いと狙われやすいです。
舐めるほか、甘噛み（ダメージ1位の本当に甘噛み。ただし歯形は残る）もしてきます

女性を狙う変態雑魔、でも対応は可能なのですが男性を狙う変態雑魔はコメディにしやすいものの女性を狙う変態雑魔は何だかアダルト路線にいきそうなので毎回男性が犠牲になります。
例によって例のごとく観光地なのであまり荒らさずに片づけると保護団体の人が喜ぶことでしょう。