ゲスト
(ka0000)
【不動】大首長選~頂の道
マスター:有坂参八

このシナリオは3日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- イベント
- 難易度
- 普通
- 参加費
500
- 参加人数
- 現在25人 / 1~25人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/05/20 19:00
- リプレイ完成予定
- 2015/06/01 19:00
オープニング
●
数多の代償を払いながらも歪虚ガエル・ソトとヤクシーは討たれ、辺境…赤き大地の諸部族はついに、悲願たる聖地奪還を果たした。
聖地リタ・ティトの大霊堂に集った諸部族の重鎮達は、これまでと、これからの事を語り合う。
未来と、過去の事を。
「部族会議を、やりなおそう。このままじゃ、きっと、ダメなんだ」
開口一番、スコール族の長ファリフ・スコール(kz0009)は、決意の宿る瞳で言い放った。
「ほう」と、嬉しそうに見守るのは、老戦士シバ(kz0048)。
その隣には、聖地を守り続けた巫女達を束ねる、大巫女が座している。
「どうかね、蛇の爺さんや」
大巫女の問は、ほんの少し芝居がかっている。対するシバの答えもまた、然り。
「そうさの、スコールの長は正しい。儂ら老いぼれに反対する道理もあるまい。あとは……部族を束ねる首長達が決める事。違うか?」
老人達の深く静かな視線が、もう一人の『首長』へと無く。
バタルトゥ=オイマト(kz0023)。一度は帝国への恭順を唱えたオイマト族の長は、かすかな沈黙の後に答えた。
「……ファリフに、賛成する」
「バタルトゥさん……!」
ファリフが、目を丸くする。彼女にとって、予想外の回答だったから。
バタルトゥは何かしら言葉を秘めているようだったが、この場で語る事はなかった。
「では、決まりじゃな」
最有力部族であるファリフとバタルトゥを中心に、シバと大巫女が相談役となって、彼らは今後の方針を決めた。
その結果は、こうだ。
『辺境部族は民族の門を開き、あらゆる異邦の友との協力関係を模索する。
しかし、あくまで民族として自立する道を追求し、いかなる国家にも従属はしない。
その為に部族間の意志を協議・共有する場として、部族会議を再設置する』
……既に部族会議は、以前の心揃わぬ烏合の衆とは違っている。
戦いの中で答えを模索して来た彼らが、共有できる目標を見出すのに時間はかからなかった。
「あとは……頭が必要じゃな。部族を、赤き大地の子を束ねる、『大首長』が」
「大首長……?」
シバの発言に、ファリフは首をかしげる。
一方のバタルトゥは、終始冷静だった。
「……いわば、議長、か。帝国や王国、同盟の長と肩を並べる……代表者……」
「おお、聡いなオイマトの長。よいぞ、よいぞ」
「どのように、決める?」
老人の薄笑いを軽く流しながら、バタルトゥは問う。
シバは地図を広げ……予想外の回答を、口にした。
●
「まさか、競争で決めるなんて……」
会議が終わった後、青空の下でファリフは一人、はふー…と、重くはない溜息を吐いた。
『部族会議の大首長は、二大有力部族であるオイマトとスコール、二者の競争を以って決定する』
それが、シバの語った大首長の選出方法だった。
いまになって変化の兆しを見せるとはいえ、赤き大地の子はやはり、自然に生きる戦士の子。
ならば力をもってその資格を証明するが、最も正統な選出法であろうと。
「スヴァルナ山かぁ。どっちの道でも、まる一日くらいかかりそう」
渡された地図を広げ、見つめる。
聖地リタ・ティトの北にある、スヴァルナ山……それが、競争の目標だった。
山頂にある祠へ先に辿り着き、簡易的な浄化の祈祷を行った者が、部族会議の初代大首長となる。
祠へ至る道は、楽だが遠い西回りの道と、険しいが近い東回りの道の、二つ。
籤を引いた結果、ファリフは西回りの道を行く事になっていた。必然的に、バタルトゥは東回りとなる。
どちらにせよ、安全と言い切れる道ではない。
聖地を奪還し怠惰の戦線を押し戻したとはいえ、歪虚に鉢合わす可能性も十分あるだろう。
「…………勝てるかな」
直接手合わせしたことはないが、バタルトゥは十中八九、ファリフよりも格上の戦士だ。
先の戦いでは感情に負けて失策を犯すこともあったが、本来の実力は赤き大地の戦士に名を連ねて、なお屈指の筈。
それに……
「ハンターの皆は、バタルトゥさんに手を貸すかも……」
ぎゅっと、拳を握るファリフ。
競争にあたって、シバはもうひとつ、二人の族長に条件を出していた。
即ち『競争には、各々が星の友を伴う事』。
その意図する所は、シバは語らなかった。自分で考えろという事だろう。
「うーん」
珍しく、ファリフは首をひねる。
部族の戦士でなく、あえて『星の友』達と共に勝負に望む、その意味とは。
しかし……しばらくしてふと、ファリフは目をぱっと見開き、おもむろに立ち上がった。
「やめた! 考えてもしょうがないっ!」
ファリフは未熟だ……未熟だが、ただひたむきに、一生懸命に行動してきた。
それは地を駆ける獣達が、その時己の為すべき事を、迷うことなく為すかの様に。
そしてその事が自分の唯一にして最大の強みであると、幼き首長は本能的に理解していた。
「ハンターズソサエティに行こう。きっと……きっと、誰かがいるはず」
誰かが、力を貸してくれるはず。ハンターが。白龍の示した……いや、互いに認め合った『星の友』が。
辺境の運命を左右する重大な勝負を前に、少女の足取りは軽かった。
数多の代償を払いながらも歪虚ガエル・ソトとヤクシーは討たれ、辺境…赤き大地の諸部族はついに、悲願たる聖地奪還を果たした。
聖地リタ・ティトの大霊堂に集った諸部族の重鎮達は、これまでと、これからの事を語り合う。
未来と、過去の事を。
「部族会議を、やりなおそう。このままじゃ、きっと、ダメなんだ」
開口一番、スコール族の長ファリフ・スコール(kz0009)は、決意の宿る瞳で言い放った。
「ほう」と、嬉しそうに見守るのは、老戦士シバ(kz0048)。
その隣には、聖地を守り続けた巫女達を束ねる、大巫女が座している。
「どうかね、蛇の爺さんや」
大巫女の問は、ほんの少し芝居がかっている。対するシバの答えもまた、然り。
「そうさの、スコールの長は正しい。儂ら老いぼれに反対する道理もあるまい。あとは……部族を束ねる首長達が決める事。違うか?」
老人達の深く静かな視線が、もう一人の『首長』へと無く。
バタルトゥ=オイマト(kz0023)。一度は帝国への恭順を唱えたオイマト族の長は、かすかな沈黙の後に答えた。
「……ファリフに、賛成する」
「バタルトゥさん……!」
ファリフが、目を丸くする。彼女にとって、予想外の回答だったから。
バタルトゥは何かしら言葉を秘めているようだったが、この場で語る事はなかった。
「では、決まりじゃな」
最有力部族であるファリフとバタルトゥを中心に、シバと大巫女が相談役となって、彼らは今後の方針を決めた。
その結果は、こうだ。
『辺境部族は民族の門を開き、あらゆる異邦の友との協力関係を模索する。
しかし、あくまで民族として自立する道を追求し、いかなる国家にも従属はしない。
その為に部族間の意志を協議・共有する場として、部族会議を再設置する』
……既に部族会議は、以前の心揃わぬ烏合の衆とは違っている。
戦いの中で答えを模索して来た彼らが、共有できる目標を見出すのに時間はかからなかった。
「あとは……頭が必要じゃな。部族を、赤き大地の子を束ねる、『大首長』が」
「大首長……?」
シバの発言に、ファリフは首をかしげる。
一方のバタルトゥは、終始冷静だった。
「……いわば、議長、か。帝国や王国、同盟の長と肩を並べる……代表者……」
「おお、聡いなオイマトの長。よいぞ、よいぞ」
「どのように、決める?」
老人の薄笑いを軽く流しながら、バタルトゥは問う。
シバは地図を広げ……予想外の回答を、口にした。
●
「まさか、競争で決めるなんて……」
会議が終わった後、青空の下でファリフは一人、はふー…と、重くはない溜息を吐いた。
『部族会議の大首長は、二大有力部族であるオイマトとスコール、二者の競争を以って決定する』
それが、シバの語った大首長の選出方法だった。
いまになって変化の兆しを見せるとはいえ、赤き大地の子はやはり、自然に生きる戦士の子。
ならば力をもってその資格を証明するが、最も正統な選出法であろうと。
「スヴァルナ山かぁ。どっちの道でも、まる一日くらいかかりそう」
渡された地図を広げ、見つめる。
聖地リタ・ティトの北にある、スヴァルナ山……それが、競争の目標だった。
山頂にある祠へ先に辿り着き、簡易的な浄化の祈祷を行った者が、部族会議の初代大首長となる。
祠へ至る道は、楽だが遠い西回りの道と、険しいが近い東回りの道の、二つ。
籤を引いた結果、ファリフは西回りの道を行く事になっていた。必然的に、バタルトゥは東回りとなる。
どちらにせよ、安全と言い切れる道ではない。
聖地を奪還し怠惰の戦線を押し戻したとはいえ、歪虚に鉢合わす可能性も十分あるだろう。
「…………勝てるかな」
直接手合わせしたことはないが、バタルトゥは十中八九、ファリフよりも格上の戦士だ。
先の戦いでは感情に負けて失策を犯すこともあったが、本来の実力は赤き大地の戦士に名を連ねて、なお屈指の筈。
それに……
「ハンターの皆は、バタルトゥさんに手を貸すかも……」
ぎゅっと、拳を握るファリフ。
競争にあたって、シバはもうひとつ、二人の族長に条件を出していた。
即ち『競争には、各々が星の友を伴う事』。
その意図する所は、シバは語らなかった。自分で考えろという事だろう。
「うーん」
珍しく、ファリフは首をひねる。
部族の戦士でなく、あえて『星の友』達と共に勝負に望む、その意味とは。
しかし……しばらくしてふと、ファリフは目をぱっと見開き、おもむろに立ち上がった。
「やめた! 考えてもしょうがないっ!」
ファリフは未熟だ……未熟だが、ただひたむきに、一生懸命に行動してきた。
それは地を駆ける獣達が、その時己の為すべき事を、迷うことなく為すかの様に。
そしてその事が自分の唯一にして最大の強みであると、幼き首長は本能的に理解していた。
「ハンターズソサエティに行こう。きっと……きっと、誰かがいるはず」
誰かが、力を貸してくれるはず。ハンターが。白龍の示した……いや、互いに認め合った『星の友』が。
辺境の運命を左右する重大な勝負を前に、少女の足取りは軽かった。
解説
●依頼内容
ファリフの勝負に協力する
以上。
但し、ファリフの勝利が即ち依頼成功ではない。
勝負の主旨をよく理解した行動を求む。
●勝負概要
・部族会議の代表者・大首長を決める勝負
・スヴァルナ山の山頂にある祠へ先に到達し、浄化のための祈祷を行った方の勝ち
・ファリフは『楽だが遠い西回りの道』、バタルトゥは『険しいが近い東回りの道』を通り山頂へ向かう
・星の友(ここではハンター)と共に行動すること
●スヴァルナ山について
聖地リタ・ティトのすぐ北にある山です。
先の戦いで歪虚勢力圏からは開放されましたが、残党の怠惰系歪虚(トロル、オーガなど)が出現する可能性は十分あります。
ファリフが通る西側ルートは、遮蔽物が少なく、歩き易い道が終始続くものの、距離的には遠回り。
東側と比べても見通しがいいので、良くも悪くも、敵味方共にお互いを見つけやすいです。
山頂までの所要時間の目安は、戦闘などを行わずに普通に歩いて十二時間くらい(西回り・東回り共通)。
日の出と共に、バタルトゥ側と同時に出発します。
●その他
猫又ものとMSの依頼『【不動】大首長選~静謐なる風の意思』との連動依頼となります。
あちらはバタルトゥサイドを描写するシナリオであり、競争という意味では2つのシナリオ間の真剣勝負です。
質問にはファリフが、答えられる範囲で回答致します。
連動依頼である関係上、調整に時間を要する可能性がございますので、
疑問点がある場合はお早めに質問して頂く事をおすすめ致します。
ファリフの勝負に協力する
以上。
但し、ファリフの勝利が即ち依頼成功ではない。
勝負の主旨をよく理解した行動を求む。
●勝負概要
・部族会議の代表者・大首長を決める勝負
・スヴァルナ山の山頂にある祠へ先に到達し、浄化のための祈祷を行った方の勝ち
・ファリフは『楽だが遠い西回りの道』、バタルトゥは『険しいが近い東回りの道』を通り山頂へ向かう
・星の友(ここではハンター)と共に行動すること
●スヴァルナ山について
聖地リタ・ティトのすぐ北にある山です。
先の戦いで歪虚勢力圏からは開放されましたが、残党の怠惰系歪虚(トロル、オーガなど)が出現する可能性は十分あります。
ファリフが通る西側ルートは、遮蔽物が少なく、歩き易い道が終始続くものの、距離的には遠回り。
東側と比べても見通しがいいので、良くも悪くも、敵味方共にお互いを見つけやすいです。
山頂までの所要時間の目安は、戦闘などを行わずに普通に歩いて十二時間くらい(西回り・東回り共通)。
日の出と共に、バタルトゥ側と同時に出発します。
●その他
猫又ものとMSの依頼『【不動】大首長選~静謐なる風の意思』との連動依頼となります。
あちらはバタルトゥサイドを描写するシナリオであり、競争という意味では2つのシナリオ間の真剣勝負です。
質問にはファリフが、答えられる範囲で回答致します。
連動依頼である関係上、調整に時間を要する可能性がございますので、
疑問点がある場合はお早めに質問して頂く事をおすすめ致します。
マスターより
今回は猫又MSとの連動で依頼をご紹介致します、有坂参八と申します。
赤き大地の子たちの新たな門出は、ファリフとバタルトゥのガチンコ勝負から始まる事に相成りました。
勝ち負けが全てではないとはいえ、勝負自体は公正に判定されますし、それによって部族会議の長も決まります。
いわば、あんまり雰囲気の重くないPVP……と言えなくもないかも?
勝負は勝負ですが、状況を楽しんでいただければ、また幸いでございます。
それでは、皆様のご活躍に期待致します。
赤き大地の子たちの新たな門出は、ファリフとバタルトゥのガチンコ勝負から始まる事に相成りました。
勝ち負けが全てではないとはいえ、勝負自体は公正に判定されますし、それによって部族会議の長も決まります。
いわば、あんまり雰囲気の重くないPVP……と言えなくもないかも?
勝負は勝負ですが、状況を楽しんでいただければ、また幸いでございます。
それでは、皆様のご活躍に期待致します。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/06/29 20:33
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
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ファリフさんに質問 ジュード・エアハート(ka0410) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|男性|猟撃士(イェーガー) |
最終発言 2015/05/19 22:36:13 |
|
![]() |
頂きストリート 西回り編 レイ・T・ベッドフォード(ka2398) 人間(リアルブルー)|26才|男性|霊闘士(ベルセルク) |
最終発言 2015/05/20 09:10:36 |
|
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/05/18 02:58:34 |