ゲスト
(ka0000)
ボラ族、超特急の木炭配送
マスター:DoLLer

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/05/22 09:00
- リプレイ完成予定
- 2015/05/31 09:00
オープニング
商人の一人旅は基本恐ろしいものである。
「はーい、動かないでね?」
峠の頂にて。
ミネアは手近な樹にロープで縛りつけられていた。目の前で拳銃を突きつけているのは先刻までは素敵だと思っていたオシャレなお姉さんである。
「やだー、ミネアちゃんってば若いのにいい荷馬車使ってんのねー。あら野菜もピースホライズンのお高いヤツじゃないの。やるわねー」
女はまるでお宝に触れるようなウキウキとした顔でミネアの馬車の検分を始める。そして普段は曳いていない後ろの貨物カートにも目をやる。
「あら、これ木炭? こんなレトロも取り扱ってんのね。ミネアちゃんってば幅広い!」
「そ、それはお友達が海の町で鍛冶場を借りるのに、必要なんです!! もうすぐ、すぐに運ばないといけないんです」
ミネアは悲痛な声を上げた。
花見で一緒になった元辺境の民ボラ族はどこで仕事をするのかずっと迷っていたらしい。だからミネアがツテを辿って船舶道具の鍛冶を少し手伝ってくれるなら鍛冶場を譲ってくれると約束を取り付けたのだ。ミネアは本業とはまるで関係ないが、ものはついでで木炭を運んであげていたのだが。
仕事をすぐに始めないとまともな金銭を持っていない彼らは困ってしまう。だから時間が惜しいとショートカットしたのが不味かった。
おかげでものの見事に追いはぎに出会ってしまったのだ。
最初は普通の人だと思って談笑していたのだが……。
「あらそー。でもけっこうこれも売ればお金になるわねー? っていうかミネアちゃんも可愛いから、売ったらお金になるかも?」
背筋が凍った。冗談じゃない。
凍り付いたミネアの顔を見て女はケラケラと笑った。
「ま、あんまり酷いことしたら、お上に目ぇつけられるしね。冗談よ。でも、これは勉強代として貰っていくわね。ああ、変なこと喋って見なさいな……殺るから」
ミネアは震えてそれ以上何も言えなくなった。
そんなミネアの目の前で、彼女の馬車が動き出す。
地方の人に渡す予定の野菜が、約束していた木炭が。運ぶ為に特別に借り受けた荷馬が……。
「待ってぇ!!!」
全財産どころじゃない。あれを失ったら信頼も失う。
ミネアは一生懸命に身を動かそうとしたが、ぎちぎちに縛られたロープは全く解けもしない。
「同胞よ。泣くな」
そこにハンターの声が響いた。女が去ろうとしていた反対方向。ミネアが向かおうとしていたところから走って来たのはボラ族の族長イグだった。それと共に何人かのハンターの姿も見える。
女は渋い顔をすると、荷馬に次々と鞭をくれた。が、重たい木炭のカートを曳いているのでは流石にスピードが出ない。
「うぉぉぉぉぉ、裁きを受けろ!!!」
イグの横から、雷を纏った大男ゾールが突撃してきた。巨大な棍棒を振り回すその姿は女でなくとも恐怖に値する。
「ちっ……、じゃあ木炭ぐらいは返してやるわっ!!」
女は加速する荷馬車の上をひらりと踊り、木炭カートとの連結を銃で弾き飛ばすとカートを蹴り飛ばした。
カートに邪魔されてイグは動きを止めるのに対し、勢いづいたゾールはそのカートを一気に飛び越える。
「ゾール、任せたぞ!」
カート越しにイグの叫びに地響きのよう声が帰ってきた。
「い、イグさん、怖かったぁぁァ」
やっと解放されたミネアはしばらくの間大泣きしていた。その間イグは何も言わずじっと胸を貸してくれていた。
「あ、そういえば……ぐす、木炭……」
「助けてくれたんだな。感謝するぞ。ミネア。心配になって見に来たかいがあった」
イグは鷹揚だったが、ミネアはそれほど余裕のある子ではなかった。
「でも、これ……今日中に運ばないといけんいんでしょ? 鍛冶の計画が全部狂っちゃう」
作り始めが遅くなれば完成も遅くなる。船舶の部品も遅くなれば……彼らの仕事は最初から暗礁に乗り上げてしまうことになる。
「大丈夫だ。木炭はここにある。問題ない」
「でも、今から町まで遠いよ! 夜になっちゃう!!」
ミネアの言葉にイグは不思議そうな顔をしていた。
「何を言っている。ミネア。ここからは下り道だぞ? 押せば進む」
その言葉にミネアは固まった。
下り道なのだから押せば進むのはそりゃ当然だ。
だが、ここは山道。曲道もあれば障害物だってある。ブレーキもかけずに全力で進めば人もいる。
「ははは、さぁ、ここまでやってくれたのなら次は我々の出番だな。さ、ミネアは上に乗っているといい」
イグはそう言うと、ミネアをひょいと担ぎ上げ、木炭の上にチョコンと据え付けられた。
「さぁ、いくぞ!!!」
ハンドルなし、シートベルトなし。
レールも轍もなし。あるのは……人力。
「い、い、ぃ」
ぐんぐん加速するカートにミネアは再び涙を浮かべた。
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
「はーい、動かないでね?」
峠の頂にて。
ミネアは手近な樹にロープで縛りつけられていた。目の前で拳銃を突きつけているのは先刻までは素敵だと思っていたオシャレなお姉さんである。
「やだー、ミネアちゃんってば若いのにいい荷馬車使ってんのねー。あら野菜もピースホライズンのお高いヤツじゃないの。やるわねー」
女はまるでお宝に触れるようなウキウキとした顔でミネアの馬車の検分を始める。そして普段は曳いていない後ろの貨物カートにも目をやる。
「あら、これ木炭? こんなレトロも取り扱ってんのね。ミネアちゃんってば幅広い!」
「そ、それはお友達が海の町で鍛冶場を借りるのに、必要なんです!! もうすぐ、すぐに運ばないといけないんです」
ミネアは悲痛な声を上げた。
花見で一緒になった元辺境の民ボラ族はどこで仕事をするのかずっと迷っていたらしい。だからミネアがツテを辿って船舶道具の鍛冶を少し手伝ってくれるなら鍛冶場を譲ってくれると約束を取り付けたのだ。ミネアは本業とはまるで関係ないが、ものはついでで木炭を運んであげていたのだが。
仕事をすぐに始めないとまともな金銭を持っていない彼らは困ってしまう。だから時間が惜しいとショートカットしたのが不味かった。
おかげでものの見事に追いはぎに出会ってしまったのだ。
最初は普通の人だと思って談笑していたのだが……。
「あらそー。でもけっこうこれも売ればお金になるわねー? っていうかミネアちゃんも可愛いから、売ったらお金になるかも?」
背筋が凍った。冗談じゃない。
凍り付いたミネアの顔を見て女はケラケラと笑った。
「ま、あんまり酷いことしたら、お上に目ぇつけられるしね。冗談よ。でも、これは勉強代として貰っていくわね。ああ、変なこと喋って見なさいな……殺るから」
ミネアは震えてそれ以上何も言えなくなった。
そんなミネアの目の前で、彼女の馬車が動き出す。
地方の人に渡す予定の野菜が、約束していた木炭が。運ぶ為に特別に借り受けた荷馬が……。
「待ってぇ!!!」
全財産どころじゃない。あれを失ったら信頼も失う。
ミネアは一生懸命に身を動かそうとしたが、ぎちぎちに縛られたロープは全く解けもしない。
「同胞よ。泣くな」
そこにハンターの声が響いた。女が去ろうとしていた反対方向。ミネアが向かおうとしていたところから走って来たのはボラ族の族長イグだった。それと共に何人かのハンターの姿も見える。
女は渋い顔をすると、荷馬に次々と鞭をくれた。が、重たい木炭のカートを曳いているのでは流石にスピードが出ない。
「うぉぉぉぉぉ、裁きを受けろ!!!」
イグの横から、雷を纏った大男ゾールが突撃してきた。巨大な棍棒を振り回すその姿は女でなくとも恐怖に値する。
「ちっ……、じゃあ木炭ぐらいは返してやるわっ!!」
女は加速する荷馬車の上をひらりと踊り、木炭カートとの連結を銃で弾き飛ばすとカートを蹴り飛ばした。
カートに邪魔されてイグは動きを止めるのに対し、勢いづいたゾールはそのカートを一気に飛び越える。
「ゾール、任せたぞ!」
カート越しにイグの叫びに地響きのよう声が帰ってきた。
「い、イグさん、怖かったぁぁァ」
やっと解放されたミネアはしばらくの間大泣きしていた。その間イグは何も言わずじっと胸を貸してくれていた。
「あ、そういえば……ぐす、木炭……」
「助けてくれたんだな。感謝するぞ。ミネア。心配になって見に来たかいがあった」
イグは鷹揚だったが、ミネアはそれほど余裕のある子ではなかった。
「でも、これ……今日中に運ばないといけんいんでしょ? 鍛冶の計画が全部狂っちゃう」
作り始めが遅くなれば完成も遅くなる。船舶の部品も遅くなれば……彼らの仕事は最初から暗礁に乗り上げてしまうことになる。
「大丈夫だ。木炭はここにある。問題ない」
「でも、今から町まで遠いよ! 夜になっちゃう!!」
ミネアの言葉にイグは不思議そうな顔をしていた。
「何を言っている。ミネア。ここからは下り道だぞ? 押せば進む」
その言葉にミネアは固まった。
下り道なのだから押せば進むのはそりゃ当然だ。
だが、ここは山道。曲道もあれば障害物だってある。ブレーキもかけずに全力で進めば人もいる。
「ははは、さぁ、ここまでやってくれたのなら次は我々の出番だな。さ、ミネアは上に乗っているといい」
イグはそう言うと、ミネアをひょいと担ぎ上げ、木炭の上にチョコンと据え付けられた。
「さぁ、いくぞ!!!」
ハンドルなし、シートベルトなし。
レールも轍もなし。あるのは……人力。
「い、い、ぃ」
ぐんぐん加速するカートにミネアは再び涙を浮かべた。
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
解説
●目的
木炭を積んだカートを海辺の町まで運びます。
時間がありませんので超特急で運ばなくてはなりません。カートを皆でコントロールし無事に運びましょう。
●木炭カート
縦3メートル、横2メートルの鉄製の箱で鉄の車輪がついています。ブレーキはついていますが積載量はオーバーしていますので、あんまり効きません。
山ほど木炭が積まれ(トン単位)、一番上にミネアが蓋代わりにすえられています。泣いてます。
●コントロール方法
主に誰かが端に掴まって引っ張ったりしてかかる重量を変更することでコントロールします。
後は足で地面を踏んでブレーキ。補助ブレーキも微弱ながら役に立ちます。
その他方法があるなら実行してもらってけっこうです。
●障害
曲道、大きな石(普通なら大きく揺れる程度なんですけどね)、先行している人間。水たまり。
●成功条件
残っている木炭の量とかかった時間。
こけたら積み直して再スタートできますが、けっこうな時間を使います。
●NPC
ミネア。商人の女の子。追いはぎに馬車を盗られましたが、皆さんのおかげで緊急に必要な木炭だけ取り戻すことができました。今、木炭の上で震えてます。
イグ。ミネアを助けた辺境の民としか思えない帝国民。後ろからガンガンスピードアップしてくれます。
●その他
追いはぎの女と盗られた馬車、そして追いかけたゾールについては今回触れませんので無視してください。
重体にはなりませんが、こけたら重傷くらいになる可能性があります。お気を付けください。
馬使えばいいじゃん、というご意見があるかもしれませんが、もはや馬使っても間に合わないと思ってください。求められるのは超特急です。
木炭を積んだカートを海辺の町まで運びます。
時間がありませんので超特急で運ばなくてはなりません。カートを皆でコントロールし無事に運びましょう。
●木炭カート
縦3メートル、横2メートルの鉄製の箱で鉄の車輪がついています。ブレーキはついていますが積載量はオーバーしていますので、あんまり効きません。
山ほど木炭が積まれ(トン単位)、一番上にミネアが蓋代わりにすえられています。泣いてます。
●コントロール方法
主に誰かが端に掴まって引っ張ったりしてかかる重量を変更することでコントロールします。
後は足で地面を踏んでブレーキ。補助ブレーキも微弱ながら役に立ちます。
その他方法があるなら実行してもらってけっこうです。
●障害
曲道、大きな石(普通なら大きく揺れる程度なんですけどね)、先行している人間。水たまり。
●成功条件
残っている木炭の量とかかった時間。
こけたら積み直して再スタートできますが、けっこうな時間を使います。
●NPC
ミネア。商人の女の子。追いはぎに馬車を盗られましたが、皆さんのおかげで緊急に必要な木炭だけ取り戻すことができました。今、木炭の上で震えてます。
イグ。ミネアを助けた辺境の民としか思えない帝国民。後ろからガンガンスピードアップしてくれます。
●その他
追いはぎの女と盗られた馬車、そして追いかけたゾールについては今回触れませんので無視してください。
重体にはなりませんが、こけたら重傷くらいになる可能性があります。お気を付けください。
馬使えばいいじゃん、というご意見があるかもしれませんが、もはや馬使っても間に合わないと思ってください。求められるのは超特急です。
マスターより
とりあえず、コミカル系なので丸太をひきずる某お祭りに参加する気持ちでどうぞ。
これに失敗するとですね、ボラ族はまた別の仕事を探すことになります。
今まで確固とした仕事がなかった理由? OPのアホさ加減を見て察してください。
これに失敗するとですね、ボラ族はまた別の仕事を探すことになります。
今まで確固とした仕事がなかった理由? OPのアホさ加減を見て察してください。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/05/25 22:13
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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超特急相談! クレール・ディンセルフ(ka0586) 人間(クリムゾンウェスト)|23才|女性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2015/05/21 23:25:45 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/05/17 11:53:02 |