ゲスト
(ka0000)
美の代償
マスター:香月丈流

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在10人 / 4~10人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/05/27 12:00
- リプレイ完成予定
- 2015/06/05 12:00
オープニング
カードやコインに表裏があるように、世界にも『裏の顔』が存在する。生活の全てを捨てた者、表立って動けない者、秘密裏に行われる取引や密会……人目から離れたい者にとっては、最適の場所である。
普通の生活を送っている一般人なら、立ち入る機会はゼロに等しい。と言うより、わざわざ危険な場所に行く必要は無いだろう。
それを知っていながらも……40歳前後の女性が1人、薄暗い路地を歩いていた。
豪華なドレスに、きらびやかな装飾品の数々。身なりを見る限り、ゾンネンシュトラール帝国の富裕層で間違いない。上流階級の人間に『裏社会』の空気は合わないのか、不快感に顔を歪めている。
数分後、女性は古い倉庫のような建物の前で、脚を止めた。
「本当にココ──なのかしら……」
言いながら、懐から手書きの地図を取り出す。周囲の地形と照らし合わせてみたが……どうやら間違っていない。目の前にある建物が、彼女の目的地のようだ。意を決して、女性は倉庫のドアを開けた。
真昼だというのに、中は意外なほどに暗い。窓が板で塞がれているため、隙間から若干の光が入る程度である。
「誰か……! 誰か、居るかしら?」
暗い空間に広がる、女性の声。その反響から察するに、天井は高く、室内はかなり広そうだ。
『ようこそ、美を求める者よ。そのまま、部屋の中央まで来て頂けますか?』
女性に応えるように、闇の中から声が返ってくる。それが誰か分からないが……彼女はゆっくりと、部屋の中に脚を踏み入れた。
女の人なら誰しも、一度は『美しくなりたい』と思った事があるだろう。金と時間を持て余す富裕層なら尚更に。
そんな者達が『永遠の美を得る方法がある』という話を聞き付けたら、どうするか。
答えは、倉庫に来た女性が雄弁に物語っている。
数日前、彼女の家に1通の封書が届いた。差出人の名前も住所も分からず、宛名すら無い封書が。不審に思い、彼女はそれを捨てようとした。
が……何故か中身が気になり、封を開けてしまったのだ。
そして、見てしまった。『永遠に美を保つ方法を教える』という文章と、この場所を記した地図を。
「貴方が誰なのか興味はありませんが、手紙の内容は本当なのですか?」
『もちろん。美を保つのは、簡単な事ですよ』
クスリと、闇の奥で笑い声が聞こえたような気がした。
『命を失えば良い』
一瞬、言葉の意味が理解出来なかった。予想外の一言に頭が混乱し、女性の歩みが止まる。そんな彼女の肩に、背後から細くて綺麗な手が置かれた。
『生命活動を停止すれば、体や肌は老化しません。貴女は美しい姿のまま、人々の記憶に残るのです』
狂気を孕みながらも、優しい口調で語り掛ける。声の主が男なのか女なのか、全く分からない。女性が分かっている事は、たった1つ。
この場は危険だ。
『気付くのが遅いですよ、マダム』
『私達が、貴女の美しさを永遠にして差し上げます』
女性が逃げるより早く、2人の声が闇の中から響いた。
直後。女性の首筋と太腿に、鋭い痛みが走る。薄れゆく瞳に映ったのは、長身痩躯の美男子。青白く不健康な肌と、鋭い牙を供えた異形……吸血鬼の姿だった。
普通の生活を送っている一般人なら、立ち入る機会はゼロに等しい。と言うより、わざわざ危険な場所に行く必要は無いだろう。
それを知っていながらも……40歳前後の女性が1人、薄暗い路地を歩いていた。
豪華なドレスに、きらびやかな装飾品の数々。身なりを見る限り、ゾンネンシュトラール帝国の富裕層で間違いない。上流階級の人間に『裏社会』の空気は合わないのか、不快感に顔を歪めている。
数分後、女性は古い倉庫のような建物の前で、脚を止めた。
「本当にココ──なのかしら……」
言いながら、懐から手書きの地図を取り出す。周囲の地形と照らし合わせてみたが……どうやら間違っていない。目の前にある建物が、彼女の目的地のようだ。意を決して、女性は倉庫のドアを開けた。
真昼だというのに、中は意外なほどに暗い。窓が板で塞がれているため、隙間から若干の光が入る程度である。
「誰か……! 誰か、居るかしら?」
暗い空間に広がる、女性の声。その反響から察するに、天井は高く、室内はかなり広そうだ。
『ようこそ、美を求める者よ。そのまま、部屋の中央まで来て頂けますか?』
女性に応えるように、闇の中から声が返ってくる。それが誰か分からないが……彼女はゆっくりと、部屋の中に脚を踏み入れた。
女の人なら誰しも、一度は『美しくなりたい』と思った事があるだろう。金と時間を持て余す富裕層なら尚更に。
そんな者達が『永遠の美を得る方法がある』という話を聞き付けたら、どうするか。
答えは、倉庫に来た女性が雄弁に物語っている。
数日前、彼女の家に1通の封書が届いた。差出人の名前も住所も分からず、宛名すら無い封書が。不審に思い、彼女はそれを捨てようとした。
が……何故か中身が気になり、封を開けてしまったのだ。
そして、見てしまった。『永遠に美を保つ方法を教える』という文章と、この場所を記した地図を。
「貴方が誰なのか興味はありませんが、手紙の内容は本当なのですか?」
『もちろん。美を保つのは、簡単な事ですよ』
クスリと、闇の奥で笑い声が聞こえたような気がした。
『命を失えば良い』
一瞬、言葉の意味が理解出来なかった。予想外の一言に頭が混乱し、女性の歩みが止まる。そんな彼女の肩に、背後から細くて綺麗な手が置かれた。
『生命活動を停止すれば、体や肌は老化しません。貴女は美しい姿のまま、人々の記憶に残るのです』
狂気を孕みながらも、優しい口調で語り掛ける。声の主が男なのか女なのか、全く分からない。女性が分かっている事は、たった1つ。
この場は危険だ。
『気付くのが遅いですよ、マダム』
『私達が、貴女の美しさを永遠にして差し上げます』
女性が逃げるより早く、2人の声が闇の中から響いた。
直後。女性の首筋と太腿に、鋭い痛みが走る。薄れゆく瞳に映ったのは、長身痩躯の美男子。青白く不健康な肌と、鋭い牙を供えた異形……吸血鬼の姿だった。
解説
本件は当初、富豪夫人の連続失踪事件として調査されていました。ですが、貧民街の少年が『吸血鬼に襲われる瞬間』を目撃した事で、事態は一転。歪虚の関与が明かとなり、依頼が回ってきました。
事件の黒幕は、吸血鬼型の歪虚。手紙で女性を誘き出し、倉庫で命ごとマテリアルを吸収しているようです。生存者は……恐らく居ないでしょう。
敵は倉庫に居ますが、出入り口は小さく、窓は塞がれているので、外に誘き出すには手間がかかります。室内は『満月の夜』程度の明るさなので、何も見えないというワケではありません。
広さは100m四方程度。家具等は無く、行動を阻害する障害物はありません。倉庫の壁や窓を破壊する事は不可能ではありませんが、歪虚を倒さない限り、同様の事件が起きてしまいます。必ず、2体の吸血鬼を退治して下さい。
相手の習性なのか、女性を見ると最初は静かに接近し、至近距離から襲ってくるようです。この性質を利用すれば、先手を取って戦闘を始める事も可能でしょう。
女性なら、年齢は関係なく接近してきます。逆に、男性には容赦なく襲ってくるので、ご注意を。ちなみに、巧く女装すれば騙す事も可能でしょう。
対象となる歪虚は、吸血鬼型が2体。長身痩躯で肌は青白く、外見的には美男子と呼ばれる部類です。
至近距離では爪を使って攻撃してきますが、『コウモリ型の炎』を飛ばす事もあります。射程10m程度の魔法攻撃で、覚醒者以外には効果がありません。壁や床に当たっても燃えず、すぐに消滅します。
吸血鬼の名が表す通り、『吸血』の能力も持っています。至近距離で噛み付かれた場合、こちらの生命力を吸って自身の生命力を回復させます。覚醒者は一般人よりも身体能力が高いので、吸血で死ぬ事はないでしょう。
この2体を倒せなければ、依頼は失敗となります。危険を感じたら逃走する可能性もあるので、ご注意を。
事件の黒幕は、吸血鬼型の歪虚。手紙で女性を誘き出し、倉庫で命ごとマテリアルを吸収しているようです。生存者は……恐らく居ないでしょう。
敵は倉庫に居ますが、出入り口は小さく、窓は塞がれているので、外に誘き出すには手間がかかります。室内は『満月の夜』程度の明るさなので、何も見えないというワケではありません。
広さは100m四方程度。家具等は無く、行動を阻害する障害物はありません。倉庫の壁や窓を破壊する事は不可能ではありませんが、歪虚を倒さない限り、同様の事件が起きてしまいます。必ず、2体の吸血鬼を退治して下さい。
相手の習性なのか、女性を見ると最初は静かに接近し、至近距離から襲ってくるようです。この性質を利用すれば、先手を取って戦闘を始める事も可能でしょう。
女性なら、年齢は関係なく接近してきます。逆に、男性には容赦なく襲ってくるので、ご注意を。ちなみに、巧く女装すれば騙す事も可能でしょう。
対象となる歪虚は、吸血鬼型が2体。長身痩躯で肌は青白く、外見的には美男子と呼ばれる部類です。
至近距離では爪を使って攻撃してきますが、『コウモリ型の炎』を飛ばす事もあります。射程10m程度の魔法攻撃で、覚醒者以外には効果がありません。壁や床に当たっても燃えず、すぐに消滅します。
吸血鬼の名が表す通り、『吸血』の能力も持っています。至近距離で噛み付かれた場合、こちらの生命力を吸って自身の生命力を回復させます。覚醒者は一般人よりも身体能力が高いので、吸血で死ぬ事はないでしょう。
この2体を倒せなければ、依頼は失敗となります。危険を感じたら逃走する可能性もあるので、ご注意を。
マスターより
この依頼に目を通して下さった方、参加して下さった方に感謝を。
香月丈流です。
今回の敵は吸血鬼ですが『日光に弱い』、『十字架に弱い』、『ニンニクが苦手』などという事はありません。
香月はリプレイでPL様を『名前』で呼称します。
『苗字で表記して欲しい!』という方は、プレイングに明記して下さい。
先日、押入れを整理していたら学生時代の写真が出てきました。
『文化祭で女装し、満面の笑みを浮かべている自分の姿』が残っていて、ちょっぴり切なくなりました……。
香月丈流です。
今回の敵は吸血鬼ですが『日光に弱い』、『十字架に弱い』、『ニンニクが苦手』などという事はありません。
香月はリプレイでPL様を『名前』で呼称します。
『苗字で表記して欲しい!』という方は、プレイングに明記して下さい。
先日、押入れを整理していたら学生時代の写真が出てきました。
『文化祭で女装し、満面の笑みを浮かべている自分の姿』が残っていて、ちょっぴり切なくなりました……。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/06/04 01:22
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 黒の夢(ka0187) エルフ|26才|女性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2015/05/26 23:54:37 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/05/25 11:28:00 |