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【聖呪】パラダイムシフト

マスター:藤山なないろ

このシナリオは5日間納期が延長されています。

シナリオ形態
ショート

関連ユニオン
アム・シェリタ―揺籃館―

難易度
やや難しい
オプション
  • relation
参加費
1,500
参加人数
現在8人 / 4~8人
マテリアルリンク
報酬
多め
相談期間
6日
プレイング締切
2015/07/29 19:00
リプレイ完成予定
2015/08/12 19:00

オープニング

※このシナリオは難易度が高く設定されています。所持金の大幅な減少や装備アイテムの損失、場合によっては、再起不能、死亡判定が下される可能性があります。
再起不能、死亡判定の下されたキャラクターはログイン、及びコンテンツへのアクセスが制限されます。

●王国の決定

「ゴブリンが、統一の動きを見せ始めたそうです」
 円卓の間でシスティーナ・グラハムが告げ、そしてセドリック大司教が報告書を要約して詳細を語るや、集まった貴族や首脳陣は難しい顔をして深く息を吐いた。
「つまり――先日までのゴブリン騒動は、その大半が荒野から逃げてきたゴブリンの大移動である、と」
 カフェ・W・ルサスールが確かめるように訊く。最近頻発しているゴブリンの強襲は王国の北方三州が中心であるだけに、北方に領地を持つ貴族も多く招集されていた。
「うむ。そして通常のゴブリンを放逐したのが、異形のゴブリン集団だ」
「異形?」
「異形、あるいは亜種と言おうか。大量のマテリアルの影響を受けた可能性があるが、元凶は不明。この一派が荒野を平定しつつある」
 大司教が促し、システィーナが資料を手に取る。そこには、これまでのゴブリンには見られなかった特殊な――まるで歪虚のような戦闘技術を用い知恵を巡らせて戦うゴブリン達の様子が克明に描かれている。
「わたくし達は彼らを――討伐しなければなりません。何故ならば彼らがわたくし達の領域を侵すことは明白だからです」
 互いに不干渉を貫くのなら。そうすればこんなことをする必要はないのに。
 システィーナは僅かに沈む心を奮い立たせ、薄い胸を張る。
「討伐隊を、編成します。ご協力、いただけますか?」
「我が国が下賤の者に侵略されるなどあってはならんこと。つまらん外征になぞ手を貸す道理はないが、此度においてはあらゆる協力を約束致しましょう」
「……、ありがとうございます」
 痛烈な批判と賛意の入り混じった大公マーロウの言にシスティーナは頭を下げる。大公が参戦するなら、と追従する貴族達の姿がちらと見えた。
「北方の皆さま。わたくしは絶対に皆さまを見捨てません。必ずや亜種ゴブリンを討伐します。ですからお願いします。今しばらく、耐えてください」

 王国西部のグリム領領主代行として会議の末席に居た地方貴族のユエル・グリムゲーテはある人物を見つめていた。様々な思惑の針山に立ちながらも、真っ直ぐ前を見据えている少女を。
 会議で発言できずとも、彼女のために尽くす心に揺らぎはない。
 ──もう、悩まないと決めた。完璧でなくたっていい。私は、私の信じた道をがむしゃらに進むだけだ。

●少女が選んだ道

 円卓会議の終了後、すぐにグリム領へ帰還したユエルは、現在実質的に領主として領地を治める母エレミアの執務室を訪れた。
「お帰りなさい、私のユエル。会議への出席、ご苦労でした」
「とんでもありません。今日は……お母様にご報告があります」
 少女の発言に一切の迷いはない。その様子に少々戸惑いを覚えながらも、エレミアは執務室のソファへ少女を促し、自身も腰を下ろした。少女は一呼吸し、ややあって──
「私は、覚醒者になりました」
 きっぱりと、告げた。
 見開かれるエレミアの目は、ただただ驚きの色に満ちている。
「どう、やって……」
「あ、ええと……北の森でゴブリンに襲われた際、恐らくは森の聖霊様が力を貸してくださったのです」
 なぜ、どうして。それを聞かれるとばかり思っていたユエルは、想定外の問いに面食らった。
「……私を叱らないのですか?」
 夏の暑さも今ほど苛烈でなかった頃、ハンター諸氏の力を借りてゴブリンの潜む森から少女が救出された事件があったのだ。恐らく、あの時の事だろうとエレミアは理解した。
「そんなことが……。でも、そう。“あの森”で」
 ──これは、“運命”なのかもしれない。私が何をしても、この子はきっと……。
 エレミアが思考を遮って娘へ向き直ると、自分より少し目線が高いことに気付かされた。娘はいつのまにか成長し、母の背を越していたのだろう。子供はいつまでも、子供のまま──“あの頃”の娘の姿を今なお重ね続け、現実に向き合えないのは自分だったのではないだろうか。今は亡きゲイルに笑われた気がする。
「……貴方は、その力で何を成したいのですか? 貴方には心安らかな日々の幸せを手にしてほしい。その願いは今も変わりません」
 母の不安な面持ちは変わらない。その表情に苦しくなる胸を制して、息を吸った。
「私は大切なものを守りたいのです。領も、家族も、友も、全て。私が私の意思で、そう願っているのです」
 ユエルはそこまで告げると目を伏せ、先程までの気勢はどこへやら、自分を戒めるように呟く。
「私は……ひどく欲深い生き物、ですね」
 しばしの沈黙。それを和らげるように、エレミアは複雑そうに微笑んだ。
「貴方がお父様にそっくりなのは、瞳だけではなかったのですね」

●分岐した道の先で

 突如勃発したゴブリンの大軍勢強襲の中、町中をかける伝令から、少女は“ある名前”を耳にした。
「北部より空襲! ゴブリンに混ざって一体の人型も確認! 黒大公配下のクラベルです!!」
「え……?」
 少女がこの地へ来たのは、円卓会議で採択された『北部を侵略するゴブリン勢に対し、貴族も含めた討伐隊を編成。これをもって対処に当たる』ためだった。黒大公の──しかも父を殺害した歪虚に遭遇することになるなどと夢にも思わなかった。町中の無線で情報が飛び回る中、少女は咄嗟に走り出していた。



「……ッ」
 突如として、町全体を覆いつくした光が、今まさに町へと侵入を試みる一体の歪虚を強烈に拒んだ。
「町に入れない。……何これ、結界?」
 それは、赤々とした髪を風になびかせる少女。
 それは、昨秋王都を蹂躙し、多くの命を無残に奪い去った歪虚。
 あの大戦を生き抜いたものなら、忘れもしない、見紛えもしないだろう。
「小賢しい。これも“あいつ”の言ってた王国の術の一つかしら」
 歪虚は町から少し離れた位置へ引き、状況整理しながら町を監視していた。そこへ──一人の人間の少女が、町の外へ出てきたことに気付く。
「クラベル……七眷属アイテルカイトの将、黒大公ベリアルの配下」
 呼ばれた少女は眉を潜め、
「……なあに?」
 胡乱げに応える。少女は漸く認識した──彼女が“クラベル”だと。
「貴女に殺されたゲイル・グリムゲーテ侯爵が長子、ユエルです。お初にお目にかかります」
「覚えがないわ。覚えるつもりもないけれど。弔い合戦? くだらない」
 嗜虐的な視線がユエルの全身を嘗め回している。だが、対する少女は“心”で一歩も引けをとらない。
「否定も肯定も致しませんが、幸い私と国の目的は合致しています。……貴女は、ここで倒す」
 父が成したことは、必ず私も成してみせる──宣言を受け、歪虚の顔に感情が滲む。
「面倒事は嫌いよ。でも幸いね。私も手持無沙汰だったの」
「それは良かった」
 ユエルは後方から迫る仲間たちの気配を感じ──覚醒。
 全身を駆け巡るマテリアル。
 今まで抑圧されてきた全てを吹き飛ばすような、力の奔流に心を任せる。

 これが、ありのままの私。

「……速やかに黙らせて差し上げます」

解説

●状況
王国北部は現在ゴブリンと、その亜種らしき茨小鬼(ホロム・ゴブリン)の目撃情報が続発。
先の円卓会議において、これらに本腰を入れて対処すべく、北部への国としての動きが決議されました。
徐々に討伐隊が編成され始めてきたそこへ、ゴブリンの大軍勢による強襲が勃発。

現場は、北部ルサスール領の北端に位置する町、オーレフェルト。
ここは領の関門にもなっている場所で、何としても死守しなければなりません。

そのオーレフェルトに“討伐隊”として参加していたのが、貴族の少女ユエル率いるグリム騎士団です。
状況を加味して騎士団の多くはグリム領へ残しており、ここへ来たのはユエル含め8名の覚醒騎士と、ハンターの皆さんです。
※皆さんは、王国ではなく、グリム領からの派遣戦力として雇われたハンターさんです

しかしそこで、ある存在に出会ってしまいます。

●連動全体の目的
オーレフェルトを守り切る

●本依頼の目的
黒大公配下、傲慢の歪虚クラベルの撃退

“誰かの入れ知恵”か、様子見か──理由は不明ですが、クラベルが現れました。
それはなぜか……?
人類に仇なす存在であることは間違いありません。

皆様は町中でクラベル襲来の情報を得ます。
咄嗟にユエルがその対応へ乗り出したことが起因し、皆様は討伐隊の中でクラベル対応班となりました。
クラベルを町から退けて下さい。

●敵
クラベル

武器は鞭など
ヘイト→ユエル
“対象の意思を無視して物事を強制”する謎の術を行使
大規模作戦「【黒祀】黒の万霊節」に登場
私の依頼の「【黒祀】総員抜剣、クラベルを追撃せよ。」もご参考になるかも

●戦場

□□★□□
~略~
□□☆□□
□□◎□□
□□●□□
■■門■■



□平地
■外壁
★クラベル
☆ユエル:剣+盾の聖導士
◎騎士団:7名全員が剣+弓装備の闘狩人
●ハンター:クラベルから直線で20sq離れた位置から開始
門:町の外門の1つ
□の数=sq数ではない

騎乗戦可
NPCは馬なし
不明点は質問卓でどうぞ

マスターより

皆様は、アイテム強化してますか?
ロスト率に応じ、大失敗0%アイテムを使う方がいるかもしれませんが
それは『小さい確率でもロストは起こる』ことを身をもってご存じだからではないでしょうか。
例え成功率99%だとしても『残り1%で起こり得る出来事』を示唆するのが確率です。
回避や抵抗判定、そしてこの道を選んだ少女の生存率も然り。

あの時、クラベル追撃は成功した──けれど、何らか思いを抱えた方もいたのではないでしょうか。
ご縁ある方にとって、これが“あの日の雪辱戦”となるかもしれません。

今回クラベルはフル充電状態。リベンジマッチ上等です。

※同日リリースの聖呪の別依頼で情報が得られるかもですが他連動は気にせずOK

関連NPC

  • グラズヘイム王立学校生徒
    ユエル・グリムゲーテ(kz0070
    人間(クリムゾンウェスト)|16才|女性|聖導士(クルセイダー)
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2015/08/11 04:12

参加者一覧

  • フューネラルナイト
    クローディオ・シャール(ka0030
    人間(紅)|30才|男性|聖導士
  • 壁掛けの狐面
    文月 弥勒(ka0300
    人間(蒼)|16才|男性|闘狩人
  • アークシューター
    静架(ka0387
    人間(蒼)|19才|男性|猟撃士
  • その名は
    エステル・L・V・W(ka0548
    人間(紅)|15才|女性|霊闘士

  • メル・ミストラル(ka1512
    人間(蒼)|21才|女性|聖導士
  • 誓槍の騎士
    ヴァルナ=エリゴス(ka2651
    人間(紅)|18才|女性|闘狩人
  • 黒の懐刀
    誠堂 匠(ka2876
    人間(蒼)|25才|男性|疾影士
  • 混沌系アイドル
    エリス・ブーリャ(ka3419
    エルフ|17才|女性|機導師

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン 質問卓
ヴァルナ=エリゴス(ka2651
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|闘狩人(エンフォーサー)
最終発言
2015/07/28 08:08:27
アイコン 万事流るる水の如く流転を重ねる
静架(ka0387
人間(リアルブルー)|19才|男性|猟撃士(イェーガー)
最終発言
2015/08/11 18:29:58
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2015/07/24 20:44:14