• 無し

秘密夜会の星

マスター:紡花雪

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
参加費
1,000
参加人数
現在6人 / 4~6人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
プレイング締切
2015/08/26 09:00
リプレイ完成予定
2015/09/04 09:00

オープニング

●紅の星と蒼の星
 同盟領、極彩色の街「ヴァリオス」――カルメリーオ宝飾商会の女主人は、新作披露展示会の準備に追われていた。
「奥様、出席者名簿ができました」
「あら、ありがとう。変更は?」
「えっと……ジャメーロ夫人が、御自宅の階段で怪我をされたそうで、欠席に。あと、ダレーマ氏が奥方様と一緒にいらっしゃるそうです」
 女主人は、秘書から手渡された名簿を眺めながら、最終の確認をしていた。
 今回の展示会は、この商会にとって大きな意味がある。先代から受け継いだこの宝飾商会は、今年で三十年を迎えるのだ。そのため、展示会の目玉となる、ふたつの首飾りを用意している。
「――『紅の星』と『蒼の星』、大丈夫でしょうか?」
「え? 大丈夫って、何がよ」
「だって、時価総額、結構な代物ですよ? それなのに、ろくな警備もなしで……」
「警備といっても、上得意の方だけを招待した秘密の展示会なのよ? 仰々しい警備なんてしてごらんなさい、一瞬で怪しまれるじゃないの」
「それは、そうなんですが……」
 カルメリーオ夫人は類稀な美的感覚と商運を持ってはいるが、どうにも体裁を気にしがちだ。そしてそれを補う秘書は心配性で、うまく主人を助けている。
「でももし何かあったら、『銀林檎館』に迷惑がかかりますよ?」
 展示会の会場は、いつもと同じ『銀林檎館』という貴族風の喫茶室で、女主人ももちろん常連だ。
「――わかった。あなたがそう言うなら、検討してみるわ」
 夫人にはひとり、相談相手に心当たりがあった。『銀林檎館』で働くメイドだ。彼女に相談すればあるいは、大袈裟な警備を張らずにするかもしれない、と――。

●『銀林檎館』のメイド
「――首飾りの警護、でございますか」
 磨きあげた銀器をティーカップに添えながら、その若いメイドは言った。
「そうなのよ。脅迫状や盗難の予告状でもあればハンターオフィスに行くのだけれど、そういうわけでもないし。……レイメ、あなたも覚醒者なのよね? だったら、あなたがいれば大丈夫かしら」
 早口でまくしたてる女主人にも顔色を変えず、そのメイド――レイメ・ルアンスールは、穏やかな笑みのままティーポットを傾けた。
「カルメリーオさま、申し訳ありません。ここでのわたしの役目は給仕ですので、とても警備まで目が行き届くとは……。ここはやはり、ハンターオフィスに頼られては?」
「でも、仰々しいのは困るの。それに、実際に現れるかどうかもわからない泥棒のために、あの方達の手を煩わせるのも嫌なのよねぇ……」
「そこはご心配なさらなくても、ハンターの皆様は多方面の依頼をこなされている方ばかりですから。ある程度の要求には対応してくださると思いますよ。――お客さまに紛れての警備もきっと可能です」
 レイメの言葉に、宝飾商会のカルメリーオ夫人はふと考える表情を見せた。
「――そうだわ! 新作のアクセサリーを身につけて会場に立ってくれないかしら? 『紅の星』と『蒼の星』は中央の据え付けケースの中だけれど、他の新作を紹介するモデルになってもらいたいわ」
「それは素敵ですね。カルメリーオ宝飾商会には紳士物もたくさんございますし、よろしいのではないでしょうか」
 カルメリーオ宝飾商会は首飾りや指輪のような婦人向けだけではなく、マントを止めるブローチ、タイピン、カフスボタンといった紳士物も揃えている。依頼を引き受けてくれるハンターが女性だけとは限らない以上、ぜひ男性ハンターたちにも新作の紳士向け宝飾品の宣伝に一役買ってもらいたいところだ。
「それはそうと、泥棒が侵入するとしたら、どこからだと思う?」
「そうでございますね……展示会の会場は2階の『マスケラーデの間』ですので、お客さま階段通路、店員通用階段、テラス窓、でしょうか。窓はテラス以外にもありますが、嵌め殺しや滑り出し窓ですので、侵入は難しいかと思います」
「1階からはどうなの?」
「展示会中、1階の喫茶室はお客さまのお付きの方の控え室となりますので、常に大勢がそこにいることになります。ですが、テラス下の掃き出し窓は裏庭と出入りが可能ですので、庭の警備は必要かと思います」
 新作披露展示会の出席者は20人程度で、ほとんどの客が秘書や執事、侍女を連れている。彼らは、不都合がない限りは主人と別の部屋で待機し、呼ばれた際にのみ主人のもとに赴くことになる。だが、出席客についてはすべて名簿に載っているが、どの客が誰を何人、付き人を連れてくるかまでは主催側では把握していない。
「それじゃあ、上の階は?」
「銀林檎館の上階は、当館主人の居室となっておりまして、個人的なものを置いている関係もあり、厳重な警戒設備が導入されております。侵入はおそらく無理でしょう。銀林檎館で働く者はわたしが把握しておりますし、店員に変装というのも考えにくいかと思います」
「ふぅん、なるほどね。それじゃあ、『マスケラーデの間』と庭を中心に警備すれば良さそうね」
「はい。それでは、わたしからハンターオフィスに依頼を出しておきますね」
 レイメは一礼し、ティーポットを手に厨房へと下がっていった――。

解説

●成功条件……新作披露展示会にて『紅の星』と『蒼の星』の警備をし、展示会を無事に成功させる。
●失敗条件……『紅の星』と『蒼の星』のどちらかひとつでも盗まれてしまう。展示会が泥棒によってめちゃくちゃにされてしまう。
*作戦上、泥棒を会場内におびき寄せることもあるかと思うので、泥棒の会場への侵入は失敗条件には当てはまりません。ですが、侵入後に対策を取らず放っておくと、泥棒は他の展示物や参加客の持ち物を盗み始めます。

●銀林檎館『マスケラーデの間』
 *イメージ図
 通……店員通用階段
 客用……客用階段
 扉……廊下につながる扉で、施錠されている。
 1……1階では、出入り口扉がある。

◆柵◆◇◇◇―窓―◇◇◇―窓―◇◇◇◇ 
柵  ◇              通
|テ |              ◇
|  テ              扉
|ラ ラ    紅  蒼      ◇
|  ス              客
|ス 窓              用
|  |              ◇
柵  ◇              扉
◆柵◆◇◇◇―窓―◇1◇―窓―◇◇◇◇

*記号◇◆|―は、スクエアに対応しているわけではありません。
*1階の付き人控え室は『テラス窓』が『掃き出し窓』となり、裏庭とつながっています。裏庭は塀で囲まれていて出入り口はなく、景観を整えるための樹木、草花が植えられています。

●警備について
 男女に関わらず、新作アクセサリーを身につけてモデルとして会場内をさりげなく警備するも良し、そういうことが苦手な方はレイメのように銀林檎館の給仕に変装していただくのも良しです。
 基本的に、裏庭か『マスケラーデの間』での警備となり、別室には行けません(付き人控え室の警戒巡回は可とする)。

*その他、リプレイ攻略についてはマスター基本情報をご参照ください。

マスターより

 今回は警備シナリオです。
 現れるかどうか不明な泥棒ですが、彼らはどこからともなく金目の物の情報を仕入れているはずです。警戒に越したことはありません。
 いろいろな条件をつけさせていただいておりますが、それはリプレイの都合ということでご了承いただければ幸いです。
 よろしくお願いいたします。
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2015/09/14 01:48

参加者一覧

  • 空を引き裂く射手
    ジュード・エアハート(ka0410
    人間(紅)|18才|男性|猟撃士
  • 光森の奏者
    ルナ・レンフィールド(ka1565
    人間(紅)|16才|女性|魔術師
  • 赤き大地の放浪者
    エアルドフリス(ka1856
    人間(紅)|30才|男性|魔術師
  • 嗤ウ観察者
    アルヴィン = オールドリッチ(ka2378
    エルフ|26才|男性|聖導士
  • フリーデリーケの旦那様
    アルマ・A・エインズワース(ka4901
    エルフ|26才|男性|機導師
  • 凛然奏する蒼礼の色
    イルム=ローレ・エーレ(ka5113
    人間(紅)|24才|女性|舞刀士
依頼相談掲示板
アイコン 於・銀林檎館【相談卓】
エアルドフリス(ka1856
人間(クリムゾンウェスト)|30才|男性|魔術師(マギステル)
最終発言
2015/08/26 02:21:56
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2015/08/22 20:04:46