ゲスト
(ka0000)
【東征】鬼の子らとフッコーとあめだま
マスター:狐野径

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや易しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在5人 / 4~10人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 寸志
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/09/15 09:00
- リプレイ完成予定
- 2015/09/24 09:00
オープニング
●甘いのが恋しい
今後がどうなるか分からない。
エトファリカ連邦国での歪虚との戦いは一応の決着はついた。歪虚王にだって勝てるという勢いもあり明るい一方、それまでに失った命の多さに気付かされ目を覚ますまで時間は迫っていると言ってもいい。
間で揺れ動いた鬼たちにとっては、世の中は明るくなるかもしれないと思えるほど楽観できるか、人間による断罪が待っているのだろうかと不安を抱いた未来を見るか分かれるところだ。
西方に行くか。
このまま東方にとどまり、贖罪をするか。
「俺たちは甘いものが食べたい!」
「そう、そんな難しいことは大人が考えればいい」
頭を寄せて相談する鬼の子――といっても大人に足を踏み入れている年齢ではあるが――は、大人たちが話していることから本能と言える甘い物が欲しいということまで幅広くしゃべる。
経験不足による思考の幼さは残っても、体格は人間に比べれば立派である彼らは、戦うにも未熟で日々時間を持て余していた。
「どうしよう」
「どうしようってどうしよう?」
他人が聞けば会話になっていないが、本人たちは共通の情報を持っているため会話として成立はしていた。
「行ってみようよ」
「うん。フッコーのお手伝いすればいいんだよね? 甘いの欲しい」
「前、助けてくれたお姉さんも会えたらいいな」
「美人だったよね」
「あのお兄さんはかっこよかった」
「小さい子とはお友達になれるかな……」
小さい子と言っても彼らにとって大きい人の方が少ないのではあるが。
「あ、あの妖怪もいないんだろうなぁ。人間だったら良かったのに」
サルハネは角を触ってきた男装の少女を思い出していた、妖怪だけれども。威張っていたが、友達になれそうな気がしてしまうという恐ろしい所を持っていた。
「お前が見たっていうやつ?」
「タケノコもらって喜んだって……」
「もう、竹だよね」
時が経つのは早い。
大きな戦いは終わり、食料も腹八分目まで毎日食べられる。そんな幸せが来るとは思っていなかった。
「やっぱり遊びに行きたい」
「フッコーのお手伝い」
「甘いの食べたい」
五人はそわそわする。
もう妖怪の見張りはいない。
だから堂々と出かけることにした。
●悲鳴を上げる大人たち
「大変だ、大変だっ!」
「どうしたんだい?」
あわてる男に作業の手を止め女が応えた。彼の声を聞きつけ、別の鬼も集まってくる。
「何がどうしたんだよ」
「あの、悪がきども……人間の集落に出かけた」
沈黙が漂い、続いて溜息が漏れた。
「追いかけるか」
「下手に刺激できないし」
人間と手を結ぶとしても、殺してきたことは現実である。大人が追いかけて子らが逃げた場合、たぶん行先は人間の集落。そうなると襲撃だという印象を与え、険悪になるかもしれない。大人たちは推測した。
ひとまず、書置きを見に大人たちは移動する。書置きは地面にたどたどしく記されている。
『ニンゲンのフコーのてつだいはいってきます』
一瞬で分からない言葉に首をかしげるが、あわてていた者が言っていた内容がしっくりくる。本人たちがいないので答えとして正しい。
「うん、なんか、あいつらにもう少し読み書き教えるべきじゃないか」
追いかけるわけにもいかないので、あきれてそこを指摘する。
「皆を信じるしかないよっ」
行った中に兄がいる女の子が涙目で言う。
何もできないからといって、目の前のどうでもいいことで現実逃避していた大人たちははっとした。下手をすれば怨みということで人間に殺されるかもしれないのだ。
大人たちは「あいつらを呼びに行こう」と相談を始めようとした。
「あたしも行ってみたかった」
女の子が顔を上げて告げた一言に、大人たちは動きを止めた。
「だから! どうして無理か説明しただろう」
泣きそうな意味が異なっていたため大人たちは説教に入った。
出かけた子らがどうなるか、何かに祈るしかなかった。
●どうする、これから
不安は不安。
鬼の子たちはほっかむりやら帽子で頭を隠して集落に入る。
壊れた家屋を直し、道を直す。人々が忙しく動く。働くに小さい子らも、何かしらの役割を持って動き回っていた。
「どうするんだ」
そわそわと五人は頭を突き合わせる。
人間の子なら小さいけれど、大人でも大きい部類の彼らがいるのは非常に目立った。
視線が集まり、警戒が生じてくる。
「あ、あの!」
サルハネは意を決して大きな声を出して、視線を向けてきた人たちを向いた。
「お金はありません。でも、甘いお菓子が食べたくて。あの、働くから、お願いします」
頭を下げるサルハネに、他の子らも同じく頭を下げる。
頭を下げた拍子に帽子がとれる。
ザワリ。
あわてて頭をかくす。
いや、サルハネの青白いを通り越した青い肌に、すでに彼らの正体はばれはじめていたのだ。
「お、鬼の世話にならないよ!」
「そうだ、出ていけ」
武器を持って攻撃はしてこないが、否定される。
「俺たち、力はあるよ。だから、柱立てるのだって早くできるよ」
人手が欲しい集落の人間たち。
敵でもあった彼らの手を借りるのも癪。
どうしたらいいのだろうか?
「以前、こっそりもらってしまったのも謝ります」
集落の者たちは腹が立った。飢え死にするとか人が食べ物が盗まれたことで人が死んだことはなかったが、集落にいる者の中に不和が生じる寸前になったのは事実だった。
「てめえらが犯人か」
一人が鎌を持って近づいてくる。
別の者もそれにつられて武器を手にやってくる。
「ご、ごめんなさい」
「人間の食べ物おいしくて」
「食べ物なくて……ごめんなさい」
必死に頭を下げる。
集落の人間の怒りは収まるどころか、殺してしまってもかまわないかも知れないという空気が漂い始めている。
鬼は敵だった。
遠い昔に人間との意思の疎通のミスで始まった敵対だと噂にもなってはいる。
鬼は食料を育てられない環境にいた。
だから盗んでいいのだろうか。
彼らは謝罪し、働いて何とかしようとしている。
実力で排除しようとする者が動く中、無理に追い返さなくてもという声も小さいがある。武器を持つ者に対しては非常に弱かった。
今後がどうなるか分からない。
エトファリカ連邦国での歪虚との戦いは一応の決着はついた。歪虚王にだって勝てるという勢いもあり明るい一方、それまでに失った命の多さに気付かされ目を覚ますまで時間は迫っていると言ってもいい。
間で揺れ動いた鬼たちにとっては、世の中は明るくなるかもしれないと思えるほど楽観できるか、人間による断罪が待っているのだろうかと不安を抱いた未来を見るか分かれるところだ。
西方に行くか。
このまま東方にとどまり、贖罪をするか。
「俺たちは甘いものが食べたい!」
「そう、そんな難しいことは大人が考えればいい」
頭を寄せて相談する鬼の子――といっても大人に足を踏み入れている年齢ではあるが――は、大人たちが話していることから本能と言える甘い物が欲しいということまで幅広くしゃべる。
経験不足による思考の幼さは残っても、体格は人間に比べれば立派である彼らは、戦うにも未熟で日々時間を持て余していた。
「どうしよう」
「どうしようってどうしよう?」
他人が聞けば会話になっていないが、本人たちは共通の情報を持っているため会話として成立はしていた。
「行ってみようよ」
「うん。フッコーのお手伝いすればいいんだよね? 甘いの欲しい」
「前、助けてくれたお姉さんも会えたらいいな」
「美人だったよね」
「あのお兄さんはかっこよかった」
「小さい子とはお友達になれるかな……」
小さい子と言っても彼らにとって大きい人の方が少ないのではあるが。
「あ、あの妖怪もいないんだろうなぁ。人間だったら良かったのに」
サルハネは角を触ってきた男装の少女を思い出していた、妖怪だけれども。威張っていたが、友達になれそうな気がしてしまうという恐ろしい所を持っていた。
「お前が見たっていうやつ?」
「タケノコもらって喜んだって……」
「もう、竹だよね」
時が経つのは早い。
大きな戦いは終わり、食料も腹八分目まで毎日食べられる。そんな幸せが来るとは思っていなかった。
「やっぱり遊びに行きたい」
「フッコーのお手伝い」
「甘いの食べたい」
五人はそわそわする。
もう妖怪の見張りはいない。
だから堂々と出かけることにした。
●悲鳴を上げる大人たち
「大変だ、大変だっ!」
「どうしたんだい?」
あわてる男に作業の手を止め女が応えた。彼の声を聞きつけ、別の鬼も集まってくる。
「何がどうしたんだよ」
「あの、悪がきども……人間の集落に出かけた」
沈黙が漂い、続いて溜息が漏れた。
「追いかけるか」
「下手に刺激できないし」
人間と手を結ぶとしても、殺してきたことは現実である。大人が追いかけて子らが逃げた場合、たぶん行先は人間の集落。そうなると襲撃だという印象を与え、険悪になるかもしれない。大人たちは推測した。
ひとまず、書置きを見に大人たちは移動する。書置きは地面にたどたどしく記されている。
『ニンゲンのフコーのてつだいはいってきます』
一瞬で分からない言葉に首をかしげるが、あわてていた者が言っていた内容がしっくりくる。本人たちがいないので答えとして正しい。
「うん、なんか、あいつらにもう少し読み書き教えるべきじゃないか」
追いかけるわけにもいかないので、あきれてそこを指摘する。
「皆を信じるしかないよっ」
行った中に兄がいる女の子が涙目で言う。
何もできないからといって、目の前のどうでもいいことで現実逃避していた大人たちははっとした。下手をすれば怨みということで人間に殺されるかもしれないのだ。
大人たちは「あいつらを呼びに行こう」と相談を始めようとした。
「あたしも行ってみたかった」
女の子が顔を上げて告げた一言に、大人たちは動きを止めた。
「だから! どうして無理か説明しただろう」
泣きそうな意味が異なっていたため大人たちは説教に入った。
出かけた子らがどうなるか、何かに祈るしかなかった。
●どうする、これから
不安は不安。
鬼の子たちはほっかむりやら帽子で頭を隠して集落に入る。
壊れた家屋を直し、道を直す。人々が忙しく動く。働くに小さい子らも、何かしらの役割を持って動き回っていた。
「どうするんだ」
そわそわと五人は頭を突き合わせる。
人間の子なら小さいけれど、大人でも大きい部類の彼らがいるのは非常に目立った。
視線が集まり、警戒が生じてくる。
「あ、あの!」
サルハネは意を決して大きな声を出して、視線を向けてきた人たちを向いた。
「お金はありません。でも、甘いお菓子が食べたくて。あの、働くから、お願いします」
頭を下げるサルハネに、他の子らも同じく頭を下げる。
頭を下げた拍子に帽子がとれる。
ザワリ。
あわてて頭をかくす。
いや、サルハネの青白いを通り越した青い肌に、すでに彼らの正体はばれはじめていたのだ。
「お、鬼の世話にならないよ!」
「そうだ、出ていけ」
武器を持って攻撃はしてこないが、否定される。
「俺たち、力はあるよ。だから、柱立てるのだって早くできるよ」
人手が欲しい集落の人間たち。
敵でもあった彼らの手を借りるのも癪。
どうしたらいいのだろうか?
「以前、こっそりもらってしまったのも謝ります」
集落の者たちは腹が立った。飢え死にするとか人が食べ物が盗まれたことで人が死んだことはなかったが、集落にいる者の中に不和が生じる寸前になったのは事実だった。
「てめえらが犯人か」
一人が鎌を持って近づいてくる。
別の者もそれにつられて武器を手にやってくる。
「ご、ごめんなさい」
「人間の食べ物おいしくて」
「食べ物なくて……ごめんなさい」
必死に頭を下げる。
集落の人間の怒りは収まるどころか、殺してしまってもかまわないかも知れないという空気が漂い始めている。
鬼は敵だった。
遠い昔に人間との意思の疎通のミスで始まった敵対だと噂にもなってはいる。
鬼は食料を育てられない環境にいた。
だから盗んでいいのだろうか。
彼らは謝罪し、働いて何とかしようとしている。
実力で排除しようとする者が動く中、無理に追い返さなくてもという声も小さいがある。武器を持つ者に対しては非常に弱かった。
解説
ハンターの皆さんは手伝いでここにいた、通りがかった感じです。
鬼の子を助けるとしても、人間の説得はメーンではないため適度に一言あれば問題ないです、素敵です。
このシナリオの趣旨としては「復興の手伝い」「鬼の子元気」です。
●集落の困りごと
集落の人は体力がある手伝いを欲しいですが、鬼には抵抗感が強いです。
・妖怪の残党が来ないか不安(見回り)
・倉庫が傾いているので、新しい倉庫作り(体力重視)
・がれきの撤去。使える物(再利用・薪用)は残して、ごみ置き場に持って行く。
・炊き出し
・住宅再建などなど
●鬼の子
性別男、13~16歳、身長180センチ前後。
戦闘の強さの目安は闘狩人レベル5以下。
目的は甘い食べ物が欲しい、少しでもいいから。
・サルハネ 青鬼と言われるタイプ。思慮深く、ちょっと引っ込み思案。
・ホタギ 年長の子。リーダータイプでちょっと威張る。
・ヒウチ 落ち着いているが、ちょっとおしゃべり。
・アミ サルハネと同じくらいで元気がいい。
・トチオ 一番年下。
鬼の子を助けるとしても、人間の説得はメーンではないため適度に一言あれば問題ないです、素敵です。
このシナリオの趣旨としては「復興の手伝い」「鬼の子元気」です。
●集落の困りごと
集落の人は体力がある手伝いを欲しいですが、鬼には抵抗感が強いです。
・妖怪の残党が来ないか不安(見回り)
・倉庫が傾いているので、新しい倉庫作り(体力重視)
・がれきの撤去。使える物(再利用・薪用)は残して、ごみ置き場に持って行く。
・炊き出し
・住宅再建などなど
●鬼の子
性別男、13~16歳、身長180センチ前後。
戦闘の強さの目安は闘狩人レベル5以下。
目的は甘い食べ物が欲しい、少しでもいいから。
・サルハネ 青鬼と言われるタイプ。思慮深く、ちょっと引っ込み思案。
・ホタギ 年長の子。リーダータイプでちょっと威張る。
・ヒウチ 落ち着いているが、ちょっとおしゃべり。
・アミ サルハネと同じくらいで元気がいい。
・トチオ 一番年下。
マスターより
こんにちは。
おれたち元気です。以前みたいに腹ペコではありません。そりゃ、満腹とはいかないでしょう、人間も。
というわけで「【東征】腹ペコ鬼と符術師」「【東征】少年、鬼の子からタケノコもらう」で登場した子らです。読んでもいいし、読まなくてももちろんいいですよ。
未来がどうなるかは分からないけれど、今を生きるために。
よろしくお願いします。
おれたち元気です。以前みたいに腹ペコではありません。そりゃ、満腹とはいかないでしょう、人間も。
というわけで「【東征】腹ペコ鬼と符術師」「【東征】少年、鬼の子からタケノコもらう」で登場した子らです。読んでもいいし、読まなくてももちろんいいですよ。
未来がどうなるかは分からないけれど、今を生きるために。
よろしくお願いします。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/09/20 20:42
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/09/11 14:46:48 |
|
![]() |
鬼の子と復興と【相談卓】 エイル・メヌエット(ka2807) 人間(クリムゾンウェスト)|23才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2015/09/14 22:05:12 |