• 戦闘

アマリリス~赤ずきん作戦

マスター:深夜真世

このシナリオは3日間納期が延長されています。

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
参加費
1,000
参加人数
現在8人 / 4~8人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
プレイング締切
2015/11/23 19:00
リプレイ完成予定
2015/12/05 19:00

オープニング

●あらすじ
 同盟領ジェオルジの片田舎の村がゴブリンに襲われた。
 少年、モータルはここで天涯孤独の身になった。
 避難用馬車から逃げる人に突き落とされて母が死に、村を助けた盗賊は悪党で別の村を襲い、盗賊から逃げてあらかじめ村に知らせたモータルは捕縛され……。
 人間不審になった。
 そんな彼に、村のため我が身の危険を顧みず密造酒生産をしていた男が言う。
「危ない橋を渡れ。自分が、誰かのために!」
 この言葉に感銘を受けたモータル。密造酒を売り捌く闇の商売人「ベンド商会」に身を寄せ旅をすることになった。

 やがて、資産家の娘で家出したアム、高名な役者一家から逃げて石工となったメイスンが加わった。
 そして蒸気工業都市フマーレ近くで鉱山開発が進んでいることを知り、アムを代表にした「アマリリス商会」として密造酒を売り込む。


●本編
「なにしよんなら、わりゃ!」
「あんじゃと、おどりゃあ!」
 セル鉱山に新たにできた作業員の村――炭鉱街で、荒々しい言葉が響く。
「おい、交代の時間だ。さっさと坑道に戻れ!」
 一方では、監視員らの急かす声。
「ああん、まだ時間に早かろう」
「急がんでも鉄鉱石ちゃんは逃げやせんて。がはははは……」
 工夫たちは肝が据わっているようで従うふうもない。
 というか、できたばかりの集団だ。水面下で権力の駆け引きが展開されている。
 誰に従えば得か、誰に付けば楽か――。

「……柄が悪いですね」
 この様子を見てアマリリス商会のメイスンが沈痛な声を絞り出した。その後ろでモータルが運んで来た密造酒を下ろしている。
「所詮、いろんな町でくすぶってた浮浪者やチンピラ崩れを集めた烏合の衆だからね……」
 現場を指揮する若き鉱山技師の若者ハミル・タグは、メイスンに納品済みの書類を渡しながらため息を吐いた。
「なるほど。この町が塀に囲まれてるのも脱走対策?」
 アマリリス商会代表のアムも呆れ気味。
「いや、それは違う。ここは危ない噂がいろいろあってね。目下、搬送品が森林狼に襲われてるから……」
 その時!
「おおい、幌馬車隊が全滅だ!」
「また食料搬送隊が森林狼の群れにやられたぞ!」
 慌てて入ったこの報に管理側も労働側も動揺した。
「また大きな部隊が狙われたのか?」
「おい、前にやられて備蓄が心配とかで食事量の制限があったばかりじゃねぇかよ」
「何やってんだ? 護衛はつけないのかよ!」
「腹が減っちゃツルハシも握れんで!」
 ゴネてふて寝していた作業員すら寄って来たのは、本当に食料が少なくなっていたから。
「待て。とにかく今は作業だ。掘削予定がずれ込んでいるのは知ってるだろう。……まだ良質の鉄鉱石が出てないんだ。早く出さないとここ全体が見捨てられるぞ!」
 ハミルが技術者らしく、現状を示してなだめようとした。
 これが、火に油を注いだ。
「知るか! ここは狼のテリトリーの中だろ。こんなところで仕事なんかできるかよ!」
「オレっちら鉄を掘るって約束はしたが、そこが狼の縄張りの中ってのは聞いてねぇなぁ」
「だまして働かそうなんて、そうはいかねぇんだよ。このクソガキが!」
「……ごちゃごちゃうるさいわよ!」
 ばきっ、と音が響いたのは、アムが手近にあった棒を叩きつけて折ったから。
 この中で唯一の女性であるアムに荒くれどもの視線が集中する。
「何……」
 そして、全員がひるんだッ!
「あんたら、男でしょ? だったらついてきなさいよ。今から私たちアマリリス商会が取って返して狼ぜんぶぶっ倒すから、一緒に戦ってみなさいよ!」
 酒樽の上に立ち手を伸ばしたアムが凄む。
 その背後に一瞬、悪魔のようなオーラが現出した。
 覚醒、である。これが、アムの家出した本当の理由。
「一緒に戦う勇気がないなら、大人しく働いてるがいいわ。死にたい奴はついてきなさい。不幸を呼ぶ女が、その不幸で災厄を払ってやるわ」

 こうして、アムたちは偽装荷馬車隊を組んで森林狼退治に行くことになる。作業員たちは幸いにも、一人もついてこなかった。
 が、狼は立ち去った後。
 結局、次の便を偽装輸送段にして狼殲滅作戦をすることになった。
「あの商会に任せていいのか?」
 鉱山に生活品を搬入する業者たちが不服そうにしている。手柄をアマリリス商会に取られて取引拡大されるわけにはいかないからだ。
「いいんだよ。狼の群れには赤ずきんを放り込んでおくに限る。……あの赤ずきんちゃんには犠牲になってもらって、改めて輸送賃金の値上げ交渉をすればいい」
 くっくっく、と笑う商人もいる。

 とにかくアムたちはハンターを雇い、左右に木々が迫った場所で突然、降ってわいたように森林狼が現れ幌馬車が襲われるという地点に急ぐ。

解説

※この依頼は連作ですが、前回を知らなくても今回の依頼の達成度に影響はありません。初めての人も気軽に参加していただいて大丈夫です。

 炭鉱街までの森の中で、幌馬車隊に襲ってくる森林狼十五匹程度を退治してください。

 森林狼は、森の中をテリトリーにしている狼です。
 特に一匹一匹は強いわけではありません。その分、戦い方を熟知しています。
 障害物を避けるための跳躍力に長けるのが特徴となりますが、特に人の頭をひとっ跳びで越えるなどという跳躍力ではなく、人の頭にいきなり跳びかかって噛みつくことのできる程度です。狼なので移動力もあります。

 これまで、ここの森林狼には大規模な輸送隊が往路で襲われています。
 護衛もつけて奇襲に備えていたのですが、ある時は横合い、ある時は後ろなどから襲い掛かられ対応したところいつの間にか隊列の中に敵数匹がいて撹乱され荷を引く馬がやられるとのことです。

 今回は偽装で荷物は空の予定でしたが、炭鉱街の現状を知るアムは必要な食料を運ぶことを決意しました。失敗するとアマリリス商会に大被害が出ます。
 半面、成功すると鉱山街でのアマリリス商会の評価が激烈に上がります。

 商隊は、一頭立ての荷馬車4台。覚醒者であり戦闘要員のアム、モータル、メイスン、そしてアムの付き人バモスが御者として付きます。

 往路の行程は、一日。
 これまでは長い直線で左右に木々の迫っている場所で襲われています。

マスターより

 まだ寝ないならこんばんは、深夜真世です。

 お待たせしました。「資産家パーティーと密売人」の続きです。
 前回のお話でアマリリス商会は酒の納入業者の一つとして採用されました。まだ小さな取引だったのでいきなり狼に襲われることはなかったようですね。
 とはいえ、今度は積極的に狼退治に出ます。

 無事に食料を届けられますように。

 OP長くてすいません。
 では、よろしくお願いします。
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2015/12/04 01:29

参加者一覧

  • 行政営業官
    天竜寺 舞(ka0377
    人間(蒼)|18才|女性|疾影士
  • 未来を示す羅針儀
    ジャック・エルギン(ka1522
    人間(紅)|20才|男性|闘狩人
  • 金剛不壊
    スーズリー・アイアンアックス(ka1687
    ドワーフ|20才|女性|猟撃士
  • 星を傾く者
    サクラ・エルフリード(ka2598
    人間(紅)|15才|女性|聖導士
  • Pクレープ隊員
    ベリャコフ・ヴェロニーカ(ka5493
    人間(紅)|20才|女性|猟撃士
  • アマリリス商会
    エレンジア・アーヴァイン(ka5584
    人間(紅)|16才|女性|魔術師
  • 世話焼きシスター
    ヴェンティ・クアドリフォーリョ(ka5776
    人間(紅)|16才|女性|魔術師
  • 忍軍創設者
    ルンルン・リリカル・秋桜(ka5784
    人間(蒼)|17才|女性|符術師
依頼相談掲示板
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2015/11/20 20:08:57
アイコン 相談卓だよ
天竜寺 舞(ka0377
人間(リアルブルー)|18才|女性|疾影士(ストライダー)
最終発言
2015/11/23 15:48:46