ゲスト
(ka0000)
知追う者、西国にてキリンを見る?
マスター:狐野径

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/12/22 22:00
- リプレイ完成予定
- 2015/12/31 22:00
オープニング
●思い出
大江 紅葉(kz0163)は夢を見た。
死んだ妹・若葉が文字を読めるようになった頃、紅葉は十二歳くらいだったはずだ。
「あねうえ、きりんって西にいけばいるの?」
西の地域がどうなっているのか、歪虚に飲まれてしまったのかなど知らなかった頃でもあり、夢と希望も抱いていた。
「麒麟? 残念ながらいないわよ? だって、空想上の生き物だし」
「え? でも、リアルブルーにはいるって書いてあったよ」
「……? そんな、まさか? 麒麟と言えば瑞兆を示す生き物であり、架空の物のはずよ。あ、でも幻獣とか魔獣とかいう類でいるのかもしれないわ」
そわそわする紅葉に小さい若葉はきょとんとする。
「そっかぁ、きりんってなんて鳴くのかな」
「それは、楽を奏でるような美しい声だと聞くわ」
「へぇ。あねうえはやっぱり頭がいい」
尊敬のまなざしの若葉。
その尊敬が照れくさいが嬉しい紅葉。
この様子を聞いていた家令は笑いをこらえるのが大変だったと後で聞いた。
うっすらと涙と微笑を浮かべ、紅葉は目を覚ました。
今日は念願のグラズヘイム王国に行く日なのだ。
北伐でいない人の分も働けという直属の上司だが、休みはちゃんとくれる。
「図書館に行きたいですが、仕方がありません」
休日に外国へ行くために直属の上司に許可を求めたところ、つけられた条件は「今は図書館に行くな」だった。行きたいとごねると国外へ出かけることすら却下されると紅葉は読み、甘んじて受け入れた。
知識喰いやら知追う者と言われる紅葉にとって、グラズヘイム王立図書館は垂涎の的であり、入ったら出てこられなくなるのは想定の事だった、本人にしても周りの人にしても。
●初めの一歩
転移門でリゼリオに出て、リアルブルーの船が見られず残念がりながら、グラズヘイムに向かう。
まずは王都イルダーナか古都アークエルスかと悩み、どっちも時間が足りないと悩む。古都は図書館もあるため、行ったらうずくまって呻いて、柱に張り付いて帰らない自信が紅葉にはあった。
職員と話して地図を見て、適度な位置にある町に行くことにした。
王都に近い北東寄りの町に一行は出る。勧められた理由は、時々ゴブリンや雑魔も出るが、街中で大きな事件は現在の所発生していないということからだった。
町に付いた紅葉たちはその通りの空気を味わう。
行き交う人々は穏やかな表情をしている。
舗装された道。
リゼリオでも一応町は見ていたが、グラズヘイムの町はまた異なった雰囲気だ。建物の洋式や町の規模によるところもあるだろうが、興味が尽きない。
もっとも、西方にはじめてきた紅葉と護衛の二人にとっては、町に足を踏み出した瞬間、動けなくなるほど衝撃だった。
しばらく道の端であれこれ眺める。
それから紅葉の好奇心に任せて進んでいく。
町の外にも出た。
街道が伸び、牧草地や畑、遠くには針葉樹林らしい林も見える。
「……緑もある」
ポツリ五来は目を細めてつぶやく。
「綺麗ですね……え? あれ、あれなんでしょう?」
紅葉は指を指した。
街道の上を何か大きな物体が通って行った。
黄土色の馬の首を長くしたような、皮に包まれた角を持っている謎の生き物。
「きっりーん」
遠くから聞こえる声に紅葉は硬直して震える。
「そ、宗主? どうかしたんです?」
善木が心配して声をかける。
「……キリン?」
「はい?」
善木と五来は同じタイミングで聞き返す。
「瑞兆の動物だったっけ?」
「徳の高い王が出ると現れるんだったか?」
善木と五来は麒麟の知識を引っ張り出す。
「いえ、あれ、リアルブルーのサバンナにいるとされる、キリンという動物」
紅葉が目をキラキラさせ、頬を紅潮させ指さしている。どこか違う気がするがひとまず目をそらす。そもそも、キリンなど見たことがないのだから、違うなんて本当かどうか分からない。
「キリンって『キリン』って鳴くんですか、知りませんでした」
どうやら「麒麟」ではなく「キリン」という実在の動物らしいと理解した善木と五来は、顔を見合わせた。雇い主が楽しそうにしていることはいいことであるとうなずき合う。
「あ、林に入って行きますっ! 見に行ってみたいです」
紅葉は小走りに向かうため、護衛もため息交じりについてった。
「あの林、やけに変な形しているよな?」
「それは気付いた。灌木の上が食われて、巨木は下が食われて。それに生気がないというか」
別の所のこんもりとした林を見たときとことなり、キリン(仮)が入って行った林は大きいくせに生気を感じない奇妙さがある。
「妖怪じゃねぇのか?」
「……否定できないが……」
紅葉において行かれている二人は必死に追いかけた。
●依頼
紅葉を見送った後、ハンターズソサエティの職員であるロビン・ドルトスは依頼書を取りまとめるといった普段の業務に戻ろうとした。
「エトファリカか……ふーん……げっ」
ロビンは思わず立ち上がる。紅葉がハンターとして登録しているため、一部情報は知ることができたためつい見ていた。
「え、あの人そんな称号持って……あ、でもまあ、わざわざ町の外まで行かないか」
ロビンがハンター募集を掛けている依頼は、雑魔退治だった。
この町からの依頼で、街道に出る雑魔を退治してほしいというもの。姿はキリンという動物に似ているが、雑魔は雑魔であり、凶悪で通りがかる物を踏みつぶそうとし、木々を食い荒らすと言う。
「幸い人的被害がなかったというけれど」
ため息が漏れ、紅葉がどうしたか気になる。
扉が開いて近所でよく露店を開く行商人が顔を覗かせた。
「なあ、ロビンさんよぉ、大きくて首が長い化けもの退治は誰かする予定かい?」
「今ハンター募集しているところですよ?」
「なら……追いかけて行った髪が長いお嬢ちゃんと、大きな護衛みたいなやつらがいたんだが」
「なんだってええええええええええええ!」
ロビンは真っ青になった。
「え、普通追いかける?」
「いや、遠目には動物にみえなくはないが、わしは伝えたぞ?」
行商人がいなくなった後、ロビンはハンターが仕事を受けてくれることを願った。
「いや、この人たちもハンターなんだよな?」
装備品等を思い出して、あの三人が町の外に出ることを想定していないと頭を抱えた。
大江 紅葉(kz0163)は夢を見た。
死んだ妹・若葉が文字を読めるようになった頃、紅葉は十二歳くらいだったはずだ。
「あねうえ、きりんって西にいけばいるの?」
西の地域がどうなっているのか、歪虚に飲まれてしまったのかなど知らなかった頃でもあり、夢と希望も抱いていた。
「麒麟? 残念ながらいないわよ? だって、空想上の生き物だし」
「え? でも、リアルブルーにはいるって書いてあったよ」
「……? そんな、まさか? 麒麟と言えば瑞兆を示す生き物であり、架空の物のはずよ。あ、でも幻獣とか魔獣とかいう類でいるのかもしれないわ」
そわそわする紅葉に小さい若葉はきょとんとする。
「そっかぁ、きりんってなんて鳴くのかな」
「それは、楽を奏でるような美しい声だと聞くわ」
「へぇ。あねうえはやっぱり頭がいい」
尊敬のまなざしの若葉。
その尊敬が照れくさいが嬉しい紅葉。
この様子を聞いていた家令は笑いをこらえるのが大変だったと後で聞いた。
うっすらと涙と微笑を浮かべ、紅葉は目を覚ました。
今日は念願のグラズヘイム王国に行く日なのだ。
北伐でいない人の分も働けという直属の上司だが、休みはちゃんとくれる。
「図書館に行きたいですが、仕方がありません」
休日に外国へ行くために直属の上司に許可を求めたところ、つけられた条件は「今は図書館に行くな」だった。行きたいとごねると国外へ出かけることすら却下されると紅葉は読み、甘んじて受け入れた。
知識喰いやら知追う者と言われる紅葉にとって、グラズヘイム王立図書館は垂涎の的であり、入ったら出てこられなくなるのは想定の事だった、本人にしても周りの人にしても。
●初めの一歩
転移門でリゼリオに出て、リアルブルーの船が見られず残念がりながら、グラズヘイムに向かう。
まずは王都イルダーナか古都アークエルスかと悩み、どっちも時間が足りないと悩む。古都は図書館もあるため、行ったらうずくまって呻いて、柱に張り付いて帰らない自信が紅葉にはあった。
職員と話して地図を見て、適度な位置にある町に行くことにした。
王都に近い北東寄りの町に一行は出る。勧められた理由は、時々ゴブリンや雑魔も出るが、街中で大きな事件は現在の所発生していないということからだった。
町に付いた紅葉たちはその通りの空気を味わう。
行き交う人々は穏やかな表情をしている。
舗装された道。
リゼリオでも一応町は見ていたが、グラズヘイムの町はまた異なった雰囲気だ。建物の洋式や町の規模によるところもあるだろうが、興味が尽きない。
もっとも、西方にはじめてきた紅葉と護衛の二人にとっては、町に足を踏み出した瞬間、動けなくなるほど衝撃だった。
しばらく道の端であれこれ眺める。
それから紅葉の好奇心に任せて進んでいく。
町の外にも出た。
街道が伸び、牧草地や畑、遠くには針葉樹林らしい林も見える。
「……緑もある」
ポツリ五来は目を細めてつぶやく。
「綺麗ですね……え? あれ、あれなんでしょう?」
紅葉は指を指した。
街道の上を何か大きな物体が通って行った。
黄土色の馬の首を長くしたような、皮に包まれた角を持っている謎の生き物。
「きっりーん」
遠くから聞こえる声に紅葉は硬直して震える。
「そ、宗主? どうかしたんです?」
善木が心配して声をかける。
「……キリン?」
「はい?」
善木と五来は同じタイミングで聞き返す。
「瑞兆の動物だったっけ?」
「徳の高い王が出ると現れるんだったか?」
善木と五来は麒麟の知識を引っ張り出す。
「いえ、あれ、リアルブルーのサバンナにいるとされる、キリンという動物」
紅葉が目をキラキラさせ、頬を紅潮させ指さしている。どこか違う気がするがひとまず目をそらす。そもそも、キリンなど見たことがないのだから、違うなんて本当かどうか分からない。
「キリンって『キリン』って鳴くんですか、知りませんでした」
どうやら「麒麟」ではなく「キリン」という実在の動物らしいと理解した善木と五来は、顔を見合わせた。雇い主が楽しそうにしていることはいいことであるとうなずき合う。
「あ、林に入って行きますっ! 見に行ってみたいです」
紅葉は小走りに向かうため、護衛もため息交じりについてった。
「あの林、やけに変な形しているよな?」
「それは気付いた。灌木の上が食われて、巨木は下が食われて。それに生気がないというか」
別の所のこんもりとした林を見たときとことなり、キリン(仮)が入って行った林は大きいくせに生気を感じない奇妙さがある。
「妖怪じゃねぇのか?」
「……否定できないが……」
紅葉において行かれている二人は必死に追いかけた。
●依頼
紅葉を見送った後、ハンターズソサエティの職員であるロビン・ドルトスは依頼書を取りまとめるといった普段の業務に戻ろうとした。
「エトファリカか……ふーん……げっ」
ロビンは思わず立ち上がる。紅葉がハンターとして登録しているため、一部情報は知ることができたためつい見ていた。
「え、あの人そんな称号持って……あ、でもまあ、わざわざ町の外まで行かないか」
ロビンがハンター募集を掛けている依頼は、雑魔退治だった。
この町からの依頼で、街道に出る雑魔を退治してほしいというもの。姿はキリンという動物に似ているが、雑魔は雑魔であり、凶悪で通りがかる物を踏みつぶそうとし、木々を食い荒らすと言う。
「幸い人的被害がなかったというけれど」
ため息が漏れ、紅葉がどうしたか気になる。
扉が開いて近所でよく露店を開く行商人が顔を覗かせた。
「なあ、ロビンさんよぉ、大きくて首が長い化けもの退治は誰かする予定かい?」
「今ハンター募集しているところですよ?」
「なら……追いかけて行った髪が長いお嬢ちゃんと、大きな護衛みたいなやつらがいたんだが」
「なんだってええええええええええええ!」
ロビンは真っ青になった。
「え、普通追いかける?」
「いや、遠目には動物にみえなくはないが、わしは伝えたぞ?」
行商人がいなくなった後、ロビンはハンターが仕事を受けてくれることを願った。
「いや、この人たちもハンターなんだよな?」
装備品等を思い出して、あの三人が町の外に出ることを想定していないと頭を抱えた。
解説
雑魔退治です。
●雑魔目撃談
この職員であるロビンがいるハンターズソサエティ支部のある町から歩いて十分ほどで出くわす点在する林たち。
特に100×200mくらいの林に良くいるようです。
木の二メートルから三メートルあたりの高さ部分が食われています。(雑魔の推定サイズ2)
首の長い大きな馬のような姿。牛と異なり皮に包まれた一対の角を持ち、口は大きく牙がぎっしり生えています。
尻尾が長く、鞭のように動いているという話もあります。
●NPC
・大江 紅葉 エトファリカ連邦国、陰陽寮所属の符術師。ただいま、キリンを追いかけてみてます。素早く結界術は使えます。
・善木 紅葉の護衛の鬼。ターバンが目印の素手で戦うタイプの戦士。紅葉を守る事だけはします。
・五来 紅葉の護衛の鬼。刀を提げ、大太刀も持っていたりと結構刃物好きらしい。
●ハンターがたどり着いたころはこんな状況と思ってください
林の入口から紅葉探して右往左往する善木と五来。
雑魔の前で結界張って困惑する紅葉。
紅葉を食らおうとしている雑魔。
●雑魔目撃談
この職員であるロビンがいるハンターズソサエティ支部のある町から歩いて十分ほどで出くわす点在する林たち。
特に100×200mくらいの林に良くいるようです。
木の二メートルから三メートルあたりの高さ部分が食われています。(雑魔の推定サイズ2)
首の長い大きな馬のような姿。牛と異なり皮に包まれた一対の角を持ち、口は大きく牙がぎっしり生えています。
尻尾が長く、鞭のように動いているという話もあります。
●NPC
・大江 紅葉 エトファリカ連邦国、陰陽寮所属の符術師。ただいま、キリンを追いかけてみてます。素早く結界術は使えます。
・善木 紅葉の護衛の鬼。ターバンが目印の素手で戦うタイプの戦士。紅葉を守る事だけはします。
・五来 紅葉の護衛の鬼。刀を提げ、大太刀も持っていたりと結構刃物好きらしい。
●ハンターがたどり着いたころはこんな状況と思ってください
林の入口から紅葉探して右往左往する善木と五来。
雑魔の前で結界張って困惑する紅葉。
紅葉を食らおうとしている雑魔。
マスターより
こんにちは。
大江 紅葉と鬼二人がグラズヘイム王国にやってきました。しばしば図書館はおあずけですが、行く野望はそのまま。
雑魔の鳴き声があれなのは、MSのセンスのなさだと諦めてください。
よろしくお願いします。
大江 紅葉と鬼二人がグラズヘイム王国にやってきました。しばしば図書館はおあずけですが、行く野望はそのまま。
雑魔の鳴き声があれなのは、MSのセンスのなさだと諦めてください。
よろしくお願いします。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/12/28 08:47
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
相談卓 カイン・A・A・カーナボン(ka5336) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|男性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2015/12/21 23:41:54 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/12/18 22:07:13 |