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【闇光】無境界の用心棒

マスター:神宮寺飛鳥

シナリオ形態
ショート
難易度
やや難しい
オプション
参加費
1,000
参加人数
現在6人 / 4~6人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
プレイング締切
2015/12/25 07:30
リプレイ完成予定
2016/01/03 07:30

オープニング

※このシナリオは難易度が高く設定されています。所持金の大幅な減少や装備アイテムの損失、場合によっては、再起不能、死亡判定が下される可能性があります。
再起不能、死亡判定の下されたキャラクターはログイン、及びコンテンツへのアクセスが制限されます。

「あの~、私達これからどうするのでしょう? アルミラ隊長……」
「俺達アルミラ小隊は墜落したサルヴァトーレ・ロッソの救援部隊に参加していたんだよね?」
「しかし、出発直後に帝都から救援要請がかかり、どっちに向かうべきかなやんでおられるのでしょう」
 アルミラ小隊は、第一師団に所属する上等兵、シュシュ・アルミラを隊長とする部隊である。
 機械弄りが好きなドワーフのラザニー、イケメンだけが取り柄のエルフ、ステート。そしてアラフォー独身小太り男、ウッドマンという三名の部下と、ブラストエッジ鉱山の戦いで立てた武勲で超スピード昇進を果たしたシュシュ隊長の計四名で構成される。
 ウッドマンの言う通り、シュシュは今後の動き方を決めあぐねていた。
 ラザニーは非覚醒者だがメカオタで、歩いている間ずっと軍用伝話のダイアルを弄くっており、動力源にされていたステートが「いい加減にしてくれないか」とマジギレするとほぼ同時、帝都の軍用通信をキャッチしたのだ。
 地図とにらめっこしていたシュシュだが、正直学がないので帝国式の地図は読めない。アルミラ族の地図はもっと大雑把で絵本のようだったから読めたのだが……。
「隊長、現在地はバルトアンデルス北方3.2km地点。私が帝都の通信を拾えるギリギリの距離だと思います」
「俺の覚醒のおかげでね……?」
「違います! 私の改造のおかげです!」
「まだ出発からそう間もなく幸いでしたな、隊長。して、次はどのように?」
「あーもー……貴様らうるさいぞ! 少しは静かにできんのか!」
 立ち上がったシュシュがひとりずつケツを蹴り飛ばして回ると、反転し帝都方向を指差す。
「帝都の方が全然近い! 一度帝都に戻って状況を把握した後、再度出撃! はいはい、走って走って!」

 シュシュ・アルミラが小隊長に任命されたのは、ゾエル・マハ事件の数週間後のこと。
 任務を完了し帝都に戻ったシュシュは、そこで師団長であるオズワルドから部下を紹介される事になった。
「ラザニーは優秀な錬魔兵だが、非覚醒者でな。頭はいいんだが、ナサニエルが嫌いらしくこっちで預かってる」
「ヒトがマシンを使うのであって、ヒトを消費するようなマシンを作るあの人は間違ってます! そう思いませんか!?」
「わかんね」
「そしてステートはエルフハイムを脱走して帝国各地で女遊びを繰り返していたが、借金で軍に売られた残念なやつだ」
「……オオオ……オズワルド様、その事はご内密にと……ッ」
「ウッドマンは万年二等兵の冴えない男だが……ま、こいつの事は後々わかるだろう。困った時は相談しろ」
「ご紹介に預かりましたウッドマンです。シュシュ隊長、これからよろしくお願いしますぞ!」
 へんてこな三人組を押し付けられたシュシュ。いわゆる窓際族のチームがここに完成したのであった。
 そもそも隊長というのが性に合っていないので困ったシュシュだが、これも自分の思い描く夢の為に必要な事と言われては納得するしかなかった。
 滅んでしまったアルミラ族……だけではなく、すべての迫害され故郷を失った人々の為に、安らげる故郷を作りたい。
 その為には、師団長となって一つの師団都市の運営権限を得るしかない。そう結論づけたのだから……。

 帝都からはあちこちから黒煙があがり、視認した時点で異常事態を感じる事ができた。
 しかしそれと同時にシュシュ達の進行上にいる一体の歪虚も、感じざるを得なかったのだ。
「待って隊長! あの丘の上……かなり強い歪虚がいる……桁外れだ」
 三人の部下の中で唯一の覚醒者であり、猟撃士であるステートが仲間を制止する。
 帝都を眺めるようにして丘の上に立つ鎧姿の怪物に、シュシュは何故か覚えがあった。
「不破の剣豪、ナイトハルト……」
「えっ? それって四霊剣ですか?」
 ラザニーの言葉に頷くシュシュ。途端にラザニーは身体を抱え。
「そ、そういえば寒気が……このぞっとする感じ……四霊剣……ああ……っ」
「隊長、ラザニー殿が失神してしまいましたぞ!」
「見ればわかるだよ……」
 冷や汗を流し、しかしシュシュは部下たちを木陰に隠したまま一人身を乗り出す。
「隊長、何考えてるの!?」
「ちょっと話をしてくる」
「なんですと?」
 頭を両手で抱え、ぱっと手を開く。「あいつイカれてるぜ」と言わんばかりのステートを無視し、シュシュはナイトハルトへと駆け寄った。
「……不破の剣豪、ナイトハルト殿とお見受けする!」
 剣豪は腕を組んだまま半身ほど振り返る。その姿は、あの日見た幻影とはあまりにも違いすぎた。
「どうして見ているだけなのだ?」
「我がわざわざ手を下すまでもないからだ。それにこの国は最初から無理があった。滅びるさだめよ」
「だとしたらそれは、あなたの責任ではないのか?」
 かつて亜人達の楽園であったこの地に侵攻した王国の騎士達。その先陣を切った初代皇帝こそ、ナイトハルト・モンドシャッテではないか。
「それは違うな。我の望みとは少しばかり異なる」
「だろうね。あなたがなりたかったのは“王様”じゃない。立派な“騎士”だ」
 帝国は元々王国の領土だったのだ。それが独立したのは三代皇帝の時代。
 だとしたら彼は“皇帝”などではない。王国に忠誠を誓った、“騎士”の一人に他ならない。
 帝国に来て、歴史を学んでわかった事。この国は、根本からその成り立ちを歪められている――。
「あなたは正義と忠義に殉じた騎士だったはず。それがどうして“ただ見ているだけ”なんてわけがある」
 完全に振り返ったナイトハルトの甲冑が蒼い炎を吹き出し、膨大な負の圧力が満ちていく。
「勘違いするな小娘。剣は既に闇の王に預けた身。この国がどうなろうと興味はない」
「自分が拓いた国だろッ!」
 睨み合う二人。ステートは青ざめた表情で身震いする。
「ちょっとおおお! あの人なんでケンカ売ってんのおおお!」
「いえ、四霊剣をこのまま放置するわけにはいきませんぞ。私はラザニー殿を連れて帝都へ向かい、通信を試みます。ステート殿は隊長の支援を……」
「無理だよ……俺ずっと覚醒しっぱなしでもう時間切れそうなんだもん」
「では、増援を。あちらの方角へ可能な限り全力で走ってください。恐らくはハンターと遭遇できる筈です」
 首を傾げるステートだが、もう恐怖を堪えるのも限界だった。ここから逃れられるのならなんでも良い。
「わかったよ……悪く思わないでよ、隊長!」
 へっぴり腰で走り去るステートだが、腐っても覚醒者。ウッドマンはラザニーを抱え、別方向へ走り出す。
「我は今機嫌が悪い……安価で捌いたその生命、惜しむことすらままならぬぞ」
「自分の国を、故郷を大事にしないで何が王様だ! あったまきた! ぶっ飛ばしてやる!」
 二対の手斧を抜き構えるシュシュ。ナイトハルトは小さく笑い飛ばし、鋼鉄の拳を握り締めた。

解説

●目的
不破の剣豪ナイトハルトの撃退。


●概要
ハアハア……だ、だめだ……俺はそもそも肉体労働向いてないんだよね……。
あのおじさん、どうして俺をこっちに走らせたの……?
ん? あ、お、おーい! こっちこっち!
え? ハンター? マジで? すごいなあのおじさん……。
ああー、転移門? 帝都行きが混雑してたから近場の奴に……ああ……それで……はいはい。
そんなことよりあっちに四霊剣がいるんだよ。ナイトなんとかっていう……。
君たち強いんでしょ? なんとか追い払ってくれないかなあ。
え、俺? 俺はもう見ての通り限界だよ。俺の事は気にせず、急いで向かってくれよな。


●敵戦力
「ナイトハルト」
亡霊型歪虚。今回は一人だけ。基本スペックだけの戦闘力。
レベルを上げるか装備を鍛えると突破できる防御能力、天衣無縫を持つ。
詳しい事は知っている人に聞いてみよう。
武器を持っていないので、素手での格闘戦を行う。
正直ケンカを売られなればただ普通に見てるだけだった。


●友軍戦力
「シュシュ」
アルミラ隊長。隊長になってからなまりは頑張って抑えている。
トマホーク使いの霊闘士。実は結構強いが、流石に四霊剣相手に一人は無茶ですよ。
ナイトハルトと直接の面識はないが、ブラストエッジ事件以降気になっていた。
こっちがケンカ売った方。

「アルミラ小隊」
全員が戦域にいないという悲しい状態。
ステートは休んでおり、ラザニーとウッドマンは帝都に四霊剣の存在を伝えようと試みている。
尤も、帝都はそんな連絡を受けている余裕はないのであまり意味はないのだが、彼らはそれをまだ知らない。

マスターより

お世話になっております、神宮寺です。

ナイトハルトとの戦闘ですが、ガチガチの戦闘依頼というわけではありません。
向こうはさほどやる気なし。別にスルーしてもらおうと思えばスルーしてもらうことすら可能です。
命がけでここで闘うほどの価値もないので、ナイトハルトは適当なところで切り上げてしまいます。
腕試しをするもよし、話をするもよし。
とりあえず誰も死なずナイトハルトが帰ってくれさえすれば、内容としては成功とします。

それではよろしくお願い致します。
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2015/12/29 14:33

参加者一覧

  • 龍奏の蒼姫
    ユーリ・ヴァレンティヌス(ka0239
    エルフ|15才|女性|闘狩人
  • その名は
    エステル・L・V・W(ka0548
    人間(紅)|15才|女性|霊闘士
  • アルテミスの調べ
    メトロノーム・ソングライト(ka1267
    エルフ|14才|女性|魔術師
  • →Alchemist
    イェルバート(ka1772
    人間(紅)|15才|男性|機導師
  • 春霞桜花
    ミィリア(ka2689
    ドワーフ|12才|女性|闘狩人
  • 不破の剣聖
    紅薔薇(ka4766
    人間(紅)|14才|女性|舞刀士

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン 相談卓
メトロノーム・ソングライト(ka1267
エルフ|14才|女性|魔術師(マギステル)
最終発言
2015/12/24 21:10:38
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2015/12/20 23:06:57