ゲスト
(ka0000)
【刻令】がんばれ、ささえる君(仮)
マスター:ムジカ・トラス

- シナリオ形態
- ショート
関連ユニオン
アム・シェリタ―揺籃館―- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2016/01/20 22:00
- リプレイ完成予定
- 2016/01/29 22:00
オープニング
●
アダム・マンスフィールド。
ゴーレムを動かす為の喪われた魔術『刻令術』を不完全ながらも復活させた魔術師の名である。
未完の刻令術は、迷宮で見かけるそれとは比べるのもおこがましい程。
出力は至らず、機能も未熟。
されど、その術式はかつて禁術足りえた魔術に他ならず。
ヘクス・シャルシェレット、フリュイ・ド・パラディに見出され、非才故に行き詰まり、ナサニエル・カロッサ(kz0028)に機導術を学んだ男は今、酒の街デュニクスでその力を振るっている。
彼が作っているのはヒトガタではなく、ゴーレムでもなく、兵器でもない。
――農具であった。
そんな折のことだった。
「それじゃ、そろそろ作ったらどう?」
「……む」
大貴族にして商会の主ヘクスの言葉をきっかけに、おもむろに、唐突に、それは始まったのだ。
兵器としての、ゴーレム開発が。
●
デュニクスの街は、農業と醸造で栄えた街である。
王国北西部に位置するこの街は、事実上、王国を狙う歪虚達にもっとも近しい位置にある。
それ故にこの街は戦場となり畑は壊れ人が離れ、と衰退の一途をたどっていた。
状況が変わったのは、王国騎士団、青の隊の介入に端を発する。現地雇用を中心とした戦力拡充、活動支援に始まり、より北西、北部に位置する寒村――彼らはまさに生存を脅かされてもいた――から人々を受け容れると、産業復古に取り組んだのだ。
アダムは周囲を見渡した。曇天だ。暗く重い灰色の空の下に、それが広がっていた。
畑だ。遠く、遙か遠くまで、広がっている。
種まきを終えた畑は、今もどこかで拡大されているのだろう。畑の彼方此方では、薄ら頭の団長が指示された団員が監視櫓の建築をおこなっている。
それが成されたのは、この地に喚ばれたアダムの尽力が大きい。もちろん現地の職人達の働きあってこそだが、人力に依らぬ再興は加速度的な農地開発を可能にした。
「おーー、こりゃまた、思ってたよりも立派だね」
それを茫と眺めているアダムに、傍らのヘクスが言う。寒風を払う陽気な声に、アダムは返事を返さない。
ヘクスは神出鬼没な男だ。しばらく見かけないと思ったら、突然この街に現れ、アダムをここに連れてきた。したり顔で、こう問うた。
「この街に住み、職人たちとも付き合いがあるんだったら、彼らの声は聞いてるんだろう? 一応聞いてみるけど、感想は、どうだい」
「……さて、な」
広大な土地。それよりも果てなき空。感じたのは、ただただ茫漠な先の先。
アダムとて人の子である。熱に浮くこの街の住民達に水を掛けるような真似をするつもりはなかった。
ただ。
――ただ。限りなき焦燥が胸の裡を灼いているだけだと、どうして明かすことができようか。
手が届かぬ先を、まざまざと見せつけられているだけなのだ、などと。
だから。
「それじゃ、そろそろ作ったらどう?」
そう言われた時、心底仰天したのだった。
「……む」
驚いて振り返ると目に入ったにやけ面が、全てを見通しているようで、それよりもとにかく腹立たしく、二つ返事で頷こうとしたのを何とか踏みとどまった。
それにしても、殴りかからないための自制と比べれば、遥かにマシだったのだが。
兎角、こうして、アダムはその本懐であるゴーレム作成に大手を振ってとりかかる事が出来るようになったのだった。
●幕間
「第一の顧客は王国じゃなくてハンターとか外国の人らだから」
「む?」
「此処の人たちは頭固いからさー」
「……そうか」
「前のめり気味にやりたがってる人にも声を掛けておいたけど、アダム、君にやってもらいたいのは……」
「ふむ……」
「それで……」
「む……」
●
「おはよう諸君。忌々しい朝だ」
言いながら、去っていった男の背中を思い出した。仕事だけ押し付けられた事を、心底憎らしく思う。
あれやこれやと喋り倒して行った事を思えば、元々腹案としては有ったのだろう。ならば自分でやれ、と言いたい所だったが、「色々忙しい身分でね、悪いとは思ってるんだよ!」と、のらりくらりとかわされてしまった。
「……」
慨嘆ひとつを大きく吐き零して、鬱屈した思いを呑み下し、見回した。
デュニクス郊外、デュニクス騎士団が頻用する会議室に集うた面々はそう多くはない。
この街の技術者であるヴェルドに、第六商会から派遣された紳士達。それから、ハンター達。
実質的には、この場で最も重要な意見役はハンター達である。だからアダムは、残る二人は無視して、彼らへと向かって口を開いた。
「さて、それでは、意見交換といこう」
話すべきは多い。必要な事も。
徹夜して作った資料を配布しながら、重い口を開いたのだった。
アダム・マンスフィールド。
ゴーレムを動かす為の喪われた魔術『刻令術』を不完全ながらも復活させた魔術師の名である。
未完の刻令術は、迷宮で見かけるそれとは比べるのもおこがましい程。
出力は至らず、機能も未熟。
されど、その術式はかつて禁術足りえた魔術に他ならず。
ヘクス・シャルシェレット、フリュイ・ド・パラディに見出され、非才故に行き詰まり、ナサニエル・カロッサ(kz0028)に機導術を学んだ男は今、酒の街デュニクスでその力を振るっている。
彼が作っているのはヒトガタではなく、ゴーレムでもなく、兵器でもない。
――農具であった。
そんな折のことだった。
「それじゃ、そろそろ作ったらどう?」
「……む」
大貴族にして商会の主ヘクスの言葉をきっかけに、おもむろに、唐突に、それは始まったのだ。
兵器としての、ゴーレム開発が。
●
デュニクスの街は、農業と醸造で栄えた街である。
王国北西部に位置するこの街は、事実上、王国を狙う歪虚達にもっとも近しい位置にある。
それ故にこの街は戦場となり畑は壊れ人が離れ、と衰退の一途をたどっていた。
状況が変わったのは、王国騎士団、青の隊の介入に端を発する。現地雇用を中心とした戦力拡充、活動支援に始まり、より北西、北部に位置する寒村――彼らはまさに生存を脅かされてもいた――から人々を受け容れると、産業復古に取り組んだのだ。
アダムは周囲を見渡した。曇天だ。暗く重い灰色の空の下に、それが広がっていた。
畑だ。遠く、遙か遠くまで、広がっている。
種まきを終えた畑は、今もどこかで拡大されているのだろう。畑の彼方此方では、薄ら頭の団長が指示された団員が監視櫓の建築をおこなっている。
それが成されたのは、この地に喚ばれたアダムの尽力が大きい。もちろん現地の職人達の働きあってこそだが、人力に依らぬ再興は加速度的な農地開発を可能にした。
「おーー、こりゃまた、思ってたよりも立派だね」
それを茫と眺めているアダムに、傍らのヘクスが言う。寒風を払う陽気な声に、アダムは返事を返さない。
ヘクスは神出鬼没な男だ。しばらく見かけないと思ったら、突然この街に現れ、アダムをここに連れてきた。したり顔で、こう問うた。
「この街に住み、職人たちとも付き合いがあるんだったら、彼らの声は聞いてるんだろう? 一応聞いてみるけど、感想は、どうだい」
「……さて、な」
広大な土地。それよりも果てなき空。感じたのは、ただただ茫漠な先の先。
アダムとて人の子である。熱に浮くこの街の住民達に水を掛けるような真似をするつもりはなかった。
ただ。
――ただ。限りなき焦燥が胸の裡を灼いているだけだと、どうして明かすことができようか。
手が届かぬ先を、まざまざと見せつけられているだけなのだ、などと。
だから。
「それじゃ、そろそろ作ったらどう?」
そう言われた時、心底仰天したのだった。
「……む」
驚いて振り返ると目に入ったにやけ面が、全てを見通しているようで、それよりもとにかく腹立たしく、二つ返事で頷こうとしたのを何とか踏みとどまった。
それにしても、殴りかからないための自制と比べれば、遥かにマシだったのだが。
兎角、こうして、アダムはその本懐であるゴーレム作成に大手を振ってとりかかる事が出来るようになったのだった。
●幕間
「第一の顧客は王国じゃなくてハンターとか外国の人らだから」
「む?」
「此処の人たちは頭固いからさー」
「……そうか」
「前のめり気味にやりたがってる人にも声を掛けておいたけど、アダム、君にやってもらいたいのは……」
「ふむ……」
「それで……」
「む……」
●
「おはよう諸君。忌々しい朝だ」
言いながら、去っていった男の背中を思い出した。仕事だけ押し付けられた事を、心底憎らしく思う。
あれやこれやと喋り倒して行った事を思えば、元々腹案としては有ったのだろう。ならば自分でやれ、と言いたい所だったが、「色々忙しい身分でね、悪いとは思ってるんだよ!」と、のらりくらりとかわされてしまった。
「……」
慨嘆ひとつを大きく吐き零して、鬱屈した思いを呑み下し、見回した。
デュニクス郊外、デュニクス騎士団が頻用する会議室に集うた面々はそう多くはない。
この街の技術者であるヴェルドに、第六商会から派遣された紳士達。それから、ハンター達。
実質的には、この場で最も重要な意見役はハンター達である。だからアダムは、残る二人は無視して、彼らへと向かって口を開いた。
「さて、それでは、意見交換といこう」
話すべきは多い。必要な事も。
徹夜して作った資料を配布しながら、重い口を開いたのだった。
解説
1.コンセプト:土木作業/支援活動特化型機体
2.名称:ささえる君(仮) named by アダム・マンスフィールド
3.解説
【形状未定】。刻令術では大型のヨリシロを動かすことが容易いため、大きさだけは8メートル以上とデュミナスに並べるようにしたいらしい。
主な役割としては専用装備を用いた比較的大規模な土木工事や、その為に必要な運搬作業を両立させること。過去の大規模作戦の経過から、土木工事に対するハンターのニーズを踏まえ企画された。
操作については機導術を流用したリモコンによる遠隔操作。行動内容については制限がかかること、出力面で戦闘能力はお察し。
運搬に際しては専用の収納コンテナを有する予定。刻令術については専用の技師があたり、作戦中の行動については概ね制限なく可能なようになる。想定外の自体や作業に対する行動は不得手である。
(機能的な不備は主にステータスに反映されます)
本依頼においては主に【値段設定】、及び【機能面】、【形状】での意見聴取、が主になっています。
4.相談事項
・価格:廉価か、高級か
安価で低機能(数値面、フレーバー面含む)、もしくは高級にして高機能のリリースのどちらがよいか。
具体的には機体に備え付けの機能をどの程度まで要求するか、にもよります。
例:アタッチメントの種類(スキル、アイテムでの対応)
その他特殊な機能の付与など
・性能
攻撃性能:お察し
防御性能:素材などにより向上可能
回避性能:皆無。装備開発内容によっては厚情可能。
特殊機能:腕を用いてプログラミングされた精緻かつ迅速な活動が可能。
その他機能について:希望する機能があれば(各所との検討・対応含めて)応相談
・その他:アダム個人は【人型】に執着があるが、主にヨリシロ=機体作成の技術力から、本機体については困難があるものと考えている。
・要望全てが実現される類のシナリオではありません。
2.名称:ささえる君(仮) named by アダム・マンスフィールド
3.解説
【形状未定】。刻令術では大型のヨリシロを動かすことが容易いため、大きさだけは8メートル以上とデュミナスに並べるようにしたいらしい。
主な役割としては専用装備を用いた比較的大規模な土木工事や、その為に必要な運搬作業を両立させること。過去の大規模作戦の経過から、土木工事に対するハンターのニーズを踏まえ企画された。
操作については機導術を流用したリモコンによる遠隔操作。行動内容については制限がかかること、出力面で戦闘能力はお察し。
運搬に際しては専用の収納コンテナを有する予定。刻令術については専用の技師があたり、作戦中の行動については概ね制限なく可能なようになる。想定外の自体や作業に対する行動は不得手である。
(機能的な不備は主にステータスに反映されます)
本依頼においては主に【値段設定】、及び【機能面】、【形状】での意見聴取、が主になっています。
4.相談事項
・価格:廉価か、高級か
安価で低機能(数値面、フレーバー面含む)、もしくは高級にして高機能のリリースのどちらがよいか。
具体的には機体に備え付けの機能をどの程度まで要求するか、にもよります。
例:アタッチメントの種類(スキル、アイテムでの対応)
その他特殊な機能の付与など
・性能
攻撃性能:お察し
防御性能:素材などにより向上可能
回避性能:皆無。装備開発内容によっては厚情可能。
特殊機能:腕を用いてプログラミングされた精緻かつ迅速な活動が可能。
その他機能について:希望する機能があれば(各所との検討・対応含めて)応相談
・その他:アダム個人は【人型】に執着があるが、主にヨリシロ=機体作成の技術力から、本機体については困難があるものと考えている。
・要望全てが実現される類のシナリオではありません。
マスターより
お世話になっております、ムジカです。
本依頼群【刻令】は刻令術ゴーレムを開発する依頼群となります。
今後、本格的な刻令術を扱う技術者の育成、素材の収拾、機体開発を行います。
それらに先駆けて、機体開発コンセプトと方針についてヒアリングを行う運びとなりました。
今回、二機の開発予定がありますが、この場でヒアリング対象となっているのは一機のみです。
戦闘色の強いユニット群に投げ込むとしたら、どのような機体が良いでしょうか。
アダム共々、皆様のご意見、お待ちしております。
※本依頼では、刻令術の細かい仕組み、デメリットなどについては気になさらずともOKです。
それでは、宜しくお願いしますね。
本依頼群【刻令】は刻令術ゴーレムを開発する依頼群となります。
今後、本格的な刻令術を扱う技術者の育成、素材の収拾、機体開発を行います。
それらに先駆けて、機体開発コンセプトと方針についてヒアリングを行う運びとなりました。
今回、二機の開発予定がありますが、この場でヒアリング対象となっているのは一機のみです。
戦闘色の強いユニット群に投げ込むとしたら、どのような機体が良いでしょうか。
アダム共々、皆様のご意見、お待ちしております。
※本依頼では、刻令術の細かい仕組み、デメリットなどについては気になさらずともOKです。
それでは、宜しくお願いしますね。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2016/01/28 20:02
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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ささえる君(仮)企画会議室 ロベリア・李(ka4206) 人間(リアルブルー)|38才|女性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2016/01/20 21:13:55 |
|
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/01/17 14:23:36 |