ゲスト
(ka0000)
【空の研究】暁のオーブン
マスター:紺堂 カヤ

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在7人 / 6~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2016/01/22 07:30
- リプレイ完成予定
- 2016/01/31 07:30
オープニング
エリカとパパの一日は、太陽よりも早く始まる。夜明け前に置き出して、生地をこね、火を起こし、掃除をする。
掃除は主にエリカの役目だ。六歳でママを亡くしてから、もう五年。毎日欠かさず続けている。店の中の掃除も大切だが、外の掃除も忘れてはいけない。ドアの前に落ち葉がたまっているような店にお客様は来ない。落ち葉も砂埃も綺麗に掃き清め終わったころ、店から美味しそうな匂いが漂ってきて、それに釣られたように太陽が顔を出し始める。その日一番の陽の光に、小さな看板がキラキラと輝いた。
「朝焼けベーカリー」。
それが、エリカとパパの店である。この店はパパで七代目。老舗と呼ばれるには少し恥ずかしいけれど、代々大切に味を守ってきたという誇りがある。エリカは、自分も立派な八代目になろうと、今から気合充分であった。
ある日。
エリカがいつも通り、夜明け直前に店の前を掃除していると、牛乳配達の少年・ピーターがやってきた。牛乳配達の仕事も、パン屋に負けず劣らず朝が早い。だけど、朝焼けベーカリーではたくさんの牛乳を仕入れるため、配達はピーターではなく荷馬車でやってくるピーターの父親の担当だ。エリカはピーターに挨拶をしつつも首を傾げた。
「おはよう、ピーター。どうしたの?」
「おはよう、エリカ。実はさ、朝焼けベーカリー宛に小包を預かったんだ」
「小包?」
エリカがピーターから受け取った小包は、茶色いハトロン紙に包まれていた。宛名札に「朝焼けベーカリーさま」と書いてあるが、差出人の名前はない。
じゃあ俺仕事があるから、と足早に立ち去ったピーターの背中にお礼を言って、エリカは小包を持って店の中へ入った。パパに見せると、パパも首を傾げる。とにかく開けてみることにして、ハトロン紙を破いた。
中には、手紙と、お金が入っていた。
『朝焼けベーカリーさま
突然のお手紙、申し訳ありません。
実はわたくし、「朝焼けバケット」の注文をさせていただきたく思っております。
朝焼けベーカリーの創業者のレシピであり、もう長い間焼かれていないパンであることは存じ上げております。無理を承知でお願い致します。
ぶしつけであるとは思いましたが、代金を同封致しました。材料費以外にも、レシピ復活のために入用な金銭はどうぞこちらからお使いください。
何卒お願い申し上げます。
A.M
追伸:三日後には見事な朝焼けが見られるそうです』
手紙を読んで、パパは目を丸くした。
「朝焼けバケット……!」
それはエリカが訊いたことのない名前のパンだった。
「パパ、それは何なの?」
「朝焼けベーカリーに伝わる、秘伝のレシピなんだ。それはそれは美味しいらしい。だけど、これを作るには、普通のオーブンでは無理なんだ。レシピには、オーブンの作り方も書いてあるんだけど、破れていて読めない部分があってね。それに、どうやら、魔法の心得がある人が作らないと正しく使えないみたいなんだ」
「ええっ、じゃあ、朝焼けベーカリーの創業者……、つまり私たちのご先祖さまは魔法を使えた人だったの!?」
エリカの目がキラキラと輝いた。パパは苦笑して、それもよくわからないね、と言った。
「私もこの朝焼けベーカリーを継ぐ者として、作ってみたい気持ちはあるけれど……、どうしたものか」
パパが腕組みをして唸る。けれども、エリカは笑顔だ。
「大丈夫よ、パパ!魔法を使える人に手伝ってもらえばいいじゃない!」
「どういうことだい、エリカ」
「ハンターに依頼するのよ!」
掃除は主にエリカの役目だ。六歳でママを亡くしてから、もう五年。毎日欠かさず続けている。店の中の掃除も大切だが、外の掃除も忘れてはいけない。ドアの前に落ち葉がたまっているような店にお客様は来ない。落ち葉も砂埃も綺麗に掃き清め終わったころ、店から美味しそうな匂いが漂ってきて、それに釣られたように太陽が顔を出し始める。その日一番の陽の光に、小さな看板がキラキラと輝いた。
「朝焼けベーカリー」。
それが、エリカとパパの店である。この店はパパで七代目。老舗と呼ばれるには少し恥ずかしいけれど、代々大切に味を守ってきたという誇りがある。エリカは、自分も立派な八代目になろうと、今から気合充分であった。
ある日。
エリカがいつも通り、夜明け直前に店の前を掃除していると、牛乳配達の少年・ピーターがやってきた。牛乳配達の仕事も、パン屋に負けず劣らず朝が早い。だけど、朝焼けベーカリーではたくさんの牛乳を仕入れるため、配達はピーターではなく荷馬車でやってくるピーターの父親の担当だ。エリカはピーターに挨拶をしつつも首を傾げた。
「おはよう、ピーター。どうしたの?」
「おはよう、エリカ。実はさ、朝焼けベーカリー宛に小包を預かったんだ」
「小包?」
エリカがピーターから受け取った小包は、茶色いハトロン紙に包まれていた。宛名札に「朝焼けベーカリーさま」と書いてあるが、差出人の名前はない。
じゃあ俺仕事があるから、と足早に立ち去ったピーターの背中にお礼を言って、エリカは小包を持って店の中へ入った。パパに見せると、パパも首を傾げる。とにかく開けてみることにして、ハトロン紙を破いた。
中には、手紙と、お金が入っていた。
『朝焼けベーカリーさま
突然のお手紙、申し訳ありません。
実はわたくし、「朝焼けバケット」の注文をさせていただきたく思っております。
朝焼けベーカリーの創業者のレシピであり、もう長い間焼かれていないパンであることは存じ上げております。無理を承知でお願い致します。
ぶしつけであるとは思いましたが、代金を同封致しました。材料費以外にも、レシピ復活のために入用な金銭はどうぞこちらからお使いください。
何卒お願い申し上げます。
A.M
追伸:三日後には見事な朝焼けが見られるそうです』
手紙を読んで、パパは目を丸くした。
「朝焼けバケット……!」
それはエリカが訊いたことのない名前のパンだった。
「パパ、それは何なの?」
「朝焼けベーカリーに伝わる、秘伝のレシピなんだ。それはそれは美味しいらしい。だけど、これを作るには、普通のオーブンでは無理なんだ。レシピには、オーブンの作り方も書いてあるんだけど、破れていて読めない部分があってね。それに、どうやら、魔法の心得がある人が作らないと正しく使えないみたいなんだ」
「ええっ、じゃあ、朝焼けベーカリーの創業者……、つまり私たちのご先祖さまは魔法を使えた人だったの!?」
エリカの目がキラキラと輝いた。パパは苦笑して、それもよくわからないね、と言った。
「私もこの朝焼けベーカリーを継ぐ者として、作ってみたい気持ちはあるけれど……、どうしたものか」
パパが腕組みをして唸る。けれども、エリカは笑顔だ。
「大丈夫よ、パパ!魔法を使える人に手伝ってもらえばいいじゃない!」
「どういうことだい、エリカ」
「ハンターに依頼するのよ!」
解説
■成功条件
オーブンを完成させ、朝焼けバケットを焼き上げること。
■レシピ
秘伝のレシピに書かれていた、オーブンの作り方、及びパンの焼き方は以下の通り。(●の部分は破れていて読めないことを示す)
・作業は必ず●●●前に行うこと。
・土をよくこねる(土は何でもよい)
その際、一握りだけ小麦粉を混ぜること。
・こねた土でドーム状の窯(オーブン)を作る。
その際、天上部分に「朝日が差し込むように」穴を空けておく。
・出来上がった窯の壁に、店●がパ●のおいしさを想像しながら両手を●●つける。
・窯に火は入れず、夜明けを待つ。
・空が赤くなってきたら、穴から朝焼けの光が差し込んでいるのを確認し、以下の呪文をできるだけたくさんの声で唱える。
『朝日よ朝日よ空を焼け 赤く燃えて ●ンも焼け
暁、我らに明るさと お●しい微笑みもたらしたまえ』
■朝焼けバケットの依頼人
イニシャルA.Mの人物について、朝焼けベーカリーの店主に心当たりはない。
牛乳配達のピーターの話によると、フードを深くかぶっていて顔はわからず、男か女かも判断できなかったという。
オーブンを完成させ、朝焼けバケットを焼き上げること。
■レシピ
秘伝のレシピに書かれていた、オーブンの作り方、及びパンの焼き方は以下の通り。(●の部分は破れていて読めないことを示す)
・作業は必ず●●●前に行うこと。
・土をよくこねる(土は何でもよい)
その際、一握りだけ小麦粉を混ぜること。
・こねた土でドーム状の窯(オーブン)を作る。
その際、天上部分に「朝日が差し込むように」穴を空けておく。
・出来上がった窯の壁に、店●がパ●のおいしさを想像しながら両手を●●つける。
・窯に火は入れず、夜明けを待つ。
・空が赤くなってきたら、穴から朝焼けの光が差し込んでいるのを確認し、以下の呪文をできるだけたくさんの声で唱える。
『朝日よ朝日よ空を焼け 赤く燃えて ●ンも焼け
暁、我らに明るさと お●しい微笑みもたらしたまえ』
■朝焼けバケットの依頼人
イニシャルA.Mの人物について、朝焼けベーカリーの店主に心当たりはない。
牛乳配達のピーターの話によると、フードを深くかぶっていて顔はわからず、男か女かも判断できなかったという。
マスターより
朝食はご飯派ですが、パンも大好きです、紺堂です。
バケットが焼けた暁には、きっとハンターの皆様にも振舞われることと思います。おいしいパンを焼いてください!
バケットが焼けた暁には、きっとハンターの皆様にも振舞われることと思います。おいしいパンを焼いてください!
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2016/01/28 20:12
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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あかつきのおーぶん 水流崎トミヲ(ka4852) 人間(リアルブルー)|27才|男性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2016/01/21 19:43:25 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/01/21 00:20:47 |