ゲスト
(ka0000)
【審判】飲み相手募集 by ヘクス某
マスター:ムジカ・トラス

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや易しい
- オプション
-
- 参加費
1,500
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- サポート
- 現在0人 / 0~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 無し
- 相談期間
- 3日
- プレイング締切
- 2016/01/27 22:00
- リプレイ完成予定
- 2016/02/10 22:00
オープニング
※このシナリオは原則として戦闘が発生しない日常的なシナリオとして設定されています。
●
黄昏も過ぎた宵の口。空は既に群青に霞み、冷たい大気が王都を包み込もうとしていた。
「わざわざ見送りなんかしなくてもいいのに、さ。カリギリス大司教。もう良い歳なんだから……」
「いえ。ご多忙の中での多大なご協力、感謝致します、シャルシェレット卿」
「や、こちらこそ」
厚い法衣は、老人の枯れ枝のような身体には重かろう。それでも丁寧に腰折り告げる老人に、ヘクス・シャルシェレット(kz0015)も礼を返した。
「御老体に無茶させちゃったかな」
――本当に、小さくなったね。
言いながら、老人の姿にヘクスは内心でそう零し、世話になった幼少時代を省みる。
同時に、頭の片隅で護衛も他の聖職者も引き連れず一人で見送りに出た老人の意図を推し量ろうとする自らの在り様に、苦笑が溢れた。
「貴方は、無理はなさっていませんか?」
顔を上げると、老人の静かな目がヘクスを見据えていた。
数日間にわたって言葉を交わした後だ。見慣れた顔が、少し違う色を含んでいるように見える。
事実上の異端審問であった――と、物証がないにもかかわらず強気の尋問を受けたヘクスは思っている――が、この老人は終始温厚にして平静であった。老体に鞭打って間に入ったのは、ひょっとしたら、ただただ底なしの善意によるものかもしれない、とへクスに思わせるほどだ。例えば、老人にとっての教え子を、守るための。
「卿が仰るように、この数日は流石に堪えましたね。私が光の元にいく日もそう遠くは無いかもしれませんな」
「はは、いま君がいなくなったらセドリックの天下になっちゃうんじゃないかい?」
「彼は優秀ですから」
それに、と。祈り手を組みながら、「この身が朽ちたとしても、それもエクラのお導きでしょう」と告げる。
「まあ、なるようにしかならないよね。……さて」
白い吐息が風に流れていくのを眺めながら、老人の背中に手を添えた。
「これ以上は本当に身体に堪えるよ。見送りありがとう。本当に、身体には気をつけてね」
「ええ、ありがとう御座います。ヘクス様はこれからどちらに?」
「んー」
つ、と路地を眺めながら、ヘクスは微笑んだ。
「ちょっと、飲みにね」
●
見送るカリギリスを無理やりに聖堂教会に押し戻し、その場を後にした。約束の酒場は3番街区にある。決して近くはないが、凝った体をほぐすには丁度いい。
想起するのはカリギリスの事だ。他の有象無象は兎も角、あの老人の真意については材料が不足しており結論は出せていない。短くはない付き合いすらも、ヘクスの判断を鈍らせる。ひょっとしたら、あの老人はただの善人、正真正銘の聖人候補かもしれない、と。
けれど。
「……怨むのなら、馬鹿正直なエリーを恨むんだよ、カリギリス」
今はこの刃を突き立てよう。予定通りに、粛々と。そうでなければ、鉄火場を放り捨てて此処まで足を運んだ意味がないのだから。
荒ぶ冷風が、今はやけに心地よく感じられた。
●
「やあ! よく来てくれたね!」
1時間後。ヘクス・シャルシェレットは分厚いソファに身を沈めながら、とある店を訪れたハンター達を諸手を挙げて迎え入れた。居並ぶ面々に着座を促しながらヘクスは嬉しげに語る。
「此処は焼き料理が絶品でね。同盟と辺境、最近では東方からも、クセの強いスパイスや香草を取り寄せていて……とにかく、酒に合う。食事も色んな国のものを出してくれるんだ」
成る程。言われてみれば店の各所におかれた調度品は国際色豊かである。店に居る人間もさまざまで、辺境部族と思しき褐色の肌の女や、同盟の商人達の飛び交う声に、新人店員と思しき赤毛の少女がその中を慌ただしく走りまわっていた。店のカウンターでは吊るされたパルムがくるくると回され、その様子に他の客が連れて来た商売女たちが嬌声をあげている。
実に酒場らしいと言えるが、何とも騒がしい。
それらを背にヘクスは快活に笑い、店員を呼びつけた。
「いやー、来てくれて助かったよ。我ながらかなぁぁぁり鬱憤が溜まっててさ。とにかく飲みたかったのさ。外は寒かったろ? 大丈夫、料理はすぐに出てくるから、とりあえず、まずは――」
乾杯だ、と。ヘクスは心底うれしげに、そう言った。
●
その日、オフィスに依頼が出されていた。
《求む、飲み会メンバー by ヘクス・シャルシェレット》
参加資格は特になく、年齢、男女も問わない。
会費はZERO。
集合場所は依頼を受けたものだけに明かされるという。
あなたはこの依頼(?)を受けたハンターだ。
思う様、心行くままにふるまうと良い。酒の席では無礼講、というものである。
●
黄昏も過ぎた宵の口。空は既に群青に霞み、冷たい大気が王都を包み込もうとしていた。
「わざわざ見送りなんかしなくてもいいのに、さ。カリギリス大司教。もう良い歳なんだから……」
「いえ。ご多忙の中での多大なご協力、感謝致します、シャルシェレット卿」
「や、こちらこそ」
厚い法衣は、老人の枯れ枝のような身体には重かろう。それでも丁寧に腰折り告げる老人に、ヘクス・シャルシェレット(kz0015)も礼を返した。
「御老体に無茶させちゃったかな」
――本当に、小さくなったね。
言いながら、老人の姿にヘクスは内心でそう零し、世話になった幼少時代を省みる。
同時に、頭の片隅で護衛も他の聖職者も引き連れず一人で見送りに出た老人の意図を推し量ろうとする自らの在り様に、苦笑が溢れた。
「貴方は、無理はなさっていませんか?」
顔を上げると、老人の静かな目がヘクスを見据えていた。
数日間にわたって言葉を交わした後だ。見慣れた顔が、少し違う色を含んでいるように見える。
事実上の異端審問であった――と、物証がないにもかかわらず強気の尋問を受けたヘクスは思っている――が、この老人は終始温厚にして平静であった。老体に鞭打って間に入ったのは、ひょっとしたら、ただただ底なしの善意によるものかもしれない、とへクスに思わせるほどだ。例えば、老人にとっての教え子を、守るための。
「卿が仰るように、この数日は流石に堪えましたね。私が光の元にいく日もそう遠くは無いかもしれませんな」
「はは、いま君がいなくなったらセドリックの天下になっちゃうんじゃないかい?」
「彼は優秀ですから」
それに、と。祈り手を組みながら、「この身が朽ちたとしても、それもエクラのお導きでしょう」と告げる。
「まあ、なるようにしかならないよね。……さて」
白い吐息が風に流れていくのを眺めながら、老人の背中に手を添えた。
「これ以上は本当に身体に堪えるよ。見送りありがとう。本当に、身体には気をつけてね」
「ええ、ありがとう御座います。ヘクス様はこれからどちらに?」
「んー」
つ、と路地を眺めながら、ヘクスは微笑んだ。
「ちょっと、飲みにね」
●
見送るカリギリスを無理やりに聖堂教会に押し戻し、その場を後にした。約束の酒場は3番街区にある。決して近くはないが、凝った体をほぐすには丁度いい。
想起するのはカリギリスの事だ。他の有象無象は兎も角、あの老人の真意については材料が不足しており結論は出せていない。短くはない付き合いすらも、ヘクスの判断を鈍らせる。ひょっとしたら、あの老人はただの善人、正真正銘の聖人候補かもしれない、と。
けれど。
「……怨むのなら、馬鹿正直なエリーを恨むんだよ、カリギリス」
今はこの刃を突き立てよう。予定通りに、粛々と。そうでなければ、鉄火場を放り捨てて此処まで足を運んだ意味がないのだから。
荒ぶ冷風が、今はやけに心地よく感じられた。
●
「やあ! よく来てくれたね!」
1時間後。ヘクス・シャルシェレットは分厚いソファに身を沈めながら、とある店を訪れたハンター達を諸手を挙げて迎え入れた。居並ぶ面々に着座を促しながらヘクスは嬉しげに語る。
「此処は焼き料理が絶品でね。同盟と辺境、最近では東方からも、クセの強いスパイスや香草を取り寄せていて……とにかく、酒に合う。食事も色んな国のものを出してくれるんだ」
成る程。言われてみれば店の各所におかれた調度品は国際色豊かである。店に居る人間もさまざまで、辺境部族と思しき褐色の肌の女や、同盟の商人達の飛び交う声に、新人店員と思しき赤毛の少女がその中を慌ただしく走りまわっていた。店のカウンターでは吊るされたパルムがくるくると回され、その様子に他の客が連れて来た商売女たちが嬌声をあげている。
実に酒場らしいと言えるが、何とも騒がしい。
それらを背にヘクスは快活に笑い、店員を呼びつけた。
「いやー、来てくれて助かったよ。我ながらかなぁぁぁり鬱憤が溜まっててさ。とにかく飲みたかったのさ。外は寒かったろ? 大丈夫、料理はすぐに出てくるから、とりあえず、まずは――」
乾杯だ、と。ヘクスは心底うれしげに、そう言った。
●
その日、オフィスに依頼が出されていた。
《求む、飲み会メンバー by ヘクス・シャルシェレット》
参加資格は特になく、年齢、男女も問わない。
会費はZERO。
集合場所は依頼を受けたものだけに明かされるという。
あなたはこの依頼(?)を受けたハンターだ。
思う様、心行くままにふるまうと良い。酒の席では無礼講、というものである。
解説
●目的
ヘクス・シャルシェレットと飲み会をする。
●情報
いつか、どこかでハンターがポロリした疑惑の種が咲いたようで、ヘクス・シャルシェレットは聖堂教会による異例の審問を受けました。
確証も物証は無くとも、要人が歪虚に与することに対して聖堂教会が動いた形でしょう。結果として、ヘクスは無罪放免されていますが、数日にわたる審議は聖堂教会の強い疑念も示しています。(ここまでPL情報です)
とかく、退屈をこじらせたのか、ヘクスは飲む相手を求めて宴会を開きました。
よかったらお楽しみください。
場所は25メートル×25メートル程の広さの酒場ホールの一角。ステージあり。
食事内容はスパイシーな肉、肉、肉。そして各種酒。ソフトドリンクあり。
用命あればサラダやスープなどの用意は可能。
ヘクスの息が掛かった店なので、お取り寄せも対応可能です。
●補足
・ヘクスは酒に酔いませんので、泥酔はしません。演技はするかも。いずれにしても空気をたのしむタイプです。
・一部影武者の噂があったりなかったりしますが、本人です。
・【審判】タグ、および特集ページにありますように、ヘクスはとある疑惑について聖堂教会に呼び出され、異端審問に近しい取り調べを受けた後です。聞けばプイプイ怒りながら教えてくれます。
ヘクス・シャルシェレットと飲み会をする。
●情報
いつか、どこかでハンターがポロリした疑惑の種が咲いたようで、ヘクス・シャルシェレットは聖堂教会による異例の審問を受けました。
確証も物証は無くとも、要人が歪虚に与することに対して聖堂教会が動いた形でしょう。結果として、ヘクスは無罪放免されていますが、数日にわたる審議は聖堂教会の強い疑念も示しています。(ここまでPL情報です)
とかく、退屈をこじらせたのか、ヘクスは飲む相手を求めて宴会を開きました。
よかったらお楽しみください。
場所は25メートル×25メートル程の広さの酒場ホールの一角。ステージあり。
食事内容はスパイシーな肉、肉、肉。そして各種酒。ソフトドリンクあり。
用命あればサラダやスープなどの用意は可能。
ヘクスの息が掛かった店なので、お取り寄せも対応可能です。
●補足
・ヘクスは酒に酔いませんので、泥酔はしません。演技はするかも。いずれにしても空気をたのしむタイプです。
・一部影武者の噂があったりなかったりしますが、本人です。
・【審判】タグ、および特集ページにありますように、ヘクスはとある疑惑について聖堂教会に呼び出され、異端審問に近しい取り調べを受けた後です。聞けばプイプイ怒りながら教えてくれます。
マスターより
お世話になっております、ムジカ・トラスです。
【審判】2本目です。参加させて頂いてなんですが、主催の藤山MS、鹿野MSと参加していただいているハンターの皆さんと王国とその他関係者各位に多大なるご負担をおかけしているような気がして、心苦しくもあります。
でも、WTRPGだもの。仕方ないよね是非もないよネ!
愚痴を聞いてもらえると喜ぶかも。楽しくなると要望とかも聞いちゃうかも。いえ、聞くだけですが、飲み会の席だもの、そういうものですよね!
さて、ヘクスの依頼です。多分描写が爆発すると思い、EXでのリリースとさせていただきました。ご都合あれば、お楽しみ頂けると幸いです。
【審判】2本目です。参加させて頂いてなんですが、主催の藤山MS、鹿野MSと参加していただいているハンターの皆さんと王国とその他関係者各位に多大なるご負担をおかけしているような気がして、心苦しくもあります。
でも、WTRPGだもの。仕方ないよね是非もないよネ!
愚痴を聞いてもらえると喜ぶかも。楽しくなると要望とかも聞いちゃうかも。いえ、聞くだけですが、飲み会の席だもの、そういうものですよね!
さて、ヘクスの依頼です。多分描写が爆発すると思い、EXでのリリースとさせていただきました。ご都合あれば、お楽しみ頂けると幸いです。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2016/02/03 02:08