ゲスト
(ka0000)
黒衣の妖魔騎士
マスター:草なぎ

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- サポート
- 現在0人 / 0~20人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2016/02/14 19:00
- リプレイ完成予定
- 2016/02/23 19:00
オープニング
パチッ!
暖炉の薪が弾けた。窓ガラスから日が差し込んでいる。テーブルに向かって、村長のジルダンは日記帳に向かってペンを走らせていた。
……神よ。あなたが光だとすれば歪虚はまさに闇。光あれば闇あり。それは人の心にも住まうもの。神よ。あなたが光であれば、あのような異形の邪悪な闇はどこから生まれ出でたのでしょうか? 造物主がいるならば、等しく光と闇を生み出したのかもしれない。ですが、我々のようななす術の無い人間にとって、闇の存在はあまりにも強大で、畏怖するしかない。抗う術を持たない無力な人間にとって、歪虚は余りも過酷な現実です。神よ。光を信じるしかない私たちをお救い下さい。この余りにも非情な現実に立ち向かう勇気と希望を与えて下さい。私たちは救いを求めるしかないのです。神よ……。
「お父様」
ジルダンの娘、サラが入って来た。ジルダンはペンを止めた。
「歪虚は」
「去っていきました。騎士と兵士の方たちが、倒して下さいました。みなさんをご案内しました」
「そうか」
ジルダンは立ち上がった。サラが脇に引いて道を開けると、甲冑を身に付けた騎士と数人の武装した兵士達が姿を見せた。騎士は兜を小脇に抱えていた。金髪の巡回騎士の名をダレン卿と言った。エンフォーサーである。兵士達は訓練された一般人である。サー・ダレンは事情を説明し、村を襲っていた歪虚の群れは排除したと伝えた。
「安心なさい。下級雑魔の群れであった」
「ありがとうございます」
ここ王国西方リベルタースは歪虚との最前線である。雑魔の出現にはいとまがない。
「すまぬな。民には苦労を掛ける」
ダレンはジルダンの肩に手を置き、兵を伴って踵を返した。サラは深々とお辞儀した。騎士たちを見送ったサラは、父に言った。
「いつの日か、きっとこの地にも光が戻ります……」
騎乗したダレン卿は村を出て行くところだった。と、前方から、黒い異形が近づいて来るのを確認した。その歪虚は、青白いオーラを纏っていて、黒い馬に乗って黒い外套と甲冑を身に付けていた。ダレン卿は兵士達に合図を送った。
「撃て!」
十数発の矢弾が黒衣の歪虚を撃った。しかし、矢は弾かれて地面に落ちた。兵士達の顔に恐怖が走る。
「妖魔か」
ダレン卿は抜刀すると、面甲を下ろして突進した。加速するダレン卿は剣をフルスイングした。黒衣の妖魔騎士は、軽く腕を持ち上げると、腰の円筒状の柄から光剣を出してダレン卿の剣の刀身を真っ二つに切り落とした。
「諦めろ。貴様とは力が違うのだ人間。死ね。恐れとともに神のもとへ行け」
「ふざけるな!」
ダレン卿に逃げる選択は無かった。もう一本のショートソードを抜いた。ダレン卿はショートソードを突き出した。妖魔はその腕を掴んだ。ダレン卿が万力を込めても、妖魔の手はピクリともしなかった。直後、妖魔の光剣が跳ね上がり、ダレン卿の右腕を切り落とした。ダレン卿は鞍上から転げ落ちた。兵士達の悲鳴が交錯する。だが兵士達は勇敢だった。何人かが妖魔に突進し、残りでダレン卿との間に隊列を組んで壁を作った。妖魔は煩わしげに人語ではない言葉で馬に命じた。すると、黒い馬は口から黒い炎を吹き出した。兵士達は焼き尽くされた。断末魔の声が響き渡る。
その頃、村の四方から異変を知らせる声がジルダンのもとへもたらされていた。黒衣の妖魔騎士。そして、四方向から向かってくる四体の黒い鎧姿の歪虚騎兵。ジルダンは守りを固めるように指示を飛ばした。
「お父様!」
サラが飛び込んで来る。
「ダレン卿が!」
「分かっておる」
「サラ!」
そこへ、武器を手にした若者が飛び込んで来た。サラの幼馴染御、チェスターである。チェスターはサラの無事を確認して、ジルダンにハンターへの依頼を提案する。
「分かっている。それしかないようだ」
「ウィニッグに行かせましょう。あいつは足が速い。体力もある。俺は門を守ります! サラ! 女や子供たちを避難させてくれ!」
「はい!」
村中がパニックになる中、自警団の男達は防備体制を敷いて村の門を閉ざした。
黒い鎧に外衣をまっとた歪虚騎兵は、無言で閉ざされた門を見ていた。門の向こうには自警団の男たちが守りを固めていた。歪虚はただ馬を前進させた。木製の丸太門が軋むような悲鳴を上げる。
「来るぞ!」
チェスターは門を押さえた。
ばりばりばりばり……と、門が裂けて行く。
サラは、村の女子供老人などを教会に集めて男達の無事を祈っていた。
「サラさん!」
駆け寄ってきたのは、村の女性。
「シャリーがいないんです! 目を離したすきに姿が見えなくなって。あの子もしかして……人形を取りに家に戻ったのかも。泣いていたから。どうしよう!」
サラは呼吸を整えた。
「私が行きます」
サラは駆け出した。
ウィニッグは全力で最短のハンターズソサエティに向かっていた。
「みんな……何とか、持ち堪えてくれ!」
脱出に成功したウィニッグは、走り続けた。ハンターズソサエティに辿り着く頃には、意識を失ってしまった。
「歪虚が……歪虚が……」
ハンターたちは、うなされるベッドの上のウィニッグを見やり、彼の意識の回復を待つのだった。
暖炉の薪が弾けた。窓ガラスから日が差し込んでいる。テーブルに向かって、村長のジルダンは日記帳に向かってペンを走らせていた。
……神よ。あなたが光だとすれば歪虚はまさに闇。光あれば闇あり。それは人の心にも住まうもの。神よ。あなたが光であれば、あのような異形の邪悪な闇はどこから生まれ出でたのでしょうか? 造物主がいるならば、等しく光と闇を生み出したのかもしれない。ですが、我々のようななす術の無い人間にとって、闇の存在はあまりにも強大で、畏怖するしかない。抗う術を持たない無力な人間にとって、歪虚は余りも過酷な現実です。神よ。光を信じるしかない私たちをお救い下さい。この余りにも非情な現実に立ち向かう勇気と希望を与えて下さい。私たちは救いを求めるしかないのです。神よ……。
「お父様」
ジルダンの娘、サラが入って来た。ジルダンはペンを止めた。
「歪虚は」
「去っていきました。騎士と兵士の方たちが、倒して下さいました。みなさんをご案内しました」
「そうか」
ジルダンは立ち上がった。サラが脇に引いて道を開けると、甲冑を身に付けた騎士と数人の武装した兵士達が姿を見せた。騎士は兜を小脇に抱えていた。金髪の巡回騎士の名をダレン卿と言った。エンフォーサーである。兵士達は訓練された一般人である。サー・ダレンは事情を説明し、村を襲っていた歪虚の群れは排除したと伝えた。
「安心なさい。下級雑魔の群れであった」
「ありがとうございます」
ここ王国西方リベルタースは歪虚との最前線である。雑魔の出現にはいとまがない。
「すまぬな。民には苦労を掛ける」
ダレンはジルダンの肩に手を置き、兵を伴って踵を返した。サラは深々とお辞儀した。騎士たちを見送ったサラは、父に言った。
「いつの日か、きっとこの地にも光が戻ります……」
騎乗したダレン卿は村を出て行くところだった。と、前方から、黒い異形が近づいて来るのを確認した。その歪虚は、青白いオーラを纏っていて、黒い馬に乗って黒い外套と甲冑を身に付けていた。ダレン卿は兵士達に合図を送った。
「撃て!」
十数発の矢弾が黒衣の歪虚を撃った。しかし、矢は弾かれて地面に落ちた。兵士達の顔に恐怖が走る。
「妖魔か」
ダレン卿は抜刀すると、面甲を下ろして突進した。加速するダレン卿は剣をフルスイングした。黒衣の妖魔騎士は、軽く腕を持ち上げると、腰の円筒状の柄から光剣を出してダレン卿の剣の刀身を真っ二つに切り落とした。
「諦めろ。貴様とは力が違うのだ人間。死ね。恐れとともに神のもとへ行け」
「ふざけるな!」
ダレン卿に逃げる選択は無かった。もう一本のショートソードを抜いた。ダレン卿はショートソードを突き出した。妖魔はその腕を掴んだ。ダレン卿が万力を込めても、妖魔の手はピクリともしなかった。直後、妖魔の光剣が跳ね上がり、ダレン卿の右腕を切り落とした。ダレン卿は鞍上から転げ落ちた。兵士達の悲鳴が交錯する。だが兵士達は勇敢だった。何人かが妖魔に突進し、残りでダレン卿との間に隊列を組んで壁を作った。妖魔は煩わしげに人語ではない言葉で馬に命じた。すると、黒い馬は口から黒い炎を吹き出した。兵士達は焼き尽くされた。断末魔の声が響き渡る。
その頃、村の四方から異変を知らせる声がジルダンのもとへもたらされていた。黒衣の妖魔騎士。そして、四方向から向かってくる四体の黒い鎧姿の歪虚騎兵。ジルダンは守りを固めるように指示を飛ばした。
「お父様!」
サラが飛び込んで来る。
「ダレン卿が!」
「分かっておる」
「サラ!」
そこへ、武器を手にした若者が飛び込んで来た。サラの幼馴染御、チェスターである。チェスターはサラの無事を確認して、ジルダンにハンターへの依頼を提案する。
「分かっている。それしかないようだ」
「ウィニッグに行かせましょう。あいつは足が速い。体力もある。俺は門を守ります! サラ! 女や子供たちを避難させてくれ!」
「はい!」
村中がパニックになる中、自警団の男達は防備体制を敷いて村の門を閉ざした。
黒い鎧に外衣をまっとた歪虚騎兵は、無言で閉ざされた門を見ていた。門の向こうには自警団の男たちが守りを固めていた。歪虚はただ馬を前進させた。木製の丸太門が軋むような悲鳴を上げる。
「来るぞ!」
チェスターは門を押さえた。
ばりばりばりばり……と、門が裂けて行く。
サラは、村の女子供老人などを教会に集めて男達の無事を祈っていた。
「サラさん!」
駆け寄ってきたのは、村の女性。
「シャリーがいないんです! 目を離したすきに姿が見えなくなって。あの子もしかして……人形を取りに家に戻ったのかも。泣いていたから。どうしよう!」
サラは呼吸を整えた。
「私が行きます」
サラは駆け出した。
ウィニッグは全力で最短のハンターズソサエティに向かっていた。
「みんな……何とか、持ち堪えてくれ!」
脱出に成功したウィニッグは、走り続けた。ハンターズソサエティに辿り着く頃には、意識を失ってしまった。
「歪虚が……歪虚が……」
ハンターたちは、うなされるベッドの上のウィニッグを見やり、彼の意識の回復を待つのだった。
解説
王国西方、リベルタースの村が歪虚の攻撃を受けています。至急これを撃退して下さい。
■敵情報
妖魔騎士×1:剣技の達人。連続攻撃可能。強衝撃波を飛ばし、オーラのシールドバリアーを展開出来る。知能が高く、ある程度の人語を話す。軍馬歪虚は口から火炎を吐き、妖魔の命令などで突撃能力を持つ。単体では体当たりやキックなど。
歪虚騎兵×4:雑魔。剣術に優れた剣士歪虚。スマッシュ、ソニックブーム、騎乗状態でのチャージアタックが出来る。騎馬歪虚は体当たり、キックなど。村の四方から侵入を開始している。一般人では太刀打ちできないレベル。
■交戦したNPCなど
ダレン卿:巡回騎士。レベル5程度。エンフォーサー。重傷。
卿の兵士たち:10数人程度。訓練を受けた一般人。歪虚騎兵相手では相手にならないレベル。
■PL情報
サラ:シャリーを連れ戻しに教会から出て行った。
シャリー:5歳の女の子。母親の予想通り自分の家に人形を取りに戻ってしまった。家は門から近い。
教会は村の中心にあります。村は全体で500メートル四方程度。丸太で組んだ防壁はありますが、強力な歪虚の前では厳しいでしょう。
■敵情報
妖魔騎士×1:剣技の達人。連続攻撃可能。強衝撃波を飛ばし、オーラのシールドバリアーを展開出来る。知能が高く、ある程度の人語を話す。軍馬歪虚は口から火炎を吐き、妖魔の命令などで突撃能力を持つ。単体では体当たりやキックなど。
歪虚騎兵×4:雑魔。剣術に優れた剣士歪虚。スマッシュ、ソニックブーム、騎乗状態でのチャージアタックが出来る。騎馬歪虚は体当たり、キックなど。村の四方から侵入を開始している。一般人では太刀打ちできないレベル。
■交戦したNPCなど
ダレン卿:巡回騎士。レベル5程度。エンフォーサー。重傷。
卿の兵士たち:10数人程度。訓練を受けた一般人。歪虚騎兵相手では相手にならないレベル。
■PL情報
サラ:シャリーを連れ戻しに教会から出て行った。
シャリー:5歳の女の子。母親の予想通り自分の家に人形を取りに戻ってしまった。家は門から近い。
教会は村の中心にあります。村は全体で500メートル四方程度。丸太で組んだ防壁はありますが、強力な歪虚の前では厳しいでしょう。
マスターより
初めまして。新たにファナティックブラッドマスターに加わりました草なぎ(クサナギ)と申します。オーソドックスな戦闘シナリオですが、状況を一部いじってあります。基本は歪虚の撃退ですので、そちらをメインで考えて頂いて大丈夫です。厳しい状況は悪化する可能性はありますが。どうぞよろしくお願いします。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2016/02/16 02:51
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 マッシュ・アクラシス(ka0771) 人間(クリムゾンウェスト)|26才|男性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2016/02/14 17:33:51 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/02/13 21:03:27 |