ゲスト
(ka0000)
【空の研究】粉雪と共に踊れ
マスター:紺堂 カヤ

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2016/02/24 22:00
- リプレイ完成予定
- 2016/03/04 22:00
オープニング
そろそろ暖かくなるきざしが見え始め、春も近いかもしれない、などと浮かれた途端。そうは簡単に終わらせるものかと、冬の冷え込みが戻ってきた。オリヴィアは、薄着で出かけた昼間の自分を呪いながら、襟元を掻き寄せて夕暮れの帰路を急いだ。近道に、と思って足を踏み入れた森は、いっそう寒さが身にしみる。
ただただ必死に足を動かし、前へ進んでいたが、しばらくして、ふと気が付いた。
いつまでたっても、森から出られないでいることに。
「おかしいわ……、そろそろ村へ出てもいい頃なのに」
いつのまにか、すっかり日が落ちて、辺りは暗くなっていた。迷ってしまったのだとしても、もう正しい道がわからない。それでも、足を止めるのはもっと恐ろしくて、オリヴィアは歩き続けた。
すると。
パッと目の前が開けて、小さな原っぱのような場所へ出た。夜の暗さは変わらないが、空の星が見える分、少しは明るいような気がする。
「おーや。こんな時間にこんなお若い方が。危ないですよーお」
「きゃあああ!?」
その原っぱから、突然声がして、オリヴィアはとびあがった。
「ああ、すみませんねーえ。驚かせてしまったようで」
よくよく見ると、フードをすっぽりとかぶった謎の人物がオリヴィアの目の前に立っていた。フードもローブも何もかもが黒一色であったため、夜に同化してしまい、気が付かなかったのである。
「どうやら、迷ってしまったようですねーえ……」
「え、ええ……」
独特な語り口のその人が話すと、息が白く靄を作った。外気の寒さもあるだろうが、吐く息が随分熱を持っているように感じられた。
「ああ、怪しい者ではありません……、と言っても信じてもらえないでしょうがねーえ……、お嬢さん、森を抜けた村へお帰りですか? ここは迷いやすい森ですからねーえ。いい感じに磁場とマテリアルが狂っていますから……」
「はあ」
「とはいえ、格段に雑魔が出やすいというわけではなさそうですけどねーえ。狂っているのは主に正のマテリアル……、いや狂う、という言い方が良くなかったですかねえ、渦巻いている……、うーむ、これもちょっと違うのですけどねーえ」
「な、なるほど」
正直、少しもわかってはいなかったが、とりあえず頷いておく。彼か彼女かもわからぬこのフードの人物は、いかにも不審に見える人物だったが、オリヴィアは不思議と怖くなかった。妙な語り方の所為かもしれないけれど。
「どうにも説明が下手で申し訳ないですねーえ。とにかく、お嬢さんが無事に帰れるように、この方位磁針をあげましょーう。磁場が狂っているところでも、狂わず使える魔法の方位磁針です。南へ真っ直ぐお進みなさい。じきに村へ帰れますよーお……」
「で、でも、あなたはどうなさるんですか? 一緒に村へ行きましょう、なんだか、具合も悪そうだし」
「私は、もう少し、ここで確かめなければならないことがありましてねーえ」
「確かめる?」
オリヴィアが首を傾げると、そのひとは口元だけを見せて笑った。そして、歌を口ずさんだ。
「おどる、おどる、皆おどる」
それは、オリヴィアの村で昔から歌われている童謡であった。釣られて、オリヴィアも歌う。
「ふわふわ 空をみあげて おどる」
「きらきら 老いも若きも獣も鳥も」
「どんなにどんなに寒くても ふわふわ きらきら 皆おどる」
「……お上手に歌われますねーえ」
「この歌が、どうかしたんですか?」
フードの人物は空の奥へ視線を向けた。そこには、ゆるゆると流れてくる雪雲らしき影が浮かんでいた。
「……本当に、皆、踊るかもしれないんですねーえ」
オリヴィアは、結局、ひとりで村へ帰ってきた。フードの人物は決して、そこを動こうとはしなかったからだ。
「私を心配してくださるなら、ハンターをよこしてくれませんかねーえ。その方位磁針を渡せば、たどり着けるでしょう。ただし、気を付けてくださいねーえ。その方位磁針の魔法の効果は、夜のうちだけですからねーえ」
オリヴィアが、村へ戻るのにかかった時間は三十分ほど。まだ時間はあるはずだ。オリヴィアは、ハンターオフィスへと走った。走りながら思い出した。
「そういえば、あの歌は、森で歌ってはいけないのだったわ……」
ただただ必死に足を動かし、前へ進んでいたが、しばらくして、ふと気が付いた。
いつまでたっても、森から出られないでいることに。
「おかしいわ……、そろそろ村へ出てもいい頃なのに」
いつのまにか、すっかり日が落ちて、辺りは暗くなっていた。迷ってしまったのだとしても、もう正しい道がわからない。それでも、足を止めるのはもっと恐ろしくて、オリヴィアは歩き続けた。
すると。
パッと目の前が開けて、小さな原っぱのような場所へ出た。夜の暗さは変わらないが、空の星が見える分、少しは明るいような気がする。
「おーや。こんな時間にこんなお若い方が。危ないですよーお」
「きゃあああ!?」
その原っぱから、突然声がして、オリヴィアはとびあがった。
「ああ、すみませんねーえ。驚かせてしまったようで」
よくよく見ると、フードをすっぽりとかぶった謎の人物がオリヴィアの目の前に立っていた。フードもローブも何もかもが黒一色であったため、夜に同化してしまい、気が付かなかったのである。
「どうやら、迷ってしまったようですねーえ……」
「え、ええ……」
独特な語り口のその人が話すと、息が白く靄を作った。外気の寒さもあるだろうが、吐く息が随分熱を持っているように感じられた。
「ああ、怪しい者ではありません……、と言っても信じてもらえないでしょうがねーえ……、お嬢さん、森を抜けた村へお帰りですか? ここは迷いやすい森ですからねーえ。いい感じに磁場とマテリアルが狂っていますから……」
「はあ」
「とはいえ、格段に雑魔が出やすいというわけではなさそうですけどねーえ。狂っているのは主に正のマテリアル……、いや狂う、という言い方が良くなかったですかねえ、渦巻いている……、うーむ、これもちょっと違うのですけどねーえ」
「な、なるほど」
正直、少しもわかってはいなかったが、とりあえず頷いておく。彼か彼女かもわからぬこのフードの人物は、いかにも不審に見える人物だったが、オリヴィアは不思議と怖くなかった。妙な語り方の所為かもしれないけれど。
「どうにも説明が下手で申し訳ないですねーえ。とにかく、お嬢さんが無事に帰れるように、この方位磁針をあげましょーう。磁場が狂っているところでも、狂わず使える魔法の方位磁針です。南へ真っ直ぐお進みなさい。じきに村へ帰れますよーお……」
「で、でも、あなたはどうなさるんですか? 一緒に村へ行きましょう、なんだか、具合も悪そうだし」
「私は、もう少し、ここで確かめなければならないことがありましてねーえ」
「確かめる?」
オリヴィアが首を傾げると、そのひとは口元だけを見せて笑った。そして、歌を口ずさんだ。
「おどる、おどる、皆おどる」
それは、オリヴィアの村で昔から歌われている童謡であった。釣られて、オリヴィアも歌う。
「ふわふわ 空をみあげて おどる」
「きらきら 老いも若きも獣も鳥も」
「どんなにどんなに寒くても ふわふわ きらきら 皆おどる」
「……お上手に歌われますねーえ」
「この歌が、どうかしたんですか?」
フードの人物は空の奥へ視線を向けた。そこには、ゆるゆると流れてくる雪雲らしき影が浮かんでいた。
「……本当に、皆、踊るかもしれないんですねーえ」
オリヴィアは、結局、ひとりで村へ帰ってきた。フードの人物は決して、そこを動こうとはしなかったからだ。
「私を心配してくださるなら、ハンターをよこしてくれませんかねーえ。その方位磁針を渡せば、たどり着けるでしょう。ただし、気を付けてくださいねーえ。その方位磁針の魔法の効果は、夜のうちだけですからねーえ」
オリヴィアが、村へ戻るのにかかった時間は三十分ほど。まだ時間はあるはずだ。オリヴィアは、ハンターオフィスへと走った。走りながら思い出した。
「そういえば、あの歌は、森で歌ってはいけないのだったわ……」
解説
■成功条件
フードの人物の元へ辿り着き、「皆おどる」謎を共に考える。
■森
磁場の狂った森。特に冬の夜はそれがひどくなる傾向にある。野生動物でさえも方位感覚を失うため、普段は道に迷わない自身のある人でも迷わされる。
森の規模は大きくはないが、木の根が地面に突き出しているところが多く、歩きづらい。
■天気
雪雲の気配。湿気は少ないため、細かな雪が降る可能性が高い。
■童謡
オリヴィアの村に昔から伝わる歌。誰もが知っていて、誰でも歌えるが、なぜか「森の中で歌ってはいけない」とされてきた。
歌詞は以下の通り。
おどる おどる 皆おどる
ふわふわ
空をみあげて おどる
きらきら
老いも若きも獣も鳥も
どんなにどんなに
寒くても
ふわふわ きらきら
皆おどる
フードの人物の元へ辿り着き、「皆おどる」謎を共に考える。
■森
磁場の狂った森。特に冬の夜はそれがひどくなる傾向にある。野生動物でさえも方位感覚を失うため、普段は道に迷わない自身のある人でも迷わされる。
森の規模は大きくはないが、木の根が地面に突き出しているところが多く、歩きづらい。
■天気
雪雲の気配。湿気は少ないため、細かな雪が降る可能性が高い。
■童謡
オリヴィアの村に昔から伝わる歌。誰もが知っていて、誰でも歌えるが、なぜか「森の中で歌ってはいけない」とされてきた。
歌詞は以下の通り。
おどる おどる 皆おどる
ふわふわ
空をみあげて おどる
きらきら
老いも若きも獣も鳥も
どんなにどんなに
寒くても
ふわふわ きらきら
皆おどる
マスターより
まだまだ寒いですねえ。
寒さを吹き飛ばしたいですが、ときには、寒さと共にあろうとするのも良いかもしれない、なんて思います。……かっこつけました。寒いのはつらいです!!!(マフラーぐるぐる)
謎については「よくわかんない!」と思ってもぶち当たっていけば大丈夫なこともあるかもしれませんし、シリーズですが、これまでのものをご存じでなくても、まったくまったく問題ありませんので、お気軽にご参加ください!
寒さを吹き飛ばしたいですが、ときには、寒さと共にあろうとするのも良いかもしれない、なんて思います。……かっこつけました。寒いのはつらいです!!!(マフラーぐるぐる)
謎については「よくわかんない!」と思ってもぶち当たっていけば大丈夫なこともあるかもしれませんし、シリーズですが、これまでのものをご存じでなくても、まったくまったく問題ありませんので、お気軽にご参加ください!
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2016/02/28 17:21
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/02/22 12:33:24 |
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相談卓 外待雨 時雨(ka0227) 人間(リアルブルー)|17才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2016/02/24 21:55:46 |