ゲスト
(ka0000)
拭い払う先
マスター:鷹羽柊架

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2014/09/03 19:00
- リプレイ完成予定
- 2014/09/12 19:00
オープニング
要塞都市【ノアーラ・クンタウ】
切り立った崖の上にそびえ立つ大きな城壁に護られている都市。
その中には多くの人々が生活をし、生計を立てている。
その中で生活をする者の一人、フォニケというとある工房で従事している者がいた。
「フォニケさん、大丈夫ですか?」
「大丈夫よ、リゲル」
お茶を差し出したフォニケの後輩であるリゲルは中性的な容姿だ。
「うん、平気。もう仕事も終わったし、休暇で気を紛らわすわ」
お茶を一口含み、フォニケは微笑む。
「リゲルも無理しないでちゃんと休むのよ」
「はい」
こっくりとリゲルは頷いた。しかし、その瞳は不安に揺れている。
「大丈夫。ちょっと気にはなるけど、大丈夫だから」
「でも……!」
リゲルへの不安を取り除く為、フォニケが微笑んだのが切欠のようにリゲルは声を上げる。
「シェダルさん、酷いですよ。フォニケさんがこんなにも憔悴しているのに、自分は仕事なんて!」
シェダルというのはフォニケと腐れ縁で、同じ工房で働いているが、チームが違う。今回もシェダルのチームの納期がそろそろなので、工房にこもりっきりだ。
「仕方ないわよ。私達だって納期が大変だったでしょ?」
あははと、笑うフォニケだが、その声はとても乾いている。お茶を飲み終えたフォニケは帰ると言って立ち上がる。
「送ります」
「平気。あとの書類とかお願いね」
「はい……」
心配そうにリゲルがフォニケを送り出した。
今はまだ昼間だからいい。
夜ならたまったものではないとフォニケは思う。
大通りに出たフォニケは足早に家路を急いでいる。
「フォニケちゃん、暗い顔してどうした!」
明るい声でフォニケに声をかけるのは屋台のおじさん。パン生地を揚げたものに砂糖をまぶした菓子を売っているのだ。フォニケもこの菓子が好きで仕事の合間に食べに来ている。
「今日、ようやっと仕事が終わって、休暇なの」
「それはよかったな。今日は奢りだ。これ食べてゆっくり寝な!」
豪快に笑うおじさんはフォニケにお菓子を渡す。
揚げたてのお菓子は温かく、砂糖が少し溶けていた。
「おじさん、ありがとう。またくるわ」
「いつでもこいよ!」
おじさんの優しさにフォニケは鼻の奥がツンとなったが、堪えて家に走る。
それでもフォニケの不安は的中する。
いるのだ。
フォニケの後を追う気配が。
どんどん息が上がっていくのを感じつつ、フォニケは自分の部屋に飛び込んだ。
「はー、はー、はーっ」
脈拍があがり、心臓が体の芯から鼓動打つ。
隠れて窓から見ると、ここ十日ほどフォニケの後を付ける影が建物の影に隠れて見ている。
フォニケを見ている。
どくり……と、フォニケの心臓を叩く。
ずるずるとフォニケは床に崩れ落ちる。
一方、工房の中ではリゲルがシェダルの方を訪れていた。
「お前が気にする事はない」
手を休めず、シェダルはリゲルにいい放つ。
「どうしてですか!フォニケさん、とても心配していましたよ!」
「あいつが怖がる事なんかないが、仕方ないか」
ふーっとため息をつくシェダルにリゲルは当たり前と声を荒げる。
「女性なんですよ!後を追われて気味悪く思わない人なんてあまりいないじゃないですか!」
「手は打ってある。お前は頭を冷せ」
淡々と返すシェダルにリゲルは怒りを収まらない。
「自分で相手を捕まえます!」
「って、お前が危ないんだぞ……?」
シェダルが声を掛けたときにはもうリゲルの姿はなかった。
ハンターオフィスに駆け込んだリゲルは依頼をしようと、受付に声をかける。
丁寧な応対の受付員に焦燥を感じつつも事情を伝えたら、受付員が何かを思い出して書き込み中の用紙を取り出す。
「これでは、依頼が重複してしまいますね」
「え?」
そこでリゲルはシェダルがフォニケの後を追う者を生け捕りにしてほしいという依頼を出していたことが判明した。
「なんで……」
呆然と呟くリゲルに受付員は安堵させるように微笑む。
「依頼人のシェダルさんは、フォニケさんの事を案じておりました。フォニケさんは尾行される事に抵抗があるようでして、けれど、フォニケさんの前で暴力的なところを見せないでほしいと言ってました」
「そうだったんですか……」
「ただ、忙しいのでシェダルさんの方に赴くのはやめてほしいとの事でした」
相変わらずの仕事優先振りにリゲルは肩を落とした。
帰り際、フォニケにこのことを伝えようとし、彼女が下宿している洋品店のほうへと向かう。
曲がり道でばったりと顔を合わせた男にリゲルは記憶にあった。
「貴方は……!」
フォニケを追い回していた男だ。男はリゲルに自分の事を気づかれ、一気に顔を赤くしてしまい、別の方向へ爆走した。
「ま、待て!」
何故顔を赤くしたのだろうと不思議に思ったが、リゲルは慌ててその後を追う。
その走りは霊闘士の【地を駆けるもの】のようではないか。大きな通りに入られて、その姿を失う。
「……絶対に捕まえます」
ぐっと、リゲルは拳を握った。
切り立った崖の上にそびえ立つ大きな城壁に護られている都市。
その中には多くの人々が生活をし、生計を立てている。
その中で生活をする者の一人、フォニケというとある工房で従事している者がいた。
「フォニケさん、大丈夫ですか?」
「大丈夫よ、リゲル」
お茶を差し出したフォニケの後輩であるリゲルは中性的な容姿だ。
「うん、平気。もう仕事も終わったし、休暇で気を紛らわすわ」
お茶を一口含み、フォニケは微笑む。
「リゲルも無理しないでちゃんと休むのよ」
「はい」
こっくりとリゲルは頷いた。しかし、その瞳は不安に揺れている。
「大丈夫。ちょっと気にはなるけど、大丈夫だから」
「でも……!」
リゲルへの不安を取り除く為、フォニケが微笑んだのが切欠のようにリゲルは声を上げる。
「シェダルさん、酷いですよ。フォニケさんがこんなにも憔悴しているのに、自分は仕事なんて!」
シェダルというのはフォニケと腐れ縁で、同じ工房で働いているが、チームが違う。今回もシェダルのチームの納期がそろそろなので、工房にこもりっきりだ。
「仕方ないわよ。私達だって納期が大変だったでしょ?」
あははと、笑うフォニケだが、その声はとても乾いている。お茶を飲み終えたフォニケは帰ると言って立ち上がる。
「送ります」
「平気。あとの書類とかお願いね」
「はい……」
心配そうにリゲルがフォニケを送り出した。
今はまだ昼間だからいい。
夜ならたまったものではないとフォニケは思う。
大通りに出たフォニケは足早に家路を急いでいる。
「フォニケちゃん、暗い顔してどうした!」
明るい声でフォニケに声をかけるのは屋台のおじさん。パン生地を揚げたものに砂糖をまぶした菓子を売っているのだ。フォニケもこの菓子が好きで仕事の合間に食べに来ている。
「今日、ようやっと仕事が終わって、休暇なの」
「それはよかったな。今日は奢りだ。これ食べてゆっくり寝な!」
豪快に笑うおじさんはフォニケにお菓子を渡す。
揚げたてのお菓子は温かく、砂糖が少し溶けていた。
「おじさん、ありがとう。またくるわ」
「いつでもこいよ!」
おじさんの優しさにフォニケは鼻の奥がツンとなったが、堪えて家に走る。
それでもフォニケの不安は的中する。
いるのだ。
フォニケの後を追う気配が。
どんどん息が上がっていくのを感じつつ、フォニケは自分の部屋に飛び込んだ。
「はー、はー、はーっ」
脈拍があがり、心臓が体の芯から鼓動打つ。
隠れて窓から見ると、ここ十日ほどフォニケの後を付ける影が建物の影に隠れて見ている。
フォニケを見ている。
どくり……と、フォニケの心臓を叩く。
ずるずるとフォニケは床に崩れ落ちる。
一方、工房の中ではリゲルがシェダルの方を訪れていた。
「お前が気にする事はない」
手を休めず、シェダルはリゲルにいい放つ。
「どうしてですか!フォニケさん、とても心配していましたよ!」
「あいつが怖がる事なんかないが、仕方ないか」
ふーっとため息をつくシェダルにリゲルは当たり前と声を荒げる。
「女性なんですよ!後を追われて気味悪く思わない人なんてあまりいないじゃないですか!」
「手は打ってある。お前は頭を冷せ」
淡々と返すシェダルにリゲルは怒りを収まらない。
「自分で相手を捕まえます!」
「って、お前が危ないんだぞ……?」
シェダルが声を掛けたときにはもうリゲルの姿はなかった。
ハンターオフィスに駆け込んだリゲルは依頼をしようと、受付に声をかける。
丁寧な応対の受付員に焦燥を感じつつも事情を伝えたら、受付員が何かを思い出して書き込み中の用紙を取り出す。
「これでは、依頼が重複してしまいますね」
「え?」
そこでリゲルはシェダルがフォニケの後を追う者を生け捕りにしてほしいという依頼を出していたことが判明した。
「なんで……」
呆然と呟くリゲルに受付員は安堵させるように微笑む。
「依頼人のシェダルさんは、フォニケさんの事を案じておりました。フォニケさんは尾行される事に抵抗があるようでして、けれど、フォニケさんの前で暴力的なところを見せないでほしいと言ってました」
「そうだったんですか……」
「ただ、忙しいのでシェダルさんの方に赴くのはやめてほしいとの事でした」
相変わらずの仕事優先振りにリゲルは肩を落とした。
帰り際、フォニケにこのことを伝えようとし、彼女が下宿している洋品店のほうへと向かう。
曲がり道でばったりと顔を合わせた男にリゲルは記憶にあった。
「貴方は……!」
フォニケを追い回していた男だ。男はリゲルに自分の事を気づかれ、一気に顔を赤くしてしまい、別の方向へ爆走した。
「ま、待て!」
何故顔を赤くしたのだろうと不思議に思ったが、リゲルは慌ててその後を追う。
その走りは霊闘士の【地を駆けるもの】のようではないか。大きな通りに入られて、その姿を失う。
「……絶対に捕まえます」
ぐっと、リゲルは拳を握った。
解説
依頼内容
フォニケの後を追う影を捕まえろ。
生け捕りにしてください。
十日前からフォニケの後ろをつける人物がいます。
リゲルの証言によると、身長は百八十センチの中肉中背、赤茶の髪、短髪ですが、一房長く、三つ編みをしてます。薄茶の瞳。年のころは二十代半ば。帝国の人間のようです。
ごろつきのような風貌ではなく、一般人の風貌。役人ではないようです。
フォニケ達がいる工房のものではなさそうです。
フォニケは三日間休暇を与えられているため、下宿周辺にいます。
下宿先は洋品店で、恰幅のいい中年女性が営んでおります。
上はフォニケの部屋となっています。下の階は洋品店と中年女性の生活空間。
今回の件は知っているようで、ハンターの皆さんに好意的です。
フォニケ:要塞内にあるとある工房に従事している。美人ですがアラサーです。
今回、ある男に追い回されています。
追い回されることがとても苦痛に感じるタイプなので、今回の件ではとても堪えてます。
お肉が大好きです。
男性ハンターがいても怖がったりしませんので気にせずに。
リゲル:フォニケと同じ工房に従事している。
フォニケととてもウマが合い、食事によく一緒に行っている。
今回、フォニケを追い回している事に気づいたのはリゲルが最初です。
二十代前半ですが、美人な顔立ちで大人しい事もあり、女性と勘違いされる事もあります。男です。
マスターより
お世話になります。
鷹羽柊架(たかば・しゅうか)です。
今回は調査依頼です。
助けてあげてください。
鷹羽柊架(たかば・しゅうか)です。
今回は調査依頼です。
助けてあげてください。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2014/09/10 23:04
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 マヘル・ハシバス(ka0440) 人間(リアルブルー)|22才|女性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2014/09/03 15:37:15 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2014/08/30 23:34:04 |