ゲスト
(ka0000)
緋犬の群れは血を好む
マスター:蒼かなた

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 不明
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2016/05/23 22:00
- リプレイ完成予定
- 2016/06/01 22:00
オープニング
●緋色の犬達
冒険都市リゼリオの沿岸には多数の小島が存在している。
その大半は何らかの理由で利用されているのだが、中には距離的問題で不便ということで活用されていなかったり、ちょっとした問題が起きた所為で施設が閉鎖されてそのまま放置されているような小島もある。
そんな無数にある小島を完全に管理することは難しく、いくつかの小島は犯罪者のアジトとして使用されているということもしばしばであった。
そんな小島の1つ。昔は何かの倉庫として使われていたが利便性の問題で今は使われていない場所があった。
「なあ、この立ち番って本当に意味あんのか?」
その倉庫が並ぶ島の監視用の櫓の上で1人の男がそんな言葉をぼやいた。
櫓には明かりも灯っておらず、男の服装も軍人や施設の警備員といった制服でもない極一般的な洋服だ。
さらにその肩にハンティングライフルを吊り下げており、どう見てもただの一般人には見えない。
『うるせぇ! 黙って見張ってろ!』
「ちっ! どーせ誰も来ないだろうこの場所にはよ」
無線機から帰ってきた罵声に男は悪態を吐く。
小島という立地もあって船が近づいて来ればすぐに分かる。そうすれば男の別の仲間がお出迎えする手はずになっているので、実際この見張りは念のためという以外の役割はなかった。
手持ち無沙汰な男はなんとなしに首からかけている双眼鏡に手を掛けて覗き込んだ。
「どーせ今日も客なんて……ん?」
双眼鏡で拡大された視界の先で何かが動いた気がした。そこは島の裏手にあたる海岸なのだが、見張りの巡回の時間にはまだ早い。
男は何かの見間違いかと思いつつもう一度先ほど見えたナニカを探そうと視界を巡らせ――
「……櫓の見張りを排除。作戦進行に問題なし」
視界の先の櫓に向けてライフルを構えている全身を黒一色の装備で固めた人物が無線機でそう報告した。
声の高さからして女性だろうか。顔につけているマスクの所為でその素顔は分からない。
『確認した。各隊前進しろ』
「了解……行くぞ」
無線機から帰ってきた指示に、その女性は手を挙げて軽く左右に振る。すると周辺の岩陰に隠れていた3人の黒尽くめの男達が姿を現して島の中央に向けて進み始めた。
背格好以外の外見は全く同じ装備で統一された彼らは、物影に隠れながら音もなく機敏に駆けていく。
『3班、ポイントに到着。待機する』
『2班、見張り2名を排除。ポイントまで30秒』
無線機からはそんな情報が次々に報告されてくる。その情報から現場の状況を頭の中でシミュレートしつつ、彼ら――第1班も指定のポイントに到着した。
目の前にある倉庫の壁に背を預け、4人は周囲に自分達以外の人物がいないことを素早く確認する。
「1班、ポイントに到着」
『全班のポイント到着を確認。10秒後に突入を開始。9、8、7――』
無線でカウントダウンが始まり、彼女らは自分の武装をチェック。ずっしりと重みのあるアサルトライフルには十分な弾丸が用意されている。
「食い散らかすぞ。好き嫌いは許さん」
「「「了解」」」
女性の言葉に男達は声を揃えて返す。その間にも無線のカウントは進んでいき……。
『――2、1、0』
「突入!」
4人が同時に動きだす。倉庫の扉を蹴破り、銃を構えながら突入する。
すぐさまあちこちで響き始める銃撃音。無線からは他の現場の状況が次々に報告されている。
「地球連合軍だ。抵抗せず大人しく死ね」
そしてその女性も無慈悲な宣告の下、その引き金を引いた。
●とある佐官の執務室
「以上が今回の作戦の報告だ」
この世界では珍しい金属製のデスクの前で、1人の女性軍人が報告を終えた。
その報告を聞いていた地球連合軍の佐官、目の前の女性軍人の上司にあたる彼は軽く目頭を押さえている。
「我々の活躍に涙まで流すとは、そこまで喜んで貰えるとは思わなかったぞ」
「馬鹿なことを言うな。これは頭が痛いだけだ」
無礼としか言えない口調と冗句だが、それでも彼はこみ上げてくるものを抑えつつ改めて報告書に目を通す。
今回の作戦は地球連合の物資を横流ししている密売組織の検挙が目的であった。この密売組織は他の犯罪組織に武器まで売りさばいており、可及的速やかに壊滅させる必要があった。
とはいえ、その作戦の結果が密売組織の構成員を1人を残して全員始末してしまうとは思ってもみなかった。
「しかも生き残ったのがただの下っ端とは……」
「ははは、流石に我々もしょんべんを漏らして机の下で震えている丸腰の男を殺したりはしない」
作戦としては成功した。しかし、期待していた次へと繋がる手がかりが皆無というのはとんだ誤算だった。
「もういい。次の命令があるまで待機していろ、ガルテーン大尉」
「了解」
敬礼をした女性は踵を返して執務室の扉へと向かう。だが、扉を開いたところで振り返り上司の彼に向かって一言告げた。
「ああ、そうだ。頭痛がするなら早めに医者にかかるといいぞ。前任者のようになりたくなければな」
ニィと悪辣な笑みを浮かべながら彼女は扉を閉めた。
「緋犬め……また厄介な奴らを押し付けられたな」
男は溜息を吐きながら、次の作戦に関わる報告書へと目を通し始めた。
●ハンターオフィス
リゼリオのハンターオフィスのブリーフィングルームでは、今日も様々な依頼の説明が行われている。
「今回は人質救出作戦となります」
オフィス職員が依頼の概要を説明してくれる。
ある犯罪組織の摘発の為に潜入していた工作員からの報告で、女性が1人と子供が2人誘拐されてきたそうだ。
何でもその女性と子供達はリゼリオにある商人ギルドの重役の男の妻と子供で、彼女らを使って重役の男に要求を飲ませるつもりらしい。
その背景には最近壊滅した密輸組織が絡んでいるそうなのだが、そちらの情報はまとまっておらず現在も調査中なのだそうだ。
ともかく、今回はその犯罪組織のアジトを制圧して人質を救出するのが依頼となる。
「なお、未確認なのですが今回の件は地球連合の軍部が絡んでいるそうで、一応お伝えしておきます」
オフィス職員が不確かな情報を伝えてくるというのは珍しいことだった。それだけ注意したほうがいいということなのだろう。
「それではいってらっしゃいませ。ご武運をお祈りしております」
オフィス職員に見送られ、ハンター達は戦場へと足を向けた。
冒険都市リゼリオの沿岸には多数の小島が存在している。
その大半は何らかの理由で利用されているのだが、中には距離的問題で不便ということで活用されていなかったり、ちょっとした問題が起きた所為で施設が閉鎖されてそのまま放置されているような小島もある。
そんな無数にある小島を完全に管理することは難しく、いくつかの小島は犯罪者のアジトとして使用されているということもしばしばであった。
そんな小島の1つ。昔は何かの倉庫として使われていたが利便性の問題で今は使われていない場所があった。
「なあ、この立ち番って本当に意味あんのか?」
その倉庫が並ぶ島の監視用の櫓の上で1人の男がそんな言葉をぼやいた。
櫓には明かりも灯っておらず、男の服装も軍人や施設の警備員といった制服でもない極一般的な洋服だ。
さらにその肩にハンティングライフルを吊り下げており、どう見てもただの一般人には見えない。
『うるせぇ! 黙って見張ってろ!』
「ちっ! どーせ誰も来ないだろうこの場所にはよ」
無線機から帰ってきた罵声に男は悪態を吐く。
小島という立地もあって船が近づいて来ればすぐに分かる。そうすれば男の別の仲間がお出迎えする手はずになっているので、実際この見張りは念のためという以外の役割はなかった。
手持ち無沙汰な男はなんとなしに首からかけている双眼鏡に手を掛けて覗き込んだ。
「どーせ今日も客なんて……ん?」
双眼鏡で拡大された視界の先で何かが動いた気がした。そこは島の裏手にあたる海岸なのだが、見張りの巡回の時間にはまだ早い。
男は何かの見間違いかと思いつつもう一度先ほど見えたナニカを探そうと視界を巡らせ――
「……櫓の見張りを排除。作戦進行に問題なし」
視界の先の櫓に向けてライフルを構えている全身を黒一色の装備で固めた人物が無線機でそう報告した。
声の高さからして女性だろうか。顔につけているマスクの所為でその素顔は分からない。
『確認した。各隊前進しろ』
「了解……行くぞ」
無線機から帰ってきた指示に、その女性は手を挙げて軽く左右に振る。すると周辺の岩陰に隠れていた3人の黒尽くめの男達が姿を現して島の中央に向けて進み始めた。
背格好以外の外見は全く同じ装備で統一された彼らは、物影に隠れながら音もなく機敏に駆けていく。
『3班、ポイントに到着。待機する』
『2班、見張り2名を排除。ポイントまで30秒』
無線機からはそんな情報が次々に報告されてくる。その情報から現場の状況を頭の中でシミュレートしつつ、彼ら――第1班も指定のポイントに到着した。
目の前にある倉庫の壁に背を預け、4人は周囲に自分達以外の人物がいないことを素早く確認する。
「1班、ポイントに到着」
『全班のポイント到着を確認。10秒後に突入を開始。9、8、7――』
無線でカウントダウンが始まり、彼女らは自分の武装をチェック。ずっしりと重みのあるアサルトライフルには十分な弾丸が用意されている。
「食い散らかすぞ。好き嫌いは許さん」
「「「了解」」」
女性の言葉に男達は声を揃えて返す。その間にも無線のカウントは進んでいき……。
『――2、1、0』
「突入!」
4人が同時に動きだす。倉庫の扉を蹴破り、銃を構えながら突入する。
すぐさまあちこちで響き始める銃撃音。無線からは他の現場の状況が次々に報告されている。
「地球連合軍だ。抵抗せず大人しく死ね」
そしてその女性も無慈悲な宣告の下、その引き金を引いた。
●とある佐官の執務室
「以上が今回の作戦の報告だ」
この世界では珍しい金属製のデスクの前で、1人の女性軍人が報告を終えた。
その報告を聞いていた地球連合軍の佐官、目の前の女性軍人の上司にあたる彼は軽く目頭を押さえている。
「我々の活躍に涙まで流すとは、そこまで喜んで貰えるとは思わなかったぞ」
「馬鹿なことを言うな。これは頭が痛いだけだ」
無礼としか言えない口調と冗句だが、それでも彼はこみ上げてくるものを抑えつつ改めて報告書に目を通す。
今回の作戦は地球連合の物資を横流ししている密売組織の検挙が目的であった。この密売組織は他の犯罪組織に武器まで売りさばいており、可及的速やかに壊滅させる必要があった。
とはいえ、その作戦の結果が密売組織の構成員を1人を残して全員始末してしまうとは思ってもみなかった。
「しかも生き残ったのがただの下っ端とは……」
「ははは、流石に我々もしょんべんを漏らして机の下で震えている丸腰の男を殺したりはしない」
作戦としては成功した。しかし、期待していた次へと繋がる手がかりが皆無というのはとんだ誤算だった。
「もういい。次の命令があるまで待機していろ、ガルテーン大尉」
「了解」
敬礼をした女性は踵を返して執務室の扉へと向かう。だが、扉を開いたところで振り返り上司の彼に向かって一言告げた。
「ああ、そうだ。頭痛がするなら早めに医者にかかるといいぞ。前任者のようになりたくなければな」
ニィと悪辣な笑みを浮かべながら彼女は扉を閉めた。
「緋犬め……また厄介な奴らを押し付けられたな」
男は溜息を吐きながら、次の作戦に関わる報告書へと目を通し始めた。
●ハンターオフィス
リゼリオのハンターオフィスのブリーフィングルームでは、今日も様々な依頼の説明が行われている。
「今回は人質救出作戦となります」
オフィス職員が依頼の概要を説明してくれる。
ある犯罪組織の摘発の為に潜入していた工作員からの報告で、女性が1人と子供が2人誘拐されてきたそうだ。
何でもその女性と子供達はリゼリオにある商人ギルドの重役の男の妻と子供で、彼女らを使って重役の男に要求を飲ませるつもりらしい。
その背景には最近壊滅した密輸組織が絡んでいるそうなのだが、そちらの情報はまとまっておらず現在も調査中なのだそうだ。
ともかく、今回はその犯罪組織のアジトを制圧して人質を救出するのが依頼となる。
「なお、未確認なのですが今回の件は地球連合の軍部が絡んでいるそうで、一応お伝えしておきます」
オフィス職員が不確かな情報を伝えてくるというのは珍しいことだった。それだけ注意したほうがいいということなのだろう。
「それではいってらっしゃいませ。ご武運をお祈りしております」
オフィス職員に見送られ、ハンター達は戦場へと足を向けた。
解説
【依頼内容】
人質の救出
【依頼詳細】
商人ギルド重役の家族である30代の妻、12歳の息子と10歳の娘の計3人を無事に助け出すのが今回の依頼。
彼女らを攫った犯罪組織は人身売買を主にしており、彼女らの他にも捕まっている被害者がいる可能性あり。
犯罪者に関しては生死問わず。人質以外の犠牲者の優先度は低いが、危害は加えないこと。
【戦域情報】
リゼリオの沿岸部にある倉庫街の一角。天候は晴れ。
荷物を長期保管する為の倉庫で、人の出入りは少ない区画。
倉庫正面にトラックで荷物を積み下ろしできるほどの幅の道路。
倉庫側面と裏には幅2mほどの通路がある。
倉庫への入り口は正面に荷物搬出用の大型扉と普通の扉、裏手には2階に登る階段とその先に勝手口がある。
倉庫内はコンテナ(3m×3m×12m)が乱雑に詰め込まれており、倉庫奥の2階に事務所スペースあり。
人質は事務所スペースすぐ下のコンテナに閉じ込められている模様。
【敵情報】
犯罪者 10人前後
犯罪組織の構成員。全員非覚醒者だが銃で武装。地球連合軍の横流し品との噂。
普段から倉庫周辺の見張りに2~3人、倉庫内の見張りが3~4人、事務所に2~3人が詰めているとの情報。
【噂情報】
地球連合軍特殊部隊『緋犬』
地球連合の軍部所属の特殊部隊。先の密輸組織壊滅に関わった。
噂によると現場にいた密売組織の構成員を皆殺しにしたらしい。
その他にも怪しいという理由だけでとりあえず殴る。命乞いをしても躊躇いなく撃つ。殺したあとで生き血を啜るなど色々な悪い噂がある。
全員黒尽くめの装備をしており、唯一彼らを見分ける手段は腕に結ばれた赤い布きれだけらしい。
※PL情報
上記【噂情報】の部隊と現場で鉢合わせます。
現場での判断はハンターに一任されますが、くれぐれも問題はおこさないように。
人質の救出
【依頼詳細】
商人ギルド重役の家族である30代の妻、12歳の息子と10歳の娘の計3人を無事に助け出すのが今回の依頼。
彼女らを攫った犯罪組織は人身売買を主にしており、彼女らの他にも捕まっている被害者がいる可能性あり。
犯罪者に関しては生死問わず。人質以外の犠牲者の優先度は低いが、危害は加えないこと。
【戦域情報】
リゼリオの沿岸部にある倉庫街の一角。天候は晴れ。
荷物を長期保管する為の倉庫で、人の出入りは少ない区画。
倉庫正面にトラックで荷物を積み下ろしできるほどの幅の道路。
倉庫側面と裏には幅2mほどの通路がある。
倉庫への入り口は正面に荷物搬出用の大型扉と普通の扉、裏手には2階に登る階段とその先に勝手口がある。
倉庫内はコンテナ(3m×3m×12m)が乱雑に詰め込まれており、倉庫奥の2階に事務所スペースあり。
人質は事務所スペースすぐ下のコンテナに閉じ込められている模様。
【敵情報】
犯罪者 10人前後
犯罪組織の構成員。全員非覚醒者だが銃で武装。地球連合軍の横流し品との噂。
普段から倉庫周辺の見張りに2~3人、倉庫内の見張りが3~4人、事務所に2~3人が詰めているとの情報。
【噂情報】
地球連合軍特殊部隊『緋犬』
地球連合の軍部所属の特殊部隊。先の密輸組織壊滅に関わった。
噂によると現場にいた密売組織の構成員を皆殺しにしたらしい。
その他にも怪しいという理由だけでとりあえず殴る。命乞いをしても躊躇いなく撃つ。殺したあとで生き血を啜るなど色々な悪い噂がある。
全員黒尽くめの装備をしており、唯一彼らを見分ける手段は腕に結ばれた赤い布きれだけらしい。
※PL情報
上記【噂情報】の部隊と現場で鉢合わせます。
現場での判断はハンターに一任されますが、くれぐれも問題はおこさないように。
マスターより
皆さんこんにちわ。蒼かなたです。
今回はリゼリオの街を舞台にして繰り広げられるクライムアクションの現場でお仕事です。
緋犬の部隊とどう接するかはハンター次第。但し喧嘩は御法度です。
それでは、よろしければ依頼へのご参加をお待ちしております。
今回はリゼリオの街を舞台にして繰り広げられるクライムアクションの現場でお仕事です。
緋犬の部隊とどう接するかはハンター次第。但し喧嘩は御法度です。
それでは、よろしければ依頼へのご参加をお待ちしております。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2016/05/28 23:32
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 ボルディア・コンフラムス(ka0796) 人間(クリムゾンウェスト)|23才|女性|霊闘士(ベルセルク) |
最終発言 2016/05/23 21:01:16 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/05/19 22:10:41 |