ゲスト
(ka0000)
狂いしモノの苦悶の叫び
マスター:蒼かなた

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2016/06/06 09:00
- リプレイ完成予定
- 2016/06/15 09:00
オープニング
●――の声
狭イ、ジャマ――
…………
苦シイ、イキ――
…………
力、ウバワレシ――
…………
黒イ波動、オカサレル――
…………
意識、モウ――
…………
コレガ、終ワリ――
●古き戦場跡
辺境の北部を取り戻す為の戦いから早1年が経とうとしていた。
多くの痛みを伴う戦いであったが、その傷も徐々に癒えて辺境の民は活気を取り戻しつつあった。
そんな折に辺境北部への調査隊が派遣されることとなる。目的は歪虚との戦いの激戦区となった戦場を訪れ、そこで散っていった戦士達の亡骸と遺品を回収する為だ。
本来であればすぐにでも故郷と呼べる地へと戻り、同胞部族自らで葬ってやりたいとの声もあったのだが、辺境北部は未だに歪虚の出現が多発している。
覚醒者や戦士達だけの少数ならまだしも、非戦闘員が向かうには危険すぎるのだ。故に、今回の調査隊が編成されたのである。
開拓地『ホープ』を出発して馬の背や馬車の荷台で揺られること数日、調査隊は多くの辺境の戦士達が散ったと呼ばれる平原へとやってきた。
そこには背の低い緑色の草の絨毯が広がっていた。ただ一見しただけではここが元戦場とは思えない場所だった。
「本当にここが?」
「間違いないよ。足元を見てごらん」
調査隊の1人の疑問に、長い黒髪を揺らす女性がそう返した。
そう言われて視線を足元に向ければ、そこには緑色の草の隙間から白い棒状のものが転がっているのが見えた。
「戦士の亡骸だよ。丁重に扱いな」
黒髪の女性――ラナ・ブリギットはそう告げながら広大な平原を見渡す。
緑一色かと思えた平原には、ところどころに草の生えていない場所や、地面が不自然にへこんでいる場所が見受けられる。
「さあ、探すよ。ハンターの連中にもそう伝えてきな」
ラナはそう支持をだし、自分は馬をゆっくりと前進させて平原の中を進んでいく。
そもそも何故彼女がこの調査隊に参加しているのか? 彼女は覚醒者ではあるが、武器を振るう戦士ではなく物作りをする職人なのだ。
それでも彼女がこの場にいるのは、自らで志願したからである。この調査に同行すると。部族会議もそれに反対することはなくすんなりと許可をくれた。
他の部族達は物作りにしか興味のないヴァルカン族が珍しいと思いつつも、人手があって困る物ではなくやはり反対するものはいなかった。
そして今、ラナはいつものどこか子供っぽい笑みもなく、自信ありげな態度も見せない。ただ黙って視線を動かし、広い平原の中で何かを探している。
「……ここにも、ないか」
ラナがぽつりとそう呟いた。そこに乗る感情は目的の物が見つからず残念といったものなのか、それとも安堵のものなのか。それは図りかねた。
「おーい、こっちに何かあったぞー!」
そこで調査隊のメンバーが何かを見つけたようだった。ラナは馬を操り、そちらへと向かってみる。
●過去が残したモノ
調査隊のメンバーが発見したのは、半ば土に埋もれた木片や布切れといった残骸だ。
恐らく前哨基地か何かであったテントや柵などがここにあったのだろう。今はその見る影もない。
木片や布切れをどかしてみれば、そこからは1人分の白骨化した遺体が出てきた。テントごと薙ぎ倒されてそのまま息絶えたのだろうか。
「んっ、これは……?」
その遺体の手元に何かが転がっていた。それは剣の柄であろうか。肝心の刃の部分は見当たらないが、その柄に施された丁寧な装飾は見事なものだった。
「これは数打ちものじゃないな。こいつ、もしかしたら名のある戦士だったのかもしれないな」
歪虚との戦いに明け暮れていた当時、武具に装飾を施すなどの手間は殆ど省かれていた。その省いた時間で、より多くの武器を作る必要があったからだ。
にも関わらず見事な装飾が施された柄を持つ剣が作られたのだとしたら、特別な力を持った剣だったのであろう。そしてそれを振るっていたのも名のある戦士だったに違いない。
ともかくこの遺体の回収と、そしてこの柄も遺品の1つとして持ち帰ることにする。
と、そこに馬に乗る黒髪の女性が近づいてくるのが見えた。ヴァルカン族の族長だ。
そこでもしかすれば彼女ならこの剣の柄を見れば、どんな一品だったのか分かるかもしれないなという考えが浮かぶ。
「おーい、族長ラナ! ちょっとこれを見てくれないかー!」
柄を手にしていた男はそれを頭上に掲げながらラナを呼んだ。
「ああ、どうし――」
そしてラナがこちらに視線を向けてきたところで突然言葉を止めた。目を大きく見開き、明らかな驚愕の表情を浮かべている。
その様子を不思議に思っていると、ラナは次の瞬間には険しい顔つきになり大きな声で叫んだ。
「おい、今すぐそれから手を離せ!」
「はっ? えっ?」
ラナの突然の言葉に、柄を手にしている男は突然どうしたんだと不思議がりながら首を傾げる。
「いいから! 早く!」
「いや、だから一体どういう――」
その時である。男の手元でビシリと何かが割れるような音がした。視線を向ければ、剣の柄に大きな罅が走っていた。
『マダ、奪イ、侵スカ――』
男にはそんな声が聞こえた。
「――――!」
こちらに必死な表情で駆け寄ってくるラナの姿が見える。何かを口にしているようだが、その言葉が聞き取れない。いや、理解できない。
男の意識は、まるで大きな鐘の音のように響く不思議な声にのみ集中させられる。
『使エバイイ、コワセバイイ――』
瞬間、男は無意識のうちに覚醒していた。霊闘士の彼の祖霊は白い牛の精霊。額に角が突き出し、細長く先端に毛を纏う尾が生える。
だが、覚醒による変化はそれだけに留まらなかった。その背には紅蓮に燃える鳥の翼が生え、周囲に炎を灯した羽が撒き散らされる。
そして気づけば男の手には剣が握られていた。ひび割れた柄の先から火山の噴火とも思わせる炎を噴き出す、灼熱の刃を持った剣を。
『戦エ、タオセ、スベテヲオワラセロ――』
「アアアァァァァァ!!」
男はその声に従い、炎の剣を振りかぶった。
狭イ、ジャマ――
…………
苦シイ、イキ――
…………
力、ウバワレシ――
…………
黒イ波動、オカサレル――
…………
意識、モウ――
…………
コレガ、終ワリ――
●古き戦場跡
辺境の北部を取り戻す為の戦いから早1年が経とうとしていた。
多くの痛みを伴う戦いであったが、その傷も徐々に癒えて辺境の民は活気を取り戻しつつあった。
そんな折に辺境北部への調査隊が派遣されることとなる。目的は歪虚との戦いの激戦区となった戦場を訪れ、そこで散っていった戦士達の亡骸と遺品を回収する為だ。
本来であればすぐにでも故郷と呼べる地へと戻り、同胞部族自らで葬ってやりたいとの声もあったのだが、辺境北部は未だに歪虚の出現が多発している。
覚醒者や戦士達だけの少数ならまだしも、非戦闘員が向かうには危険すぎるのだ。故に、今回の調査隊が編成されたのである。
開拓地『ホープ』を出発して馬の背や馬車の荷台で揺られること数日、調査隊は多くの辺境の戦士達が散ったと呼ばれる平原へとやってきた。
そこには背の低い緑色の草の絨毯が広がっていた。ただ一見しただけではここが元戦場とは思えない場所だった。
「本当にここが?」
「間違いないよ。足元を見てごらん」
調査隊の1人の疑問に、長い黒髪を揺らす女性がそう返した。
そう言われて視線を足元に向ければ、そこには緑色の草の隙間から白い棒状のものが転がっているのが見えた。
「戦士の亡骸だよ。丁重に扱いな」
黒髪の女性――ラナ・ブリギットはそう告げながら広大な平原を見渡す。
緑一色かと思えた平原には、ところどころに草の生えていない場所や、地面が不自然にへこんでいる場所が見受けられる。
「さあ、探すよ。ハンターの連中にもそう伝えてきな」
ラナはそう支持をだし、自分は馬をゆっくりと前進させて平原の中を進んでいく。
そもそも何故彼女がこの調査隊に参加しているのか? 彼女は覚醒者ではあるが、武器を振るう戦士ではなく物作りをする職人なのだ。
それでも彼女がこの場にいるのは、自らで志願したからである。この調査に同行すると。部族会議もそれに反対することはなくすんなりと許可をくれた。
他の部族達は物作りにしか興味のないヴァルカン族が珍しいと思いつつも、人手があって困る物ではなくやはり反対するものはいなかった。
そして今、ラナはいつものどこか子供っぽい笑みもなく、自信ありげな態度も見せない。ただ黙って視線を動かし、広い平原の中で何かを探している。
「……ここにも、ないか」
ラナがぽつりとそう呟いた。そこに乗る感情は目的の物が見つからず残念といったものなのか、それとも安堵のものなのか。それは図りかねた。
「おーい、こっちに何かあったぞー!」
そこで調査隊のメンバーが何かを見つけたようだった。ラナは馬を操り、そちらへと向かってみる。
●過去が残したモノ
調査隊のメンバーが発見したのは、半ば土に埋もれた木片や布切れといった残骸だ。
恐らく前哨基地か何かであったテントや柵などがここにあったのだろう。今はその見る影もない。
木片や布切れをどかしてみれば、そこからは1人分の白骨化した遺体が出てきた。テントごと薙ぎ倒されてそのまま息絶えたのだろうか。
「んっ、これは……?」
その遺体の手元に何かが転がっていた。それは剣の柄であろうか。肝心の刃の部分は見当たらないが、その柄に施された丁寧な装飾は見事なものだった。
「これは数打ちものじゃないな。こいつ、もしかしたら名のある戦士だったのかもしれないな」
歪虚との戦いに明け暮れていた当時、武具に装飾を施すなどの手間は殆ど省かれていた。その省いた時間で、より多くの武器を作る必要があったからだ。
にも関わらず見事な装飾が施された柄を持つ剣が作られたのだとしたら、特別な力を持った剣だったのであろう。そしてそれを振るっていたのも名のある戦士だったに違いない。
ともかくこの遺体の回収と、そしてこの柄も遺品の1つとして持ち帰ることにする。
と、そこに馬に乗る黒髪の女性が近づいてくるのが見えた。ヴァルカン族の族長だ。
そこでもしかすれば彼女ならこの剣の柄を見れば、どんな一品だったのか分かるかもしれないなという考えが浮かぶ。
「おーい、族長ラナ! ちょっとこれを見てくれないかー!」
柄を手にしていた男はそれを頭上に掲げながらラナを呼んだ。
「ああ、どうし――」
そしてラナがこちらに視線を向けてきたところで突然言葉を止めた。目を大きく見開き、明らかな驚愕の表情を浮かべている。
その様子を不思議に思っていると、ラナは次の瞬間には険しい顔つきになり大きな声で叫んだ。
「おい、今すぐそれから手を離せ!」
「はっ? えっ?」
ラナの突然の言葉に、柄を手にしている男は突然どうしたんだと不思議がりながら首を傾げる。
「いいから! 早く!」
「いや、だから一体どういう――」
その時である。男の手元でビシリと何かが割れるような音がした。視線を向ければ、剣の柄に大きな罅が走っていた。
『マダ、奪イ、侵スカ――』
男にはそんな声が聞こえた。
「――――!」
こちらに必死な表情で駆け寄ってくるラナの姿が見える。何かを口にしているようだが、その言葉が聞き取れない。いや、理解できない。
男の意識は、まるで大きな鐘の音のように響く不思議な声にのみ集中させられる。
『使エバイイ、コワセバイイ――』
瞬間、男は無意識のうちに覚醒していた。霊闘士の彼の祖霊は白い牛の精霊。額に角が突き出し、細長く先端に毛を纏う尾が生える。
だが、覚醒による変化はそれだけに留まらなかった。その背には紅蓮に燃える鳥の翼が生え、周囲に炎を灯した羽が撒き散らされる。
そして気づけば男の手には剣が握られていた。ひび割れた柄の先から火山の噴火とも思わせる炎を噴き出す、灼熱の刃を持った剣を。
『戦エ、タオセ、スベテヲオワラセロ――』
「アアアァァァァァ!!」
男はその声に従い、炎の剣を振りかぶった。
解説
【依頼内容】
暴走した辺境戦士ラクの制圧
【依頼詳細】
辺境北部での調査の途中、突然覚醒し暴走を始めた辺境戦士ラクが仲間達を襲い始めた。
彼はこちらの声が聞こえていないようで、ただ叫びながら只管に炎の剣を振るっている。
調査隊にこれ以上の被害が出る前に彼を無力化しなくてはならない。必要ならばその命を奪ってでも。
【戦域情報】
辺境北部にある平原。背の低い草が生えているだけの眺めのいい場所。時間は昼、天候は晴れ。
既に切り伏せられた調査隊のメンバーが2人、まだ息はあるが近づけばラクに狙われる危険がある為救助出来ない。
【味方情報】
ラナ・ブリギット
辺境に生きるヴァルカン族の族長。今回は自分から調査に参加してきたがその真意は不明。
何か焦燥にも似た感情を抱いているらしく、いつもの彼女らしさはない。
覚醒者でクラスは機導師。魔導ガントレットを使った近接戦闘が得意。
今回はラクに真っ向から戦いを挑む。ただハンターの声に聞く耳持たないわけではない。
【敵情報】
辺境戦士ラク
20代の若い辺境の戦士で覚醒者。クラスは霊闘士で白い牛の祖霊と共にある。
彼は至って真面目な青年で今回の暴走の理由は不明。そもそも炎の剣という武器は持っていなかった。
また覚醒時の彼の姿は牛の角と尾が生えるだけなのだが、今回は燃える翼を生やしており明らかに不自然な点が目立つ。
暴走していても戦い方を忘れたわけではないようで、勇猛果敢そして苛烈に相手を攻め立てる戦い方を得意とする。
【備考】
ハンター達は今回の調査隊に参加していたメンバー。
辺境戦士ラクの暴走の様子も目撃していたとして構いません。
その他、聞きたいことがあればラナに質問してください。可能な限り答えてくれます。
暴走した辺境戦士ラクの制圧
【依頼詳細】
辺境北部での調査の途中、突然覚醒し暴走を始めた辺境戦士ラクが仲間達を襲い始めた。
彼はこちらの声が聞こえていないようで、ただ叫びながら只管に炎の剣を振るっている。
調査隊にこれ以上の被害が出る前に彼を無力化しなくてはならない。必要ならばその命を奪ってでも。
【戦域情報】
辺境北部にある平原。背の低い草が生えているだけの眺めのいい場所。時間は昼、天候は晴れ。
既に切り伏せられた調査隊のメンバーが2人、まだ息はあるが近づけばラクに狙われる危険がある為救助出来ない。
【味方情報】
ラナ・ブリギット
辺境に生きるヴァルカン族の族長。今回は自分から調査に参加してきたがその真意は不明。
何か焦燥にも似た感情を抱いているらしく、いつもの彼女らしさはない。
覚醒者でクラスは機導師。魔導ガントレットを使った近接戦闘が得意。
今回はラクに真っ向から戦いを挑む。ただハンターの声に聞く耳持たないわけではない。
【敵情報】
辺境戦士ラク
20代の若い辺境の戦士で覚醒者。クラスは霊闘士で白い牛の祖霊と共にある。
彼は至って真面目な青年で今回の暴走の理由は不明。そもそも炎の剣という武器は持っていなかった。
また覚醒時の彼の姿は牛の角と尾が生えるだけなのだが、今回は燃える翼を生やしており明らかに不自然な点が目立つ。
暴走していても戦い方を忘れたわけではないようで、勇猛果敢そして苛烈に相手を攻め立てる戦い方を得意とする。
【備考】
ハンター達は今回の調査隊に参加していたメンバー。
辺境戦士ラクの暴走の様子も目撃していたとして構いません。
その他、聞きたいことがあればラナに質問してください。可能な限り答えてくれます。
マスターより
皆さんこんにちわ。蒼かなたです。
突然の辺境戦士の暴走、平原のど真ん中で炎が燃え火の粉が舞い上がります。
彼の身に一体何があったのか? 彼を救う手立ては? そして様子のおかしいラナは何を知っているのか?
あらゆる可能性を考慮にいれながら、最適な答えを導いてください。
では、宜しければご参加をお待ちしております。
突然の辺境戦士の暴走、平原のど真ん中で炎が燃え火の粉が舞い上がります。
彼の身に一体何があったのか? 彼を救う手立ては? そして様子のおかしいラナは何を知っているのか?
あらゆる可能性を考慮にいれながら、最適な答えを導いてください。
では、宜しければご参加をお待ちしております。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2016/06/11 21:05
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/06/02 07:48:31 |
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作戦相談卓 玉兎 小夜(ka6009) 人間(リアルブルー)|17才|女性|舞刀士(ソードダンサー) |
最終発言 2016/06/05 23:17:20 |