• 日常

珈琲サロンとぱぁずユリアの依頼

マスター:佐倉眸

シナリオ形態
ショート
難易度
やや易しい
オプション
参加費
1,000
参加人数
現在5人 / 4~12人
マテリアルリンク
報酬
少なめ
相談期間
5日
プレイング締切
2016/07/08 07:30
リプレイ完成予定
2016/07/17 07:30

オープニング

※このシナリオは原則として戦闘が発生しない日常的なシナリオとして設定されています。


 蒸気工場都市フマーレの商業区、その片隅に常連客に愛されて長年営まれてきた小さな喫茶店がある。
 ファンシーな内装は店長の妻だった女性の趣味に寄るところで、彼女が亡くなって何十年と経った今も変わらず、クロスの花は可愛らしく、白くて丸いカップにも洒落た意匠があしらわれている。
 妻亡き後も無口な店員と2人で切り盛りしてきた店長が歳を理由に退いてから、彼の代理として妙齢の孫娘が慣れないながらも、彼女が幼い頃からの常連客や、時折店に訪れるハンター達に支えられて店を守ってきた。
 その喫茶店の名を、「とぱぁず」という。


 とぱぁずの店の前で店員のモニカは、その入り口の張り紙をじっと見詰めていた。

――閉店のご挨拶――
日頃は格別のお引き立てを賜り誠に有り難う御座います。
突然では御座いますが、珈琲サロンとぱぁずは――月――日をもちまして閉店させて頂くことになりました。
開店以来長きにわたり、ご愛顧賜りましたこと、従業尾員一同心よりお礼申し上げます。

 そしてその隣にもう一枚、張り紙を貼り付ける。

――手伝いのお願い――
明日店内を片付けます。
お手伝い頂ける方はこちらまでご連絡下さい。
 ハンターオフィス×××××
追記:ハンターさん宛の手紙も保管しています。
追記2:豆はロロさんが引き取るみたいです。

「これでいっか。ねえ、ピノ、私たちも準備しなくちゃ……ユリアさん元気にしてると良いけど……」
 負ぶった小さな弟をあやしながら、モニカは歩き出して一度店を振り返った。
 堅苦しい挨拶を綴った見覚えの無い文字。
 ユリア……件の孫娘で店長代理が、目を悪くして今は文字を書くどころでは無く、店に復帰出来る目処も暫くは立たないと伝えられた。
 歪虚の絡んだ事件によるため、一時的にオフィスに保護されていたが、近く居を移すことになったらしい。
 ここからもそう遠く無い民間の警邏組織の詰め所に隣接したアパートだと聞いている。
 ユリアの荷物は既にローレンツ……前の店長の頃からの無口な店員、通称ロロさんが、届けたという。
「あとは、お店を閉めて……私たちはヴァリオスに帰ろうね。エーレンフリートさん、風邪悪くしてないと良いけど……もう歳だもんねー」
 ヴァリオスで行く当てを無くしていたモニカに店を紹介したのは店長のエーレンフリートだった。彼はまだヴァリオスに住んでいる。
 冬から調子を悪くして、モニカも看病しながら冬は向こうで越した。
「だーいじょうぶ、ピノは私が守るからねー」
 微睡みから目覚めぐずる弟を揺らし宥めながら、モニカはゆっくりと歩いて行った。

 ハンターオフィスに依頼が1つ掲示された。
『閉店する喫茶店の片付けを手伝って下さい』


 モニカさんがいらっしゃってますよ、と受付嬢がユリアに声を掛けた。
 壁と手摺りを伝いながらテーブルに着いたユリアにモニカが話し掛けると、懐かしそうに微笑んだ。
「――お店の、片付けの依頼を出したところ。流石に、私とロロさんだけじゃ何日かかるか分からないもの。あと、これ。お店に飾ってたからロロさん忘れて行っちゃって」
 ユリアの手許に罅の入ったゴーグルが差し出された。
 カウンターの中の棚に飾っていた、ユリアの夫の形見。
 罅を辿るように撫でて、ありがとうと告げた声は掠れていた。
「……ごめんね、あまり調子は良くないの。でも、モニカが来てくれて良かったぁ、もう会えないと思っていたもの」
「うん。……ピノもいます。寝ちゃってるけど。片付いたらお祖父さんの所にもどりますね」
 ローレンツは様子を見に来ることはあるらしいが、あまり長居はしないらしい。
 話し掛けてあげたら喜ぶのに、オフィスの受付嬢が紅茶を置きながらそう言っている。
「ロロさんには頼めそうに無いのよね……モニカ、お願いしたいことがあるんだけど、いいかしら?」
 ユリアの首がモニカを探す様に揺れて傾ぐ。

 お祖父ちゃんに手紙を書きたい。
 その代筆を頼みたいとユリアは言った。

 私じゃ無くてもとモニカは受付嬢を見た。挨拶を書いたのは恐らく彼女だろう。
「だって、お祖父ちゃんごめんなさい、なんてお願い出来るのモニカくらいだもの」
 時間があればと溜息を吐いた。

解説

目的 とぱぁずの片付け

●内装
余り広くない店内に4人テーブル2つと2人テーブル3つカウンターの椅子3つ
隅に8人テーブル(天板に地図を貼ってピンを立てたもの)とコルクボード
カウンター内に食器や道具類、窓にカーテン

●片付け
一定時間経過後に引き取り手が荷馬車を持ってきますので、それまでに店の外へ
家具はそのまま、食器類は箱に詰めて
クロスやカーテンなどは古布として回収しますので畳んでまとめておいて下さい
時間が掛かりすぎてしまった場合、引き取り手も手伝います

●コルクボード(※追記:ハンターさん宛の手紙も保管しています。)
これまでの依頼で依頼人から届いた手紙が飾られており受け取って頂くことが出来ます
・リプレイ中の描写のみとなり、アイテム化しません
・手紙が無い依頼もあります、ご了承下さい
・本文の一部を公開します
・該当PCさんが参加されたシナリオに登場する依頼人からの手紙に限ります
・受け取る場合はプレイングに【手紙を受け取る】と記入をお願いします
(プレイング文中の行動と区別するため、【】は必ず付けて下さい)

●ユリアの代筆
モニカの代わりに行うことが出来ます
モニカは片付け中に他の行動を取りませんので、長引きそうな場合などにお申し出下さい

●NPC
モニカ・フィオリーノ
とぱぁずの店員、ヴァリオスでエーレンフリート(前店長)に保護され、とぱぁずを紹介された。
常に弟のピノを負ぶっている。
ピノの安全を最優先に考えて行動し、ハンターの指示には従う
片付け中は店を離れない

ローレンツ・ロンベルグ
とぱぁずに長く勤めていた店員。
引き取り手の所や荷馬車の貸し出しに向かうため不在。
片付け開始前に指示や簡単なお使いが可能。

ユリア・エーレンフリート
とぱぁずの店長代理だった孫娘、未亡人。
契約を強要され、現在契約者となったためオフィスに保護され、現在の容態は安定している。

マスターより

よろしくお願いします。

この依頼に連なるシナリオ「珈琲サロンとぱぁずの最後の依頼」(仮、リプレイ公開後にリリース予定)に続けてご参加頂けますPCさんの中で、過去にとぱぁずからの依頼やユリアの保護に協力頂けましたPCさんへ、記念の粗品のような称号の付与を予定しております。
最後の依頼は、ユリアの手紙を携えてヴァリオスに帰るモニカの護衛です。
手紙や称号のため上限多めの設定ですが、6人くらいでも頑張れば十分に達成可能です。

(ローレンツについて:馬車の容量や到着時間の調整、お弁当の買い出しが出来ます)
(ユリアについて:成否には影響有りません)
(ピノについて:大きな物音で泣き出します)

関連NPC

  • 店長代理
    ユリア・エーレンフリート(kz0155
    人間(クリムゾンウェスト)|26才|女性|一般人
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2016/07/16 03:51

参加者一覧

  • 雨降り婦人の夢物語
    外待雨 時雨(ka0227
    人間(蒼)|17才|女性|聖導士
  • 真白き抱擁
    カリアナ・ノート(ka3733
    人間(紅)|10才|女性|魔術師
  • 盾の矜持
    リディア・ノート(ka4027
    人間(紅)|13才|女性|闘狩人
  • 時の守りと救い
    マキナ・バベッジ(ka4302
    人間(紅)|16才|男性|疾影士
  • 拳で語る男
    輝羽・零次(ka5974
    人間(蒼)|17才|男性|格闘士
依頼相談掲示板
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2016/07/05 23:03:47
アイコン 相談卓
外待雨 時雨(ka0227
人間(リアルブルー)|17才|女性|聖導士(クルセイダー)
最終発言
2016/07/08 04:45:15