ゲスト
(ka0000)
【蒼乱】ピースホライズン大渓谷攻略隊
マスター:馬車猪

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2016/08/21 22:00
- リプレイ完成予定
- 2016/08/30 22:00
オープニング
※このシナリオは難易度が高く設定されています。所持金の大幅な減少や装備アイテムの損失、場合によっては、再起不能、死亡判定が下される可能性があります。
再起不能、死亡判定の下されたキャラクターはログイン、及びコンテンツへのアクセスが制限されます。
●ゾンネンシュトラール帝国のばあい
ろくな足場もなく頼りになるのは1本のロープのみ。
常人なら恐怖で精神が壊れるか体力が尽きて墜ちるだろう極限の状況だ。
「これよりロープを固定する」
大男が慣れた手つきで岸壁に杭を打ち込んでいく。
自らの自重より重い荷を背負っているのに危なっかしい雰囲気は全くない。
数本のひびが入る。
小さな石が垂直に近い崖を転がっていく。
何分経っても、石が底にぶつかる音は聞こえなかった。
「副長! 右水平方向に敵影1! 鳥、全幅2メートル!」
「発砲を許可する」
「了解」
細身の男が岸壁に張り付きながら長銃身の銃を構え、数秒狙いをつけてから引き金を引いた。
鳥に見る何かが角度を変えて落下する。
風が吹く。
地表では考えられない規模の突風が鳥を骨と肉のミックスジュースに変え、帝国調査隊を支えるロープを猛烈に引っ張った。
「ぬう」
杭を打ち終えロープを固定。
手がかりらしい手がかりもない壁に張り付き引き離す力に耐える。
5分後。
調査隊は1人も欠けずに安堵の息を吐いていた。
「小休止後降下を再開する。改良型イニシャライザーは? よし、最悪の場合でもそれと情報だけは上に戻す。帝国軍人魂を世界に見せつけ……」
『見せつけるのは別の機会にしろ馬鹿者』
トランシーバー越しに隊長の命令が届いた。
『マテリアルヒーリングの残数を言って見ろ。総数5を切っているなら撤退だ撤退」
その声は徹底して冷静で、良くも悪くも暑苦しい男達とは正反対だった。
「しかし隊長、我々が今最も下にいます」
『小さな名誉は王国にでもくれてやれ。貴様等に貴様等の命を無駄遣いする権限は与えられていない』
「いえあの」
『貴様等のウジ虫にも劣る脳味噌でも理解出来るよう言ってやる。とっとと戻って来んか!』
男達は突風に吹かれているときより真っ青になって、固定されたロープを伝い崖の上へ登っていった。
●グラズヘイム王国のばあい
岩が降ってきても、浮遊する歪虚に襲われても、うっかり手を滑らせてロープで崖に叩き付けられても、ヒールで癒やせば問題ない。
「ンな訳ねぇよ」
「もうおうちかえるぅ」
登山装備な王国騎士と聖堂戦士が涙目になっていた。
並の鎧より頑丈だった衣装はもう襤褸切れ同然だ。
隙間から妙に綺麗な肌が見える。
聖堂戦士の強力なヒールの成果である。
もちろん、肉体は癒やせても心までは癒やせない。
「もみじおろしやだぁ」
「思い出させんでくださいよ司祭様」
20代の肉体派女性クルセイダーが幼児退行して泣いている。
小隊長格の熟練騎士もロープ片手に頭を抱えている。
「ここで戻るわけにもな」
ロープを含んだ装備全体が、ゾンネンシュトラール帝国ご一行と比べると少しだけ古くさい。
帝国軍人に練度と伝統で負けるつもりは全くないけれど、進取の気風と変化の速度では分が悪いと薄々感じていた。
「む」
直感に従い斜め下方に視線を向ける。
鳥でもなく、記憶にある歪虚のリストにも無い何かが、微かな音をたて一定の速度で上昇している。
「戦闘準備。司祭殿の護衛は」
「あ、いえ、動揺しました。もう大丈夫です」
聖堂戦士が精神的に復活した。
ほんのり桜色に色づいた顔が妙に可愛らしい。
「そ、そうですか。副長、弓で狙え」
「はいはい。おー熱い」
弓騎士は上司をからかいながら、ロープ片手の不自由な体勢でショートボウを構えた。
「あ、まず」
放ったときにはこの後何が起きるか推測できた。
ローター音が近づく。
堅くそして軽い装甲に勢いの弱い矢が弾かれ、30ミリよりは小さな銃口が王国一行へ向いた。
「総員待避ぃっ!」
「荷物は捨てろ、クソ、このままじゃなぶり殺しだ」
皆大量の汗をかいて必死に登る。
銃弾がロープ近くの岩を削る。
苦労して打ち込んだ杭が壊れてロープを固定する機能を失う。
王国調査隊が崖を登り切り、正体不明のドローンが大渓谷の奥に戻っていったとき、王国騎士と聖堂戦士はスキルも体力も使い切って身動きとれなくなっていた。
●ハンターズソサエティーのばあい
「という感じでヴォイドゲート探索は失敗しました」
職員は真面目くさった顔で事情説明を終えた。
「最初から帝国と王国が協力すればよかったのでは?」
ハンターの1人が至極真っ当な意見を口にする。
帝国人と王国人らしい別のハンターが、何故かそっと目を逸らしていた。
「難しいらしいですよ? 歪虚が近くにいるなら手を組む程度はするらしいですけど、平時だとほら、両国は国境を接してますから意地の張り合いも仕事のうちっぽいですし」
双方の慣習が異なるので中途半端に混ざって行動するより別々に行動した方が効率が良いことが多い。
柔軟さに関しては、初めで出会った別の世界出身者とも組めるハンターに比べるとだいぶん劣る。
「以上が前置きです」
職員が咳払いをする。
パルムが元気にハイタッチ。
職員の手前に3Dディスプレイが現れ崖上都市ピースホライズン地下の大渓谷が映し出された。
「皆さんにお願いしたいのは大渓谷の調査です。最低限達成して頂きたいのは底までの距離の測定。出来れば達成していただきたいのが底までの進路の確保です」
映像の2カ所が拡大される。
1つはしっかり固定されたロープ。
もう1つは固定は甘いが1つめよりずいぶん下まで伸びるロープだ。
2本目の方がほんの少しだけ柔そうだ。
「これまで確認された歪虚は2種類です」
垂直に近い崖を低速で移動する蜘蛛型歪虚、時折吹く突風には勝てず崖に叩き付けられ潰れる鳥型歪虚。
「また、未確認ながらドローン……無人の小型飛行機械の目撃情報があります。鉄鎧に盾装備なら無傷でやり過ごせる攻撃力しかないらしいですが……」
大渓谷の地形は敵以上に脅威だ。
敵と突風が当時に襲ってくることも考えられる。
今回の依頼、場合によっては対上級歪虚戦並に危険度が高いかもしれない。
再起不能、死亡判定の下されたキャラクターはログイン、及びコンテンツへのアクセスが制限されます。
●ゾンネンシュトラール帝国のばあい
ろくな足場もなく頼りになるのは1本のロープのみ。
常人なら恐怖で精神が壊れるか体力が尽きて墜ちるだろう極限の状況だ。
「これよりロープを固定する」
大男が慣れた手つきで岸壁に杭を打ち込んでいく。
自らの自重より重い荷を背負っているのに危なっかしい雰囲気は全くない。
数本のひびが入る。
小さな石が垂直に近い崖を転がっていく。
何分経っても、石が底にぶつかる音は聞こえなかった。
「副長! 右水平方向に敵影1! 鳥、全幅2メートル!」
「発砲を許可する」
「了解」
細身の男が岸壁に張り付きながら長銃身の銃を構え、数秒狙いをつけてから引き金を引いた。
鳥に見る何かが角度を変えて落下する。
風が吹く。
地表では考えられない規模の突風が鳥を骨と肉のミックスジュースに変え、帝国調査隊を支えるロープを猛烈に引っ張った。
「ぬう」
杭を打ち終えロープを固定。
手がかりらしい手がかりもない壁に張り付き引き離す力に耐える。
5分後。
調査隊は1人も欠けずに安堵の息を吐いていた。
「小休止後降下を再開する。改良型イニシャライザーは? よし、最悪の場合でもそれと情報だけは上に戻す。帝国軍人魂を世界に見せつけ……」
『見せつけるのは別の機会にしろ馬鹿者』
トランシーバー越しに隊長の命令が届いた。
『マテリアルヒーリングの残数を言って見ろ。総数5を切っているなら撤退だ撤退」
その声は徹底して冷静で、良くも悪くも暑苦しい男達とは正反対だった。
「しかし隊長、我々が今最も下にいます」
『小さな名誉は王国にでもくれてやれ。貴様等に貴様等の命を無駄遣いする権限は与えられていない』
「いえあの」
『貴様等のウジ虫にも劣る脳味噌でも理解出来るよう言ってやる。とっとと戻って来んか!』
男達は突風に吹かれているときより真っ青になって、固定されたロープを伝い崖の上へ登っていった。
●グラズヘイム王国のばあい
岩が降ってきても、浮遊する歪虚に襲われても、うっかり手を滑らせてロープで崖に叩き付けられても、ヒールで癒やせば問題ない。
「ンな訳ねぇよ」
「もうおうちかえるぅ」
登山装備な王国騎士と聖堂戦士が涙目になっていた。
並の鎧より頑丈だった衣装はもう襤褸切れ同然だ。
隙間から妙に綺麗な肌が見える。
聖堂戦士の強力なヒールの成果である。
もちろん、肉体は癒やせても心までは癒やせない。
「もみじおろしやだぁ」
「思い出させんでくださいよ司祭様」
20代の肉体派女性クルセイダーが幼児退行して泣いている。
小隊長格の熟練騎士もロープ片手に頭を抱えている。
「ここで戻るわけにもな」
ロープを含んだ装備全体が、ゾンネンシュトラール帝国ご一行と比べると少しだけ古くさい。
帝国軍人に練度と伝統で負けるつもりは全くないけれど、進取の気風と変化の速度では分が悪いと薄々感じていた。
「む」
直感に従い斜め下方に視線を向ける。
鳥でもなく、記憶にある歪虚のリストにも無い何かが、微かな音をたて一定の速度で上昇している。
「戦闘準備。司祭殿の護衛は」
「あ、いえ、動揺しました。もう大丈夫です」
聖堂戦士が精神的に復活した。
ほんのり桜色に色づいた顔が妙に可愛らしい。
「そ、そうですか。副長、弓で狙え」
「はいはい。おー熱い」
弓騎士は上司をからかいながら、ロープ片手の不自由な体勢でショートボウを構えた。
「あ、まず」
放ったときにはこの後何が起きるか推測できた。
ローター音が近づく。
堅くそして軽い装甲に勢いの弱い矢が弾かれ、30ミリよりは小さな銃口が王国一行へ向いた。
「総員待避ぃっ!」
「荷物は捨てろ、クソ、このままじゃなぶり殺しだ」
皆大量の汗をかいて必死に登る。
銃弾がロープ近くの岩を削る。
苦労して打ち込んだ杭が壊れてロープを固定する機能を失う。
王国調査隊が崖を登り切り、正体不明のドローンが大渓谷の奥に戻っていったとき、王国騎士と聖堂戦士はスキルも体力も使い切って身動きとれなくなっていた。
●ハンターズソサエティーのばあい
「という感じでヴォイドゲート探索は失敗しました」
職員は真面目くさった顔で事情説明を終えた。
「最初から帝国と王国が協力すればよかったのでは?」
ハンターの1人が至極真っ当な意見を口にする。
帝国人と王国人らしい別のハンターが、何故かそっと目を逸らしていた。
「難しいらしいですよ? 歪虚が近くにいるなら手を組む程度はするらしいですけど、平時だとほら、両国は国境を接してますから意地の張り合いも仕事のうちっぽいですし」
双方の慣習が異なるので中途半端に混ざって行動するより別々に行動した方が効率が良いことが多い。
柔軟さに関しては、初めで出会った別の世界出身者とも組めるハンターに比べるとだいぶん劣る。
「以上が前置きです」
職員が咳払いをする。
パルムが元気にハイタッチ。
職員の手前に3Dディスプレイが現れ崖上都市ピースホライズン地下の大渓谷が映し出された。
「皆さんにお願いしたいのは大渓谷の調査です。最低限達成して頂きたいのは底までの距離の測定。出来れば達成していただきたいのが底までの進路の確保です」
映像の2カ所が拡大される。
1つはしっかり固定されたロープ。
もう1つは固定は甘いが1つめよりずいぶん下まで伸びるロープだ。
2本目の方がほんの少しだけ柔そうだ。
「これまで確認された歪虚は2種類です」
垂直に近い崖を低速で移動する蜘蛛型歪虚、時折吹く突風には勝てず崖に叩き付けられ潰れる鳥型歪虚。
「また、未確認ながらドローン……無人の小型飛行機械の目撃情報があります。鉄鎧に盾装備なら無傷でやり過ごせる攻撃力しかないらしいですが……」
大渓谷の地形は敵以上に脅威だ。
敵と突風が当時に襲ってくることも考えられる。
今回の依頼、場合によっては対上級歪虚戦並に危険度が高いかもしれない。
解説
ヴォイドゲート探索依頼です。
上り下りと工事にはとんでもなく体力と気力を消耗する割に、一度に登場する敵戦力はあまり大きくないと予想されます。
複数の班に分かれて複数のロープを伸ばしたり、複数の班が少しずつロープを伸ばすのもよいかもしれません。
極めて頑丈なロープが、大渓谷の底に到達するまで無償で大量に提供されます。
改良型イニシャライザーも1人に1個貸し出されます。
プレイングで要望すれば、オープニング本文に登場した王国騎士と聖堂戦士を援軍として借りることが可能です。
一部に心に傷を負っているひともいますけれども、追加のロープを持って来させたり、ロープを守らせたり、ヒールを使わせることができます。
帝国軍人さん達は大渓谷の外でロープと各種資材の輸送に従事しているので手を借りるのは難しいです。
以下はプレイヤー情報です。
プレイングに利用する場合は、これこれこうだからPCが予測したんだよ、とテキトーにつじつま合わせしていただけると私が喜びます。
依頼の目的地は大渓谷の途中にある巨大な出っ張りです。ここからなら底が見えます。
複数のCAMが立っても壊れない程度に頑丈で、8人が3日間生活可能な荷物(オープニング本文で王国ご一行が落としたもの)や、過去数百年分の落下物が転がっています。
今回登場するドローンは、今回クラッキング等して操ることはできません。
平坦な地形で戦うならば、熟練のハンターにとってこのドローンは雑魚です。ただ今回、地形や風が敵にまわりますので……。
上り下りと工事にはとんでもなく体力と気力を消耗する割に、一度に登場する敵戦力はあまり大きくないと予想されます。
複数の班に分かれて複数のロープを伸ばしたり、複数の班が少しずつロープを伸ばすのもよいかもしれません。
極めて頑丈なロープが、大渓谷の底に到達するまで無償で大量に提供されます。
改良型イニシャライザーも1人に1個貸し出されます。
プレイングで要望すれば、オープニング本文に登場した王国騎士と聖堂戦士を援軍として借りることが可能です。
一部に心に傷を負っているひともいますけれども、追加のロープを持って来させたり、ロープを守らせたり、ヒールを使わせることができます。
帝国軍人さん達は大渓谷の外でロープと各種資材の輸送に従事しているので手を借りるのは難しいです。
以下はプレイヤー情報です。
プレイングに利用する場合は、これこれこうだからPCが予測したんだよ、とテキトーにつじつま合わせしていただけると私が喜びます。
依頼の目的地は大渓谷の途中にある巨大な出っ張りです。ここからなら底が見えます。
複数のCAMが立っても壊れない程度に頑丈で、8人が3日間生活可能な荷物(オープニング本文で王国ご一行が落としたもの)や、過去数百年分の落下物が転がっています。
今回登場するドローンは、今回クラッキング等して操ることはできません。
平坦な地形で戦うならば、熟練のハンターにとってこのドローンは雑魚です。ただ今回、地形や風が敵にまわりますので……。
マスターより
落ちたら死亡するので気をつけてください。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2016/08/27 03:36
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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大渓谷攻略!※落下もあるよ! ボルディア・コンフラムス(ka0796) 人間(クリムゾンウェスト)|23才|女性|霊闘士(ベルセルク) |
最終発言 2016/08/21 21:39:20 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/08/19 20:40:04 |