グラズヘイム王国・北西平原地帯にあるヨイナ村。村の農夫達は特産品のホップ収穫に追われる日々を送っていた。
　ホップは主にビールの風味付けに使われる。よく晴れた九月某日、収穫の〆となる大切な今時期に大変な事態が発生した。
　農夫達が次々と村へと駆け込んで、石垣の門扉を閉じる。激しく肩で息をする者、疲れて地面に転がる者。態度は様々だが誰もが必死の形相を浮かべていた。
「参ったの。まさか、あんな大蛇が」
「いや大蛇じゃないぞ。足があった。ばかでかいトカゲのように見えたが」
　何人かの農夫が口を開く。畑で収穫をしていたところに、奇怪な形をした化け物が現れて暴れだしたのである。
「幻獣、いや雑魔？　どっちにしろ俺達ではどうにもならん」
「六、七、八……。幸い全員無事なようだな」
　作業をしていた全員が逃げおおせたようで、農夫達は安心する。しかしそれは早計であった。つい先程、村の娘二人が昼食を届けに行ったことが判明したのである。
　村内に建てられた櫓から畑の様子を眺めることができた。
「ひ、ひとまず、大丈夫のようだ」
　見張りが確認したところ、娘二人は畑近くの作業小屋へと避難している。だが奇怪なトカゲ擬き三体は畑に居座ったままで、立ち去る気配は感じられない。
「大急ぎでハンターズソサエティー支部に連絡するのじゃ」
　状況を把握した村長が指示をだす。トカゲ擬き三体に気づかれぬよう、使者を早馬で魔導伝話がある隣町に送りだす。
　一晩が過ぎて翌日になっても状況は変わらなかった。
　娘二人が運んでいた弁当は十食分だった。水もあるので五日程度は持ちこたえられるはず。しかしそれ以上はわからない。
　トカゲ擬き三体が去るのを願いつつ、村人達は退治のハンターがやって来るのを待ち侘びるのだった。

　ヨイナ村の近くにあるホップの畑に化け物が現れました。娘二人の救出を優先した上で、退治をお願いします。（現地までの急行馬車は用意されます。バイク等で先乗りしても構いませんが、情報収集のみに留めてください。戦うときは全員でお願いします）

　馬車で向かった場合、娘二人が小屋に閉じ込められて七十時間が経過した頃に到着です。昼の十時から十一時頃になります。

　トカゲ擬きは人を見ると襲いかかります。但し、とても鈍いようです。

※ＰＬ情報
　化け物の正体は雑魔です。足は鈍いですが、毒性のある息を吐きます。
　長い舌は十メートル前後まで伸びます。硬い岩を穿つほどの威力です。

　常識的な必要経費は村持ちです。滞在期間中の食事や寝泊まりの家は提供されます。

　質問があればハンターオフィス職員のフミナ・エミエール（kz0131）が卓で答えます。質問締め切りは出発の一日前までです。

　この村のビールはホップがふんだんに使われていて、美味しいとの評判です。（ラガー系と黒ビール）無事に解決したのなら、村主催で宴会が開かれますので味わってみてくださいね。（年齢が達していない方は、葡萄か林檎ジュースになります）
　ビールを食材として使った料理も並びますのでお楽しみに。（酒精は飛んでいるので、どなたが食べても大丈夫です）