ゲスト
(ka0000)
【蒼乱】【詩天】漂う暗雲
マスター:猫又ものと

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2016/09/15 07:30
- リプレイ完成予定
- 2016/09/24 07:30
オープニング
●暗雲
仄暗い部屋。蝋燭の灯りが風に揺れる。
金髪に赤い瞳の男が、片腕の赤い鬼を一瞥する。
赤鬼は長い黒い髪を揺らして、言葉にならぬ言葉を、金髪の男に投げかけていた。
「……そーか、橋姫。ハンターにやられたか。で、腕一本取られたんだな」
「―――」
「うんうん。分かった。お前が心配するようなことじゃねえよ。何故かって? ……お前はもう用済みだからな」
怯える橋姫。逃げる暇もなく金髪の男に首を潰されて消えて行く。
その様子に、紺色の衣を着た優男が眉根を寄せる。
「やっとの思いで戻って来たというのに、秋寿さんったら随分可哀想なことをなさるんですね」
「あ? こいつの代わりなんざいくらだって生み出せるからいいんだよ。てか、弟を協力の見返りに差し出すようなやつに言われたかないぞ。そういや、あの青木って男はどうしたんだよ」
「準備を手伝って貰っていますよ。そんなことより……巫女と符術師の集まりが悪いようですね」
「……うるせえな。分かってるよ。九代目詩天が色々動き回って妨害してきやがって思うように進んでねえ」
「おや。秋寿さんを困らせるなんて随分優秀なのですね、現当主は」
「おうよ。そりゃあ俺の子孫だからな! って喜んでる場合じゃねえ。ハンター達が嗅ぎ回ってる。俺が出て行くのは得策じゃねえな」
「その優秀な現当主様も符術師なのでしょう? 協力を仰いではいかがですか? 元々あなたの成そうとしている『もの』です。持ちうる力も性質も最適でしょう」
「あー……。そうだな。その手で行くか。素直に協力するとも思えねえが、奥の手もあるしな」
優男に頷く秋寿。彼が合図すると、奥から数体の橋姫が現れる。
「お前達。九代目詩天、三条 真美をここまで連れて来い。くれぐれも殺すなよ」
頷く橋姫達。微かな衣擦れの音を残して、闇に消えて行く。
●詩天の成り立ち
詩天の中心地、若峰の黒狗城。
その一室で、九代目詩天、三条 真美(kz0198)と三条家軍師、水野 武徳(kz0196)が膝を突き合わせて難しい顔をしていた。
「……詩天には、そんな歴史があったんですか」
「左様にございます。詩天が詩天となる前の、忌まわしき記憶。禁忌とされた術……忘れてはならぬ歴史でございます」
「そのような大事な話を、何故父上は教えて下さらなかったのでしょう……」
「この伝承については、本来『詩天』の座と同時に継ぐべきものと聞き及んでおります。先代様は急に身罷られたゆえ、真美様にお話しする機会がなかったのでございましょうな」
武徳の言葉に目を伏せる真美。
己の自出は、決して褒められたものではないと知ってはいたけれど。
それは想像以上に、罪深いものだったのかもしれない――。
「……武徳。その知識を、秋寿兄様が持っている可能性はありますか?」
「禁忌とされた術については、過ちを繰り返さぬ為敢えて遺さなかったという話を聞いたことがございますが……。あのお方も詩天候補で、先代様の補佐役の立場にあった者。何らかの知識を得ていてもなんの不思議もございませんな」
「そうですか……。分かりました。引き続き、国内にいる巫女と符術師の保護を進めてください。私は秋寿兄様を探します」
「承知つかまつりました。なれど、あと残っているのは先の戦で秋寿様に付いて戦った家の者。いわば、真美様は怨敵でございます。秋寿様が関わっているとなれば、喜んで力を貸すものもおりましょう」
「それでも、このまま見過ごす訳にはいきません。出来る範囲で構いません。説得を続けてください」
「御意」
きっぱりと断じた真美に、深く頭を下げる武徳。
――ハンター達の助言の通りに、巫女と符術師の保護に乗り出したけれど。
こうしている間にも、1人、また1人と消え続けている。
一枚岩ではいかぬ詩天の国の歪みが、こんなところで形となって見えている。
●少年を狙うもの
ハッハッハッハッ……。
呼吸が浅い。走り続けて心臓が破れそうだ。
でも、足を止める訳にはいかない――。
依頼を受けてくれたハンターに逢う為、待ち合わせ場所に向かっていた真美は赤い肌の鬼――橋姫に追い掛けられていた。
――いいか、シン。無理はするな。
頭を過るハンターの声。
気を付けていたつもりだったのに。
応戦しようかとも思ったが、この数には到底太刀打ちできない……。
――こんなことになって、叱られるだろうか……。
もつれる足。少年の速度が落ちたのを見逃さず、橋姫の腕が振るわれる。
「つっ……」
鋭い爪に服ごとえぐられる腕。噴出する赤いもの。
痛みは感じない。熱いだけ……。
早く逃げなきゃ。このままでは――。
真美が再び走り出そうとしたその時、目の前に一陣の風がよぎった。
「……えっ?」
「……シン!? 大丈夫か!?」
「あっ。皆さん……」
「皆さん、じゃないですよ! 怪我してるじゃないですか! こいつら一体何なんです?!」
「皆さんに会いに行こうと思ったら急に襲って来て……」
「そうか。分かった。もう大丈夫だぞ」
真美と橋姫の間に割って入ったハンター達。武器を構えて、注意深く歪虚と距離を取る。
「……貴方達、この子をどうしようっていうの?」
「―――」
ハンターの声に、言葉にならぬ言葉を出す橋姫。
見覚えのある姿に、ハンターがため息をつく。
「赤い肌に角のある歪虚……以前撃退した歪虚が仲間を連れて戻って来た、というところでしょうか」
「シン自身が目的なのか、ただ単に符術師が欲しいだけなのか、どっちなのかはっきりしないが……」
「見逃す訳にはいかないわよね!」
「あ、あの、私……皆さんに、詩天についてお話しないと……」
「シンさん、詳しいお話はこの者達を撃退してからにしましょうか」
肩で息をする真美。
ハンター達は、歪虚達と睨み合い――。
そして、戦端が開かれる。
仄暗い部屋。蝋燭の灯りが風に揺れる。
金髪に赤い瞳の男が、片腕の赤い鬼を一瞥する。
赤鬼は長い黒い髪を揺らして、言葉にならぬ言葉を、金髪の男に投げかけていた。
「……そーか、橋姫。ハンターにやられたか。で、腕一本取られたんだな」
「―――」
「うんうん。分かった。お前が心配するようなことじゃねえよ。何故かって? ……お前はもう用済みだからな」
怯える橋姫。逃げる暇もなく金髪の男に首を潰されて消えて行く。
その様子に、紺色の衣を着た優男が眉根を寄せる。
「やっとの思いで戻って来たというのに、秋寿さんったら随分可哀想なことをなさるんですね」
「あ? こいつの代わりなんざいくらだって生み出せるからいいんだよ。てか、弟を協力の見返りに差し出すようなやつに言われたかないぞ。そういや、あの青木って男はどうしたんだよ」
「準備を手伝って貰っていますよ。そんなことより……巫女と符術師の集まりが悪いようですね」
「……うるせえな。分かってるよ。九代目詩天が色々動き回って妨害してきやがって思うように進んでねえ」
「おや。秋寿さんを困らせるなんて随分優秀なのですね、現当主は」
「おうよ。そりゃあ俺の子孫だからな! って喜んでる場合じゃねえ。ハンター達が嗅ぎ回ってる。俺が出て行くのは得策じゃねえな」
「その優秀な現当主様も符術師なのでしょう? 協力を仰いではいかがですか? 元々あなたの成そうとしている『もの』です。持ちうる力も性質も最適でしょう」
「あー……。そうだな。その手で行くか。素直に協力するとも思えねえが、奥の手もあるしな」
優男に頷く秋寿。彼が合図すると、奥から数体の橋姫が現れる。
「お前達。九代目詩天、三条 真美をここまで連れて来い。くれぐれも殺すなよ」
頷く橋姫達。微かな衣擦れの音を残して、闇に消えて行く。
●詩天の成り立ち
詩天の中心地、若峰の黒狗城。
その一室で、九代目詩天、三条 真美(kz0198)と三条家軍師、水野 武徳(kz0196)が膝を突き合わせて難しい顔をしていた。
「……詩天には、そんな歴史があったんですか」
「左様にございます。詩天が詩天となる前の、忌まわしき記憶。禁忌とされた術……忘れてはならぬ歴史でございます」
「そのような大事な話を、何故父上は教えて下さらなかったのでしょう……」
「この伝承については、本来『詩天』の座と同時に継ぐべきものと聞き及んでおります。先代様は急に身罷られたゆえ、真美様にお話しする機会がなかったのでございましょうな」
武徳の言葉に目を伏せる真美。
己の自出は、決して褒められたものではないと知ってはいたけれど。
それは想像以上に、罪深いものだったのかもしれない――。
「……武徳。その知識を、秋寿兄様が持っている可能性はありますか?」
「禁忌とされた術については、過ちを繰り返さぬ為敢えて遺さなかったという話を聞いたことがございますが……。あのお方も詩天候補で、先代様の補佐役の立場にあった者。何らかの知識を得ていてもなんの不思議もございませんな」
「そうですか……。分かりました。引き続き、国内にいる巫女と符術師の保護を進めてください。私は秋寿兄様を探します」
「承知つかまつりました。なれど、あと残っているのは先の戦で秋寿様に付いて戦った家の者。いわば、真美様は怨敵でございます。秋寿様が関わっているとなれば、喜んで力を貸すものもおりましょう」
「それでも、このまま見過ごす訳にはいきません。出来る範囲で構いません。説得を続けてください」
「御意」
きっぱりと断じた真美に、深く頭を下げる武徳。
――ハンター達の助言の通りに、巫女と符術師の保護に乗り出したけれど。
こうしている間にも、1人、また1人と消え続けている。
一枚岩ではいかぬ詩天の国の歪みが、こんなところで形となって見えている。
●少年を狙うもの
ハッハッハッハッ……。
呼吸が浅い。走り続けて心臓が破れそうだ。
でも、足を止める訳にはいかない――。
依頼を受けてくれたハンターに逢う為、待ち合わせ場所に向かっていた真美は赤い肌の鬼――橋姫に追い掛けられていた。
――いいか、シン。無理はするな。
頭を過るハンターの声。
気を付けていたつもりだったのに。
応戦しようかとも思ったが、この数には到底太刀打ちできない……。
――こんなことになって、叱られるだろうか……。
もつれる足。少年の速度が落ちたのを見逃さず、橋姫の腕が振るわれる。
「つっ……」
鋭い爪に服ごとえぐられる腕。噴出する赤いもの。
痛みは感じない。熱いだけ……。
早く逃げなきゃ。このままでは――。
真美が再び走り出そうとしたその時、目の前に一陣の風がよぎった。
「……えっ?」
「……シン!? 大丈夫か!?」
「あっ。皆さん……」
「皆さん、じゃないですよ! 怪我してるじゃないですか! こいつら一体何なんです?!」
「皆さんに会いに行こうと思ったら急に襲って来て……」
「そうか。分かった。もう大丈夫だぞ」
真美と橋姫の間に割って入ったハンター達。武器を構えて、注意深く歪虚と距離を取る。
「……貴方達、この子をどうしようっていうの?」
「―――」
ハンターの声に、言葉にならぬ言葉を出す橋姫。
見覚えのある姿に、ハンターがため息をつく。
「赤い肌に角のある歪虚……以前撃退した歪虚が仲間を連れて戻って来た、というところでしょうか」
「シン自身が目的なのか、ただ単に符術師が欲しいだけなのか、どっちなのかはっきりしないが……」
「見逃す訳にはいかないわよね!」
「あ、あの、私……皆さんに、詩天についてお話しないと……」
「シンさん、詳しいお話はこの者達を撃退してからにしましょうか」
肩で息をする真美。
ハンター達は、歪虚達と睨み合い――。
そして、戦端が開かれる。
解説
橋姫に襲われている真美の救出をお願いします。
ハンターの皆さまは、真美の依頼を受け、詩天にやって来た矢先に、この事件に巻き込まれた形になります。
真美は皆さんに会いに行く途中で、橋姫に襲われたようです。
橋姫達の生死は問いませんが、ハンターさん達が救出に失敗するようなことがあれば、真美が連れ去られる結果となります。
気合を入れて対処に当たってください。
■成功条件:真美の救出、生還
■失敗条件:真美の誘拐成立、および死亡
真美が詩天の成り立ちについて話をしたがっていますが、こちらは依頼達成条件に含みません。
■橋姫について
赤い肌に黒い長い髪、角を持った鬼型の歪虚です。
人の言葉を話すことはできませんが、理解をすることは出来、人を見分ける知能も持ち合わせています。
長く鋭い爪を使った攻撃と、行動を阻害する効果のある雄叫びをあげます。
数は5体。そこそこの強さを持っています。
■三条 真美について
四十八家第四十位。詩天の九代頭首。齢9歳。
千石原の乱を経て、九代目詩天に就任しました。
今回は、詩天の成り立ちについてハンターさんにお話しして、引き続きの協力をお願いするべくやってきました。
市井に出る時は身分を隠し、『シン』という偽名を名乗っています。
■NPCの同行
今回は真美が同行しています。
■情報について
橋姫の特性について、PCさんは知っているものとして扱って戴いて構いません。
優男と秋寿の状況についてのみ、プレイヤー情報となります。取り扱いにはご注意ください。
■その他
白紙は描写しません。
分からないことがありましたら、真美が返答しますので質問板を立ててご質問下さい。
質問は依頼出発24時間前までにお願いします。
ハンターの皆さまは、真美の依頼を受け、詩天にやって来た矢先に、この事件に巻き込まれた形になります。
真美は皆さんに会いに行く途中で、橋姫に襲われたようです。
橋姫達の生死は問いませんが、ハンターさん達が救出に失敗するようなことがあれば、真美が連れ去られる結果となります。
気合を入れて対処に当たってください。
■成功条件:真美の救出、生還
■失敗条件:真美の誘拐成立、および死亡
真美が詩天の成り立ちについて話をしたがっていますが、こちらは依頼達成条件に含みません。
■橋姫について
赤い肌に黒い長い髪、角を持った鬼型の歪虚です。
人の言葉を話すことはできませんが、理解をすることは出来、人を見分ける知能も持ち合わせています。
長く鋭い爪を使った攻撃と、行動を阻害する効果のある雄叫びをあげます。
数は5体。そこそこの強さを持っています。
■三条 真美について
四十八家第四十位。詩天の九代頭首。齢9歳。
千石原の乱を経て、九代目詩天に就任しました。
今回は、詩天の成り立ちについてハンターさんにお話しして、引き続きの協力をお願いするべくやってきました。
市井に出る時は身分を隠し、『シン』という偽名を名乗っています。
■NPCの同行
今回は真美が同行しています。
■情報について
橋姫の特性について、PCさんは知っているものとして扱って戴いて構いません。
優男と秋寿の状況についてのみ、プレイヤー情報となります。取り扱いにはご注意ください。
■その他
白紙は描写しません。
分からないことがありましたら、真美が返答しますので質問板を立ててご質問下さい。
質問は依頼出発24時間前までにお願いします。
マスターより
お世話になっております。猫又です。
皆様に、【詩天】シナリオの続編をお届けいたします。
今回も【蒼乱】のダブルタグです。
例の黒い人は現状暗躍中ですが、今回皆さんが頑張って戴くと表に出て来ないといけない状況になるかな? といったところです。
真美が連れ去られると絶賛面倒くさい事態になりますので、是非気合を入れて対応をお願いします!
それでは、皆様のご参加を心よりお待ちしております。
皆様に、【詩天】シナリオの続編をお届けいたします。
今回も【蒼乱】のダブルタグです。
例の黒い人は現状暗躍中ですが、今回皆さんが頑張って戴くと表に出て来ないといけない状況になるかな? といったところです。
真美が連れ去られると絶賛面倒くさい事態になりますので、是非気合を入れて対応をお願いします!
それでは、皆様のご参加を心よりお待ちしております。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2016/09/23 07:23
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/09/12 01:31:35 |
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真美を守る為に相談 シェルミア・クリスティア(ka5955) 人間(リアルブルー)|18才|女性|符術師(カードマスター) |
最終発言 2016/09/14 10:24:28 |
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質問卓 シェルミア・クリスティア(ka5955) 人間(リアルブルー)|18才|女性|符術師(カードマスター) |
最終発言 2016/09/14 19:59:33 |