ゲスト
(ka0000)
大きな少女と小さな謀略
マスター:春野紅葉

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在7人 / 4~12人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2016/10/25 15:00
- リプレイ完成予定
- 2016/11/08 15:00
オープニング
●残された場で
「前の祭りは大成功してしまった。最近は町人たちにも活気が戻ってきているような気もする……どうすればよいのだ!?」
ぶくぶくと太った、町長であるその男――オイゲンは、震える声で秘書に問いかけた。
「落ち着いてください、オイゲン様。たしかに町には活気が戻ってきていますが、大丈夫でございます。あの集団にはこちら側もおりますれば」
張り付いたような不気味な笑みを浮かべる秘書に、内心で怯えながらもつめよる。
「こちら側!? どういうことかね!?」
「ええ、そろそろ良いでしょう。ちょうど来てもらっております」
いうや、秘書が一度、部屋を出る。少しして戻ってくると、その後ろには白髪交じりの壮年男性がいた。
「彼の名はツェザール。ユリヤと同郷の者たちの一人で、村の大人衆のまとめ役でございます」
「お、おお、そうなのか! そういえば見た顔な気もするが……」
「今も彼らは彼らだけでまとまっています。その中心は確かにユリヤでもありますが――何も彼女が長である必要はないでしょう」
その声は、恐ろしく低い。オイゲンは止まらぬ汗に目をやられて思わず目をかきながら、続いた秘書の言葉に思わず唾をのんでいた。
「――気に食わねば、挿げ替えてしまえばよろしいのです。なぁに、狼型歪虚の調査をするのですから。犠牲者とていましょう」
「お、おお! なるほど」
「さて、ツェザール殿あなたもよろしいでしょうか?」
「は、はい」
ツェザールが初めて声を出した。低く重い声だ。ただ、どこか夢想しているようにも思える。
「では、始めましょうか、ちょっとした作戦会議にございます」
糸目の秘書の笑みに促されて、オイゲンは頷いていた。
●赤毛の少女の決意
ユリヤは再び、町長の住まう館を訪れていた。いつもながらやけに豪奢な調度品の数々が揃うその場所で待っていると、やがて町長はいつものように秘書を連れて現れた。
「こんにちは、ユリヤ嬢……何か御用でございますかな?」
肉に潰れた目をカッと見開き、町長が叫ぶ。
「はい、町長さんにお願いがあってきたんです」
「はて、自分の誠意を見せるもなく、更に言い募るおつもりでございますかな?」
ケタケタと、町長が笑う。
「このままでは町が滅びてしまうかもしれないんです!! たしかに、前回は取り逃してしまいました!! でも、だからこそ、あの狼はまだ町の近くにいるかもしれません!! だから!! ……だから、調査隊を派遣させてください」
ユリヤは思わず声を張り上げながらそう言って、いつの間にか乗り出していた身体を再び椅子に戻す。
「調査とは、はて?」
丸々とした腹を撫でて町長が訝し気にこちらを見る。蝦蟇のような顔を脂汗が滴っていく。
「私達が狼型歪虚を討伐したところには、明らかに人の手が加えられた何かがありました……もしかしたら、あれが他にあるかもしれないんです」
狭く暗く、じめじめとした閉鎖空間だったあそこは、ユリヤが知っている記憶のあるモノと重なっていて、もしそうなら――想像するだけで恐ろしい事が、この町の近くで起きているかもしれなくて。ユリヤは言葉を選びながらも口を紡いでいく。
「それを調べるとおっしゃる。この町の周囲はほとんどが草原というのにですかな?」
「はい! だからハンターの皆さんに力を借りたいと思います。ただ、それでも人手が足りないかもしれないのです。だから町の人さんにもお手伝いをしていただきたいのです。何かを見たことがないかとか、聞かせてほしいのです」
町長のややおびえたような表情の横で、秘書が不意に何かを耳打ちする。ユリヤはその様子に言い知れぬ違和感を覚えつつも二人を見つめる。
「ほっほっ、それぐらいなら、いかようにでもお聞きくだされ。私はよく分かりませんが……こちらでも少しばかり人をご用意いたしましょう」
ぽんぽんと張りつめた腹を叩いて町長が笑った。
「ありがとうございます! 早速、ハンターさんにご協力をお願いしてきます!」
ユリヤは言うが早いか、勢いよく立ち上がって頭を下げ、その場を後にした。
●狼の謎へ
数日後、ユリヤが集まったハンター達と、一緒にどこを調査するか話し合っていると、町長が二人の男を連れてきた。二人ともどこか怪しい光を帯びた目をしている。
「ユリヤさん、今回、この二人も一緒に連れていくといい。人は多い方がよいのでしょう?」
いつものようにでばった腹をさすりながら町長が笑う。その後ろに着いている二人は、旅人のような衣装をしている。一人は腰に刀を差し、もう一人はナイフを二本、携えている。
「ありがとうございます!」
ユリヤが礼を言うと、町長は人の好さそうな笑みを浮かべて幾度か頷いて立ち去って行った。残された二人の冒険者風の男はそっとユリヤの後ろに回って待機した。
「私は外の調査に行ってきます。お二人も一緒にお願いしますね!」
嬉しそうにユリヤが笑って言う。
「何人かのハンターさんは町人の皆さんにお話を聞いてください。一緒に来てくれた村の人たちも何か気づいたことがあるかもしれません。やや広い荒野になっていたんです。町の人たちが何も気づかなかったはずはないです。どうか、お願いします!!」
ユリヤは言って、勢いよく頭を下げた。
「前の祭りは大成功してしまった。最近は町人たちにも活気が戻ってきているような気もする……どうすればよいのだ!?」
ぶくぶくと太った、町長であるその男――オイゲンは、震える声で秘書に問いかけた。
「落ち着いてください、オイゲン様。たしかに町には活気が戻ってきていますが、大丈夫でございます。あの集団にはこちら側もおりますれば」
張り付いたような不気味な笑みを浮かべる秘書に、内心で怯えながらもつめよる。
「こちら側!? どういうことかね!?」
「ええ、そろそろ良いでしょう。ちょうど来てもらっております」
いうや、秘書が一度、部屋を出る。少しして戻ってくると、その後ろには白髪交じりの壮年男性がいた。
「彼の名はツェザール。ユリヤと同郷の者たちの一人で、村の大人衆のまとめ役でございます」
「お、おお、そうなのか! そういえば見た顔な気もするが……」
「今も彼らは彼らだけでまとまっています。その中心は確かにユリヤでもありますが――何も彼女が長である必要はないでしょう」
その声は、恐ろしく低い。オイゲンは止まらぬ汗に目をやられて思わず目をかきながら、続いた秘書の言葉に思わず唾をのんでいた。
「――気に食わねば、挿げ替えてしまえばよろしいのです。なぁに、狼型歪虚の調査をするのですから。犠牲者とていましょう」
「お、おお! なるほど」
「さて、ツェザール殿あなたもよろしいでしょうか?」
「は、はい」
ツェザールが初めて声を出した。低く重い声だ。ただ、どこか夢想しているようにも思える。
「では、始めましょうか、ちょっとした作戦会議にございます」
糸目の秘書の笑みに促されて、オイゲンは頷いていた。
●赤毛の少女の決意
ユリヤは再び、町長の住まう館を訪れていた。いつもながらやけに豪奢な調度品の数々が揃うその場所で待っていると、やがて町長はいつものように秘書を連れて現れた。
「こんにちは、ユリヤ嬢……何か御用でございますかな?」
肉に潰れた目をカッと見開き、町長が叫ぶ。
「はい、町長さんにお願いがあってきたんです」
「はて、自分の誠意を見せるもなく、更に言い募るおつもりでございますかな?」
ケタケタと、町長が笑う。
「このままでは町が滅びてしまうかもしれないんです!! たしかに、前回は取り逃してしまいました!! でも、だからこそ、あの狼はまだ町の近くにいるかもしれません!! だから!! ……だから、調査隊を派遣させてください」
ユリヤは思わず声を張り上げながらそう言って、いつの間にか乗り出していた身体を再び椅子に戻す。
「調査とは、はて?」
丸々とした腹を撫でて町長が訝し気にこちらを見る。蝦蟇のような顔を脂汗が滴っていく。
「私達が狼型歪虚を討伐したところには、明らかに人の手が加えられた何かがありました……もしかしたら、あれが他にあるかもしれないんです」
狭く暗く、じめじめとした閉鎖空間だったあそこは、ユリヤが知っている記憶のあるモノと重なっていて、もしそうなら――想像するだけで恐ろしい事が、この町の近くで起きているかもしれなくて。ユリヤは言葉を選びながらも口を紡いでいく。
「それを調べるとおっしゃる。この町の周囲はほとんどが草原というのにですかな?」
「はい! だからハンターの皆さんに力を借りたいと思います。ただ、それでも人手が足りないかもしれないのです。だから町の人さんにもお手伝いをしていただきたいのです。何かを見たことがないかとか、聞かせてほしいのです」
町長のややおびえたような表情の横で、秘書が不意に何かを耳打ちする。ユリヤはその様子に言い知れぬ違和感を覚えつつも二人を見つめる。
「ほっほっ、それぐらいなら、いかようにでもお聞きくだされ。私はよく分かりませんが……こちらでも少しばかり人をご用意いたしましょう」
ぽんぽんと張りつめた腹を叩いて町長が笑った。
「ありがとうございます! 早速、ハンターさんにご協力をお願いしてきます!」
ユリヤは言うが早いか、勢いよく立ち上がって頭を下げ、その場を後にした。
●狼の謎へ
数日後、ユリヤが集まったハンター達と、一緒にどこを調査するか話し合っていると、町長が二人の男を連れてきた。二人ともどこか怪しい光を帯びた目をしている。
「ユリヤさん、今回、この二人も一緒に連れていくといい。人は多い方がよいのでしょう?」
いつものようにでばった腹をさすりながら町長が笑う。その後ろに着いている二人は、旅人のような衣装をしている。一人は腰に刀を差し、もう一人はナイフを二本、携えている。
「ありがとうございます!」
ユリヤが礼を言うと、町長は人の好さそうな笑みを浮かべて幾度か頷いて立ち去って行った。残された二人の冒険者風の男はそっとユリヤの後ろに回って待機した。
「私は外の調査に行ってきます。お二人も一緒にお願いしますね!」
嬉しそうにユリヤが笑って言う。
「何人かのハンターさんは町人の皆さんにお話を聞いてください。一緒に来てくれた村の人たちも何か気づいたことがあるかもしれません。やや広い荒野になっていたんです。町の人たちが何も気づかなかったはずはないです。どうか、お願いします!!」
ユリヤは言って、勢いよく頭を下げた。
解説
宜しくお願いします。今回の依頼は調査依頼です。
調査対象は①町の中での調査と②町の外での調査の2つ。
①は町人の人たちからお話を聞いてください。
ただ、町人の皆さんは、どこかあきらめている様子があります。
彼らを元気づける何らかの手段を用いて気分を高揚させる必要があるでしょう。
楽しい行事を開いたりするのがいいかもしれません。
②は町の外での調査になります。
主に前回の依頼で発見された閉鎖空間内の調査です。
もしかすると他の場所も見つけることができるかもしれません。
また、以下PL情報として、②での事情を説明します。
②では冒険者風の男二人がユリヤちゃんを暗殺しようとします。
ただ、このことはPCの皆さんは分かっていません。
ユリヤちゃんに同行者がいない場合、彼女はこの場で死んでしまいます。
同行者がいる場合は、戦闘になるでしょう。相手はハンター10レベル相当の疾影士が二人です。
調査対象は①町の中での調査と②町の外での調査の2つ。
①は町人の人たちからお話を聞いてください。
ただ、町人の皆さんは、どこかあきらめている様子があります。
彼らを元気づける何らかの手段を用いて気分を高揚させる必要があるでしょう。
楽しい行事を開いたりするのがいいかもしれません。
②は町の外での調査になります。
主に前回の依頼で発見された閉鎖空間内の調査です。
もしかすると他の場所も見つけることができるかもしれません。
また、以下PL情報として、②での事情を説明します。
②では冒険者風の男二人がユリヤちゃんを暗殺しようとします。
ただ、このことはPCの皆さんは分かっていません。
ユリヤちゃんに同行者がいない場合、彼女はこの場で死んでしまいます。
同行者がいる場合は、戦闘になるでしょう。相手はハンター10レベル相当の疾影士が二人です。
マスターより
初めまして。こんにちは。
春野紅葉でございます。
初めての形の依頼で、私自身、ドキドキしております。
何が見つかるか、何が起きるか。
皆さんのプレイング、楽しみにしております。
春野紅葉でございます。
初めての形の依頼で、私自身、ドキドキしております。
何が見つかるか、何が起きるか。
皆さんのプレイング、楽しみにしております。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2016/11/01 23:20
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/10/24 21:33:26 |
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相談卓 ディーナ・フェルミ(ka5843) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2016/10/25 06:36:15 |