ゲスト
(ka0000)
【HW】いなかでせんきょ
マスター:KINUTA

このシナリオは4日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- イベント
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
500
- 参加人数
- 現在22人 / 1~25人
- 報酬
- 無し
- 相談期間
- 7日
- プレイング締切
- 2016/11/01 22:00
- リプレイ完成予定
- 2016/11/14 22:00
オープニング
※このシナリオは夢シナリオです。オープニングは架空のものであり、ゲームの世界観に一切影響を与えません。
小規模惑星、ジェオルジイ。
中央銀河圏内にありながら下手な辺境星団より田舎と揶揄されるこの惑星は現在、過疎化に悩んでいる。
つい先日は上位行政機関であるギャラクシーユニオンから
『このまま人が減り続けるんなら、独立行星区としての資格を取り消そうか? 近隣星団のサイターマに吸収合併された方がいいんでない?』
という提案がなされてしまった。
実のところその提案について、住民の6割は「別にそれでもいいかな」と思っている。吸収合併されたところで何かが劇的に変わるとは思えないからだ。
だが住民の4割は反対の立場である。
特にジェオルジイの議員団、並びにその長であるマリー知事は、軒並み合併に関して強硬な反対派だ。
「冗談じゃないわよ! 何が悲しくてサイターマ星団なんかに吸収合併されなきゃならないのよ!」
ジェオルジイは田舎でありながら『中央銀河民』意識が強く、周辺星団民に対する優越感情の激しい土地柄だ。
しかし、彼らが星団への吸収合併を拒むのは、そんな感情面からだけの話ではない。
現実的な危機感があるからだ。以下のような。
「吸収合併なんてされた日には私、職を失うじゃない!」
募る苛立ちからビリビリに新聞を破くマリー。
第一秘書の八橋杏子が茶を運んできた。
「背任のかどで告訴されるほうが先では?」
「……言っておくけど私が沈んだらあんたも沈むんだからね。一人だけ逃げようたってそうはさせないわよ」
「……不祥事の責任は第一義的に最高責任者が負うと思いますけど?」
目と目で牽制しあう第一秘書と政治家。
そこにノックの音。
「失礼すんで」
入ってきたのは猫人、第二秘書のスペット。手には書類の束。
「コボルド住民代表コボちゃんからな、コボルド専用の図書館を作ってほしいて嘆願来てんで。自分ら住民表ないから、公共図書館の貸し出しが出来へんからて」
「却下」
「ええんか即答して」
「いいに決まってるでしょう。大体なんなのあいつら。何の権利があって嘆願なんかしてくるわけ? この星へ勝手に来て勝手に住みついてるだけのくせに。何かしてほしいなら税を払いなさいよ税! 金! キャッシュ! 現生!」
本音を包み隠そうともせずばんばん執務机を叩くマリー。
引き気味のスペット。
「銭ゲバ丸出しやなお前……ほんならあいつらを正式な市民にすればええやん。ほしたら住民税徴収出来るで」
「冗談止めてよ。数の多いコボルドが選挙権持ったら、次の選挙で私どうなると思う?」
その質問に第一秘書と第二秘書は声をハモらせた。
「「落ちる」」
「どっちか一人は否定しなさいよ!」
「やってお前あいつらに対して、ほんまに態度悪いもんな」
「この間はシートに毛がつくから公共機関の乗り物を使うなとか何とかやらかして、ものすごい顰蹙買ったわよね」
「……あれはオフレコ発言だからいいのよ」
「……週刊誌にリークされてたわよ……」
急に入り込んできたぼそぼそ声は、壁と棚の隙間に挟まっている白ワンピースの女から発せられたもの。
彼女こそは宇宙的高次元生命体、マゴイ。
隙間に挟まる以外特に何もしない存在なので、『庁舎に住み着いた妖怪』程度に認識されている。
「リークする方が悪い! 大体私の意見に賛同する市民だって少なくは……」
と言いかけてマリーは、第三秘書のジュアンがいつもの席にいないことに気が付いた。
「ちょっと、ジュアンは?」
「あー、なんか風邪ひいたらしいで」
「ここのところ働きづめだったしね」
その時である、血相を変えたブルーチャー議員が、執務室に駆け込んできたのは。
「ち、知事、偉いことになってるぞ!」
「何なの、いきなり」
「テレビをつけてみろ、テレビを!」
執務室の壁に埋め込まれている大型スクリーンが起動された。
そこに映し出されたのは、第三秘書ジュアン。
そして、インタビュアーであるアレックス。
アレックス:『では、星庁の乱脈会計は相当以前から続いていたと?』
ジュアン:『ええ、公共工事の水増しあり、星外視察慰安旅行あり、白紙領収書ありで、僕も正直前々からやり過ぎだとは思っていたんです……』
マリーはわなわな身を震わせ、手にしていたリモコンを、スクリーンに投げ付けた。
「あの野郎裏切りやがったわね!!」
●
ジェオルジイ星庁職員であるカチャは、見渡す限りの花畑を歩いていた。
ここはベムブル農園(株)が運営する、農場の一部。
「こんにちはー」
「わし!」
「わし!」
そこここでコボルドが花を摘み、トロッコに乗せている。
トイプードルそっくりな姿形をした彼らは、最初星の基幹産業である農業の季節労働者としてやってきて、いつの間にか住み着くようになった。
それを歓迎する人もいれば煙たく思う人もいるが、とりあえずカチャは歓迎したい方の立場である。
何しろこの星、過疎化の一途を辿っているのだ。3日歩いて誰にも会わない(会えない)地域もざら。
後継者不足から放棄され森に返ろうとしている農地だって多い。
それならコボルドがわらわらしてくれているほうが、いいのではなかろうか。見た目にもかわいいし。
そんなことを思いながら歩いて行くと、コボルドに交じってせっせと花摘みに勤しむ会社社長、ベムブルの姿を見つけた。
「ベムブルさーん!」
「おや、カチャさん」
ベムブルは前掛けで手をふき、立ち上がる。
「どうしたんだい?」
「はい。この間の『コボルドに農園の一部を譲りたい』というお話についてなんですが……上に確認を取りましたところ、やはり難しいそうです。彼らには市民権がありませんので」
「そうかい。残念だねえ。僕ももう年だから、農園の規模を縮小したいと思ってたんだけど……」
残念そうなベムブルの姿に、カチャは、ちくりと胸の痛む思いをする。
携帯が鳴った。「ぴょこたれうさぎぴょこ音頭」のメロディー……上司からだ。
「はい、カチャですが何……え? 今、緊急特別議会が召集されて? 大荒れ? 知事が解散を口走ったって――マジですか!?」
突発的事態が起きたようだ。
政治の世界は一寸先が闇である。
小規模惑星、ジェオルジイ。
中央銀河圏内にありながら下手な辺境星団より田舎と揶揄されるこの惑星は現在、過疎化に悩んでいる。
つい先日は上位行政機関であるギャラクシーユニオンから
『このまま人が減り続けるんなら、独立行星区としての資格を取り消そうか? 近隣星団のサイターマに吸収合併された方がいいんでない?』
という提案がなされてしまった。
実のところその提案について、住民の6割は「別にそれでもいいかな」と思っている。吸収合併されたところで何かが劇的に変わるとは思えないからだ。
だが住民の4割は反対の立場である。
特にジェオルジイの議員団、並びにその長であるマリー知事は、軒並み合併に関して強硬な反対派だ。
「冗談じゃないわよ! 何が悲しくてサイターマ星団なんかに吸収合併されなきゃならないのよ!」
ジェオルジイは田舎でありながら『中央銀河民』意識が強く、周辺星団民に対する優越感情の激しい土地柄だ。
しかし、彼らが星団への吸収合併を拒むのは、そんな感情面からだけの話ではない。
現実的な危機感があるからだ。以下のような。
「吸収合併なんてされた日には私、職を失うじゃない!」
募る苛立ちからビリビリに新聞を破くマリー。
第一秘書の八橋杏子が茶を運んできた。
「背任のかどで告訴されるほうが先では?」
「……言っておくけど私が沈んだらあんたも沈むんだからね。一人だけ逃げようたってそうはさせないわよ」
「……不祥事の責任は第一義的に最高責任者が負うと思いますけど?」
目と目で牽制しあう第一秘書と政治家。
そこにノックの音。
「失礼すんで」
入ってきたのは猫人、第二秘書のスペット。手には書類の束。
「コボルド住民代表コボちゃんからな、コボルド専用の図書館を作ってほしいて嘆願来てんで。自分ら住民表ないから、公共図書館の貸し出しが出来へんからて」
「却下」
「ええんか即答して」
「いいに決まってるでしょう。大体なんなのあいつら。何の権利があって嘆願なんかしてくるわけ? この星へ勝手に来て勝手に住みついてるだけのくせに。何かしてほしいなら税を払いなさいよ税! 金! キャッシュ! 現生!」
本音を包み隠そうともせずばんばん執務机を叩くマリー。
引き気味のスペット。
「銭ゲバ丸出しやなお前……ほんならあいつらを正式な市民にすればええやん。ほしたら住民税徴収出来るで」
「冗談止めてよ。数の多いコボルドが選挙権持ったら、次の選挙で私どうなると思う?」
その質問に第一秘書と第二秘書は声をハモらせた。
「「落ちる」」
「どっちか一人は否定しなさいよ!」
「やってお前あいつらに対して、ほんまに態度悪いもんな」
「この間はシートに毛がつくから公共機関の乗り物を使うなとか何とかやらかして、ものすごい顰蹙買ったわよね」
「……あれはオフレコ発言だからいいのよ」
「……週刊誌にリークされてたわよ……」
急に入り込んできたぼそぼそ声は、壁と棚の隙間に挟まっている白ワンピースの女から発せられたもの。
彼女こそは宇宙的高次元生命体、マゴイ。
隙間に挟まる以外特に何もしない存在なので、『庁舎に住み着いた妖怪』程度に認識されている。
「リークする方が悪い! 大体私の意見に賛同する市民だって少なくは……」
と言いかけてマリーは、第三秘書のジュアンがいつもの席にいないことに気が付いた。
「ちょっと、ジュアンは?」
「あー、なんか風邪ひいたらしいで」
「ここのところ働きづめだったしね」
その時である、血相を変えたブルーチャー議員が、執務室に駆け込んできたのは。
「ち、知事、偉いことになってるぞ!」
「何なの、いきなり」
「テレビをつけてみろ、テレビを!」
執務室の壁に埋め込まれている大型スクリーンが起動された。
そこに映し出されたのは、第三秘書ジュアン。
そして、インタビュアーであるアレックス。
アレックス:『では、星庁の乱脈会計は相当以前から続いていたと?』
ジュアン:『ええ、公共工事の水増しあり、星外視察慰安旅行あり、白紙領収書ありで、僕も正直前々からやり過ぎだとは思っていたんです……』
マリーはわなわな身を震わせ、手にしていたリモコンを、スクリーンに投げ付けた。
「あの野郎裏切りやがったわね!!」
●
ジェオルジイ星庁職員であるカチャは、見渡す限りの花畑を歩いていた。
ここはベムブル農園(株)が運営する、農場の一部。
「こんにちはー」
「わし!」
「わし!」
そこここでコボルドが花を摘み、トロッコに乗せている。
トイプードルそっくりな姿形をした彼らは、最初星の基幹産業である農業の季節労働者としてやってきて、いつの間にか住み着くようになった。
それを歓迎する人もいれば煙たく思う人もいるが、とりあえずカチャは歓迎したい方の立場である。
何しろこの星、過疎化の一途を辿っているのだ。3日歩いて誰にも会わない(会えない)地域もざら。
後継者不足から放棄され森に返ろうとしている農地だって多い。
それならコボルドがわらわらしてくれているほうが、いいのではなかろうか。見た目にもかわいいし。
そんなことを思いながら歩いて行くと、コボルドに交じってせっせと花摘みに勤しむ会社社長、ベムブルの姿を見つけた。
「ベムブルさーん!」
「おや、カチャさん」
ベムブルは前掛けで手をふき、立ち上がる。
「どうしたんだい?」
「はい。この間の『コボルドに農園の一部を譲りたい』というお話についてなんですが……上に確認を取りましたところ、やはり難しいそうです。彼らには市民権がありませんので」
「そうかい。残念だねえ。僕ももう年だから、農園の規模を縮小したいと思ってたんだけど……」
残念そうなベムブルの姿に、カチャは、ちくりと胸の痛む思いをする。
携帯が鳴った。「ぴょこたれうさぎぴょこ音頭」のメロディー……上司からだ。
「はい、カチャですが何……え? 今、緊急特別議会が召集されて? 大荒れ? 知事が解散を口走ったって――マジですか!?」
突発的事態が起きたようだ。
政治の世界は一寸先が闇である。
解説
補足説明。
これは遠い星で好きにごちゃごちゃするシナリオです。
星庁に深入りし混乱を深めるもよし。
コボルドの権利を擁護するもよし。
単に日常を楽しむもよし。
PCにどんな肩書きをつけようと、どんな設定を盛ろうと、それは自由というものです。
マリーは果たして政界で生き残れるのでしょうか。
※このお話はフィクションです。サイターマは埼玉と何の関係もありません。ご了承ください。
これは遠い星で好きにごちゃごちゃするシナリオです。
星庁に深入りし混乱を深めるもよし。
コボルドの権利を擁護するもよし。
単に日常を楽しむもよし。
PCにどんな肩書きをつけようと、どんな設定を盛ろうと、それは自由というものです。
マリーは果たして政界で生き残れるのでしょうか。
※このお話はフィクションです。サイターマは埼玉と何の関係もありません。ご了承ください。
マスターより
KINUTAです。
IFもこれで三回目。
今回は人死にが出そうもありません。
舞台は広く、やることはちっちゃく。そんなSF。
IFもこれで三回目。
今回は人死にが出そうもありません。
舞台は広く、やることはちっちゃく。そんなSF。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2016/11/10 01:18
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/11/01 19:17:48 |
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この ろくでもない ほしで 万歳丸(ka5665) 鬼|17才|男性|格闘士(マスターアームズ) |
最終発言 2016/11/01 19:19:08 |