ゲスト
(ka0000)
【剣機】美しき学びの園を守るため
マスター:旅硝子

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 4日
- プレイング締切
- 2014/09/28 22:00
- リプレイ完成予定
- 2014/10/07 22:00
オープニング
その学園の少女達は、『ごきげんよう』と挨拶する。
スカートを軽く持ち上げ、嬉しげな笑みを浮かべ、ごきげんようと友に礼をする。
――帝国内ではやや珍しい、エクラ教の教会。小高い丘の上に建つ大き目の教会は、全寮制の女子学園を備えていた。
富裕な商人や旧貴族が行儀見習いを兼ねて娘を通わせることもあれば、近くの孤児院から入学した少女達もいる。王国回帰派の思惑を抱えた親も中にはいただろうが、少女達はそんな思惑にはあまり頓着せず、他愛ないお喋りに、話の上手な神官が教えてくれる授業、交代で行う炊事や洗濯に掃除、近隣の町や村での慈善事業――そしてちょっとした人間関係の波乱、けれどお茶とお菓子で仲直り、みんなで真夜中のパーティ、それが見つかってみんなで反省文。そんな穏やかな日常を過ごしていたのだ。
ラーエルは、近くの町の普通の商家から、この学園に入学した少女であった。少し内気で誰とでも仲良くなれるとは言い難いけれど、誰にでも礼儀正しくでき、読書と執筆を好み、真夜中のパーティでははにかみながらちょっとしたお話を聞かせて皆を沸かせることもある。そして、この学園で唯一の覚醒者であった。
いつかはハンターか帝国兵か、それともエクラ教の神官となるか――けれど、それはまだ。
戦いに赴くのは、まだ。
この学園を卒業してから……ここにいる間は、平和な少女時代を楽しみたい、楽しませたい――それが、彼女の、親の、教師を務める神官達の想いであった。
はずだった。
深夜の教会。今日は真夜中のパーティもなく、いつも通り就寝した静かな寮を、揺るがしたのは轟音だった。
雷のような音、何か大きなものが丘を転がる音。ばたん、ばたんと何かが開くような音。様子を見に行った神官は、蒼い顔で飛ぶように戻ってきた。
「わ、わ、わ、歪虚ですっ……! 大きな、大きな歪虚が……暴食の眷属が!」
突然の事件に慌てて飛び起き、顔を青ざめさせる少女達。動揺が混乱に、そして恐慌に陥りかけた時、一つの声がそれを遮った。
大きくはない声だった。少し震えてもいた。けれど、努めて冷静であろうとしていた。
「数は、1体でしたか?」
「え、ええ……1体、でした……」
僅かに震える唇を引き締め、こくん、と声の主――ラーエルは、頷いた。
「誰か、足の速い方……町のハンターズソサエティ支部に、お知らせしてきてください。私が」
息を吐く。
吸う。
もう一度ぎゅっと唇を引き締めて、ラーエルは拳を握りしめて口を開く。
「私が、足止めします」
「ラーエル!?」
悲鳴のような声が、あちこちから上がる。死んじゃう、だめ、と袖に縋り付く少女達に、ラーエルは青ざめた頬で笑ってみせた。
「もちろん、私に倒せやしないけど……何とか、何とかハンターの方が助けに来て下さるまで……守って、みせます」
少女達にも、神官達にも、ラーエルを止めることはできない。――止める力は、ない。
ラーエル以外に、歪虚に対する力を少しでも持つ者はいないのだから。
「……わたくしが行きますわ」
1人の少女がさっと手を挙げる。旧貴族の家に生まれた、乗馬を得意とする活発な少女だ。ラーエルは彼女の強い視線を苦手に思い、彼女はラーエルを大人しすぎるように思って、あまり話すこともなかったけれど。
「わたくしが馬に乗れば、すぐに町まで飛んで行けますもの」
「お願いします!」
「……お願いするのは私の方ですわ。……ご無事で」
少女達の視線が、絡み合い、頷き合う。
「では、私達はハンターの皆様がお怪我をされた時のために、お湯を沸かし包帯を用意いたしましょう。ああ、薬草の準備も」
年かさの神官のかけた声によって、幾分落ち着いた様子で他の少女達も動き出す。作業に入る前に、ラーエルと助けを呼びに行く少女に声を掛けて。
「どうか、気を付けてね」
「夜道は暗いから、お気をつけて」
「ラーエルさん、待っておりますからね」
「お二方とも、どうか……ご無事で……!」
数分の後、革鎧に身を包み弓を掴んだ少女と、黒い衣服で黒馬に跨った少女が、反対方向へと駆け出す。
蹄の音が遠ざかる中、弓が引き絞られ、矢が向かう先には――2m半を超そうという巨体を鋼板に覆い、両腕を鎖付き鉄球へと改造されたゾンビの姿が迫る――!
スカートを軽く持ち上げ、嬉しげな笑みを浮かべ、ごきげんようと友に礼をする。
――帝国内ではやや珍しい、エクラ教の教会。小高い丘の上に建つ大き目の教会は、全寮制の女子学園を備えていた。
富裕な商人や旧貴族が行儀見習いを兼ねて娘を通わせることもあれば、近くの孤児院から入学した少女達もいる。王国回帰派の思惑を抱えた親も中にはいただろうが、少女達はそんな思惑にはあまり頓着せず、他愛ないお喋りに、話の上手な神官が教えてくれる授業、交代で行う炊事や洗濯に掃除、近隣の町や村での慈善事業――そしてちょっとした人間関係の波乱、けれどお茶とお菓子で仲直り、みんなで真夜中のパーティ、それが見つかってみんなで反省文。そんな穏やかな日常を過ごしていたのだ。
ラーエルは、近くの町の普通の商家から、この学園に入学した少女であった。少し内気で誰とでも仲良くなれるとは言い難いけれど、誰にでも礼儀正しくでき、読書と執筆を好み、真夜中のパーティでははにかみながらちょっとしたお話を聞かせて皆を沸かせることもある。そして、この学園で唯一の覚醒者であった。
いつかはハンターか帝国兵か、それともエクラ教の神官となるか――けれど、それはまだ。
戦いに赴くのは、まだ。
この学園を卒業してから……ここにいる間は、平和な少女時代を楽しみたい、楽しませたい――それが、彼女の、親の、教師を務める神官達の想いであった。
はずだった。
深夜の教会。今日は真夜中のパーティもなく、いつも通り就寝した静かな寮を、揺るがしたのは轟音だった。
雷のような音、何か大きなものが丘を転がる音。ばたん、ばたんと何かが開くような音。様子を見に行った神官は、蒼い顔で飛ぶように戻ってきた。
「わ、わ、わ、歪虚ですっ……! 大きな、大きな歪虚が……暴食の眷属が!」
突然の事件に慌てて飛び起き、顔を青ざめさせる少女達。動揺が混乱に、そして恐慌に陥りかけた時、一つの声がそれを遮った。
大きくはない声だった。少し震えてもいた。けれど、努めて冷静であろうとしていた。
「数は、1体でしたか?」
「え、ええ……1体、でした……」
僅かに震える唇を引き締め、こくん、と声の主――ラーエルは、頷いた。
「誰か、足の速い方……町のハンターズソサエティ支部に、お知らせしてきてください。私が」
息を吐く。
吸う。
もう一度ぎゅっと唇を引き締めて、ラーエルは拳を握りしめて口を開く。
「私が、足止めします」
「ラーエル!?」
悲鳴のような声が、あちこちから上がる。死んじゃう、だめ、と袖に縋り付く少女達に、ラーエルは青ざめた頬で笑ってみせた。
「もちろん、私に倒せやしないけど……何とか、何とかハンターの方が助けに来て下さるまで……守って、みせます」
少女達にも、神官達にも、ラーエルを止めることはできない。――止める力は、ない。
ラーエル以外に、歪虚に対する力を少しでも持つ者はいないのだから。
「……わたくしが行きますわ」
1人の少女がさっと手を挙げる。旧貴族の家に生まれた、乗馬を得意とする活発な少女だ。ラーエルは彼女の強い視線を苦手に思い、彼女はラーエルを大人しすぎるように思って、あまり話すこともなかったけれど。
「わたくしが馬に乗れば、すぐに町まで飛んで行けますもの」
「お願いします!」
「……お願いするのは私の方ですわ。……ご無事で」
少女達の視線が、絡み合い、頷き合う。
「では、私達はハンターの皆様がお怪我をされた時のために、お湯を沸かし包帯を用意いたしましょう。ああ、薬草の準備も」
年かさの神官のかけた声によって、幾分落ち着いた様子で他の少女達も動き出す。作業に入る前に、ラーエルと助けを呼びに行く少女に声を掛けて。
「どうか、気を付けてね」
「夜道は暗いから、お気をつけて」
「ラーエルさん、待っておりますからね」
「お二方とも、どうか……ご無事で……!」
数分の後、革鎧に身を包み弓を掴んだ少女と、黒い衣服で黒馬に跨った少女が、反対方向へと駆け出す。
蹄の音が遠ざかる中、弓が引き絞られ、矢が向かう先には――2m半を超そうという巨体を鋼板に覆い、両腕を鎖付き鉄球へと改造されたゾンビの姿が迫る――!
解説
●目的
歪虚の退治
少女ラーエルの救出
●歪虚について
2.5m程度の身長の、両腕の途中から鎖付き鉄球になったゾンビ。
鋼板で顔と腕を除く全身を鎧のように覆われている。それゆえに動きは遅い。
鎖付き鉄球は2スクエア先まで届き、頭部に当たると強度1の行動阻害を与える。
●ラーエルについて
14歳女性。聖導士。
弓は少しだけ狩猟を行ったことがある程度。ろくな戦闘経験はない。
歪虚に対しては、弓を撃って気を引いては逃げる事で対応しているが、戦い自体に慣れておらず間合いを上手く測れないようで、ある程度ダメージを受けている。
戦闘開始から30分は保たないだろう。
●地形などについて
ゆるやかな傾斜の丘であり、
灯りとなるものは、ラーエルが腰に付けたランタン以外に何もない。
ハンターズソサエティからは、覚醒者が走って10分程度で到着することができる。
歪虚の退治
少女ラーエルの救出
●歪虚について
2.5m程度の身長の、両腕の途中から鎖付き鉄球になったゾンビ。
鋼板で顔と腕を除く全身を鎧のように覆われている。それゆえに動きは遅い。
鎖付き鉄球は2スクエア先まで届き、頭部に当たると強度1の行動阻害を与える。
●ラーエルについて
14歳女性。聖導士。
弓は少しだけ狩猟を行ったことがある程度。ろくな戦闘経験はない。
歪虚に対しては、弓を撃って気を引いては逃げる事で対応しているが、戦い自体に慣れておらず間合いを上手く測れないようで、ある程度ダメージを受けている。
戦闘開始から30分は保たないだろう。
●地形などについて
ゆるやかな傾斜の丘であり、
灯りとなるものは、ラーエルが腰に付けたランタン以外に何もない。
ハンターズソサエティからは、覚醒者が走って10分程度で到着することができる。
マスターより
こんにちは。旅硝子です。
なんかリリカルで少女趣味でほわほわしたいけど帝国今大変だから、可愛い女の子の初級覚醒者が頑張る話になりました。
頑張っています。
とても頑張っています。
どうか、よろしくお願いいたします!
なんかリリカルで少女趣味でほわほわしたいけど帝国今大変だから、可愛い女の子の初級覚醒者が頑張る話になりました。
頑張っています。
とても頑張っています。
どうか、よろしくお願いいたします!
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2014/10/06 22:26
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 コルネ(ka0207) エルフ|23才|女性|霊闘士(ベルセルク) |
最終発言 2014/09/28 20:54:30 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2014/09/25 17:37:24 |