ゲスト
(ka0000)
往来の足を止めるモノ
マスター:村井朋靖

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2014/06/16 15:00
- リプレイ完成予定
- 2014/06/25 15:00
オープニング
●突然の来訪者
蒸気工場都市フマーレ。
ここで作られる製品は同盟内のみならず、他国へも輸出される。食器や農具など、フマーレで作られる商品は数知れず。大きな工場でいろんなものを作るところもあれば、気難しい職人が何十年も包丁だけ作り続けているという小さな工房もあるのだ。
一日中ずっと稼動する工場もあるので、ある意味で「眠らない都市」とも言えるが、基本的に朝と夕方は人通りが多くなる傾向にある。この都市を支える労働者は、海沿いに建つ工場区域と家が立ち並ぶ住宅区域を行き来する。その間に広がるのが商業地域で、商人たちはこの時間を狙って商売をしている。
この都市の日常は、ごく当たり前のように過ぎていく。人の往来は北から南へ、そして南から北へ。日は東から西へ、月も東から西へ。
そんなある日の早朝のこと。
商業区域の川に架かる1本の橋に、珍客が我が物顔で寝そべっていた。
体長は1メートル半、体重は不明。ゴツゴツした肌は岩のようだが、開いた口はとても大きく、非常に獰猛な印象を受ける。ただ目はつぶらで小さく、短い手足を使って橋を歩くが、基本的には動かない。
「なんだ、アイツ? 幻獣か?」
この橋の横幅は7メートルほどあるので、端を歩けばスルーできそうだ。作業着姿の男は音を殺して歩き出す。
しかし次の瞬間、謎の幻獣は大きな口を開いて威嚇した!
「ガアァァーーー!」
朝日とよだれで輝く無数の牙は、相手を威圧するには十分すぎた。
「ひ、ひぃぃーーーっ!」
これを見た男は腰を抜かし、慌てて来た道を戻る。その悲鳴で、周囲の目も覚めた。
「なんだ、あの幻獣は……」
誰が何と言おうと、幻獣はどこ吹く風。またお決まりのポジションに戻り、何事もなかったかのようにくつろぎ始める。
こうも堂々と居着かれると困ったもので、人々は「仕方ねぇや」と諦め、この日ばかりは道を迂回して工場や家へと向かった。
●噂話が集まるティーパーティー
この奇妙な出来事は、瞬く間に都市を駆け巡る。
工場で顔を合わせる上司や同僚、家族や恋人との話のネタとなり、ついには優雅なティーパーティーでも紹介された。
このお茶会を主催するのは、フマーレの雇用者側を代表する貴婦人のサンドラ・ボナッタ。蒸気工場都市フマーレを代表する立場であり、自由都市評議会の評議会員のひとりでもある。
「まぁ、白い幻獣ですって?」
サンドラは奥様方にお茶とお菓子を振る舞いながら、その噂話に耳を傾ける。
「それは、とても危険な存在ではありませんの?」
彼女の心配は、都市の誰かが怪我をしていないかに及ぶが、そういった噂は今のところ出ていない。
「今は橋の両側を同盟陸軍が封鎖して、幻獣の様子を伺ってますのよ」
お喋り好きな奥様はそう言うと、どこで情報を仕入れたのか、噂の幻獣について細かく話し始めた。
幻獣はこちらから近づかない限り、誰も襲おうとはしないが、そこから動く気もないようだ。日が昇れば橋の中腹に寝そべり、日が沈むと橋から下りて水の中へ。これを毎日繰り返す。
気になるお食事は、夜に川魚を食べているようだが、急に空腹でイライラして暴れられても困るので、日中は陸軍が定期的に果物や肉を橋に投げ入れている。この時ばかりは幻獣も動き、ご丁寧に残さず餌を平らげるそうだ。
陸軍も処理はしたいが、ここの川べりは急な角度になっているので危険。しかも川に入ろうにも水位が高く、そこそこの川幅もある。じゃあ小船を出せばいいと思うかもしれないが、相手は水陸両用で大きな口を持つ幻獣。船底でも喰われたらおしまいだ。
「陸軍もただ眺めてるだけじゃなくて、さっさと追い返してくれればいいのに……」
奥様は最後に陸軍へのイヤミを言いつつ、その話をまとめた。
すると、別の奥様が「幻獣をフマーレ名物にするつもりかしら」と率直な感想を述べると、先ほどの奥様が「そう簡単な問題でもないのよ」と答える。
「皆があそこ通れないのわかってるから、あの辺の商店に人が寄り付かなくなってるらしいわ」
これにはサンドラも「なるほど」と納得したが、同時に「これは捨て置けない」とも思った。
「それはいけませんわね。早急に何とかいたしませんと……」
この会合が終わってすぐ、貴婦人はハンターズソサエティに連絡を入れ、謎の幻獣を排除するように願い出た。
●奇妙な注文
後日、サンドラはお茶会を催す広間にハンターを迎え、「今回はよろしくお願いします」と挨拶する。
ここで彼女は、ある注文をつけた。それは「幻獣の正体がわからないのは危険なので、武力行使は最終手段。できるだけ穏便に済ませてほしい」という内容である。
「皆様にお怪我があるといけませんので。なお、陸軍の方に大きな檻を用意していただきました」
幻獣を捕える檻は、陸軍がハンターの指示する場所に設置する手はずとなっている。ここに閉じ込めさえすれば、今回は任務完了だ。また餌や道具などは、周辺の商店が提供してくれることになっている。
「作戦の決行は、昼にお願いしますわ。川に戻る夕方までになんとかしてくださいね」
サンドラは明るい笑顔を皆に振り撒き、心の中で作戦の成功を祈った。
蒸気工場都市フマーレ。
ここで作られる製品は同盟内のみならず、他国へも輸出される。食器や農具など、フマーレで作られる商品は数知れず。大きな工場でいろんなものを作るところもあれば、気難しい職人が何十年も包丁だけ作り続けているという小さな工房もあるのだ。
一日中ずっと稼動する工場もあるので、ある意味で「眠らない都市」とも言えるが、基本的に朝と夕方は人通りが多くなる傾向にある。この都市を支える労働者は、海沿いに建つ工場区域と家が立ち並ぶ住宅区域を行き来する。その間に広がるのが商業地域で、商人たちはこの時間を狙って商売をしている。
この都市の日常は、ごく当たり前のように過ぎていく。人の往来は北から南へ、そして南から北へ。日は東から西へ、月も東から西へ。
そんなある日の早朝のこと。
商業区域の川に架かる1本の橋に、珍客が我が物顔で寝そべっていた。
体長は1メートル半、体重は不明。ゴツゴツした肌は岩のようだが、開いた口はとても大きく、非常に獰猛な印象を受ける。ただ目はつぶらで小さく、短い手足を使って橋を歩くが、基本的には動かない。
「なんだ、アイツ? 幻獣か?」
この橋の横幅は7メートルほどあるので、端を歩けばスルーできそうだ。作業着姿の男は音を殺して歩き出す。
しかし次の瞬間、謎の幻獣は大きな口を開いて威嚇した!
「ガアァァーーー!」
朝日とよだれで輝く無数の牙は、相手を威圧するには十分すぎた。
「ひ、ひぃぃーーーっ!」
これを見た男は腰を抜かし、慌てて来た道を戻る。その悲鳴で、周囲の目も覚めた。
「なんだ、あの幻獣は……」
誰が何と言おうと、幻獣はどこ吹く風。またお決まりのポジションに戻り、何事もなかったかのようにくつろぎ始める。
こうも堂々と居着かれると困ったもので、人々は「仕方ねぇや」と諦め、この日ばかりは道を迂回して工場や家へと向かった。
●噂話が集まるティーパーティー
この奇妙な出来事は、瞬く間に都市を駆け巡る。
工場で顔を合わせる上司や同僚、家族や恋人との話のネタとなり、ついには優雅なティーパーティーでも紹介された。
このお茶会を主催するのは、フマーレの雇用者側を代表する貴婦人のサンドラ・ボナッタ。蒸気工場都市フマーレを代表する立場であり、自由都市評議会の評議会員のひとりでもある。
「まぁ、白い幻獣ですって?」
サンドラは奥様方にお茶とお菓子を振る舞いながら、その噂話に耳を傾ける。
「それは、とても危険な存在ではありませんの?」
彼女の心配は、都市の誰かが怪我をしていないかに及ぶが、そういった噂は今のところ出ていない。
「今は橋の両側を同盟陸軍が封鎖して、幻獣の様子を伺ってますのよ」
お喋り好きな奥様はそう言うと、どこで情報を仕入れたのか、噂の幻獣について細かく話し始めた。
幻獣はこちらから近づかない限り、誰も襲おうとはしないが、そこから動く気もないようだ。日が昇れば橋の中腹に寝そべり、日が沈むと橋から下りて水の中へ。これを毎日繰り返す。
気になるお食事は、夜に川魚を食べているようだが、急に空腹でイライラして暴れられても困るので、日中は陸軍が定期的に果物や肉を橋に投げ入れている。この時ばかりは幻獣も動き、ご丁寧に残さず餌を平らげるそうだ。
陸軍も処理はしたいが、ここの川べりは急な角度になっているので危険。しかも川に入ろうにも水位が高く、そこそこの川幅もある。じゃあ小船を出せばいいと思うかもしれないが、相手は水陸両用で大きな口を持つ幻獣。船底でも喰われたらおしまいだ。
「陸軍もただ眺めてるだけじゃなくて、さっさと追い返してくれればいいのに……」
奥様は最後に陸軍へのイヤミを言いつつ、その話をまとめた。
すると、別の奥様が「幻獣をフマーレ名物にするつもりかしら」と率直な感想を述べると、先ほどの奥様が「そう簡単な問題でもないのよ」と答える。
「皆があそこ通れないのわかってるから、あの辺の商店に人が寄り付かなくなってるらしいわ」
これにはサンドラも「なるほど」と納得したが、同時に「これは捨て置けない」とも思った。
「それはいけませんわね。早急に何とかいたしませんと……」
この会合が終わってすぐ、貴婦人はハンターズソサエティに連絡を入れ、謎の幻獣を排除するように願い出た。
●奇妙な注文
後日、サンドラはお茶会を催す広間にハンターを迎え、「今回はよろしくお願いします」と挨拶する。
ここで彼女は、ある注文をつけた。それは「幻獣の正体がわからないのは危険なので、武力行使は最終手段。できるだけ穏便に済ませてほしい」という内容である。
「皆様にお怪我があるといけませんので。なお、陸軍の方に大きな檻を用意していただきました」
幻獣を捕える檻は、陸軍がハンターの指示する場所に設置する手はずとなっている。ここに閉じ込めさえすれば、今回は任務完了だ。また餌や道具などは、周辺の商店が提供してくれることになっている。
「作戦の決行は、昼にお願いしますわ。川に戻る夕方までになんとかしてくださいね」
サンドラは明るい笑顔を皆に振り撒き、心の中で作戦の成功を祈った。
解説
●依頼の目的
謎の幻獣「白いワニ」を排除すること。
なお、依頼主のサンドラは「穏便に済ませてほしい」との条件をつけています。
できるだけ希望に沿う形での事件解決を目指して、がんばってください。
●幻獣について
リアルブルー人なら、一目で「ワニ」とわかります。さすがに白いのは珍しいです。
ただ、クリムゾンウェストでは見かけない動物なので、幻獣扱いになっています。
見た目も行動も、ほぼ「白いワニ」という認識をしていただいて問題ありません。
●その他の補足
・幻獣が食べそうな餌は、近くの商店が提供してくれます。
ただし、あまりに高価だったり、希少価値のある商品は出してもらえないかもしれません。
今まで食べたものは「鶏肉、魚、貝、ブドウ、洋ナシ」などが確認されています。
・檻への誘導や捕獲に使うアイテムなどは、近くの商店や同盟陸軍に頼めば借りれます。
・皆さんで相談した内容がある程度まとまっていれば、幻獣の捕獲は可能でしょう。
ぜひ積極的に相談して、素敵なアイデアをみんなで形にしてみてください。
・武力行使に踏み切る場合、多少の怪我は覚悟してください。
謎の幻獣「白いワニ」を排除すること。
なお、依頼主のサンドラは「穏便に済ませてほしい」との条件をつけています。
できるだけ希望に沿う形での事件解決を目指して、がんばってください。
●幻獣について
リアルブルー人なら、一目で「ワニ」とわかります。さすがに白いのは珍しいです。
ただ、クリムゾンウェストでは見かけない動物なので、幻獣扱いになっています。
見た目も行動も、ほぼ「白いワニ」という認識をしていただいて問題ありません。
●その他の補足
・幻獣が食べそうな餌は、近くの商店が提供してくれます。
ただし、あまりに高価だったり、希少価値のある商品は出してもらえないかもしれません。
今まで食べたものは「鶏肉、魚、貝、ブドウ、洋ナシ」などが確認されています。
・檻への誘導や捕獲に使うアイテムなどは、近くの商店や同盟陸軍に頼めば借りれます。
・皆さんで相談した内容がある程度まとまっていれば、幻獣の捕獲は可能でしょう。
ぜひ積極的に相談して、素敵なアイデアをみんなで形にしてみてください。
・武力行使に踏み切る場合、多少の怪我は覚悟してください。
マスターより
こんにちは、村井朋靖(むらい・ともやす)です。ようこそ、クリムゾンウェストへ!
今回の依頼は、自由都市同盟の蒸気工場都市「フマーレ」からお届けします。
普段は平和なフマーレに、いきなり厄介な幻獣が出てきたようです。これは大変!
ここはいっちょ、ハンターさんの腕の見せ所です。うまく騒動をまとめてください。
カッコよく決まる、可愛くて微笑む、そして皆が楽しんでるプレイングを待ってます!
プレイングは、PC口調で書いていただけると助かります。今回はよろしくお願いします!
今回の依頼は、自由都市同盟の蒸気工場都市「フマーレ」からお届けします。
普段は平和なフマーレに、いきなり厄介な幻獣が出てきたようです。これは大変!
ここはいっちょ、ハンターさんの腕の見せ所です。うまく騒動をまとめてください。
カッコよく決まる、可愛くて微笑む、そして皆が楽しんでるプレイングを待ってます!
プレイングは、PC口調で書いていただけると助かります。今回はよろしくお願いします!
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2014/06/23 16:57
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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幻獣さん捕獲作戦っ ミィナ・アレグトーリア(ka0317) エルフ|17才|女性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2014/06/16 14:11:49 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2014/06/11 21:16:31 |