ゲスト
(ka0000)
【界冥】八雲分屯基地殲滅作戦
マスター:みみずく

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- ユニット参加人数
- 現在6 / 0~6
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2017/04/12 07:30
- リプレイ完成予定
- 2017/04/26 07:30
オープニング
三沢基地、飛行場内がにわかに騒然とする。スクランブルを告げるサイレンが鳴り響き、対Gスーツに身を包んだ隊員達が、一斉に戦闘機に搭乗していく。耳をつんざくエンジン音の中、スピーカーからは繰り返し、
「各機、爆装せよ。目標、自衛隊八雲分屯基地、繰り返す、目標は、自衛隊八雲分屯基地、全弾投下をもって破壊せよ。これは、訓練ではない。繰り返す。これは、訓練ではない」
発進を待つパイロットの顔色は優れない。八雲はすでに、歪虚とやらに支配されているという。しかし、状況は杳として知れなかった。
上官は言った。
「敵を射程内に収めたら、トリガーを引く。その繰り返しだ。向かってくる奴は全員敵だと思え。たとえそいつがどんな顔であろうとな」
GOサインが出て、次々と飛び立っていく。
雲の見え始めた空を見上げ、整備兵が呟いた。
「味方の基地を、俺たちが墜とすのか」
雨が降りそうな、嫌な雲行きだった。警報は鳴り続ける。残響は、長く尾を引いた。
大型スクリーンに映し出された残骸を見つめながら、30代前半と思われる若い指揮官は淡々と状況を説明した。
「八雲は元々高射隊、つまり対空戦機の装備のみで、あとは三沢のバックアップ用として旧軍時代からの飛行場がある、小さな分屯基地にすぎませんでした。しかし、函館クラスタが形成されたことで状況が変わった。上層部より、津軽海峡を占拠された場合に備え、八雲にも航空隊が配備されることが決定した。いざとなれば三沢と挟み込んでの攻撃もできると考えたわけです」
彼は続ける。
「あの日、三沢より分隊した12機が一斉に八雲を目指し、沿岸を迂回して無事に到着したと報告が入りました。しかし、到着早々急襲され、配備した武器、戦闘機もろともが歪虚の支配下に下った。三沢には緊急発進命令が下り、国の内外を問わず、発進可能な機が次々と飛び立っていきました」
まだ若いはずの彼の横顔はやつれ、髪には年に似合わぬ数の白いものが混じっている。ディスプレイを見つめる瞳からは、もはや何の感情も読み取ることができなかった。
「結局、一機として帰投したものはいなかった」
画面が切り替わり、空に向かって砲を向ける巨大な立方体が現れた。PAC3、パトリオットミサイル。航空機撃墜用の対空ミサイルである。
「何が彼らを殺したと思いますか」
片側、僅かに歪んだ頬は、笑っているように見えた。少しも楽しそうでなく、無理矢理に感情を呼び起こそうとするかのように。
「敵はこれに憑りつき、ミサイルとしてだけでなく、爆撃機に自ら憑依するための飛び道具として使用することを覚えた。ある者は味方機に撃墜され、ある者は憑りつかれて、なすすべもなく自らの機で味方を殺し、そして死んでいった。作戦は、完全な失敗に終わりました」
ズームアウトして、八雲分屯基地全体の図が現れる。
「これは、衛星がとらえた現在の八雲分屯基地周辺の図です。今はもう、宇宙からでしか観測することができなくなった。あなた達にお願いしたいのは、八雲殲滅作戦における地上戦の補佐です」
殲滅、という言葉を口にしたとき、歯をかみ合わせる、がちりという音がした。
「敵の手に渡った兵器は、もはや脅威でしかない。この手で破壊するしかないのです」
基地は比較的海の近くにあり、海側に市街地、基地の背後にはかつてのどかな田園風景が、一面狂気の醸成場のように、不気味な沼を形成している。
「まずは、あなた方に基地内に侵入して頂き、障害となる戦闘機、PS3などを破壊していただく。作戦終了の合図を待って、あとは我々が空から空爆します」
ハンターたちの窓口となるオフィスの職員が、衛星画像に目を凝らして言葉を挟んだ。
「近辺に生存者はいないんですか」
若き指揮官は僅かに視線を逸らして、金属のコンソールに手をかけた。
「分かりません。八雲の航空隊配備に先駆けて、軍は対爆ハンガーを建設中でした。シェルターの建設も同時進行で行われていたが、応答がない。軍は確実性のない生命に関しては、なきものとして行動する。優先事項は敵の殲滅であり、味方の保護ではない」
コンソールに映し出された液晶パネルの上を、指が滑る。真っ二つに折れた戦闘機の残骸、航空写真には写らない、パイロットの顔。
努めて冷静であろうとするように、息を詰めて口を開く。
「行動時間が来たら、こちらは容赦なく殲滅作戦を開始します。救出に向かうゆとりはない」
職員は、彼の経歴を思った。手塚啓司一等空佐。元航空自衛隊三沢基地所属。北海道函館市出身。自衛隊が地球防衛軍に組み込まれた後は、対八雲分屯基地の作戦司令部に転属。
文字通り、火消しの役割を背負わされた、当事者の生き残りである。
「我々が用意した基地への侵入ルートです。基地は内浦湾に接し、背後には元田園地帯がある。だが、今は狂気の醸成場です。足を踏み入れるのは危険だ。よって、侵入は海側からになる。国道を折れ、道道42号線から進行する」
職員がマップを見ながら鋭い視線を向ける。
「シェルターの建設地はどこですか」
手塚は指で緑の地帯を指した。
「この、病院の裏手側……」
指が震えていた。
きつく唇をかみしめ、彼は言った。
「何としてでも、我々は八雲の暴走を止めなければならない。異世界人のあなた方に申し上げるのは筋が違うのかもしれないが、お願いです。我々に力を貸してほしい」
制帽が転がり落ちる。乱れた髪を取り繕うこともなく頭を下げる彼に、言葉をかけるものはいなかった。
「各機、爆装せよ。目標、自衛隊八雲分屯基地、繰り返す、目標は、自衛隊八雲分屯基地、全弾投下をもって破壊せよ。これは、訓練ではない。繰り返す。これは、訓練ではない」
発進を待つパイロットの顔色は優れない。八雲はすでに、歪虚とやらに支配されているという。しかし、状況は杳として知れなかった。
上官は言った。
「敵を射程内に収めたら、トリガーを引く。その繰り返しだ。向かってくる奴は全員敵だと思え。たとえそいつがどんな顔であろうとな」
GOサインが出て、次々と飛び立っていく。
雲の見え始めた空を見上げ、整備兵が呟いた。
「味方の基地を、俺たちが墜とすのか」
雨が降りそうな、嫌な雲行きだった。警報は鳴り続ける。残響は、長く尾を引いた。
大型スクリーンに映し出された残骸を見つめながら、30代前半と思われる若い指揮官は淡々と状況を説明した。
「八雲は元々高射隊、つまり対空戦機の装備のみで、あとは三沢のバックアップ用として旧軍時代からの飛行場がある、小さな分屯基地にすぎませんでした。しかし、函館クラスタが形成されたことで状況が変わった。上層部より、津軽海峡を占拠された場合に備え、八雲にも航空隊が配備されることが決定した。いざとなれば三沢と挟み込んでの攻撃もできると考えたわけです」
彼は続ける。
「あの日、三沢より分隊した12機が一斉に八雲を目指し、沿岸を迂回して無事に到着したと報告が入りました。しかし、到着早々急襲され、配備した武器、戦闘機もろともが歪虚の支配下に下った。三沢には緊急発進命令が下り、国の内外を問わず、発進可能な機が次々と飛び立っていきました」
まだ若いはずの彼の横顔はやつれ、髪には年に似合わぬ数の白いものが混じっている。ディスプレイを見つめる瞳からは、もはや何の感情も読み取ることができなかった。
「結局、一機として帰投したものはいなかった」
画面が切り替わり、空に向かって砲を向ける巨大な立方体が現れた。PAC3、パトリオットミサイル。航空機撃墜用の対空ミサイルである。
「何が彼らを殺したと思いますか」
片側、僅かに歪んだ頬は、笑っているように見えた。少しも楽しそうでなく、無理矢理に感情を呼び起こそうとするかのように。
「敵はこれに憑りつき、ミサイルとしてだけでなく、爆撃機に自ら憑依するための飛び道具として使用することを覚えた。ある者は味方機に撃墜され、ある者は憑りつかれて、なすすべもなく自らの機で味方を殺し、そして死んでいった。作戦は、完全な失敗に終わりました」
ズームアウトして、八雲分屯基地全体の図が現れる。
「これは、衛星がとらえた現在の八雲分屯基地周辺の図です。今はもう、宇宙からでしか観測することができなくなった。あなた達にお願いしたいのは、八雲殲滅作戦における地上戦の補佐です」
殲滅、という言葉を口にしたとき、歯をかみ合わせる、がちりという音がした。
「敵の手に渡った兵器は、もはや脅威でしかない。この手で破壊するしかないのです」
基地は比較的海の近くにあり、海側に市街地、基地の背後にはかつてのどかな田園風景が、一面狂気の醸成場のように、不気味な沼を形成している。
「まずは、あなた方に基地内に侵入して頂き、障害となる戦闘機、PS3などを破壊していただく。作戦終了の合図を待って、あとは我々が空から空爆します」
ハンターたちの窓口となるオフィスの職員が、衛星画像に目を凝らして言葉を挟んだ。
「近辺に生存者はいないんですか」
若き指揮官は僅かに視線を逸らして、金属のコンソールに手をかけた。
「分かりません。八雲の航空隊配備に先駆けて、軍は対爆ハンガーを建設中でした。シェルターの建設も同時進行で行われていたが、応答がない。軍は確実性のない生命に関しては、なきものとして行動する。優先事項は敵の殲滅であり、味方の保護ではない」
コンソールに映し出された液晶パネルの上を、指が滑る。真っ二つに折れた戦闘機の残骸、航空写真には写らない、パイロットの顔。
努めて冷静であろうとするように、息を詰めて口を開く。
「行動時間が来たら、こちらは容赦なく殲滅作戦を開始します。救出に向かうゆとりはない」
職員は、彼の経歴を思った。手塚啓司一等空佐。元航空自衛隊三沢基地所属。北海道函館市出身。自衛隊が地球防衛軍に組み込まれた後は、対八雲分屯基地の作戦司令部に転属。
文字通り、火消しの役割を背負わされた、当事者の生き残りである。
「我々が用意した基地への侵入ルートです。基地は内浦湾に接し、背後には元田園地帯がある。だが、今は狂気の醸成場です。足を踏み入れるのは危険だ。よって、侵入は海側からになる。国道を折れ、道道42号線から進行する」
職員がマップを見ながら鋭い視線を向ける。
「シェルターの建設地はどこですか」
手塚は指で緑の地帯を指した。
「この、病院の裏手側……」
指が震えていた。
きつく唇をかみしめ、彼は言った。
「何としてでも、我々は八雲の暴走を止めなければならない。異世界人のあなた方に申し上げるのは筋が違うのかもしれないが、お願いです。我々に力を貸してほしい」
制帽が転がり落ちる。乱れた髪を取り繕うこともなく頭を下げる彼に、言葉をかけるものはいなかった。
解説
目的:八雲分屯基地殲滅作戦の補佐
作戦内容:①ハンターによる八雲分屯基地侵入⇒航空部隊による空爆の障害となる実装武器の排除②ハンターによる作戦終了の空砲③航空部隊による一斉空爆(空砲が視認できない場合は、15:00を目安に開始)
破壊対象:実装されている戦闘機F-35A 12機
GAU-12 イコライザー搭載(1分間に3600~4200発発砲可能なガトリング砲)
ミサイルは胴体内兵器倉に格納されている。
制動距離 約400m(クリーン状態、アフターバーナー使用)
最高速度 マッハ1.6
飛行状態では手の施しようがないため、必ず陸上で破壊して下さい。
PAC3(パトリオットミサイル3)2基
全長:5m
直径:0.25m
重量:300kg
射程:15~20km
速度:マッハ5
2基合わせて連続16発まで発射可能だが、前の戦闘で残弾はない。
但し、狂気の歪虚が自らを発射させて戦闘機の機銃に憑りつく可能性もある。
侵入経路:国道を北上、道道42号線に入り、建物裏手から侵入
地理的条件:海側は旧市街地。残骸だが、建物も残っているため、銃撃戦などの際、遮蔽物として用いることができる。しかし、その分敵兵力の見通しが難しい。
一方、基地背後に広がる嘗ての田畑は狂気の歪虚の醸成場となり果てている。見通しは効くが、これらを一掃、若しくは細かい戦闘が必要になる。
補足情報:隣接する病院の裏手にシェルターの建設がされていた。応答がないものの、生存者がいる可能性もある。
ユニット可だが、生体の場合は狂気歪虚に汚染されないように気を付けてください。
作戦内容:①ハンターによる八雲分屯基地侵入⇒航空部隊による空爆の障害となる実装武器の排除②ハンターによる作戦終了の空砲③航空部隊による一斉空爆(空砲が視認できない場合は、15:00を目安に開始)
破壊対象:実装されている戦闘機F-35A 12機
GAU-12 イコライザー搭載(1分間に3600~4200発発砲可能なガトリング砲)
ミサイルは胴体内兵器倉に格納されている。
制動距離 約400m(クリーン状態、アフターバーナー使用)
最高速度 マッハ1.6
飛行状態では手の施しようがないため、必ず陸上で破壊して下さい。
PAC3(パトリオットミサイル3)2基
全長:5m
直径:0.25m
重量:300kg
射程:15~20km
速度:マッハ5
2基合わせて連続16発まで発射可能だが、前の戦闘で残弾はない。
但し、狂気の歪虚が自らを発射させて戦闘機の機銃に憑りつく可能性もある。
侵入経路:国道を北上、道道42号線に入り、建物裏手から侵入
地理的条件:海側は旧市街地。残骸だが、建物も残っているため、銃撃戦などの際、遮蔽物として用いることができる。しかし、その分敵兵力の見通しが難しい。
一方、基地背後に広がる嘗ての田畑は狂気の歪虚の醸成場となり果てている。見通しは効くが、これらを一掃、若しくは細かい戦闘が必要になる。
補足情報:隣接する病院の裏手にシェルターの建設がされていた。応答がないものの、生存者がいる可能性もある。
ユニット可だが、生体の場合は狂気歪虚に汚染されないように気を付けてください。
マスターより
はじめましての皆様も、ハローアゲインの再来様も、どうもこんにちは!みみずくです。
口を開けばうすら寒いギャグと下ネタばかりのお前がどうした、とお思いでしょうが、今回はおちゃらけ一切なしのガチバトルです。
ご覧になって! この解説文の異様な長さ!要約すると、飛び出す前に何とかしてね、ということですよ。
CAMでのご参加も大歓迎!
皆様の熱きプレイングをお待ち申し上げております!
口を開けばうすら寒いギャグと下ネタばかりのお前がどうした、とお思いでしょうが、今回はおちゃらけ一切なしのガチバトルです。
ご覧になって! この解説文の異様な長さ!要約すると、飛び出す前に何とかしてね、ということですよ。
CAMでのご参加も大歓迎!
皆様の熱きプレイングをお待ち申し上げております!
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2017/04/26 06:37
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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殲滅、です! ミュオ(ka1308) ドワーフ|13才|男性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2017/04/12 00:36:14 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/04/10 08:30:52 |