ゲスト
(ka0000)
【血盟】目覚めの春
マスター:樹シロカ

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在7人 / 4~7人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 6日
- プレイング締切
- 2017/05/16 19:00
- リプレイ完成予定
- 2017/05/30 19:00
オープニング
●
同盟領ジェオルジ内にキアーラ川という川がある。
元々の温暖な気候もあって、流れは沿岸の村々に豊かな恵みをもたらしてきた。
その上流に広がる森を、分け入っていく一団があった。
全員が山歩きの重装備だ。
「ずいぶんと暑いわねえ」
そう言った女はマリナ・リヴェールという、元サルヴァトーレ・ロッソ乗員の学者。専門は地質調査である。
「もうすぐですよ。ほら、あれがさっき言った祠です」
近隣のシニストラ村の村長の息子、アンジェロが指差す。
そこには明らかに人工的に置かれた、苔むした岩が見えた。
マリナが近付き、そっと表面を撫でると、苔の一部がぼろりと取れた。
「あらあ。随分古いものみたいねえ」
「古い記録で名前らしきものは見つけましたが」
マリナの背後で手帳を広げたのは、ジェオルジの若き領主、セスト・ジェオルジ(kz0034) である。
「マニュス・ウィリディス。古い言葉で、偉大なる緑……というような意味でしょうか」
「鉱山の守り神が緑なの?」
マリナが振り向くと、道案内役の男が肩をすくめた。
「今となっては誰も由来なんか知らんだろうね。俺の村で一番の長老様のひい爺様の時代には、もう鉱山は閉鎖されてたらしいからな」
彼らはキアーラ川の上流にある廃坑を目指している。
マリナ達、ロッソの乗組員が移住したのはバチャーレ村といって、古い時代に打ち捨てられた村だ。
アンジェロの村は少し離れたところにあるが、やはりキアーラ川の水をひいている。
このキアーラ川の沿岸では、ちょっと珍しい貴石がとれるのだ。
石そのものに大した価値はないが、沿岸の村ではお守りなどとして人気があり、まだまだ独り立ちには遠いバチャーレ村にとっては魅力的な資源と思われた。
そこでマリナは川の沿岸の石を拾いすぎなくて済むよう、鉱脈を見つけようと提案したのだ。
領主のセストに相談したところ、古い地図と記録書を探し出してくれた。
そこで近隣の村の者にも立ち会ってもらい、念のためにハンターの護衛も依頼して、春を待っての今回の探検となったのである。
●
一同はなんとなく祠を無視して先へ進む気になれず、周囲の草を刈ったり、絡んだツタを取り除いたり、表面を覆う苔を落としたりしていた。
「当時は鉱山で働く人々が、毎日この祠でその日の作業の安全を祈っていたようです。でも廃坑になってからは、この様子では誰も……」
不意にセストが手を止めて口をつぐむ。
それから祠をじっと見つめながら、数歩下がった。
「どうしました? 領主様」
「…………」
アンジェロの問いに、無言のまま手招きするセスト。
彼の示す通りに下がったところで、全員が息を呑んだ。
祠の数メートルほど上方の空間に、ぼんやりとした光の塊が浮かんでいるではないか。
「な……何、これ……」
「リヴェールさんにも見えますか。じゃあ僕の目がおかしくなったわけではないのですね」
セストが淡々と呟く。
皆がじっと見つめるうちに、それは縦に長くなり、やがておぼろげな人の姿をとり始めた。
それだけではなく、静かな目でこちらをじっと見つめている。
『……か……』
風の音に似た音が耳を掠める。
『……騒々しきは……汝らの気配、とは……異なるか……』
音は、はっきりとした言葉となった。
呆然と見つめる一同をゆっくりと見回したそれは、寝起きの人間のような風情だ。
だがのんびりと目覚めを待っている暇はないようだった。
祠の後方の茂みが不自然な音を立て、ハンターが注意を促す。
と同時に草むらが割れ、巨大なムカデが姿を現した。
ガチガチガチ。
顎を鳴らす音が不気味に響く。
「危ない!!」
アンジェロが叫んで、咄嗟にセストとマリナに飛び付いた。
ハンター達はその前に立ちふさがり、ムカデの襲撃に備える。
だがムカデが飛びかかったのは、光の塊に向けてだった。
ざっ。
どさり。
飛び上がったムカデが光の塊をかすめ、祠の上に落ちた。鋭い爪に掴まれ、表面には深い傷が刻まれる。
光の塊はゆらりと歪み、人の形が崩れつつあった。
『……目覚めたと思えば、早々に食われるとはの……』
ハンター達は互いに顔を見合わせた。
同盟領ジェオルジ内にキアーラ川という川がある。
元々の温暖な気候もあって、流れは沿岸の村々に豊かな恵みをもたらしてきた。
その上流に広がる森を、分け入っていく一団があった。
全員が山歩きの重装備だ。
「ずいぶんと暑いわねえ」
そう言った女はマリナ・リヴェールという、元サルヴァトーレ・ロッソ乗員の学者。専門は地質調査である。
「もうすぐですよ。ほら、あれがさっき言った祠です」
近隣のシニストラ村の村長の息子、アンジェロが指差す。
そこには明らかに人工的に置かれた、苔むした岩が見えた。
マリナが近付き、そっと表面を撫でると、苔の一部がぼろりと取れた。
「あらあ。随分古いものみたいねえ」
「古い記録で名前らしきものは見つけましたが」
マリナの背後で手帳を広げたのは、ジェオルジの若き領主、セスト・ジェオルジ(kz0034) である。
「マニュス・ウィリディス。古い言葉で、偉大なる緑……というような意味でしょうか」
「鉱山の守り神が緑なの?」
マリナが振り向くと、道案内役の男が肩をすくめた。
「今となっては誰も由来なんか知らんだろうね。俺の村で一番の長老様のひい爺様の時代には、もう鉱山は閉鎖されてたらしいからな」
彼らはキアーラ川の上流にある廃坑を目指している。
マリナ達、ロッソの乗組員が移住したのはバチャーレ村といって、古い時代に打ち捨てられた村だ。
アンジェロの村は少し離れたところにあるが、やはりキアーラ川の水をひいている。
このキアーラ川の沿岸では、ちょっと珍しい貴石がとれるのだ。
石そのものに大した価値はないが、沿岸の村ではお守りなどとして人気があり、まだまだ独り立ちには遠いバチャーレ村にとっては魅力的な資源と思われた。
そこでマリナは川の沿岸の石を拾いすぎなくて済むよう、鉱脈を見つけようと提案したのだ。
領主のセストに相談したところ、古い地図と記録書を探し出してくれた。
そこで近隣の村の者にも立ち会ってもらい、念のためにハンターの護衛も依頼して、春を待っての今回の探検となったのである。
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一同はなんとなく祠を無視して先へ進む気になれず、周囲の草を刈ったり、絡んだツタを取り除いたり、表面を覆う苔を落としたりしていた。
「当時は鉱山で働く人々が、毎日この祠でその日の作業の安全を祈っていたようです。でも廃坑になってからは、この様子では誰も……」
不意にセストが手を止めて口をつぐむ。
それから祠をじっと見つめながら、数歩下がった。
「どうしました? 領主様」
「…………」
アンジェロの問いに、無言のまま手招きするセスト。
彼の示す通りに下がったところで、全員が息を呑んだ。
祠の数メートルほど上方の空間に、ぼんやりとした光の塊が浮かんでいるではないか。
「な……何、これ……」
「リヴェールさんにも見えますか。じゃあ僕の目がおかしくなったわけではないのですね」
セストが淡々と呟く。
皆がじっと見つめるうちに、それは縦に長くなり、やがておぼろげな人の姿をとり始めた。
それだけではなく、静かな目でこちらをじっと見つめている。
『……か……』
風の音に似た音が耳を掠める。
『……騒々しきは……汝らの気配、とは……異なるか……』
音は、はっきりとした言葉となった。
呆然と見つめる一同をゆっくりと見回したそれは、寝起きの人間のような風情だ。
だがのんびりと目覚めを待っている暇はないようだった。
祠の後方の茂みが不自然な音を立て、ハンターが注意を促す。
と同時に草むらが割れ、巨大なムカデが姿を現した。
ガチガチガチ。
顎を鳴らす音が不気味に響く。
「危ない!!」
アンジェロが叫んで、咄嗟にセストとマリナに飛び付いた。
ハンター達はその前に立ちふさがり、ムカデの襲撃に備える。
だがムカデが飛びかかったのは、光の塊に向けてだった。
ざっ。
どさり。
飛び上がったムカデが光の塊をかすめ、祠の上に落ちた。鋭い爪に掴まれ、表面には深い傷が刻まれる。
光の塊はゆらりと歪み、人の形が崩れつつあった。
『……目覚めたと思えば、早々に食われるとはの……』
ハンター達は互いに顔を見合わせた。
解説
●状況
皆様は探索の護衛として雇われたハンターです。
一般人の同行者は5名。セスト、マリナ、アンジェロ、ほかに近隣の村人が道案内で2名います。
光の塊が何かは今のところ(PCは)わかっていませんが、このままではムカデにやられてしまいそうというのは予測がつきます。
祠:高さ2mぐらいの岩。よく見るとふたつの岩を前後にあわせた構造で、大きな岩の前にひと回り小さな岩を置いた形になっている。
光の塊はその上方1mぐらいのところに浮かんでいる。大きさは縦1mほど。
辺りは深い森だが祠の周囲はほぼ平地。全員の移動に支障ない程度の広さです。ただし足元は滑りやすくなっています(探検の護衛任務ですので装備は整えて臨んでいる方が自然でしょう)。
上空5m以上は木の枝が茂っていてやや薄暗く、だいたいOPのイラストのイメージです。
●PL情報
光の塊は祠に祀られた何らかの精霊と思われます。目覚めたばかりで、まだ充分に動くことができません。
精霊は高純度な正のマテリアルが自我を持った存在であり、歪虚に狙われやすいようです。
この精霊は人間に馴染みがあるようで、助ければ良いことがあるかもしれません。
ムカデは現在、精霊にのみ意識を向けています。
●敵情報
大ムカデ:1体
全長2mの大ムカデ。意外と身軽で俊敏。ジャンプ力もある。顎と爪が武器らしい。ほかは不明。
●依頼内容
PCむけ:一般人の同行者と精霊を護ること(※ムカデを撃退できれば共に達成できます)
PLむけ:今回の精霊は人間型ですが、どんな姿になるかは今回の依頼の結果で決まります。OPを読んで「こんな感じかな」と思われた姿をプレイングにお書き添えください。
●他
何か確認事項がありましたら、セストのわかる範囲でお答えします。
ただし出発の24時間前までがMSの確認期限となりますので、何卒ご了承ください。
皆様は探索の護衛として雇われたハンターです。
一般人の同行者は5名。セスト、マリナ、アンジェロ、ほかに近隣の村人が道案内で2名います。
光の塊が何かは今のところ(PCは)わかっていませんが、このままではムカデにやられてしまいそうというのは予測がつきます。
祠:高さ2mぐらいの岩。よく見るとふたつの岩を前後にあわせた構造で、大きな岩の前にひと回り小さな岩を置いた形になっている。
光の塊はその上方1mぐらいのところに浮かんでいる。大きさは縦1mほど。
辺りは深い森だが祠の周囲はほぼ平地。全員の移動に支障ない程度の広さです。ただし足元は滑りやすくなっています(探検の護衛任務ですので装備は整えて臨んでいる方が自然でしょう)。
上空5m以上は木の枝が茂っていてやや薄暗く、だいたいOPのイラストのイメージです。
●PL情報
光の塊は祠に祀られた何らかの精霊と思われます。目覚めたばかりで、まだ充分に動くことができません。
精霊は高純度な正のマテリアルが自我を持った存在であり、歪虚に狙われやすいようです。
この精霊は人間に馴染みがあるようで、助ければ良いことがあるかもしれません。
ムカデは現在、精霊にのみ意識を向けています。
●敵情報
大ムカデ:1体
全長2mの大ムカデ。意外と身軽で俊敏。ジャンプ力もある。顎と爪が武器らしい。ほかは不明。
●依頼内容
PCむけ:一般人の同行者と精霊を護ること(※ムカデを撃退できれば共に達成できます)
PLむけ:今回の精霊は人間型ですが、どんな姿になるかは今回の依頼の結果で決まります。OPを読んで「こんな感じかな」と思われた姿をプレイングにお書き添えください。
●他
何か確認事項がありましたら、セストのわかる範囲でお答えします。
ただし出発の24時間前までがMSの確認期限となりますので、何卒ご了承ください。
マスターより
お初の方ははじめまして、そうでない方は改めてよろしくお願いします。樹シロカです。
【血盟】大規模で人間は四大精霊と意を通じることができるようになりましたが、世界各地にはいろんな精霊がいるようです。
精霊達は強力な存在で、気が向けば人間にとって心強い味方となってくれるでしょう。
ですがそれは「気が向けば」のこと。まずは人間がどういう存在かをわかってもらわなくてはなりません。
そのためにもどうぞご協力をお願い致します。
尚、精霊の姿についてですが。
セストにどんな姿に見えているかはリプレイで触れる予定です。
皆様のイメージを教えていただけるのを、今から楽しみにしております!
【血盟】大規模で人間は四大精霊と意を通じることができるようになりましたが、世界各地にはいろんな精霊がいるようです。
精霊達は強力な存在で、気が向けば人間にとって心強い味方となってくれるでしょう。
ですがそれは「気が向けば」のこと。まずは人間がどういう存在かをわかってもらわなくてはなりません。
そのためにもどうぞご協力をお願い致します。
尚、精霊の姿についてですが。
セストにどんな姿に見えているかはリプレイで触れる予定です。
皆様のイメージを教えていただけるのを、今から楽しみにしております!
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2017/05/26 20:40
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談スレッド 天王寺茜(ka4080) 人間(リアルブルー)|18才|女性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2017/05/16 00:03:47 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/05/14 07:01:51 |