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【界冥】神殺し志願

マスター:韮瀬隈則

シナリオ形態
ショート
難易度
やや難しい
オプション
参加費
1,000
参加人数
現在4人 / 3~4人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
プレイング締切
2017/07/21 15:00
リプレイ完成予定
2017/07/30 15:00

オープニング

※このシナリオは難易度が高く設定されています。所持金の大幅な減少や装備アイテムの損失、場合によっては、再起不能、死亡判定が下される可能性があります。
再起不能、死亡判定の下されたキャラクターはログイン、及びコンテンツへのアクセスが制限されます。


「私は神を殺さなければいけないのです。できるだけ多く。手っとり早く殺せる神はどこに居ますか?」

 館神勇希(たちがみゆうき)。リアルブルー日本出身の少女。実家は関東の小さな神社。古来からの氏族と禁足地を護る龍神、いわゆる屋敷神の類だろう。
 受付嬢が検索した彼女の登録情報とハンター仲間の噂では、ロッソ帰還後に戻れぬのを承知でハンター志願した変わり種、らしい。単にその時期に志願した者は他にも居るだろうが、彼女がふるっていたのが開口一番に受付嬢に告げた先ほどのセリフである。

「神隠しの辻に去った親類縁者は還ってこなかった。だから私がいつか来る神を殺す」
「業を重ねねば神殺しにはなれない」

 我が氏族には、いつか神殺しを果たさねばならぬお役目がある。そのための修業だ。
 単純に纏めればそういう話だろう。邪神ファナティックブラッド戦と大精霊との血盟を、おそらく崑崙で滞在したハンター達に聞いたのだ。そこでなにか、己の出自に重なるものでも見出したのか。ならば、と、神を殺す力を得るために、世界を渡った。以降、神と名の付く敵ばかりを探し、オフィスに並ぶ依頼を受けているのだという。ただし、駆け出しの彼女にかなう神、を優先して。



「気に入らないザマス。なにより邪魔にも程がありましょう?」
 ……などとお偉いさんが実際に言ったかは定かではない。
 神奈川県鎌倉七里ガ浜。稲村ガ崎から江ノ島にいたるまでの海岸線は、海水浴場としても砂鉄の浜としても知られている。そこに、鎌倉クラスタから排出されたと見られるバリケードが散見される、とは先ごろ行われた偵察からの付帯報告だ。

 いびつに棘が突き出た鉄球──。
 大型テトラポットというよりは出来損ないのウニのような物体が、バリケードひとつにつき数十個単位で堡塁のように組まれている。
 当然、ただのバリケードであるはずはない。
 先遣隊が敵クラスタからの戦力派遣前の占拠を試み、あえなく撤退を余儀なくされた。
 レーザー照射に加え、突進し体当たりする動的バリケード。攻撃態勢をとり、単眼で一本脚と長い両腕が生えたウニ一つ一つが歪虚、ということだ。
「放置したくとも、仕掛ける予定があるからな。万一、本拠から増援に来られたら面倒だと、江ノ島に近い分だけでもなんとかしろ。とさ」
 それでいま、こうして俺たちが向かっているわけだ。
 現在。ハンターと軍の混成部隊は、江ノ島沖からゴムボートで、対岸である片瀬地区近隣の小動岬を臨む腰越漁港へむけて隠密体制をとりながら移動中だ。漁港上陸後、国道134号を稲村ガ崎方面に移動し、江ノ島攻略戦に影響がある2基のバリケードを無力化する作戦である。


 ──その時。
 双眼鏡を持ったハンターが、「敵だ」と叫ぶ。
「増援の中型狂気か? いや、なんだアレは。一つ目に一本脚、でも……鉄球頭ではない」
「笑うなよ? 俺が連想したのは『一本多々良』ってぇ妖怪だ。ここに出張って来てる以上、バリケードのウニ野郎と無関係たぁ思えねぇが……」
 敵が現れたのは小動神社を超え、すでに腰越海水浴場付近。そこにゆらゆら蠢く中型狂気と思しき影。
 口々に双眼鏡を構え、振り返りリーダーに指示を仰ぐ。

 誰かが雑感を言ったように、CAMより一回りほど小型の、歪な人型狂気。パーツだけを見れば、まさしくウニ型動的バリケードに生えている一つ目と長腕一本足と同じものだ。違いは、頭と胴が鉄球状であるか否か。
 その数、凡そ40体──。

「『一本多々良』? 零落した一つ目の製鉄の神。鉄……鉄です。あの鉄球が無関係であるはずがない。……ほらッ!」
 叫ぶように。
 新米ハンター、館神勇希が指差した先。かの中型狂気が変化した。
 腕で身体を支えて、脚で砂を巻き上げて。その砂を吸い込み取り込み、砂鉄を帯びた磁石のように鉄を放射状に身に纏って。
 一言で言ってしまえば──動的バリケード敷設のまさに現場。
 リーダーは唸る。
 こちらの戦力を考えれば関わる余裕はない。
 見逃す? まさか! みすみす敷設を許して何のための江ノ島攻略か?
「おそらく……急がなければ事態悪化は避けられません。行きます!!」
 ──止める間も無かった。
「本隊は目標制圧に向かってください」
 背越しに館神勇希が放った言葉は、彼女が飛び込む水音でかき消された。



 リーダーが別働隊として追わせたゴムボート1艇が勇希を拾い上げた後も、彼女は急げと急き立てる。
(なるほど。神だの妖怪だのに思い込みの激しい新人だと、リーダーがぼやいていたが……)
 結局、勇希と共に別働隊対応となったハンターが、勇希は何を急ぐのかと敵に目を凝らす。
「やはり……! 鍛冶神が鉄を鍛え始めてしまいました」

 いち早く。既に砂鉄を取り込み終わった2~3体の個体が、両腕を支えに一本足での足踏みをはじめる。
 ゆらり──。
 7月の砂浜に陽炎が立つ。
 暑い夏。海水浴客の足を焼いていたはずの砂浜。
 けれど今の陽炎は、さらに熱く熱く熱く。その陽炎の中に、零落した鍛冶神にも似た異形の狂気。

解説

●依頼目的
・腰越海水浴場に現れた敵狂気を、動的バリケード構築前に殲滅せよ

●敵情報
・中型狂気(動的バリケード準備体)
 サイズ3
 CAMより一回り小さい固体 ×40体

 樽状の胴に長い腕と一本足が生え、巨大な一つ目を持つ
 妖怪『一本多々良』に似ている
 浮遊はせず、両腕一本足による移動を行う

 一本足と両腕によるポンプ的構造と、磁力発生機構を備えていると思われ、発見時には海岸の砂鉄を体内に取りこんでいた
 接敵時には、『通常の海岸より高温の陽炎の中に存在している』

 バリケード敷設後の個体は『80t型テトラポッド』大のウニ状鉄球に、一つ目と手足計3本が生えた形となる
 動的バリケードとして、一つ目からのレーザーのほか突進から体当たりを行うが、先遣隊は鉄球以外の部分が非常に脆弱だと見解を提出している

●現地情報
・腰越海水浴場
 江ノ島電鉄腰越駅3分、
 220m×50mの砂鉄を多く含む砂浜
 運営時には小規模な海水浴施設が営業していた

 江ノ島と対岸を結ぶ砂嘴の根元であり、攻略上、敵占拠を容認できない位置にある

●NPC情報
・館神勇希(たちがみゆうき)
 RB出身の新人ハンター
 古代から続く神社の娘であり、一族に伝わる『神殺しのお役目』にハンター達が解明した『血盟』が関係していると信じている
 舞刀士 LV10以下

※動的バリケード攻略から分派した別働隊となります
※アプローチは腰越海水浴場海岸線から、ゴムボートでの上陸です
 大型の騎乗生物は持ち込めません
 鎌倉クラスタの妨害電波により、作戦展開時には電子機器ならびに魔導機器は稼動しません

マスターより

 だからネタバレイラストはやめろとあれほど……海岸イラストの予定じゃなかったのか。
 そんな感じです、韮瀬です。
 危険フラグは難易度低くても付けられるって始めて知りましたよ。とにかく初動の作戦次第で、超ラクショーか重体必至かが分かれます。対処より予防、これ大事。

 なんだか鬱陶しい少女がでてきましたが、神だの妖怪だのにダボハゼのように食いつくだけですので、しょうがねぇなと諦めていただけると幸いです。
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2017/07/29 07:16

参加者一覧

  • 戦地を駆ける鳥人間
    岩井崎 旭(ka0234
    人間(蒼)|20才|男性|霊闘士
  • 大悪党
    神楽(ka2032
    人間(蒼)|15才|男性|霊闘士
  • 弓師
    八原 篝(ka3104
    人間(蒼)|19才|女性|猟撃士
  • イコニアの夫
    カイン・A・A・カーナボン(ka5336
    人間(紅)|18才|男性|闘狩人
依頼相談掲示板
アイコン 相談卓
カイン・A・A・カーナボン(ka5336
人間(クリムゾンウェスト)|18才|男性|闘狩人(エンフォーサー)
最終発言
2017/07/20 08:50:33
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2017/07/17 11:32:01