●
　港町「ガンナ・エントラータ」。
　グラズヘイム王国における、流通の要となる町だ。
　東から陸路で運ばれていくこともあるが、やはり海路で運ぶことが出来る物量は非常に多い。自由同盟から大量の物資がこの地を通過し、王都イルダーナを中心に王国内の都市、町へと運ばれていく。
　物が集まる場所には人も集まる。港町は沢山の人が集まり、活気に満ち溢れている。
　そんな町だからこそ、トラブルが発生することも少なくない。

　町の住民である壮年の男性２人が下水道の水詰まりの調査を行っていた際、それが発覚した。
「なんだ、あれは……」
　丁度、海側の出口を塞ぐように鎮座する水色の丸い物体……と言えば、可愛らしい印象を受けるが、問題はその大きさだ。
　出入り口を塞ぐようにして変形したそれは、全長３ｍはあろうかという巨大スライムだった。
　さすがに近寄るのは難しいと判断した男性達は遠方から小石などを投げつけて牽制してみるが、スライムはそこから動く様子を見せない。
　スライムはリアルブルーの一部では、マスコットのような扱いをされる……などという話もあるが、実際は非常に危険な相手。その伸びる体で羽交い絞めにされた後、溶解液によって服を溶かされ、時間を掛けて体までも消化されてしまうのだという。
　しかも、相手は身の丈３ｍもある巨大スライム。戦闘経験皆無の男性達が叶う相手ではない。
「ここまでだな、引き上げよう」
　そう判断した彼らは、調査報告と共にハンターズソサエティへとこのスライムの駆除依頼を出す為、この場を離れていった。

　この地のハンターズソサエティに寄せられた依頼。それは、下水道の出口にいる巨大スライムを討伐して欲しいというものだった。
「また、巨大生物ですかー」
　カウンターにいた、金髪ウェーブヘアで糸目の女性、シェリーがついた悪態に、ハンター達は首を傾げる。
「この港町近辺では、巨大生物の目撃例は４件目なのですよー」
　カマキリ、イカ、ザリガニ、そして、今回のスライム。
　すでに、３件目の地点でこの近辺で何かあるのではと考えるハンターもおり、その調査に乗り出してくれているらしい。
　その原因も気になるところだが、今は街の住民が出してくれた巨大スライムの討伐依頼である。
　場所は、港町の下水道、海に面する出口に当たる部分だ。
　全長３ｍもある丸い体型のスライムは、絡みつき、溶解液を発することが確認されているが、面倒なのはどんどん分裂してこようとする点である。
「分裂すると体力は半分になるようですが、手数が増えてしまうのがかなり面倒ですねー」
　なお、相手は４分の１の大きさよりも小さくならず、その後は２分の１の大きさに膨れ上がって分裂を繰り返す。その間もスライムの攻撃は続くので注意したい。
「攻撃し続けることで、全てのスライムの体力はなくなるのでしょうがー、皆さんの体力も大きく削られるでしょうから、十分お気をつけてー」
　もっとも、スライムとずっと戯れたいというのであれば止めないですがー、とシェリーは付け加えたが、それはそれとして。
「ともあれ、放置すると町の日常生活に悪影響が出るのは間違いありませんからー、手早く討伐していただきますよう願いますー」
　そうして討伐に当たるハンター達を、シェリーは手を振って送り出すのだった。

●敵
・スライム……（登場時は）１体。
溶解液（耐久値低下）、からみつき（部分拘束）で攻撃をしてきます。

登場時は全長３メートルほどの丸い物体ですが、
登場次のラウンドのファーストアクションで、スライムは分裂します。
その際、それぞれの個体は体力、大きさのみ元の半分になります。
（他の能力は元のままです）
２ラウンドごとに分裂しますが、
４分の１（７０ｃｍ強）より小さくはなりません。

その後、全てのスライムは
最初の２分の１（１５０ｃｍ）の大きさに膨れ上がり（体力は回復しません）、
最初の４分の１の大きさへと分裂といった行動を
それぞれ、２ラウンド毎のファーストアクションで繰り返します。

攻撃し続ければいつかは倒せるでしょうが、
疲弊しないようにして倒すには、ある程度戦略が必要でしょう。

もっとも、スライムとギリギリまで戯れたいなら別ですが……。

●状況
下水道の出口付近、海側の出入り口にスライムが鎮座しています。
街側と海側、両方から攻め込むことは可能です。
下水道は幅２ｍ、高さ４ｍほどですが、
巨大スライムは身体を変形させて、移動すること自体は可能なようです。

また、海側は広いので、比較的自由に動くことが出来ますが、
幅３ｍほどの足場から外側は海ですので、
落ちないようお気をつけください。

●注意
ファナティックブラッドは全年齢向けのＰＢＷです。
予めご了承いただきますよう、願います。

ハンターの皆様、こんにちは。なちゅいです。

巨大スライムが港町に現われました。
被害が拡大する前に対処を願います。

……もし、スライムと戯れたい方がいましたら、
楽しむのは程々に。

それでは、よろしくお願いいたします！