ゲスト
(ka0000)
野菊の少女と薔薇色の牙
マスター:ことね桃

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- ショート
関連ユニオン
APV- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 3~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2017/10/01 22:00
- リプレイ完成予定
- 2017/10/15 22:00
オープニング
ゾンネンシュトラール帝国の人里離れた土地に小さな丘がある。
その麓にはかつて精霊を奉ずる亜人が住んでいた。
しかし今は誰もいない。
花々が風に揺れる丘には、時折狐などの野の獣がふらりと立ち寄るぐらいで。
――この丘の傍にはもう、誰もいないのだ。
●花の精霊を探して
手のひらサイズの四大精霊が一柱、火と闇・正義を司るサンデルマン。彼は帝都で机の上にちょこんと座り、集まったハンター達の顔をじいっと見た。
「サンデルマン様は『ここから少々離れた地になるが、花の精霊の顕現を感じた』と仰いました。地図でいうと、この辺り、とのこと」
サンデルマンの隣に控える軍人が地図を開き、生真面目な口調で解説を始めた。
「人里離れた地ゆえ、その精霊がどれほどの力を持つかはわかりません。ただし精霊が顕現したからには歪虚に襲われる可能性は低くはない。出来るかぎり早期に保護できればとサンデルマン様は仰いました」
こくこくと頷くサンデルマン。軍人はその様子に少し安堵した様子で口元を緩めると、一枚の紙片をハンターの前に差し出した。
「これは?」
「力の弱い精霊は土地から離れると衰弱してしまうと聞きますし、歪虚から狙われることもあるでしょう。それらから身を守るためのサンデルマン様のご加護、とのことです」
ハンター達は不思議そうな顔でそれを受け取ると荷の中へ大事に収めた。
『……帝国に居を構える精霊たちは複雑な過去を持つ者が少なくない。説得に骨が折れるだろうが、頼むぞ』
本日はじめて発されたサンデルマンの声にハンターたちは深く頷いた。
●精霊のめざめ、そして
誰もいない寂しい丘にささやかな雨が降る。
群生する花々のもとから、白い無数の花弁を纏った精霊が顕現してから数日の時を経て覚醒した。
「ワタシ……ネムッテ、タノ?」
少女の姿をしたそれは音もなく立ち上がると小首を傾げ、自分の記憶をたどりはじめる。
まずは自分はこの地に咲いた無数の花々の記憶と意思が混ざり合ってできたものであることを思い出した。
次に、この丘の麓に住む亜人たちがとても親切にしてくれたこと。日照りが続くと彼らは小川からせっせと水を運び、元気づけてくれた。
そしてその亜人たちがある日を境に姿を消してしまったことを……。
亜人を捕まえるヒトの横顔が脳裏にフラッシュバックする。
あの日、傷を癒す力しか持たぬ自分は亜人に匿われ、木の陰に隠れることしかできなかった。縄で縛られどこかへ連れられていく亜人の背を見送ることしかできなかった。
「アア。ソレデ、ワタシハ……デモ、ソレナラナンデ……?」
自分の弱さに絶望し、永遠の眠りを手にしたはずだった。それなのに今、自分は目覚めてしまったのは何故なのか。
――精霊が愛くるしい顔をくしゃと顰め、頭を抱えた瞬間「かさ」と小さな音がした。
「……ッ!?」
精霊が咄嗟に振り向く。そこにいたのは薔薇色のドレスを纏った少女だった。ぬばたまの髪が雨水でべったりと顔にはりつき、真紅の瞳がその間から爛々と輝く様子から彼女の精神状態が尋常ではないことを匂わせている。
「ニンゲンッ!?」
精霊は身震いするなり咄嗟に後方へ飛びのいた。しかし、精霊はすぐに気がつく。薔薇色の少女が彼女にとってのもうひとつの敵・歪虚であることに。
少女の口元から鋭い牙が姿を現し、ドレスのゆったりとした袖から巨大な金属の爪ががしゃりと音を立てて垂れ下がった。……間違いない、敵だ。
「ズットネムルコトモデキナイナラ……!」
自分と同じ花々が咲き乱れるこの丘を。こんな歪虚なんかに大事な思い出を汚されてたまるものか。
精霊は小さな手にマテリアルを集約し、震える足を前に踏み出す。
その時、背後からかすかに声が聞こえた。その言葉は、彼女にとっては忌まわしきヒトのもの。
「……ナンデコンナトキニッ!」
精霊は震える手で涙を拭い、不倶戴天の敵に挟まれる恐怖で身を竦めた。
その麓にはかつて精霊を奉ずる亜人が住んでいた。
しかし今は誰もいない。
花々が風に揺れる丘には、時折狐などの野の獣がふらりと立ち寄るぐらいで。
――この丘の傍にはもう、誰もいないのだ。
●花の精霊を探して
手のひらサイズの四大精霊が一柱、火と闇・正義を司るサンデルマン。彼は帝都で机の上にちょこんと座り、集まったハンター達の顔をじいっと見た。
「サンデルマン様は『ここから少々離れた地になるが、花の精霊の顕現を感じた』と仰いました。地図でいうと、この辺り、とのこと」
サンデルマンの隣に控える軍人が地図を開き、生真面目な口調で解説を始めた。
「人里離れた地ゆえ、その精霊がどれほどの力を持つかはわかりません。ただし精霊が顕現したからには歪虚に襲われる可能性は低くはない。出来るかぎり早期に保護できればとサンデルマン様は仰いました」
こくこくと頷くサンデルマン。軍人はその様子に少し安堵した様子で口元を緩めると、一枚の紙片をハンターの前に差し出した。
「これは?」
「力の弱い精霊は土地から離れると衰弱してしまうと聞きますし、歪虚から狙われることもあるでしょう。それらから身を守るためのサンデルマン様のご加護、とのことです」
ハンター達は不思議そうな顔でそれを受け取ると荷の中へ大事に収めた。
『……帝国に居を構える精霊たちは複雑な過去を持つ者が少なくない。説得に骨が折れるだろうが、頼むぞ』
本日はじめて発されたサンデルマンの声にハンターたちは深く頷いた。
●精霊のめざめ、そして
誰もいない寂しい丘にささやかな雨が降る。
群生する花々のもとから、白い無数の花弁を纏った精霊が顕現してから数日の時を経て覚醒した。
「ワタシ……ネムッテ、タノ?」
少女の姿をしたそれは音もなく立ち上がると小首を傾げ、自分の記憶をたどりはじめる。
まずは自分はこの地に咲いた無数の花々の記憶と意思が混ざり合ってできたものであることを思い出した。
次に、この丘の麓に住む亜人たちがとても親切にしてくれたこと。日照りが続くと彼らは小川からせっせと水を運び、元気づけてくれた。
そしてその亜人たちがある日を境に姿を消してしまったことを……。
亜人を捕まえるヒトの横顔が脳裏にフラッシュバックする。
あの日、傷を癒す力しか持たぬ自分は亜人に匿われ、木の陰に隠れることしかできなかった。縄で縛られどこかへ連れられていく亜人の背を見送ることしかできなかった。
「アア。ソレデ、ワタシハ……デモ、ソレナラナンデ……?」
自分の弱さに絶望し、永遠の眠りを手にしたはずだった。それなのに今、自分は目覚めてしまったのは何故なのか。
――精霊が愛くるしい顔をくしゃと顰め、頭を抱えた瞬間「かさ」と小さな音がした。
「……ッ!?」
精霊が咄嗟に振り向く。そこにいたのは薔薇色のドレスを纏った少女だった。ぬばたまの髪が雨水でべったりと顔にはりつき、真紅の瞳がその間から爛々と輝く様子から彼女の精神状態が尋常ではないことを匂わせている。
「ニンゲンッ!?」
精霊は身震いするなり咄嗟に後方へ飛びのいた。しかし、精霊はすぐに気がつく。薔薇色の少女が彼女にとってのもうひとつの敵・歪虚であることに。
少女の口元から鋭い牙が姿を現し、ドレスのゆったりとした袖から巨大な金属の爪ががしゃりと音を立てて垂れ下がった。……間違いない、敵だ。
「ズットネムルコトモデキナイナラ……!」
自分と同じ花々が咲き乱れるこの丘を。こんな歪虚なんかに大事な思い出を汚されてたまるものか。
精霊は小さな手にマテリアルを集約し、震える足を前に踏み出す。
その時、背後からかすかに声が聞こえた。その言葉は、彼女にとっては忌まわしきヒトのもの。
「……ナンデコンナトキニッ!」
精霊は震える手で涙を拭い、不倶戴天の敵に挟まれる恐怖で身を竦めた。
解説
目的:
吸血鬼型歪虚の討伐と精霊の保護
状況:
ハンターたちがサンデルマンの導きにより精霊を迎えに向かったところ、
歪虚とこれから一戦交えようとしている精霊に遭遇できた。
ただし精霊はヒトに恐怖心を抱いている上に、討ち死にするつもりでいるので注意が必要。
戦場:
20スクエア四方ある丘とその周辺地域。
丘の中心部10スクエア四方には精霊が住む花畑があります。
丘の外周は木々に囲まれています。
雨が降っていますがぬかるみを作るほどではありませんので足元の心配は不要です。
精霊:
花の精霊。モチーフは野菊。あまり強くありません。
身長100センチ程度。亜人の少女に花弁を飾ったような容姿です。
放っておくと自滅覚悟で特攻します。
本来は攻撃よりも治癒能力に長けています。
口が利ける亜人と関係が良好だったため、ヒト並の言語能力と思考能力があります。
保護するためには彼女の信頼を勝ち取るための努力が必要となります。
歪虚:
吸血鬼型歪虚。精霊よりは強いです。動きが速いのが特徴。
身長は160センチ、見ためは人間の女性と変わらないためサイズ1となります。
見た目はエレガントですが意思の疎通はできません。暴食ならではの本能に基づいた行動をします。
巨大な爪を2スクエア四方に振り回して叩きつける範囲攻撃と、
射程が7スクエアある遠距離攻撃(黒い炎弾を手のひらから発射。延焼しません)が得意。
麻痺効果ありの噛み付き攻撃もあります。血を吸うことで生命力が回復します。
吸血鬼型歪虚の討伐と精霊の保護
状況:
ハンターたちがサンデルマンの導きにより精霊を迎えに向かったところ、
歪虚とこれから一戦交えようとしている精霊に遭遇できた。
ただし精霊はヒトに恐怖心を抱いている上に、討ち死にするつもりでいるので注意が必要。
戦場:
20スクエア四方ある丘とその周辺地域。
丘の中心部10スクエア四方には精霊が住む花畑があります。
丘の外周は木々に囲まれています。
雨が降っていますがぬかるみを作るほどではありませんので足元の心配は不要です。
精霊:
花の精霊。モチーフは野菊。あまり強くありません。
身長100センチ程度。亜人の少女に花弁を飾ったような容姿です。
放っておくと自滅覚悟で特攻します。
本来は攻撃よりも治癒能力に長けています。
口が利ける亜人と関係が良好だったため、ヒト並の言語能力と思考能力があります。
保護するためには彼女の信頼を勝ち取るための努力が必要となります。
歪虚:
吸血鬼型歪虚。精霊よりは強いです。動きが速いのが特徴。
身長は160センチ、見ためは人間の女性と変わらないためサイズ1となります。
見た目はエレガントですが意思の疎通はできません。暴食ならではの本能に基づいた行動をします。
巨大な爪を2スクエア四方に振り回して叩きつける範囲攻撃と、
射程が7スクエアある遠距離攻撃(黒い炎弾を手のひらから発射。延焼しません)が得意。
麻痺効果ありの噛み付き攻撃もあります。血を吸うことで生命力が回復します。
マスターより
こんにちは! ことね桃です。
初めての帝国依頼です。
ドキドキしますね! MSの自分がドキドキしてどうするんだという話ですが……。
ひとりひとりの行動を精霊がしっかり見てますので、ぜひ気合の入ったプレイングをお寄せください。
それではよろしくお願いします!
初めての帝国依頼です。
ドキドキしますね! MSの自分がドキドキしてどうするんだという話ですが……。
ひとりひとりの行動を精霊がしっかり見てますので、ぜひ気合の入ったプレイングをお寄せください。
それではよろしくお願いします!
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2017/10/14 10:33
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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【相談】花の精霊の保護について リアリュール(ka2003) エルフ|17才|女性|猟撃士(イェーガー) |
最終発言 2017/10/01 20:25:08 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/09/30 09:31:54 |