ゲスト
(ka0000)
【東幕】知追う者、書庫の発掘をする
マスター:狐野径

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 3~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 少なめ
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2017/11/14 22:00
- リプレイ完成予定
- 2017/11/23 22:00
オープニング
●首をかしげる
天ノ都を松永 光頼は外れに向かって歩く。
【エトファリカ・ボード】の話を聞き、自宅で父に問うがさすがに知らないという。弟も首をひねるが答えがでるわけではない。
ならば、知識が大好きで記録ため込む家に行けばいいと考えたのは必然だった。
大江 紅葉と知り合ったのは偶然であり、東方が解放されるきっかけの非常事態の中であった。
紅葉は都に危機が訪れていたとき、巫子でありながら持ち場を離れた。妖怪とのつながりを疑う者もあり、折衷案で武家側から見張りをつけることになった。
それが光頼であった。結果、意外と馬が合い、武家と公家であるが互いにうまくやっていた。目を離すと危なっかしいのもいけないと考えていた。
光頼は思い出しながら、少し口元を緩めた。
ふと、壁や角に何かこすったような跡がいくつもあるのに気づいた。
それも大江家の方に行くにつれて増えていく。道が狭くなったからかもしれない。
原因――魔導トラックが壁にのめり込んでいる――だろう。
野次馬もいる。
――大江の宗主さん、無事ですかね。
――まさか、道具を持ち込んでこれはねぇ。
――まあ、宗主さんが新しもの好きであの畑を耕す道具はすごく便利だたったけど。
犯人は「やはり」彼が尋ねる人であった。急いで家に向かった。
「ごめんください」
声をかけると使用人が飛んでくる。
「ああ、松永様でございますね。主は今……少々取り込んでおりまして」
「それより、ケガをされたとか?」
「まあ、かすり傷です……ってどこまで情報を……」
そこで野次馬が話していたと告げると、使用人は小さく笑って肩を落とした。
「爺様の説教の最中なので、中でお待ちしていただけますか? それとも、後ほど主に行くように告げましょうか?」
「……すぐに終わるだろう?」
「はあ……わかりませぬ」
光頼は待たせてもらうことにした。茶や茶菓子が出され、虎猫がもてなしてくれたりしつつ、小一時間待った。
しおれた紅葉が入ってきた。
けがをしたというより説教で疲労したほうが正しいと考えた。
「……うう」
「けがの具合はどうですか?」
「……な、なんで知っているのですか!」
顔を真っ赤にして袖で隠した。
「魔導トラック……直せば使えるのでしょう?」
「外が壊れただけで機械部分は壊れていません!」
そこまでひどい激突ではないと必死に告げる。
「……里まで物資を載せて運ぶつもりでしたのに」
それ自体はいいが、まずは練習がいるということは確実だ。
頭でわかっているが体がついて行かないのだろうなと光頼は考える。
「お待たせして申し訳ありませんでした」
「いや、虎猫が遊んでくれました」
紅葉から嫉妬のまなざしを受けた。
「ところで紅葉殿は『エトファリカ・ボード』と言うのは知っていますか?」
「耳には挟みました。女官たちがそわそわしていましたから……でも、必要な話は回ってこないんですよね。遺失物ならこの符術師が占って進ぜよーとか? まあ、そんなにわかるのでしたら、立花院様も困らないですね」
紅葉が好奇心を光頼に向ける。
立花院 紫草(kz0126)が武家を前に告げた話を光頼は紅葉に話した。むやみに彼女が吹聴はしないだろうと認識はしている。一見ふわふわしている紅葉であるが、これまで彼女はしっかり渡ってきているのだ。
「そうなんですよね……小耳に挟んでから見覚えあるなぁとは思っているのですよ?」
「本当ですか!?」
「思い出せないのです。なんかあるなーと言う記憶がある記憶です」
紅葉が必死に首をひねる。
「あっ書庫か!」
紅葉がポンと手をたたく。光頼はこんな近くに手がかりがあったのかと驚く。
「里の、です」
光頼の期待のまなざしに紅葉が済まなそうな顔をしている。
「歪虚に飲まれたとき、大切な大切な記録達は亡くなっていますよ?」
紅葉が溜息をついた。こちらにある書庫は、持ち出せた大江家の家訓の冊子以外は都で買い求めたものばかりだと告げる。
「でも、書庫があったところを探すことは可能ですよね?」
「ええ」
紅葉自身、実家の書物が残っていることは嬉しいことだ。しかし、あの荒廃っぷりを見て期待は何もしていない。
光頼の様子を見れば「調べたいなら調べてもらった方がいい」という気になる。実際を見ないと納得しないだろう、探し物が重要な代物で宝物庫から消えたのだから。情報は喉から手が出るほど欲しいに違いない。
「分かりました。里に行きましょう」
「おおっ! ありがとう、紅葉殿」
「いえ」
「護衛兼ねた人手は幕府側とハンターを雇うことで補おう」
「……ええお願いします。あと、物資運ぶからトラックで行きたいです」
「……は?」
「トラック……」
「やめてください……危なすぎます」
紅葉はむくれた。
●調査依頼
光頼は依頼を出しにハンターオフィスの戸をくぐる。
「大江様の住んでいたところって、歪虚支配地域でしたよね、長い間」
情報を書き込む職員が疑問を呈する。聞いている光頼はうなずくのみ。
「なんか、残っていると思います?」
「何も残っていないと思うが、情報はないよりあるほうがいいからな」
光頼も期待はしていない。武家の者として何もしないのは問題だから動くのだ。
「大江家の書庫、残っていたらすごそうですね……いっそのことライブラリ使うとか?」
光頼が職員の言葉に目を見開くが、すぐに首を横に振る。
「書庫があったとして、その一冊一冊まで記憶されているかわからないし……そこまでに到達するのに、妖怪と全力で戦うか大江の者を説得するという作業がある」
確実性が薄い。
「まあ、里の掃除もかねてですね……ここ、虎猫の島ですから、今」
「!?」
「大江様が飼っていた虎猫からお告げをもらって、当時の半分ばかり虎猫と柴犬と驢馬を移動させたということですよ」
このままだと動物に乗っ取られますね、と職員は苦笑した。
「では、これで出しておきますね。大江家の里大捜索。書物あったらいいなの巻」
「本気で書いたのか?」
「……冗談です」
職員は大江家が住んでいた里の捜索の依頼を普通に登録したのだった。
天ノ都を松永 光頼は外れに向かって歩く。
【エトファリカ・ボード】の話を聞き、自宅で父に問うがさすがに知らないという。弟も首をひねるが答えがでるわけではない。
ならば、知識が大好きで記録ため込む家に行けばいいと考えたのは必然だった。
大江 紅葉と知り合ったのは偶然であり、東方が解放されるきっかけの非常事態の中であった。
紅葉は都に危機が訪れていたとき、巫子でありながら持ち場を離れた。妖怪とのつながりを疑う者もあり、折衷案で武家側から見張りをつけることになった。
それが光頼であった。結果、意外と馬が合い、武家と公家であるが互いにうまくやっていた。目を離すと危なっかしいのもいけないと考えていた。
光頼は思い出しながら、少し口元を緩めた。
ふと、壁や角に何かこすったような跡がいくつもあるのに気づいた。
それも大江家の方に行くにつれて増えていく。道が狭くなったからかもしれない。
原因――魔導トラックが壁にのめり込んでいる――だろう。
野次馬もいる。
――大江の宗主さん、無事ですかね。
――まさか、道具を持ち込んでこれはねぇ。
――まあ、宗主さんが新しもの好きであの畑を耕す道具はすごく便利だたったけど。
犯人は「やはり」彼が尋ねる人であった。急いで家に向かった。
「ごめんください」
声をかけると使用人が飛んでくる。
「ああ、松永様でございますね。主は今……少々取り込んでおりまして」
「それより、ケガをされたとか?」
「まあ、かすり傷です……ってどこまで情報を……」
そこで野次馬が話していたと告げると、使用人は小さく笑って肩を落とした。
「爺様の説教の最中なので、中でお待ちしていただけますか? それとも、後ほど主に行くように告げましょうか?」
「……すぐに終わるだろう?」
「はあ……わかりませぬ」
光頼は待たせてもらうことにした。茶や茶菓子が出され、虎猫がもてなしてくれたりしつつ、小一時間待った。
しおれた紅葉が入ってきた。
けがをしたというより説教で疲労したほうが正しいと考えた。
「……うう」
「けがの具合はどうですか?」
「……な、なんで知っているのですか!」
顔を真っ赤にして袖で隠した。
「魔導トラック……直せば使えるのでしょう?」
「外が壊れただけで機械部分は壊れていません!」
そこまでひどい激突ではないと必死に告げる。
「……里まで物資を載せて運ぶつもりでしたのに」
それ自体はいいが、まずは練習がいるということは確実だ。
頭でわかっているが体がついて行かないのだろうなと光頼は考える。
「お待たせして申し訳ありませんでした」
「いや、虎猫が遊んでくれました」
紅葉から嫉妬のまなざしを受けた。
「ところで紅葉殿は『エトファリカ・ボード』と言うのは知っていますか?」
「耳には挟みました。女官たちがそわそわしていましたから……でも、必要な話は回ってこないんですよね。遺失物ならこの符術師が占って進ぜよーとか? まあ、そんなにわかるのでしたら、立花院様も困らないですね」
紅葉が好奇心を光頼に向ける。
立花院 紫草(kz0126)が武家を前に告げた話を光頼は紅葉に話した。むやみに彼女が吹聴はしないだろうと認識はしている。一見ふわふわしている紅葉であるが、これまで彼女はしっかり渡ってきているのだ。
「そうなんですよね……小耳に挟んでから見覚えあるなぁとは思っているのですよ?」
「本当ですか!?」
「思い出せないのです。なんかあるなーと言う記憶がある記憶です」
紅葉が必死に首をひねる。
「あっ書庫か!」
紅葉がポンと手をたたく。光頼はこんな近くに手がかりがあったのかと驚く。
「里の、です」
光頼の期待のまなざしに紅葉が済まなそうな顔をしている。
「歪虚に飲まれたとき、大切な大切な記録達は亡くなっていますよ?」
紅葉が溜息をついた。こちらにある書庫は、持ち出せた大江家の家訓の冊子以外は都で買い求めたものばかりだと告げる。
「でも、書庫があったところを探すことは可能ですよね?」
「ええ」
紅葉自身、実家の書物が残っていることは嬉しいことだ。しかし、あの荒廃っぷりを見て期待は何もしていない。
光頼の様子を見れば「調べたいなら調べてもらった方がいい」という気になる。実際を見ないと納得しないだろう、探し物が重要な代物で宝物庫から消えたのだから。情報は喉から手が出るほど欲しいに違いない。
「分かりました。里に行きましょう」
「おおっ! ありがとう、紅葉殿」
「いえ」
「護衛兼ねた人手は幕府側とハンターを雇うことで補おう」
「……ええお願いします。あと、物資運ぶからトラックで行きたいです」
「……は?」
「トラック……」
「やめてください……危なすぎます」
紅葉はむくれた。
●調査依頼
光頼は依頼を出しにハンターオフィスの戸をくぐる。
「大江様の住んでいたところって、歪虚支配地域でしたよね、長い間」
情報を書き込む職員が疑問を呈する。聞いている光頼はうなずくのみ。
「なんか、残っていると思います?」
「何も残っていないと思うが、情報はないよりあるほうがいいからな」
光頼も期待はしていない。武家の者として何もしないのは問題だから動くのだ。
「大江家の書庫、残っていたらすごそうですね……いっそのことライブラリ使うとか?」
光頼が職員の言葉に目を見開くが、すぐに首を横に振る。
「書庫があったとして、その一冊一冊まで記憶されているかわからないし……そこまでに到達するのに、妖怪と全力で戦うか大江の者を説得するという作業がある」
確実性が薄い。
「まあ、里の掃除もかねてですね……ここ、虎猫の島ですから、今」
「!?」
「大江様が飼っていた虎猫からお告げをもらって、当時の半分ばかり虎猫と柴犬と驢馬を移動させたということですよ」
このままだと動物に乗っ取られますね、と職員は苦笑した。
「では、これで出しておきますね。大江家の里大捜索。書物あったらいいなの巻」
「本気で書いたのか?」
「……冗談です」
職員は大江家が住んでいた里の捜索の依頼を普通に登録したのだった。
解説
書庫があったはずなところで何か探そう
できれば【エトファリカ・ボード】に関して何か見つかればいいなぁ……
●同行NPC
大江 紅葉 陰陽寮所属の符術師。実家に書物があったのが懐かしい。発掘できるなら嬉しい。
松永 光頼 武家に属する二十代半ばの男性。【エトファリカ・ボード】について情報があったらと願う。
武家の者 4人。光頼の部下に当たる青年たち。まじめで人懐っこい。
●里の状況
天ノ都から一~二日かかる場所にある島。日中は道ができてつながるが、夜は島となる。
歪虚に支配されていた地域に当たるが、ハンターの協力を得て浄化を敢行した。そのため、範囲が及んだ周辺は歪虚に対する危険度は普通となっている。
住居の状況は、残っている物をどけて更地を作って新たに建てるということになる。ただし、物資輸送や人員を多く避ける状況ではないため、進みは遅い。橋を造る計画もあるがひとまずできることから。
里人や周囲の里の人の復興拠点は大江の里があった島ではなく、陸地側にある。
里にも一軒だけ拠点はあるが、紅葉が移住させた虎猫や柴犬と驢馬に占拠されている。念のためいえば、当番がいて世話をしているため、餌はきちんと食べている。
この動物たちは復興作業をする人たちにとっては、この地域に住む重要な動物であり、仲間であるから。
●里の大江家の家の状況
屋根はあるけれど穴だらけ。床はあるけれど腐っている、何とか立っている状況。
書庫があったあたりは何もありません。がれきが転がる状況です。
地下室があった可能性は否定はできません。
スコップやつるはしなど、掘るのに必要そうな道具は貸し出しされます。
●描写の状況
天ノ都と里の往復については省略します。
若干の時間差はあると思いますが、到着して一泊後「朝から夜まで」の行動をプレイングに記載していただければ幸いです。
できれば【エトファリカ・ボード】に関して何か見つかればいいなぁ……
●同行NPC
大江 紅葉 陰陽寮所属の符術師。実家に書物があったのが懐かしい。発掘できるなら嬉しい。
松永 光頼 武家に属する二十代半ばの男性。【エトファリカ・ボード】について情報があったらと願う。
武家の者 4人。光頼の部下に当たる青年たち。まじめで人懐っこい。
●里の状況
天ノ都から一~二日かかる場所にある島。日中は道ができてつながるが、夜は島となる。
歪虚に支配されていた地域に当たるが、ハンターの協力を得て浄化を敢行した。そのため、範囲が及んだ周辺は歪虚に対する危険度は普通となっている。
住居の状況は、残っている物をどけて更地を作って新たに建てるということになる。ただし、物資輸送や人員を多く避ける状況ではないため、進みは遅い。橋を造る計画もあるがひとまずできることから。
里人や周囲の里の人の復興拠点は大江の里があった島ではなく、陸地側にある。
里にも一軒だけ拠点はあるが、紅葉が移住させた虎猫や柴犬と驢馬に占拠されている。念のためいえば、当番がいて世話をしているため、餌はきちんと食べている。
この動物たちは復興作業をする人たちにとっては、この地域に住む重要な動物であり、仲間であるから。
●里の大江家の家の状況
屋根はあるけれど穴だらけ。床はあるけれど腐っている、何とか立っている状況。
書庫があったあたりは何もありません。がれきが転がる状況です。
地下室があった可能性は否定はできません。
スコップやつるはしなど、掘るのに必要そうな道具は貸し出しされます。
●描写の状況
天ノ都と里の往復については省略します。
若干の時間差はあると思いますが、到着して一泊後「朝から夜まで」の行動をプレイングに記載していただければ幸いです。
マスターより
こんにちは、狐野径です。
大江、紅葉、魔導ドラックデビュー。結果、自損事故。操縦方法が頭では分かっているのですが、技術が追いつかないわけです。
さて、今回は里の方で探し物です。
書庫は残っているのでしょうか?
どこかの家に残されているのでしょうか?
よろしくお願いします。
大江、紅葉、魔導ドラックデビュー。結果、自損事故。操縦方法が頭では分かっているのですが、技術が追いつかないわけです。
さて、今回は里の方で探し物です。
書庫は残っているのでしょうか?
どこかの家に残されているのでしょうか?
よろしくお願いします。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2017/11/19 18:37
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 エルバッハ・リオン(ka2434) エルフ|12才|女性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2017/11/14 07:47:10 |
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【質問卓】 メイム(ka2290) エルフ|15才|女性|霊闘士(ベルセルク) |
最終発言 2017/11/13 20:49:43 |
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プレ公開 メイム(ka2290) エルフ|15才|女性|霊闘士(ベルセルク) |
最終発言 2017/11/13 20:51:28 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/11/12 23:29:17 |