ゲスト
(ka0000)
【羽冠】知追う者、結婚話に巻き込まれる
マスター:狐野径

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや易しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 3~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2018/04/17 07:30
- リプレイ完成予定
- 2018/04/26 07:30
オープニング
●新聞を片手に
大江 紅葉は刻令術の農具をもう少し借りれるか交渉もしたいし、古都アークエルスの王立図書館にも調べ物で行きたいし、せっかくなら王都イルダーナも見たいという観光欲求もあった。
すべてをするには時間が足りないため、優先順位をつけた。
結果、情報収集を兼ねて農具のレンタルに走る。そして、ヘクス・シャルシェレット(kz0015)がどうなっているかも聞く。直接会ったことはないが、紅葉の行動のなかで気になる人物ではある。
しかし、世間で流れているような噂しかない。そのため、回復を願っているという旨を伝えるのみにとどまった。
「アカシラ殿ともっとマメに文通をしていればよかったです!」
アカシラ(kz0146)はこの国にいるはずなのだ……と思っている時点で情報を正確に得ていないし、文通どころか一度会って以降何もしていないのが露呈している。
「このまま情報不足で帰路につくのも不満です!」
町で号外を手にして、とりあえず、知り合いのところに直撃することにした。前もって約束もしていないので、あってもらえない可能性はあるが、それはそれだと考える。
別件のこともあり、その町の状況は気になっていた。
「転移門は便利です。とはいえ疲労しているはずですよね。今日は、ここで宿でも取りたいですね……」
王国で一泊することは織り込み済みなのでかまわない。
丘が背後にあり、川も流れる町。
「川には精霊がいると聞きました! 拝見ではなく、お会いしたいですね」
領主の屋敷に向かって歩いていく。
それにしても、街の雰囲気がよろしくない。
この町の懸念事項は解決しているはずだ。前領主の子息ニコラス・クリシスが災厄の十三魔の一人レチタティーヴォによって歪虚にされたというもの。大本のレチタティーヴォはすでにいなかったし、歪虚となりプエル(kz0127)として行動していたニコラスもハンターに討伐された。
先日、祭りもあってにぎわったと聞いているのに、なぜか雰囲気がよろしくない。
いや、グラズヘイム王国に来てから、どうも雰囲気が良くない。
明るいのによくない。
歪虚が絡んでいるという雰囲気の悪さではなく、紅葉の中でこうもやもやするよくなさだ。
この町ではよく耳を澄ます。
「……えー、王女様? 結婚?」
道の隅っこに移動して、手にした号外を見た。
「……あー、これはこれで……どこでもある話ですよね……」
エトファリカ連邦国陰陽寮で万年下っ端役人の予定の紅葉にもちらりほらり耳に入ることもある。
「国の運命を決めることですし、本人の運命にも至ります。政略を考慮したとしても感情はあるのです……」
この国に来てそわそわしていることがすべてこれで理解できた。
異端審問には王家関係者に騎士それとエクラ教が関わり、システィーナ・グラハム(kz0020)王女の進退も含めれば、貴族だけでなく民の運命も絡む。
「嫌ですね」
紅葉は自分の気楽さをかみしめたが、そういう立場でないのは重々承知している。ただ、紅葉の大江家はすでに親族もおらず、紅葉のみという状況。
紅葉は号外を荷物にしっかりしまって歩き始めた。
●領主の屋敷
入口に立派な馬車が止まっている。紋章を見るとこの町にいる領主のものではないし、王国主要貴族の物でもないと読み取った。まあ、隣近所の人だろうとは目星をつける。
横目に見つつ、紅葉は門番に声をかける。
門番は領主親子の知り合いだと理解し、歓待して中の者に取り次いだ。取次ぎを待っている間に、中から立派な格好をした男性が出てくる。
「ぜひとも当家の……」
紅葉の存在に気づいて挨拶に切り替え去っていった。彼は馬車に乗り込む。
(どうやらどこかの人の使者ですね)
紅葉はその男の人相等を見ておく。
「大江様!」
ジョージ・モースが目を丸くするが、非常にうれしそうな表情に変わる。青年の騎士で、領主のイノア・クリシスに仕えている。
「すみません、取込み中ですよね」
「いえ、むしろ、迷惑をかけるかもしれませんが、大江様に会うとイノアさまもほっとすると思います」
イノアは紅葉を命の恩人と感じかつ姉のように慕っているのは事実だ。
紅葉は嫌な予感がするが、妹のようなイノアを放置できなかった。
部屋に通された直後、深刻そうな表情のイノアと父親のウィリアムはぱあと顔を明るくし、近況報告から入って問題を切り出した。
先ほどの使者は川を挟んだ隣の領地の領主の者で、イノアと縁談を持ってきたというのだ。
それもそれとなくこれまでも縁談を持ちかけてきていたのだが、今回システィーナ王女にかこつけて話を持ってきたというのだ。
「養子でいいと言ってきていますが、長男を選ぼうが次男を選ぼうが乗っ取られるのは必至です」
派閥等を考えればよい話ということもありうる。しかし、近すぎて魂胆が見え見えでクリシス家にとって一切いいことはない。
「それは大変なことです」
「実際、結婚するにはどういう相手を選ぶべきか、同じ派閥から選ぶ方が良いようですが、違う派閥を考えるべきでもあります」
イノアは眉を寄せる。
「しかしな……ニコラスがいるということもあって、あちらは同じ考えを持つ者から選び、イノアは……ということを考えていた」
ウィリアムはバランスの取れた政略結婚を検討していたという。彼自身、結婚相手はそうであるが、互いに好きであったためあまり政略という気持ちは少なかった。
「政略結婚は必須ですか?」
紅葉が一応と言うと、二人は顔を見合わせる。
「正直言うと、何も考えていません」
「ニコラスが死んだあと、時間が止まったというか……」
二人は困惑する。
「例えば、婚約者、実はいるんです、というのはどうでしょうか?」
「ある程度距離が離れていて協力してくれそうなのはベリンガーのところだが……」
「それか、相手のあらを探すとか……まあ、これはあったとしても……」
クリシス家の方が痛手を被るためありえないとウィリアムが横に首を振り、イノアが父を冷たい目で見た。
「建設的に言えば、情報は集めるだけ集めればいいですし、イノアさんの相談もかねてハンターに協力を仰ぐというのも一つですよ」
紅葉の提案にイノアとウィリアムは首肯したのだった。
大江 紅葉は刻令術の農具をもう少し借りれるか交渉もしたいし、古都アークエルスの王立図書館にも調べ物で行きたいし、せっかくなら王都イルダーナも見たいという観光欲求もあった。
すべてをするには時間が足りないため、優先順位をつけた。
結果、情報収集を兼ねて農具のレンタルに走る。そして、ヘクス・シャルシェレット(kz0015)がどうなっているかも聞く。直接会ったことはないが、紅葉の行動のなかで気になる人物ではある。
しかし、世間で流れているような噂しかない。そのため、回復を願っているという旨を伝えるのみにとどまった。
「アカシラ殿ともっとマメに文通をしていればよかったです!」
アカシラ(kz0146)はこの国にいるはずなのだ……と思っている時点で情報を正確に得ていないし、文通どころか一度会って以降何もしていないのが露呈している。
「このまま情報不足で帰路につくのも不満です!」
町で号外を手にして、とりあえず、知り合いのところに直撃することにした。前もって約束もしていないので、あってもらえない可能性はあるが、それはそれだと考える。
別件のこともあり、その町の状況は気になっていた。
「転移門は便利です。とはいえ疲労しているはずですよね。今日は、ここで宿でも取りたいですね……」
王国で一泊することは織り込み済みなのでかまわない。
丘が背後にあり、川も流れる町。
「川には精霊がいると聞きました! 拝見ではなく、お会いしたいですね」
領主の屋敷に向かって歩いていく。
それにしても、街の雰囲気がよろしくない。
この町の懸念事項は解決しているはずだ。前領主の子息ニコラス・クリシスが災厄の十三魔の一人レチタティーヴォによって歪虚にされたというもの。大本のレチタティーヴォはすでにいなかったし、歪虚となりプエル(kz0127)として行動していたニコラスもハンターに討伐された。
先日、祭りもあってにぎわったと聞いているのに、なぜか雰囲気がよろしくない。
いや、グラズヘイム王国に来てから、どうも雰囲気が良くない。
明るいのによくない。
歪虚が絡んでいるという雰囲気の悪さではなく、紅葉の中でこうもやもやするよくなさだ。
この町ではよく耳を澄ます。
「……えー、王女様? 結婚?」
道の隅っこに移動して、手にした号外を見た。
「……あー、これはこれで……どこでもある話ですよね……」
エトファリカ連邦国陰陽寮で万年下っ端役人の予定の紅葉にもちらりほらり耳に入ることもある。
「国の運命を決めることですし、本人の運命にも至ります。政略を考慮したとしても感情はあるのです……」
この国に来てそわそわしていることがすべてこれで理解できた。
異端審問には王家関係者に騎士それとエクラ教が関わり、システィーナ・グラハム(kz0020)王女の進退も含めれば、貴族だけでなく民の運命も絡む。
「嫌ですね」
紅葉は自分の気楽さをかみしめたが、そういう立場でないのは重々承知している。ただ、紅葉の大江家はすでに親族もおらず、紅葉のみという状況。
紅葉は号外を荷物にしっかりしまって歩き始めた。
●領主の屋敷
入口に立派な馬車が止まっている。紋章を見るとこの町にいる領主のものではないし、王国主要貴族の物でもないと読み取った。まあ、隣近所の人だろうとは目星をつける。
横目に見つつ、紅葉は門番に声をかける。
門番は領主親子の知り合いだと理解し、歓待して中の者に取り次いだ。取次ぎを待っている間に、中から立派な格好をした男性が出てくる。
「ぜひとも当家の……」
紅葉の存在に気づいて挨拶に切り替え去っていった。彼は馬車に乗り込む。
(どうやらどこかの人の使者ですね)
紅葉はその男の人相等を見ておく。
「大江様!」
ジョージ・モースが目を丸くするが、非常にうれしそうな表情に変わる。青年の騎士で、領主のイノア・クリシスに仕えている。
「すみません、取込み中ですよね」
「いえ、むしろ、迷惑をかけるかもしれませんが、大江様に会うとイノアさまもほっとすると思います」
イノアは紅葉を命の恩人と感じかつ姉のように慕っているのは事実だ。
紅葉は嫌な予感がするが、妹のようなイノアを放置できなかった。
部屋に通された直後、深刻そうな表情のイノアと父親のウィリアムはぱあと顔を明るくし、近況報告から入って問題を切り出した。
先ほどの使者は川を挟んだ隣の領地の領主の者で、イノアと縁談を持ってきたというのだ。
それもそれとなくこれまでも縁談を持ちかけてきていたのだが、今回システィーナ王女にかこつけて話を持ってきたというのだ。
「養子でいいと言ってきていますが、長男を選ぼうが次男を選ぼうが乗っ取られるのは必至です」
派閥等を考えればよい話ということもありうる。しかし、近すぎて魂胆が見え見えでクリシス家にとって一切いいことはない。
「それは大変なことです」
「実際、結婚するにはどういう相手を選ぶべきか、同じ派閥から選ぶ方が良いようですが、違う派閥を考えるべきでもあります」
イノアは眉を寄せる。
「しかしな……ニコラスがいるということもあって、あちらは同じ考えを持つ者から選び、イノアは……ということを考えていた」
ウィリアムはバランスの取れた政略結婚を検討していたという。彼自身、結婚相手はそうであるが、互いに好きであったためあまり政略という気持ちは少なかった。
「政略結婚は必須ですか?」
紅葉が一応と言うと、二人は顔を見合わせる。
「正直言うと、何も考えていません」
「ニコラスが死んだあと、時間が止まったというか……」
二人は困惑する。
「例えば、婚約者、実はいるんです、というのはどうでしょうか?」
「ある程度距離が離れていて協力してくれそうなのはベリンガーのところだが……」
「それか、相手のあらを探すとか……まあ、これはあったとしても……」
クリシス家の方が痛手を被るためありえないとウィリアムが横に首を振り、イノアが父を冷たい目で見た。
「建設的に言えば、情報は集めるだけ集めればいいですし、イノアさんの相談もかねてハンターに協力を仰ぐというのも一つですよ」
紅葉の提案にイノアとウィリアムは首肯したのだった。
解説
イノア・クリシスの縁談をどうするか、悩みの相談
メトーポン家の長男・次男について調査
その他
●クリシス家とメトーポン家
川を挟んで町がある。互いの利益となるため、川を渡っての商業活動は活発である。そのため船で行き来も橋での行き来も自由である。
両領主の考え方は領地の繁栄を願うのは同じだが、貴族として王家への考え方は違う。
クリシス家はあくまで領民と王のために行動をとるのが貴族であり領主と考えている。
メトーポン家は領民と自分たちの利益のために行動するのであり、王の介入を喜ばない。
クリシス家の弱みはプエルの件。精神的に弱ったウィリアムが一時的にプエルをかくまったり、べリアル側を切り崩したいプエルの頼みを聞き入れ共闘したり、プエルが隣の領地で悪さしたり、など。
●NPC
・大江 紅葉 巻き込まれたエトファリカ連邦国、陰陽寮符術師。特にすることがなければ精霊のところにいく。
・イノア・クリシス 16歳くらい、女性。しっかりしているが、気を張りすぎている感じはある。ハンターのおかげで肩の力は抜けてきている。結構なブラコンだったけれども自覚はない。
・ウィリアム・クリシス すでに隠居の身であるのを生かし、イノアを支える。結婚問題は、王女の件にかこつけられても困るけれど、今後を考えるとどうにかしないといけない。
●メトーポン家の長男と次男の傾向
・リアン・メトーポン 長男、21歳。年が近い上、長子という立場、川を挟んで隣同士ということでクリシス家の長男と比べられやすかった。そのせいで、表面上は穏やかそうだが、キレルと手を付けられなくなるとか陰湿ないじめをする傾向がある。
・レオン・メトーポン 次男、19歳。のびのびと育ち、遊びに武術に全力投球をしてきた。それなりに町では人気はある。クリシス家についてはいいお隣さん、家は兄が継ぐと思っているため特に何も考えない感じ。
メトーポン家の長男・次男について調査
その他
●クリシス家とメトーポン家
川を挟んで町がある。互いの利益となるため、川を渡っての商業活動は活発である。そのため船で行き来も橋での行き来も自由である。
両領主の考え方は領地の繁栄を願うのは同じだが、貴族として王家への考え方は違う。
クリシス家はあくまで領民と王のために行動をとるのが貴族であり領主と考えている。
メトーポン家は領民と自分たちの利益のために行動するのであり、王の介入を喜ばない。
クリシス家の弱みはプエルの件。精神的に弱ったウィリアムが一時的にプエルをかくまったり、べリアル側を切り崩したいプエルの頼みを聞き入れ共闘したり、プエルが隣の領地で悪さしたり、など。
●NPC
・大江 紅葉 巻き込まれたエトファリカ連邦国、陰陽寮符術師。特にすることがなければ精霊のところにいく。
・イノア・クリシス 16歳くらい、女性。しっかりしているが、気を張りすぎている感じはある。ハンターのおかげで肩の力は抜けてきている。結構なブラコンだったけれども自覚はない。
・ウィリアム・クリシス すでに隠居の身であるのを生かし、イノアを支える。結婚問題は、王女の件にかこつけられても困るけれど、今後を考えるとどうにかしないといけない。
●メトーポン家の長男と次男の傾向
・リアン・メトーポン 長男、21歳。年が近い上、長子という立場、川を挟んで隣同士ということでクリシス家の長男と比べられやすかった。そのせいで、表面上は穏やかそうだが、キレルと手を付けられなくなるとか陰湿ないじめをする傾向がある。
・レオン・メトーポン 次男、19歳。のびのびと育ち、遊びに武術に全力投球をしてきた。それなりに町では人気はある。クリシス家についてはいいお隣さん、家は兄が継ぐと思っているため特に何も考えない感じ。
マスターより
こんにちは、狐野径です。
エトファリカ連邦国陰陽寮所属符術師、グラズヘイム王国の問題に巻き込まれるの巻です。
タイトル長いのであのようになりました。紅葉の縁談は関係ないです。
話を聞くとか、世間話するような話です。町の行き来は自由です。紅葉はハンターに状況を丸投げした後、町をうろついています。
よろしくお願いします。
エトファリカ連邦国陰陽寮所属符術師、グラズヘイム王国の問題に巻き込まれるの巻です。
タイトル長いのであのようになりました。紅葉の縁談は関係ないです。
話を聞くとか、世間話するような話です。町の行き来は自由です。紅葉はハンターに状況を丸投げした後、町をうろついています。
よろしくお願いします。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2018/04/22 18:12
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
相談卓 レイア・アローネ(ka4082) 人間(クリムゾンウェスト)|24才|女性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2018/04/17 01:12:40 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/04/17 01:09:28 |