王国暦1018年――。
　ついに大精霊の救出とダモクレスの破壊を目的とした、「反影作戦」が開始された。
　クリムゾンウェスト連合軍はこの作戦を邪神討伐の第一歩とし、世界の命運を賭けた戦いに向け大規模な部隊を編制した。
　グラウンド・ゼロと呼ばれる高度汚染地域であるがゆえに、非覚醒者の力を借りる事は困難であったが、それでも先に行われたダモクレス威力偵察作戦とは比べ物にならない大部隊にて作戦は決行される。
「ざっくばらんに言って、この作戦には世界の命運がかかっているわ。今の戦力で邪神翼に対抗できるのか、そして大精霊を救出できるのか……成功すれば人類は邪神から明確な勝利をもぎ取ることになるものね」

　クリムゾンウェスト連合軍は地上2kmにも及ぶ巨大な要塞でもあるダモクレスを包囲し、じわじわと距離を詰めていく。
　包囲網により敵の戦力が分散すれば、それだけダモクレス攻略部隊が楽になっていく道理であった。
「ダモクレスは邪神翼……つまり邪神の一部。だから、恐らくほぼ無尽蔵に歪虚を出現させられるはずよ」
　ベアトリクス・アルキミアの説明通り、この戦いは長期戦になればなるほど人類側が不利になっていく。
「ダモクレスは小型のソードオブジェクトを出現させ、更にそこから歪虚を呼び出している。全滅させるのは困難でしょうね」
　故にこの戦いは敵の注意を引き付けること、そして少しでも頭数を減らす事が目的となる。
「あとは、後続の仲間の進軍を支援する事ね。あなた達もそれぞれ別に仕事を抱えているでしょうから、忙しいでしょうけれど……かなりの乱戦が想定されるから、否応なく敵とは遭遇しちゃうと思う。その時ついでにやっつけてくれればいいからね♪」

　……等と、簡単に言ってくれたものだが……。

　彼方に聳えるダモクレスへ走るハンター達の行く手を阻むように、ソードオブジェクトが次々と大地へ突き刺さる。
　転移で出現する歪虚たちは増える一方で、目的地にたどり着くだけでも一苦労だ。
　ハンター達はダモクレスを目指し、赤く荒涼とした大地を駆けていく……。

※当シナリオはハントシステムとなります。ＧＭによるリプレイの執筆は行われません。
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