「……というわけで、今度はおぬしらに精霊の救出を頼みたい」
　ナディア・ドラゴネッティに集められたハンター達は、新たな作戦の説明に耳を傾けていた。
　スノードニア国立公園から完膚なきまでに歪虚を殲滅したハンター達。
　今度は血盟作戦の後、世界各地に顕現したという精霊の保護任務につくことになった。
「顕現したての精霊は、自意識が薄かったり自分がどこで何をしていたのか、急にわからなくなったりするらしくての。そういった自衛能力を持たない精霊は歪虚の餌食になりやすいのじゃ」
　精霊と言えば正のマテリアルの塊。それが自衛手段もなく無抵抗に餌食にできるとすれば、歪虚にとってはこの上ない好機だろう。
　実際、世界各地に顕現した精霊を巡る事件は徐々に規模を広げている。
　特に強力な歪虚が強力な精霊を狙っているわけではなかったとしても、状況を放置するわけにはいかない。
「世界各地で精霊の目撃情報のある場所に赴き、歪虚に襲われている場合はこれを救出してほしい。
　覚醒者にとって精霊は新たな同胞、そして力の源になる可能性がある。
　つまりこれは、ハンターと歪虚による精霊の争奪戦と言えるのかもしれない。
「それと、精霊を救出する際には“星石”と呼ばれるマテリアル鉱石についても注意を向けて欲しい」
　既に精霊との邂逅を果たしたハンターの中には、星石と呼ばれるアイテムを手にしたものがいる。
　それは大精霊の意思の片鱗であり、ハンターに新たな力を授ける為に必要なのだという。
「星石も大きさはマチマチでのう。それなりにまとまった大きさのものは、今後使うかもしれぬので個人的にとっておくがよい。だが利用するのが難しそうな小さな欠片に関しては、ソサエティでも買取をおこなっておる」
　新たなハンターの力、「サブクラスシステム」の開発には星石の研究が不可欠だ。
　だが星石はその絶対数が不足しているし、何より高純度・高質量のものは希少だ。そういったものは、実際にサブクラスシステムを起動する時に使うことになるだろう。
　故に、小さな欠片に関してはソサエティでも買取り、そうでないものはハンターが保管しておくように指示が下っていた。
「小さな欠片もいずれは利用法が見つかるかもしれぬ。いつか使うと思うのであれば、ソサエティに納品せずとも構わぬ。じゃが、協力してくれるのであれば報酬は弾もう」

　精霊はこの世界のどこにでも前触れなく出現する。
　そして同じく、どこにでも出現するのが雑魔と呼ばれる位の低い歪虚たちだ。
　元々この世界を自由自在に闊歩するには力の弱い雑魔たちは、人目を忍んで細々と活動していることも多い。
　だが、そんな彼らも自衛能力を持たない精霊であれば狩ることができる。そうやってマテリアルを蓄積し、より高位の歪虚になる可能性もあった。
　当たり前の草原や森、河原や人里の近くでも、精霊と雑魔の衝突を見かけることになった。
　そういった場合すぐさまハンターに連絡が届き、精霊を救出する任務が与えられるのだった。

※当シナリオはハントシステムとなります。ＧＭによるリプレイの執筆は行われません。
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